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利き手と逆のほうの手でスマホを扱う

普段のプライベートや仕事でキーボードを使ってメールを送信している人にとっては、利き手の逆の手でスマホでメールを作成するのはかなり脳が鍛えられます。

特にキーボードで入力するのに慣れていると、どうもスマホからのメールは苦手になってしまいます。しかし、不慣れなことこそ、脳を活性化させるのです。そこで、スマホを使って電子メールを打つ場合、普段使わないほうの手、右利きの人なら左手で、打ってみましょう。

慣れるまでしばらくは脳への刺激となります。指を動かすことは、脳への重要な刺激になります。指まわし運動というのが一時期はやりましたが、そんな特別なことをしなくても、日常の動作で十分に指先の運動は可能なのです。たとえば、ピアノを弾く、ゲームをするなど、指を動かす行為は脳の活性化につながります。

ただし、こういった動作も、同じことを続けていれば、脳への刺激は減少してきます。慣れてしまうことで動きがパターン化されてしまうからです。

キーボードへの入力にも同じことがいえます。懸命に指先の位置を確認して打っているときは、脳への刺激となりますが、慣れてブラインドタッチになつてしまうと、脳の決まった記憶しか使わなくなり、脳への刺激はわずかになってしまいます。

指先運動が脳に持続した刺激にならないのは、脳にはこういった学習能力があるために、初めは時間がかかってもすぐに慣れてしまうからです。

ゲームをしている際には指がずっと動いているように思いますが、ゲーム中の脳を特別な器械で調べると、働いている場所は視覚と運動中枢だけです。

単純な暗算をしているときのほうが、脳を広範囲に使用しているといえます。つまりこれも、ゲームに対する慣れができてしまうと、脳を十分に使わなくなってしまうからです。

子供の将来を考え、考える脳をつくろうとするなら、ゲームの時間を減らし、創造的な作業により多くの時間を費やすことが大切です。

囲碁、将棋などが面白いのは、先の展開を予測できないところでしょう。定石などを覚える必要はありますが、その先の展開はもっばら脳を使います。脳を鍛えるならば、やはりこういったゲームのほうが効果的なのです。

ちなみに指ひねりで不快な症状が消失するので指を動かすことは脳への刺激だけでなくああらゆる不快な症状にも効きます。

1日15分の早歩き

運動と脳は、非常に重要な結びつきがあります。脳から筋肉を動かせという命令がでなければ、走ることもできませんし、歩くこともできません。

運動神経の中枢は大脳の前頭葉にあります。運動の命令はそこからだされます。脳の血液の流れ具合を見る器械を使うと、手足を動かせという命令がでる前に、大脳の運動神経の中枢部分では、すでに脳の血流が増えていることがわかります。

運動をすることで結果的に脳も使っていることになります。一流のスポーツ選手の記者会見を見ていると、新人のときに比べ、次第に話の内容が深くなっていきます。これは話すことに慣れたというだけでなく、運動をすることで脳そのものの機能が洗練され、脳の働きがよくなったということでしょう。

動かす筋肉が大きいほど、脳への刺激も大きくなります。ということは、太ももを動かすのが一番ということになります。だから、走ったり、歩いたりが運動の中では一番脳を刺激するのです。

最近の研究では、毎日運動をしている人のほうがアルツハイマー病になる確率が少ないことがわかっています。これは海外の研究ですが、その理由の1つとして、運動による脳血流量の改善が考えられています。また別の研究者は、運動によって脳自体が刺激され、脳を活性する物質がでているのではないかと結論づけています。

ダイエットもかねた適度な運動となると、1日15分くらいの早歩きがちょうどよいでしょう。通勤のとき、家から駅まで早歩きをすれば、十分な運動量となり、脳の活性化にもつながります。会社の中をいつもより早歩きするのもおすすめです。

一方、息が切れるような運動では脂肪が燃えないので、ダイエットの効果が期待できません。また、部屋の中で走るようなダイエットマシンが通販で売られていますが、長続きしません。最近は、ダイエットマシンも速度をこまかく調整できるものがありますのでこういったものならOKです。

その点、散歩はただ外を歩くだけで季節の変化を感じ、花や木々の変化を見ることができます。こうした視覚的な情報がいくつも入ってきて、複数の感覚を同時に刺激することは、脳をさらに鍛えることになります。視覚から入ってくる情報は脳のためにもいいのです。

