脳のトレーニング「ポケットの中の100円玉と10円玉をさわっただけで判別する」

大脳の表面の大脳皮質には脳神経細胞が集まっています。イメージ的には、ちょうどみかんの皮のような感じです。その中では「軸策」と呼ばれる、脳神経細胞から伸びて電線のような役目をする神経線維が束になって走っています。

大脳皮質の脳神経細胞は、「言語」「運動」「知覚」のと3つの機能に分かれています。

「言語」は、言葉を話したり、理解したりするところ、「運動」は、「からだのこの部分を動かせ」命令をだすところ、「知覚」は、いまからだのどの部分で触っているかとか、関節がどのくらい曲がっているかなどを感知するところです。

大脳の表面はほかにも、重さを判断したり、同時に触ったときにそれぞれのものを見極めたりなど、非常に特殊な情報処理を行なっています。

さて、ここで大脳皮質の「知覚」の部分についです。。脳卒中などでは、大脳の皮質が壊れてしまうことがあります。このとき知知覚の中枢が壊れてしまうと、指先で触ってもそれが「丸い」のか「四角」なのかわからなくなります。

触っている感覚はあるのですが、モノの形を解析4することができなくなるのです。これを「皮質性の感覚障害」といいます。触ったという感覚だけなら、大脳の表面までいかなくても、「視床」という大脳の真ん中あたりにある脳神経細胞の集まっている場所でわかります。

しかし、「四角」とか「丸い」といった立体的な形の把握となると、大脳の皮質に分布する脳神経細胞にまで伝わらなければ解析できません。

とはいっても、「あれは四角形だ」とか「これは丸い」といった形は目で見ればわかってしまうので、普段は「感触」として意識することはあまりありません。

そのため触覚は、脳の中で眠っている感覚でもあります。脳を活性化するには、こうした眠っている感覚を使うことが大切です。そこでトレーニングです。

ポケットの中に10円玉と100円玉を5枚ずつ入れて、それを識別してみてください。じっくり考えて行っては意味がありません。即断即決すること。
お金のまわりにあるギザギザですぐに識別できると思いがちですが、急いでやると意外とうまくいかないものです。このトレーニングをすることで、指先の感覚がどれだけ鈍くなっているかがわかります。
指先の微妙な感覚をとぎすましていくことは、大脳皮質への刺激につながります。また、こうしたトレーニングを積んでいくことで、私たちは、脳の隠れた能力を知ることができるのです。