起きて タバコ を吸う習慣 危険 です。タバコは、血圧を上昇させるためとにかく禁煙が必要です。実際、タバコを吸うと直後に血圧が急上昇するという医学的なレポートが数多く発表されています。
起きて タバコ を吸う習慣 危険
検査条件や個人差の関係で、測定値は必ずしも一定ではありませんが、一般にタバコを1本吸うと、最高血圧(上の血圧)は 10~20 mmHg上昇するのが一般的です。
しかも、タバコ1本で上昇した血圧は、10~15 分間は元に戻りません。この間に続けてたばこを吸ってしまうと、さらに体には大きな負荷がかかるのは言うまでもありません。
また、このとき、心拍数も同時に10~20拍も上昇します。
さらに怖いのは早朝高血圧の人が、朝起きたときにタバコを吸ったときです。ヘビースモーカーの人は一般的に朝起きると、すぐに一服する習慣があります。
l本のタバコで、最高血圧は30~50mmHG心拍数も20~30拍もそれぞれ上昇することがわかっています。
早朝高血圧でない人にくらべ、2~3倍もの影響があるのです。これほどの急激な血圧上昇は、体調によっては深刻な事態を引き起こす危険性があります。
タバコには約 4000 種類もの化学物質が含まれており、そのうちニコチン、タール、一酸化炭素が「三悪」とされています。血圧の上昇に関係するのはまずニコチンで、体内に入ると血管を収縮させる作用があるため、心臓への負担は急激に増加します。
一酸化炭素が喫煙によって体内で増加すると、全身がいわゆる酸欠状態になります。これは血液中で酸素を全身に運ぶ役目を担っているヘモグロビンという物質に結合してしまうからです。
そうなると、全身に新鮮な血液を供給することができませんから、心臓は少しでも多くの血液を送り届けようと必死に働かざるを得ません。こうして、ニコチンで細くなった血管に、酸欠を解消するために多くの血液が流れることになり、血圧が上昇するわけです。
ニコチンも一酸化炭素も、血管・血液に悪影響を及ぼすことで、動脈硬化を促進させます。動脈硬化は心臓病や脳卒中の原因になります。血圧が高めの人、高血圧症の人にとって、タバコほど有害なものはないといえます。なお、タバコの三悪の最後のひとつ、タールにはさまざまな発がん物質が含まれていますから、肺がんや食道がんの大きな原因になります。
起きて タバコ を吸う習慣 危険 まとめ
これまで紹介したように、起床時すぐのタバコは非常に危険です。朝一番の喫煙は、以下のようなリスクがあります。
- 心血管系への負担: 寝起きの身体は一日の中でも特に敏感な状態にあります。この時にタバコを吸うと、心拍数や血圧が急激に上昇し、心臓に大きな負担がかかります。
- がんのリスク増加: 朝一番にタバコを吸う習慣は、一日のうち他の時間帯に吸うよりもがんのリスクが高いことが研究で示されています。特に肺がんや口腔がん、喉頭がんのリスクが増加します。
- 依存性の強化: 起床時すぐにタバコを吸うことは、ニコチン依存のサインでもあります。これにより、タバコをやめることがさらに難しくなる可能性があります。
- 呼吸器系の影響: 一晩中休息していた呼吸器系に、起床直後に煙を吸い込むことで、気道や肺に対するダメージが増大します。
起床後すぐに煙草を吸う危険性についてのエビデンス
起床後すぐにタバコを吸う習慣は、健康リスクをさらに高めるという複数のエビデンスがあります。これは、単に喫煙が体に悪いという一般的な話に加えて、「起床後すぐ」というタイミングが特有の危険性をはらんでいるためです。
主な危険性とエビデンスは以下の通りです。
1. 肺がん、口腔がん、喉頭がんのリスク上昇
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ニコチン依存度の高さ: 起床後すぐにタバコを吸う人は、ニコチン依存度が高い傾向にあります。これは、睡眠中に体内のニコチン濃度が低下しているため、目覚めの一服でより強いニコチンを求める心理的・身体的依存が関係しています。
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コチニン濃度の上昇: ニコチン依存度が高いと、結果的に1日のニコチン摂取量が多くなり、体内で分解されたニコチンの代謝産物であるコチニンの濃度が上昇しやすくなります。コチニン濃度が高いことは、肺がんや口腔がん、喉頭がんのリスク増加と関連するとされています。
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愛知県がんセンターの研究: 日本の研究機関である愛知県がんセンター研究所の伊藤秀美氏らの研究(Annals of Oncology誌オンライン版2013年9月掲載)では、起床から最初の喫煙までの時間(TTFC:time to first cigarette)が短いほど、肺がんのリスクが高まることが報告されています。
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TTFCが60分超の場合と比較して、
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31~60分で1.08倍
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6~30分で1.40倍
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5分以下で1.86倍の肺がんリスクが確認されています(傾向のp<0.001)。これは、喫煙量や喫煙期間といった他の要因を調整しても認められる関連性です。
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2. 心臓・血管への負担増大(心筋梗塞、脳卒中など)
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急激な血管収縮: 寝起きは、自律神経の切り替わりや水分不足などにより、もともと血管に負担がかかりやすい時間帯です。この時にニコチンを摂取すると、血管が急激に収縮し、心臓や血管への負担が著しく増加します。
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血栓形成リスク: ニコチンは血圧を上昇させ、心拍数を増加させます。また、喫煙は血小板を固まりやすくするため、血栓(血の塊)ができやすくなります。これにより、動脈硬化の促進、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。
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睡眠中のニコチン切れ: 睡眠中は喫煙ができないため、起床時には体内のニコチン濃度が最も低い状態です。この「ニコチン切れ」の状態に喫煙することで、血管への急激な負荷が大きくなると考えられます。
3. ニコチン依存の強化
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起床後すぐの一服は、睡眠中に低下したニコチン濃度を一気に補充するため、「効き目」を強く感じやすいとされます。この強い満足感が、ニコチン依存症をさらに強化する要因になると考えられています。結果として、禁煙がより困難になる可能性があります。
まとめ
起床後すぐにタバコを吸う行為は、単に喫煙による健康リスクを全体的に高めるだけでなく、特に肺がんや口腔がんのリスクを顕著に上昇させるという明確なエビデンスが存在します。これは、ニコチン依存度の高さと、それに伴うコチニン濃度の上昇、そして起床時の体の状態が組み合わさることによって引き起こされると考えられます。
心臓や血管への負担も大きく、動脈硬化の促進、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な疾患のリスクも高まります。
これらのエビデンスからも、起床後すぐの喫煙は避けるべき習慣であり、可能であれば完全に禁煙することが最も推奨されます。禁煙は、起床後すぐに吸わないという小さな一歩から始めることもできます。
禁煙しよう 禁煙補助剤は使えば楽にやめられる
禁煙補助剤は、タバコをやめる際にニコチン依存症を軽減するために使用される製品や薬剤です。
ニコチン置換療法(NRT)
ニコチンを含む製品を使用して、タバコを吸わずにニコチンを摂取し、徐々に依存を減らしていく方法です。
- ニコチンパッチ: 肌に貼ることで、一定の時間にわたってニコチンを体内に供給します。
- ニコチンガム: 口に含んで噛むことで、少しずつニコチンを摂取します。
- ニコチンロゼンジ: 口の中で溶かしてニコチンを摂取します。
- ニコチン吸入器: タバコのように吸引することでニコチンを摂取します。
- ニコチン鼻スプレー: 鼻腔からニコチンを吸収します。
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