花の匂い、街の匂いを感じれば、嗅覚の刺激になります。犬は喚覚がすぐれ、散歩に行くと、匂いばかり喚いで動こうとしなくなるときがあります。犬は電信柱につけられたほかの犬の尿の匂いで、このへんにはどれくらい犬がいて、その中でもっとも強い犬はどれで、この尿はいつつけられたものなのかまで喚ぎとることができるといいます。

電信柱につけられた尿は、まるで掲示板のようなものなのです。だからこそ、犬たちは長い時間かけて匂いを喚ぎ、解析しているのです。私たちはその点、喚覚は劣っていますが、視覚はすぐれています。歩くと同時に街の中の変化を感じたり、時には、通ったことのない裏道を歩くことが、脳への刺激になるのです。

食事の時に噛む回数を今の1.5~2倍にする

食事のとき、何回ぐらい噛んでいるか数えたことがあるでしょうか?最近は、固い食べ物があまり売られていません。ビスケットやせんべいなどもやわらかいものが増えています。

チョコレートも生チョコのような柔らかいものが人気で昔の固い板チョコは珍しくなりました。肉でも固い肉を食べることが少なくなり、食卓の料理は食べやすく噛みやすいものが増えています。

日本咀嚼学会のの研究によると、現代人の咀嚼回数は1食あたり約620回。それに対し、弥生時代の再現食では約3990回と、現代人の6倍も口を動かしていたといいます。

また、戦前と比べても、半世紀で半分以下になってしまいました。

では、噛むことが脳にどんな影響を及ぼすのでしょうか?

18歳から40歳までの12人にガムを噛んでもらい、その後、脳の血流がどのように変化するのかをPETで調べました。すると、咀嚼中は大脳の感覚運動領野で25~28パーセント、味覚中枢で9~17パーセント、小脳などで8~11パーセントも血流量が増加し、また、咀嚼をやめると血流量が元に戻ることがわかりました。

ネズミの実験でも、固いえさを食べたほうが、実験の成績がよかったという報告があります。また別の実験では、噛むことで大脳の脳神経細胞の活動が活発になることがわかっています。

さらに、歯の数が少ないほど認知症になる割合が高いことも報告されています。これは十分に噛めなくなったたことが影響すると考えられます。

老化モデルマウスを使った研究では、老齢期に噛む力が低下すると、記憶力が悪くなり、記憶に関係する海馬の神経活動も減少していることが証明されています。

脳を活性化する意味でも、固いもの中心の食生活に変え、さらに噛む回数ばを増やすことが重要です。とはいっても、噛む回数を決めるというのは実際的ではないですから、食事の時間をいまの倍かけてみてはどうでしょう。
たとえば、スルメを噛んで味わいながら食べるなども、脳血流を増やすには有効です。早食いをやめて、ゆっくり味わって食べることは、ダイエットにもなりますから、一石二鳥です。

ほかにもよく噛んで食べるとさまざまな効果があることがわかっています。

元気な脳づくりは朝食が大事

脳は体重の2パーセントの重さしかないのに、エネルギー消費は18パーセントもしめます。つまり、非常に燃費の悪い臓器なのです。

その唯一のエネルギー源はブドウ糖です。ただし、脳自体にはブドウ糖を貯めておくところがありません。常に補給していかないとダメなのです。

ブドウ糖は肝臓にグリコーゲンとして貯蔵され、脳が要求したときにブドウ糖に変換します。ところが、この蓄積はそれほど長くはもたず、12時間が限界です。それを過ぎると予備のブドウ糖もなくなつてしまいます。ということは、数時間の睡眠のあと、朝日覚めたときには、脳はほぼエネルギーゼロの状態。

朝食を食べないで会社に行ったり、学校へ行ったりしようものなら、脳はブドウ糖不足のため十分なカを発揮できなくなります。

朝食を与えられた者と欠食者とで、絵の記憶や、単語の記憶にどのような違いがでるのかを比較しました。その結果、朝食を食べたグループが明らかにすぐれた成績を示しました。

また、デンマークの研究では、1日の必要摂取量の25五パーセントを朝食で摂取すると、計算能力・創造力が高まったとしています。

ほかにも朝食抜きの子供ほど成績が悪いという研究結果もあります。これらの研究から、いかに朝食が重要なのかがわかってきます。

朝食は、単なる健康のためというイメージでとらえないで、脳のエネルギー切れを補給するために必要なものとして理解すべきでしょう。とくに受験生などは、しっかり朝食を食べてから、勉強開始です。

