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脳のトレーニング「コーヒーが好きなら利き腕とは逆手で日本茶を飲む」

誰にも利き腕というのがありますが、右手の運動は左脳でコントロールされているので、普段の運動は主に左脳を使っていることになります。

これは耳でもいえることです。右利きの人は、電話をしながらメモを取るとき、右手にペンを持ち、左耳で聴くのが普通です。

無意識での動作のときに、こうした利き腕、利き耳を使います。しかし、脳に仕事をさせ、脳神経細胞を活性化するには、脳に自分の行動を意識させることが大切です。

そこで、時には、利き腕でないほうを使ってみると、脳にとって新しいよい刺激になります。たとえば、毎日のお茶の時間。利き腕ではないほうの手でカップを持ってみてはどうでしょうか。

また、その際、いつもコーヒーを飲んでいるなら日本茶に変えてみることも、脳の活性化を促します。
なぜなら、普段、「日本茶を入れる」という行為をあまりしていない人の場合、まずお茶の歯をどれくらい入れればいいのかがわかりません。「これくらいかな」と自分なりに考えて、それを急須に入れます。

お湯を注ぐときも、熱いほうがいいのか、少しさましておいたほうがいいのかと、また、悩みが生じます。たったこれだけの行為ですが、「日本茶を入れて飲む」という新しい回路を脳の中につくることができます。
「お茶を飲む」という、日常の何気ない行為でも十分に、脳を刺激することができるのです。

さらに、お茶やコーヒーにはもう1つ別な意味があります。それは、「勉強をしよう」とか、「仕事をしよう」というときの「儀式」として、活用できることです。
「自分はこういう手順を踏めば、緊張感を高め、脳を一番効率よく使えるのだ」という儀式があれば、仕事や勉強において一気に集中力を高めることができます。

脳のトレーニング「通勤、通学を遠回りして最長距離を歩く」

ストレスは、トレーニングの緊張状態同様、脳をイキイキさせるのに非常に重要な役割を果たします。一般的には、ストレスをマイナスに考える傾向が強いようですが、決してそんなことはないのです。

ストレスがかかると、脳は危険な状態から脱するために懸命に働きます。そのため、いつもより的確な判断ができたり、頭の回転がよくなったように感じたりします。

ストレスがかかると、脳内ではアドレナリンという神経伝達物質が分泌され、働くスピードがアップします。神経伝達物質は脳にとっては器械の潤滑油のようなものであり、たくさん分泌されると脳の働きはスムーズになります。

そこで、日常生活の中で、そんなちょっとしたストレスを体験してみるのがおすすめです。

自宅から目的の駅までのいろいろな行き方を調べ、実際に行ってみることです。通勤で電車の乗り換えがある場合、乗換駅での歩く距離を減らすために、乗り込む車両の位置を決めている人がいます。毎日乗っていればそうなるのも当たり前です。

しかし、いつも同じ場所に立って、無意識に電車に乗り込み、無意識に乗り換えをして、という通勤スタイルでは、ほとんど頭を使いません。

ただ習慣的に電車に乗っているだけです。もっと頭を使って電車に乗るには、できるだけ不便な方法を選ぶことです。不便な思いを1つ1つクリアしていく中で、いろいろなことを考えます。また、乗り継ぎの悪い路線を選べば、知らない駅を歩くことになります。
それもまた楽しみの1つです。降りたことのない駅を歩き、見知らぬ風景を見ていくことで、自然と脳は刺激を受けることになります。

電車ではなくバスで行ってみるという方法もあります。普段、バスなど乗り慣れていない人には、「こんな道があったのか」「こんな風景が広がっていたのか」と新しい驚きがいっぱいでしょう。また、電車とは違うバスの乗り心地に新鮮さを感じることもあるでしょう。

最近は携帯電話でもナビが使えるようになり、目的地へ行くための複数のルートが検索できます。脳をイキイキとさせるには、なにも海外旅行へ行かなくとも、通勤や通学で電車やバスを利用すれば十分できてしまうのです。
面倒くさいと思ったら脳は成長をストップしてしまいます。脳は年齢に関係なく細胞を増やし、ネットワークを広げることができます。それを可能にするのは、ストレスをわざわざ自分に課すという努力なのです。
効率でなくて非効率をあえて選ぶことを脳にかすと言うことです

脳のトレーニング「たまには緊張が高まるぐらいの高い買い物をしてみる」

高い買い物をするときは、緊張したり、胸が高鳴って、そしてさんざん迷ったりするものです。これは、精神的なストレスがかかっている状態です。
そこで、思い切って買ってしまうと、そんな緊張状態から解放されます。買うことによってストレスの解消ができるわけです。

