脳のトレーニング「右脳か左脳かを知る」

大脳をMRIで撮影すると、右側と左側に分かれます。これは単に右と左に分かれているというだけではなく、機能のほうも右と左とでは異なっているのです。

これについてわかったのは比較的最近のことで、ノーベル賞を受賞した米国の大脳生理学者、ロジャー・W・スペリーが研究発表し、以来、右脳ブームが起きました。

右側は画像処理、空間処理、音楽、直感的、総合判断能力などに適し、合成的、全体的、感覚的、直観的な能力にすぐれています。

つまりアナログ的な人間ということになります。直感でおおまかなアウトラインを把握して、すぐに決断できる能力が特徴です。学校の勉強でいえば、美術や音楽が得意で、数学が苦手な人です。

左側は言語、計算、観念構成に適していて、分析的で論理的です。いわゆるデジタル人間です。数学が得意で、理屈っぼくなりますが、物事を論理的に考えるのが得意な人です。

面白い研究があります。ブルガリアの研究者が、映画館に入る人の流れを調べました。合計870人の来館者に好みの席を自由に選んでもらったところ、明らかにスクリーンを見て右側の座席に人気が集中しました。

右利きの8割と左利きの6割、両利きの7割が右側の座席に腰を下ろしたのです。これは、画像処理を行なう右脳が左側の視野を先に処理するため、無意識のうちに右側の席に座ってしまった結果です。

視覚に入った情報は、左右とも最後は右脳に入って、画像を解析します。左脳に入った情報は左右の脳をつないでいる脳梁を通って情報を右脳に送りますから、右脳に直接入った情報より処理が若干遅くなります。

そのため、脳はまず左側の視野の画像情報を無意識のうちに得ようとするのです。こうした研究結果からも、脳の左右では明らかに違う仕事をしていることがわかります。

男性はどちらかというと右脳系、女性は左脳系といわれています。「地図が読めない女性」というのは、右脳の能力がよくない結果なのです。

右脳系か左脳系かどうかは男女差のみならず、個人差もあります。簡単にいえば、数学や英語が得意な人もいれば、絵がうまい人もいるわけです。右脳系の強い人が、数学や語学で苦労することは、脳をうまく使うという効率からいえば、非常に無駄です。

子供のころ、ピアノやバイオリンの教室に通わされたことがある人は多いでしょう。しかし、大人になって弾ける人はわずかしかいません。
つまり、楽器の演奏に向いている人はそれほどいないということです。これは、子供のころからの楽器の練習が、脳の発達に何らかの影響を及ぼしたと考えられます。また別な考え方をすれば、プロの音楽家になる人は、練習を楽しいと感じたから続けられた人たちなわけですから、音楽の訓練で影響を受ける脳を持っている人といえるでしょう。

日本の教育では、一度、始めたことを簡単にやめることはよくないという考えが根強くあります。しかし、向いていないことを親が早く発見し、別なものを体験させること…も、子供の才能を伸ばすうえでは大切なことです。

子供にさまざまな体験をさせ、自分に向いているものを発見させることも、親の役目ではないでしょうか。与えられた環境で最高の能力を発揮できたとき、それが才能になるのでしょう。

大人の場合は、さらにもっと端的に行動すべきです。つまり、成果があがらないことは、自分に向いていないことなんだと、即、判断すべきでしょう。もちろん、仕事では、いやなことや、向いていないこともしなければなりません。しかし、いまの仕事を好きになれないなら、最高に能力を活かけことは離しいといえます。

そこで、次の質問に答えてください。4つ以上に心当たりがあれば、あなたは右脳系です。逆に3つ以下なら左脳系です。

  1. 公式などを暗記するのが苦手
  2. 多少のミスは気にならない
  3. 雑談が好き
  4. 時間を守れない
  5. 美術館がすき
  6. 割り勘の時、計算が面倒