別の実験では、食後のほうが脳の機能がよくなることもわかっています。それはどうしてでしょうか。からだの中にはいろいろな種類の成長因子(増殖因子)があって、細胞を刺激して細胞の機能をよくしたり、増やしたりしています。その中の1つに、「線維芽細胞成長因子というものがあります。

FGFは、線維芽細胞や血管内皮細胞、脳神経細胞を増やしたり、活性化させる働きがあり、いまは神経栄養因子の仲間として考えられています。

ネズミを使って実験してみると、血液中のブドウ糖が増えてくると、FGFが増加して、脳神経細胞を活発化させ、とくに海馬に作用します。これは食後2.5時間くらいがピークになります。このとき、FGFは通常の7倍くらいに増えます。

FGFが海馬の脳神経細胞に取り込まれると、海馬の機能を活性化させ、その結果、記憶力がアップします。こうしたメカニズムによって、食後、脳の機能はよくなるわけです。もちろん、食べた直後は、胃や十二指腸などへ血液が集まるので、脳へ行く血液は減って、ぼんやりしてしまいます。

お腹が満杯になれば眠気が襲うのは、だれでも経験したことがあるでしょう。こんなときは、やはり脳の機能も低下しています。
脳の働きと食事の関係を考えるならば、最大限に「脳力」を発揮させるために食事のタイミングをどこに置くかを考える必要があります。

食後、脳の機能がもっともよくなるのは、先ほどのネズミの実験からもわかるように、しっかり食べた食後2時間後あたりといえます。

そこで、食後はゆっくり休んで、2時間後あたりから仕事や勉強を始めてみてはどうでしょうか。試験の日なども、食後2時間後にテストが始まるように、工夫するといいかもしれません。

仕事や勉強で結果をだすには、知識を詰め込めばいいわけではありません。こういった脳のコンディションづくりもとても重要なことなのです。

仕事中の間食はピーナッツチョコレート

脳の中には、神経伝達物質がありますが、この物質は脳にとって潤滑油のようなもので、これ自体を増やすことができれば、脳の活性化も可能となります。

実際にアルツハイマー病などでは、アセチルコリンを増やす薬を飲むと、痴呆の症状がよくなります。しかし、アセチルコリンを飲んでも脳へ直接届けることはできません。
なぜなら、脳には「血管脳関門」というものがあって、外からの物質が脳の中には簡単に入れないようになっているのです。

また、アセチルコリンの原料であるコリンはどうかというと、口から入れても腸の中で別の物質になってしまうため、うまく脳まで届きません。その代わりのものとして、レシチンというものがあります。レシチンは脂質の一種です。

食べるとからだの中でアセチルコリンに変換されます。ということは、記憶力をよくするには、レシチンを多く含む食べ物が効くということです。

レシチンを多く含む食べ物の代表はピーナツです。ほかには大豆、納豆、枝豆、味噌などがあります。ピーナツチョコレートなどは、脳の大好物であるブドウ糖の補給にもつながりますから、脳の栄養補給としてはすぐれています。仕事中、「小腹が減ったなぁ」と感じたら、ピーナツチョコレートでアタマもお腹も元気にしてあげましょう。

脳のトレーニング「普段は使わないスーパーで食材を買って料理をする」

決断を迫られるときというのは誰にでも訪れます。どちらを選ぶか非常に迷います。そんなとき、考えに考えて熟慮したところでいい結果を生み出すとは限りません。
それに、決断に時間がかかれば優柔不断といわれかねません。時には即座に直感で判断していくことも必要になります。迷った末に、直感で決めた場合、「なぜそうしたの?」と尋ねられても答えられないことがあります。そのため、直感はいい加減な判断だと思われがちですが、それは間違っています。

直感とは、あなたの記憶の蓄積、つまり、人生経験の中からでてくるものです。ですから、結果的に正しい道を選択していることが多いのです。じつはこうした直感には、右脳が大きな役割を果たします。

右脳の働きによってできる判断は、第六感、あるいはカンといってもいいかもしれません。動物であれば、ほかの大きな動物に追われ、うまく逃げ切れないと命にかかわることもあります。

そんなときはすばやい判断で逃げ道を探さなければなりません。右脳はそんなときに役立っているのです。直感を鍛えるのは、人生の苦労や悩みです。計算や論理思考というものは、だれがやっても結果が同じになることが大事ですが、物事の決断にははつきりとした正解などありません。