高価な買い物は、普通の買い物よりも、「無駄にしてはいけない」「役立たせないといけない」「本当に自分に必要?」と思い、大きな緊張を伴います。

その緊張感が脳にとっては、非常に重要です。緊張状態というのは、からだの中でアドレナリンという神経伝達物質がでている状態です。この物質は、からだを防御する作用があり、また心臓や呼吸の機能をアップさせます。

もちろん脳にも「全力をだせ」と指令をだします。だらだらしている状態では、記憶力もアップしません。緊張感は脳にとってマイナスと考えがちですが、適度な緊張感は脳を元気にしてくれます。試験は緊張すると十分な実力がだせないと思いがちですが、そんなことはありません。

逆に、緊張感によって実力以上の力をだせる場合があるのです。もちろん、緊張感は長く続けば、脳にとってマイナスです。しかし、適度な緊張感は、脳が十分な能力を発揮するためには必要不可欠なのです。

自分を追い込む方法として、お金をだすという行為は大切なことです。買うという行為は、軽度のストレスを自分にかけます。会社や人から借りたものでは、そんなに真剣になれません。買うという行為は、たくさんの無駄を生み出します。

必ずしも買った物が100%役立つわけではありません。それでも新しい物を買ったほうが、何もしないより刺激的で、緊張感があります。

そして、脳を活性化させます。以前に比べれば安価になったとはいえ、それでもパソコンは安い買い物ではありません。こうした10万円以上もつぎ込んで買うというその緊張感が、真剣にそれを使いこなし、役立たせようという気持ちにさせるのです。

英会話の高い教材を買う場合も、同じような意味があります。場合によっては、その緊張感が3日坊主で終わってしまう場合もあるでしょう。しかし、たとえ三日間であっても、脳は十分に元気になれます。

また、物を買う際には、どこかに動機があるはずです。そのため、新しい物への情報をどこかで収集するでしょうし、常に自分のアンテナを張り巡らせているはずです。物を買うというのは、衝動的な行動のように見えますが、それ以前から、自分なりにさまざまな情報を集めた結果なわけです。そうした生き方こそが、脳にとっては大切です。お金は無駄にしないという堅実な生き方もいいでしょう。
しかし、脳を刺激的にするには、高価な物を買うリスクだって時には必要なのです。

脳のトレーニング「ランチは毎回店をかえてそして…」

普段、憤れないことをすると心身ともに疲れます。たとえば、新しい電化製品。買ってきたばかりの新しい電化製品は、そのやり方に慣れるまで時間がかかります。

しかし、その家電製品に慣れるにしたがい使い方もスムーズになりますそして、疲れを感じなくなります。

パソコンでも同様です。キーボードも慣れていないと、キーを見ながら一字一字確認して打っていくので、非常に疲れる「仕事」となります。
しかし、慣れてしまえば、何時間続けて打っても座っていること以外の疲労はなくなります。

慣れるということは、大脳や小脳の中に手続き記憶となってプログラムができあがったことを意味します。プログラムができあがると、その動作は無意識のうちに行なえるようになります。

しかし、それは逆に、脳を十分に刺激することができなくなることでもあります。そこで、脳を元気にしようと思ったら、「慣れないこと」をするのです。

自動車の運転のような記憶は、小脳の中にしまい込まれた手続き記憶です。そのため、何年も覚えておくことが可能です。
しばらく運転しないでいても、ほんの少し運転をすればすぐに運転の感覚は戻ってきます。

けれども、脳の中にすでにプログラムができあがっているため、レーサーのような、極限に挑戦する運転でもしない限り、何度運転したところで、脳の中に新しいネットワークをつくることはできません。

ネットワークをつくるには、常に新しい経験、刺激を求めることが重要です。そこで、運転で頭を鍛えるとすれば、慣れない単に乗ることでしょう。
友人の車、レンタカーでも、何でもいいのです。慣れない車は非常に緊張しますが、それがいいのです。シフトレバーの位置や、ハンドルの感覚も違いますから、同じ車とはいえ手順が違い、イライラしてきます。しかし、だからこそ脳を使い、十分な刺激になるのです。

自動車以外にも、脳を刺激する道具は、日常生活にはたくさん転がっています。レストランでの食事などもその1つです。レストランでメニューを見て注文するとき、どちらかというと食べ慣れたものを注文することが多いでしょう。

しかし、それでは無意識の行動に近くなり、脳を働かせることができません。そこで、普段なら注文しないようなメニューを選ぶのです。
そうすれば、これまで食べたことのないものがでてくる可能性が高く、新しい発見ができます。こうしたちょっとした挑戦こそ、脳にとってのいい刺激になるのです。

