脳のトレーニング「普段は使わないスーパーで食材を買って料理をする」

決断を迫られるときというのは誰にでも訪れます。どちらを選ぶか非常に迷います。そんなとき、考えに考えて熟慮したところでいい結果を生み出すとは限りません。
それに、決断に時間がかかれば優柔不断といわれかねません。時には即座に直感で判断していくことも必要になります。迷った末に、直感で決めた場合、「なぜそうしたの?」と尋ねられても答えられないことがあります。そのため、直感はいい加減な判断だと思われがちですが、それは間違っています。

直感とは、あなたの記憶の蓄積、つまり、人生経験の中からでてくるものです。ですから、結果的に正しい道を選択していることが多いのです。じつはこうした直感には、右脳が大きな役割を果たします。

右脳の働きによってできる判断は、第六感、あるいはカンといってもいいかもしれません。動物であれば、ほかの大きな動物に追われ、うまく逃げ切れないと命にかかわることもあります。

そんなときはすばやい判断で逃げ道を探さなければなりません。右脳はそんなときに役立っているのです。直感を鍛えるのは、人生の苦労や悩みです。計算や論理思考というものは、だれがやっても結果が同じになることが大事ですが、物事の決断にははつきりとした正解などありません。

自分の経験だけが頼りです。若いときの直感はまだまだ未熟です。年を重ねるごとに磨かれていきます。若者の武器は「若い感性」、熟年の武器は「直感」や「総合判断能力」といえます。世の中では、上の立場になるにつれ、即決を求められる機会が多くなります。
それゆえに、若いころから多くの人生経験や実体験を積むことが大切です。とくにいまの世代のようにバーチャルな経験だけでは、直感力を高めることはできません。

右脳を鍛えるには、視覚的な刺激が一番です。本を読む際、ゆっくり理解して読んでいくと左脳の言語中枢を使ってしまうので、速読術では右脳をフルに使って、各ページ中の文字をイメージで焼き付けて理解していこうとします。

信じられないようなスピードで読んでも、内容を覚えていられるのはそのためです。とはいっても、右脳が鍛えられるからといって、好きでもない本を速く読むというのは、あまり楽しいものではありません。それよりも、日常の中で、右脳刺激になるものを見つけたほうがずっといいでしょう。

たとえば、これまで行ったこともないスーパーへ行ってみるのです。通い慣れたスーパーとの品ぞろえの違いに驚くと同時に、どこに何があるのか探さなければいけないので、見知らぬ土地を地図なしで迷ったときのように、空間的な思考も求められます。空間的な思考は右脳の役目ですから、これによって右脳が刺激されます。「地誌的失認」といって、脳卒中などで右脳の頭頂葉(頭のてっぺんあり)や海馬の一部が壊れると、日本地図を見て、大阪や東京がどこにあるのかわからなくなってしまいます。また、認知症がひどくなると、自分の家がどこにあるのかわからなくなり、家に戻ってこられなくなったりします。

これらは右脳の障害によるものです。わざわざ遠くのスーパーヘ行くのは、面倒なことです。しかし、その面倒なことが脳にとっては意味があるのです。脳を刺激するために、いままで行つたことのないスーパーに行ってみましょう。