自分の経験だけが頼りです。若いときの直感はまだまだ未熟です。年を重ねるごとに磨かれていきます。若者の武器は「若い感性」、熟年の武器は「直感」や「総合判断能力」といえます。世の中では、上の立場になるにつれ、即決を求められる機会が多くなります。
それゆえに、若いころから多くの人生経験や実体験を積むことが大切です。とくにいまの世代のようにバーチャルな経験だけでは、直感力を高めることはできません。

右脳を鍛えるには、視覚的な刺激が一番です。本を読む際、ゆっくり理解して読んでいくと左脳の言語中枢を使ってしまうので、速読術では右脳をフルに使って、各ページ中の文字をイメージで焼き付けて理解していこうとします。

信じられないようなスピードで読んでも、内容を覚えていられるのはそのためです。とはいっても、右脳が鍛えられるからといって、好きでもない本を速く読むというのは、あまり楽しいものではありません。それよりも、日常の中で、右脳刺激になるものを見つけたほうがずっといいでしょう。

たとえば、これまで行ったこともないスーパーへ行ってみるのです。通い慣れたスーパーとの品ぞろえの違いに驚くと同時に、どこに何があるのか探さなければいけないので、見知らぬ土地を地図なしで迷ったときのように、空間的な思考も求められます。空間的な思考は右脳の役目ですから、これによって右脳が刺激されます。「地誌的失認」といって、脳卒中などで右脳の頭頂葉(頭のてっぺんあり)や海馬の一部が壊れると、日本地図を見て、大阪や東京がどこにあるのかわからなくなってしまいます。また、認知症がひどくなると、自分の家がどこにあるのかわからなくなり、家に戻ってこられなくなったりします。

これらは右脳の障害によるものです。わざわざ遠くのスーパーヘ行くのは、面倒なことです。しかし、その面倒なことが脳にとっては意味があるのです。脳を刺激するために、いままで行つたことのないスーパーに行ってみましょう。

脳のトレーニング「右脳か左脳かを知る」

大脳をMRIで撮影すると、右側と左側に分かれます。これは単に右と左に分かれているというだけではなく、機能のほうも右と左とでは異なっているのです。

これについてわかったのは比較的最近のことで、ノーベル賞を受賞した米国の大脳生理学者、ロジャー・W・スペリーが研究発表し、以来、右脳ブームが起きました。

右側は画像処理、空間処理、音楽、直感的、総合判断能力などに適し、合成的、全体的、感覚的、直観的な能力にすぐれています。

つまりアナログ的な人間ということになります。直感でおおまかなアウトラインを把握して、すぐに決断できる能力が特徴です。学校の勉強でいえば、美術や音楽が得意で、数学が苦手な人です。

左側は言語、計算、観念構成に適していて、分析的で論理的です。いわゆるデジタル人間です。数学が得意で、理屈っぼくなりますが、物事を論理的に考えるのが得意な人です。

面白い研究があります。ブルガリアの研究者が、映画館に入る人の流れを調べました。合計870人の来館者に好みの席を自由に選んでもらったところ、明らかにスクリーンを見て右側の座席に人気が集中しました。

右利きの8割と左利きの6割、両利きの7割が右側の座席に腰を下ろしたのです。これは、画像処理を行なう右脳が左側の視野を先に処理するため、無意識のうちに右側の席に座ってしまった結果です。

視覚に入った情報は、左右とも最後は右脳に入って、画像を解析します。左脳に入った情報は左右の脳をつないでいる脳梁を通って情報を右脳に送りますから、右脳に直接入った情報より処理が若干遅くなります。

そのため、脳はまず左側の視野の画像情報を無意識のうちに得ようとするのです。こうした研究結果からも、脳の左右では明らかに違う仕事をしていることがわかります。

男性はどちらかというと右脳系、女性は左脳系といわれています。「地図が読めない女性」というのは、右脳の能力がよくない結果なのです。

右脳系か左脳系かどうかは男女差のみならず、個人差もあります。簡単にいえば、数学や英語が得意な人もいれば、絵がうまい人もいるわけです。右脳系の強い人が、数学や語学で苦労することは、脳をうまく使うという効率からいえば、非常に無駄です。