慣れは無意識の行動になっていきますから、脳に余計な負担をかけなくてもよくなります。だから、同じことを繰り返すことは、人間にとっては楽です。しかし、楽であることは、それだけ脳にとっては刺激がないことです。これでは、脳の中に新しいネットワークをつくつていくことはできません。

人間には2つの心があります。「同じ状態でいたい」という心と、「変化していきたい」という心です。どちらの心が強いのかは、人それぞれによって違います。

変化を求める人は常に新しい何かに挑戟していきます。これは脳にとってはプラスになります。普段からこうした習慣を身につけておくことは、脳を鍛えるうえでの強固なベースとなるはずです。

日常の生活の中で少しの工夫をするだけで、新しい発見や体験は可能です。

脳のトレーニング「コーヒーの香りを嗅ぎながら動物の写真を見る」

匂いの刺激と、目の前にあるものは一致しているのが普通です。コーヒーの匂いがすれば、同時にコーヒーをイメージします。視覚的にもコーヒーカップなどを思い浮かべているはずです。

しかし、目の前にあるものが動物の写真だったらどうでしょう。

脳は、いままでの経験からありえない状況が設定されると混乱をきたし、それを解析するために働きます。

コーヒーの匂いがするのに、目の前にあるものが動物の写真となれば、違和感を覚え、脳は「何が起きたのか?」と状況の解析を開始します。

「動物にコーヒーがかかってしまったのだろうか」「動物がコーヒーを飲もうとしているのだろうか?」などなど、脳はいろいろな状況を想像し、現実に起こっていることを考えます。

こうした混乱こそ、脳を活性化させるには必要です。匂いと脳の関係については、さまざまな実験データがだされています。たとえば、コーヒーの香りを喚いでいるときの脳波にはα波が増え、ほかの香りに比べリラックスした状態になることがわかっています。

嗅覚は「記憶」とも深く関係しています。快感神経と呼ばれるA10神経は、電極で刺激すると快感をつくりだしますが、この神経を刺激するには、香りでもいいことがわかってきました。
その際、神経伝達物質もたくさん分泌されるので、脳の働きがよくなります。また、人間はある香りをどんな状況で嗅いだかということは、けっこう思い出せるものです。

それは、人間は匂いの感覚がほかの動物に比べ退化しており、普段はあまり香りを感じることのない、基本的には無臭の世界にいるため、特徴のある香りだとしっかりと記憶に残るからだといわれています。

アロマなどの匂いでリラックスしたり、集中したりする効能もこうした理由からでしょう。
ハーブ&アロマを活用して腸の緊張をほぐして便秘解消などもこうした匂いの効果を利用したものです。

作家のブルーストは、紅茶とマドレーヌの香りを嗅ぐと過去の記憶が鮮明に写しだされ、膨大な小説の執筆活動を行ったそうです。
このように、香りと記憶の結びつきは強いため、「この香りのときはこんな状況」と、パターンが決まっているともいえます。これを逆手にとって、コーヒーの匂いを喚ぎながら、動物の写真を見るといった、いわば「だまし」を行なって脳の活性化をはかるのが、このトレーニングの目的です。

脳のトレーニング「新聞のTV欄を声に出して読む」

黙読というのは視覚から情報を得る、一般的な読書の方法です。一方、近年は音読が大流行です。たとえばある小学校では、音読で文章のリズムを覚えることが、本を読むくせにつながるということで、授業に採り入れているそうです。

声にだして文字を読む場合、視覚だけでなく、聴覚をも刺激して情報を得ていることになります。脳へ情報を入れる際には、あらゆる感覚を動員したほうが強い記憶になります。

感動したことは、体験として記憶に入るためなかなか忘れませんが、普通の文字情報はそうそう記憶に組み込まれません。音読は、視覚的な刺激を聴覚にフィードバックして確認しますし、また、唇や舌、喉など、からだのさまざまな部分も使います。

これだけからだをフル動員するわけですから、黙読よりはるかに大きな脳への刺激となり、強い記憶となるのです。音読の効果はそれだけではありません。脳は内容をすばやく理解していこうと努力するので、情報分析も早くなるといわれています。

英語を覚える場合も、やはり口にだして発音したほうがいいそうです。これは音読と同じような理由によります。さらにもう一つ、英語を声にだして読むと、アタマの中で日本語に翻訳して理解する時間がないので、直接、英語から理解していけるようになるといいます。