子供のころ、ピアノやバイオリンの教室に通わされたことがある人は多いでしょう。しかし、大人になって弾ける人はわずかしかいません。
つまり、楽器の演奏に向いている人はそれほどいないということです。これは、子供のころからの楽器の練習が、脳の発達に何らかの影響を及ぼしたと考えられます。また別な考え方をすれば、プロの音楽家になる人は、練習を楽しいと感じたから続けられた人たちなわけですから、音楽の訓練で影響を受ける脳を持っている人といえるでしょう。

日本の教育では、一度、始めたことを簡単にやめることはよくないという考えが根強くあります。しかし、向いていないことを親が早く発見し、別なものを体験させること…も、子供の才能を伸ばすうえでは大切なことです。

子供にさまざまな体験をさせ、自分に向いているものを発見させることも、親の役目ではないでしょうか。与えられた環境で最高の能力を発揮できたとき、それが才能になるのでしょう。

大人の場合は、さらにもっと端的に行動すべきです。つまり、成果があがらないことは、自分に向いていないことなんだと、即、判断すべきでしょう。もちろん、仕事では、いやなことや、向いていないこともしなければなりません。しかし、いまの仕事を好きになれないなら、最高に能力を活かけことは離しいといえます。

そこで、次の質問に答えてください。4つ以上に心当たりがあれば、あなたは右脳系です。逆に3つ以下なら左脳系です。

  1. 公式などを暗記するのが苦手
  2. 多少のミスは気にならない
  3. 雑談が好き
  4. 時間を守れない
  5. 美術館がすき
  6. 割り勘の時、計算が面倒

脳のトレーニング「駅の反対ホームに降りて歩いてみる」

江戸時代に日本人の中には、公式に船に乗って太平洋の向こうまで探検した人はいませんでした。日本の中やその周辺を調べるための、多少の探検はあったかもしれませんが、外国のように本当の意味での冒険家や、長い航海で大陸を発見しようという野望を持つ人は現れませんでした。

鎖国ということも影響したのかもしれませんが、国を出るという考えは全くなかったようです。これはとても不思議なことです。しかし、これは日本人特有の思考なのかもしれません。島国で、他国にあまり関心がないいまでもそのメンタリティーは変わらないように見えます。

世界へ目を向けると、面白いところはいっばいあります。大きな客船で世界中を巡ると、日本という国がいかに小さな世界であるかがわかります。「冒険心」。それが私たち日本人には足りないような気がします。冒険心は脳をもっとも刺激し、大きな「地球」という空間を脳の中につくりあげてくれます。未知の世界を体験することで、脳という無限の空間はさらに広がっていくのです。

しかし、そうはいっても、大冒険などなかなかできるものではありません。ただし、その気持ちを持つことは大切です。それには、ほんのちょっとの好奇心があればいいのです。

普段、通勤、通院、通学に利用している駅周辺を思い浮かべてみてください。いつも自分の降りる側しか見たことがないのではないでしょうか。

忙しい毎日、反対側にまで足を向けることはなかなかできません。ふと気がつくと、自分の住んでいる地域であっても、いつも歩きまわっているところ以外は、意外に知らないものです。

そこで、たとえば休日、たまには駅の反対側を歩いてみましょう。こんなにいろいろな店があったのかと驚きを感じるに違いありません。自分では知っていると思っても、ちょっと離れてしまえば、意外に何も知らないのだと痛感します。

私も知らない街を歩いて「こんなところに、こんな店が」という発見がとても新鮮なはずですそうした心を忘れないことこそ、脳をいつも新鮮にして、新しいものをつくり出すきっかけとなるのです。

とくに知らないところを歩いたりすると、右脳には地図ができあがっていきます。とはいっても、わざわざ旅行に行く必要はありません。知らない場所を散歩するだけでも、右脳を刺激するには十分です。

脳のトレーニング「脳のための睡眠時間は6時間以上」

睡眠不足で脳がすっきりしないということは誰でもよく経験することです。それは脳を休ませる時間が少ないせいだといわれています。
そこで、「十分に睡眠をとることは大切だ」という話になりますが、じつは、睡眠の効果は、それだけではないのです。なんと、寝ること自体が積極的に脳をよくしていることがわかってきたのです。

考えごとをしていると、脳の中では代謝が活発になり、エネルギーを使います。運動をしなくても、脳を使うことでエネルギーの消費は上がっていくものなのです。だから仕事に集中していれば、脳は疲労困優して、しっかりと物事を考えることができなくなってしまいます。