こうした訓練は、外国語の上達に欠かせません。ただし、音読にも欠点があります。それは読むのに時間がかかり、情報を得るのが遅くなってしまうことです。
ですから、スピードがいるなら黙読、内容をしっかり分析するなら音読と、使い分けをするとよいでしょう。

脳のトレーニング「鼻をつまんでコーヒーを飲む」

普段、コーヒーを飲むとき、自然とその色や香りを楽しみながら飲んでいます。それが風邪を引いて鼻が一時的にダメになった途端、状況は一変してしまいます。

まったく香りが感じられなくなり、コーヒーが味気ないものであることに気づくのです。コーヒーを飲む際、脳の中では無意識のうちに、さまざまな記憶が統合されます。

コーヒーという茶褐色の液体が持つ香りを、飲む前にある程度予測できるのは、脳の中にコーヒーの視覚的な記憶が残っているからです。

しかし、コーヒーの香りがまったくしないとなると、それはいままでにない新しい感覚になり、脳を刺激することができます。そこで、鼻をつまんでコーヒーを飲んでみてください。

普段だったら、香りの刺激が鼻の粘膜や嗅神経を通って脳に入り、脳の中で香りが分析されるのですが、その香りがないため、脳は、舌の味覚だけで口の中に入ったものを分析しようと努力します。

こうなると、脳も必死です。いつもなら、無意識のうちに分析できるはずガが、勝手が違うため、「これはおかしい。何だろう」と一生懸命考え始めます。コーヒーに限らず、普段食べ慣れたものを鼻をつまんで食べてみましょう。意外な食べ心地がするはずです。こうした違和感が脳への刺激になるのです。

脳のトレーニング「耳栓をして階段を上り降りする

音は聞かないように耳を塞いだり、意識しても、どんどん入ってきます。それもそのはずで、私たちは音による情報を無意識のうちに得て、それに基づいて行動しているのです。

眠っていても物音に気がついて目が覚めるというのは、動物としての危険な状況を回避するための大切な機能だといってもいいでしょう。

また、私たちは物事を推定するのに音の情報を重要なヒントにしています。たとえば、ものを置いたときにずっしりとした音を聞くことで、「重い」と意識します。階段を上がっていく場合も、自分の足音で階下との距離を判断します。

音を気にしないでいることは難しいものです。視覚からの刺激は、目をつむれば遮断することができます。喚覚なら鼻をつまめばいやな臭いが消えます。

しかし、聴覚の場合、耳をふさいでもわずかな音は聞こえます。音を遮断するには、音源を完全にシャットアウトするしかないのです。たとえば、音を消しながらテレビを見ると、いまのテレビ番組の多くがいかにつまらないものかがみえてきます。

本来、テレビには映像としての面白さがあったはずです。それが、最近は低予算のお笑いやトーク番組が主流になっているせいか、映像よりも音が重要な意味を持っていることがわかります。

日常の中で、「音」ほど注意力を奪っていくものはありません。仕事中、隣りの話し声や周囲の音によって集中力が阻害されてしまうことはよく起こります。集中して仕事をしているときもうるさい音のせいで細かい仕事に支障がでるケースもあります。

普段は、音楽を聴きながらパソコン作業をしていても、締め切りに追われたり、困難な仕事の場合、途端に音楽をとめる人は多くいます。。やはり集中するには、音が邪魔になってくるのです。

さて、脳のトレーニングでは、耳栓をして歩いてみましょう。たとえば、耳栓をしながら階段を上ってみます。足の指は手の指に比べ細かく使うことがないので、ある意味では未開発の部分です。足先の感覚に神経を集中させることは、トレーニング同様、大脳皮質の機能を刺激することにつながります。

脳のトレーニング「ポケットの中の100円玉と10円玉をさわっただけで判別する」

大脳の表面の大脳皮質には脳神経細胞が集まっています。イメージ的には、ちょうどみかんの皮のような感じです。その中では「軸策」と呼ばれる、脳神経細胞から伸びて電線のような役目をする神経線維が束になって走っています。

大脳皮質の脳神経細胞は、「言語」「運動」「知覚」のと3つの機能に分かれています。

「言語」は、言葉を話したり、理解したりするところ、「運動」は、「からだのこの部分を動かせ」命令をだすところ、「知覚」は、いまからだのどの部分で触っているかとか、関節がどのくらい曲がっているかなどを感知するところです。

大脳の表面はほかにも、重さを判断したり、同時に触ったときにそれぞれのものを見極めたりなど、非常に特殊な情報処理を行なっています。

さて、ここで大脳皮質の「知覚」の部分についです。。脳卒中などでは、大脳の皮質が壊れてしまうことがあります。このとき知知覚の中枢が壊れてしまうと、指先で触ってもそれが「丸い」のか「四角」なのかわからなくなります。

触っている感覚はあるのですが、モノの形を解析4することができなくなるのです。これを「皮質性の感覚障害」といいます。触ったという感覚だけなら、大脳の表面までいかなくても、「視床」という大脳の真ん中あたりにある脳神経細胞の集まっている場所でわかります。

しかし、「四角」とか「丸い」といった立体的な形の把握となると、大脳の皮質に分布する脳神経細胞にまで伝わらなければ解析できません。

とはいっても、「あれは四角形だ」とか「これは丸い」といった形は目で見ればわかってしまうので、普段は「感触」として意識することはあまりありません。

そのため触覚は、脳の中で眠っている感覚でもあります。脳を活性化するには、こうした眠っている感覚を使うことが大切です。そこでトレーニングです。

ポケットの中に10円玉と100円玉を5枚ずつ入れて、それを識別してみてください。じっくり考えて行っては意味がありません。即断即決すること。
お金のまわりにあるギザギザですぐに識別できると思いがちですが、急いでやると意外とうまくいかないものです。このトレーニングをすることで、指先の感覚がどれだけ鈍くなっているかがわかります。
指先の微妙な感覚をとぎすましていくことは、大脳皮質への刺激につながります。また、こうしたトレーニングを積んでいくことで、私たちは、脳の隠れた能力を知ることができるのです。

脳のトレーニング「目を閉じて食事をする」

普段、ほとんどの人が多くの情報を「目」から得ています。たとえば、部屋に入って明かりのスイッチを押すときや、鍵をかけるときなどは、指先の感覚だけでなく、必ず視覚でも確認しています。

しかし、これが停電になってしまったらでしょうか。ほとんど何も見えないため、いままでの記憶をたどって、スイッチがどこにあるのかを手探りで探すことになります。鍵穴も「このへんかな」とカンに頼らなければいけません。

停電で何も見えなくなれば、普段の記憶に頼って何とかしようとします。そのため、ひとつつひとつの行動を意識するようになります。

また、指先に感覚を集中させて行動しますから、いかにも頭を使ったという感じになります。こういった方法は脳の刺激には重要なことです。
私たちはあまりにも多くの情報に囲まれて生活しているため、その行動が無意識になりがちです。

たとえば、「サトイモを食べる」という動作。箸でサトイモを取るために、視覚が働いて目の前のサトイモをとらえます。箸でサトイモを取ったときは、その重さや大きさなどの情報を指先から大脳皮質(大脳の表面)へ伝え朋ます。

また、口までサトイモをスムーズに運ぶ動作は、小脳がコントロールしています。しかし、普段の食事では、こうした意識はほとんど働いていないでしょう。

それは、長年同じような動作をしているため、その動作が小脳にプログラムされ、無意識のうちに行なえてしまうからです。だから、テレビを見ながら、新聞を読みながらでも食事ができるのです。

私たちは何かをするとき、頭を使っているようで、じつは決められたところしか使っていません。ゲーム機でいえば、脳の記憶の部分に匹敵するROM(リード・オンリー・メモリー)から、決められたプログラムを読み出しているだけなのです。

しかし、これでは脳への刺激になりません。もっと脳を意識して使わなければなりません。

視覚情報をカットすれば、味覚がフル回転

脳を意識して使うためには、多くの情報をカットし、どこか不便さを感じるような状況をつくる必要があります。そうすることで、脳の普段使っていない部分を刺激することができるのです。

そこでまず、視覚的な情報をカットしてみましょう。方法はじつに簡単です。目をつむればいいのです。ここでは、目をつむって食事をするトレーニングをご紹介しましょう。

まず、目をつむってください。そして、想像力をフル回転してどこに食べ物があるか探します。こうした空間にまつわる想像は右脳を使います。食べ物が見つかったら、箸でそれをつかんでみましょう。

そして、それが何なのか触覚や喚覚を使って探っていきます。最後に、口に入れて、匂い、味、食感で自分の判断が正しいかどうかを最終確認します。

このように、視覚情報をカットするだけで、普段使っていない脳の機能を意識することができます。いい換えれば、それは、私たちが普段の生活でどれだけ視覚情報に頼って、無意識の動作を繰り返してきたかの表れでもあります。

そして、こうした環境にどっぷり浸かってしまえば、私たちの感覚は次第に麻痔していってしまいます。目をつむって食事をする。こんな簡単な方法で、普段使っていない脳の部分に大きな刺激を与えられるのです。