だからこそ、休憩は必要になります。
じつははこの現象、「休んでアタマがすっきりしたから、解決策を思いついた」というわけではないようです。1920年に行なわれた古い研究ですが、2人の被験者に三文字の無意味な綴りを10個記憶させ、眠ってしまった場合と起きていた場合との記憶の程度を比較したところ、覚えたあとすぐに寝てしまった人のほうがいい成績だった、というのがあります。

眠ると半分くらいを忘れてしまいますが、それ以上忘れないので、ある程度記憶が保たれたからだといいます。あるいは、寝てしまうことで余計な脳の活動がなくなり、記憶が保たれたとも考えられています。

最近の研究では、2000年に行なわれたハーバード大学のものがあります。24人の学生を使って検査をしました。ある画像を記憶させ、当日睡眠をとるグループと睡眠をとらないグループをつくり、2日目、3日目はどちらも記憶の訓練をせず、眠ったあと4日目に検査をすると、1日目に眠ったグループの成績がよかった、という結果がでました。

また、睡眠時間でみても、短かい人たちのほうが悪い成績がでました。この研究から推測できることは、睡眠とは、脳を休ませるだけでなく、もっと積極的に、脳に入って溝た情報を整理し、記憶を鮮明にする働きがある、ということです。

たとえば、試験勉強にしても、試験前日に徹夜するよりも、ある程度勉強したら寝てしまい、脳の中で知識の整理が行なわれるのを待つほうが効率がいいということです。

これはスポーツの世界でも同じです。ゴルフがうまくなりたいと、1日くらい打ちっばなしの練習をしたところで、その日のうちに急に上達することはありません。しかし、翌日になつて、急にうまくなっていることはよくあります。コンピューターゲームも同じことがいえます。シューティングゲームなどは、初めは高得点がでますが、次第に疲労もあって高得点をあげることができなくなります。しかし、翌日やってみると必ずといっていいほど、昨日よりいい得点をあげることができます。

では、どの段階の睡眠のときに、記憶が整理されるのでしょう。睡眠にはいくつかの種類があります。眠っているとき、眼球が動いているのがわかる睡眠があります。急速眼球運動(レム) 睡眠です。

夢を見るのは、レム睡眠のとき。つまり、覚醒状態に近いのに、からだのほうはだらんとしている状態です。また、このときは、自律神経が不安定になり、脈の異常やぜんそくの発作が起こりやすくなります。

レム睡眠は、記憶にとっては重要です。このときに、記憶の整理が行なわれ、保存されると考えられているからです。いわゆる記憶の固定化が起こるのです。その結果、効率のいい記憶が残り、翌日には進歩がみられるようになります。

睡眠はたくさんとればいいということではありません。健康の維持という面からみれば、1日6時聞くらいで十分でしょう。たくさん眠ると、かえつて病気になりやすくなるという研究もあります。適度な睡眠こそが重要なのです。睡眠中、レム睡眠をきちんととるには、睡眠のサイクルにあった眠り方をする必要があります。

睡眠は90分周期で1晩に4回くらい繰り返し、レム睡眠もそれに合わせて4回あります.レム睡眠にとってこの90分間の眠りはとても大事です。
1時間で起きてしまえば、なかなか熟眠感を得ることができませんし、また、布団に入る前に座ったままちょっとウトウトしてしまうと、今度は布団に入ってから眠れなくなります。うまく眠るには、眠る前の覚醒がじつは大切です。ぎりぎりまで起きていて、眠くなってきたらすぐに布団に入る。これが熟睡のコツです。

クラシック音楽の快眠効果なども利用するといいでしょう。

脳のトレーニング「いつもとは異なる方法で音楽を聴いてみる」

音楽を聴く場合には、右脳を使います。そのため、右脳刺激には音楽を聴くこ朗とがおすすめです。ところが、最近はCDを聴くのも、通勤の車の中とか、何か仕事をしながらということが多いようで、じつと音楽だけを聴くという習慣が減ってしまったように思います。

この「ながら」で音楽を聴いていては、音楽そのものの豊かな刺激をしっかりと受けとめることができません。脳は無意識の状態ならば、同時にいくつかの作業をすることができますが、2つ以上のことを意識しながら同時に処理するのは至難の業です。

そのため、「ながら」で聴きている場合は、ほとんどアタマの中に入っていないといえます。そこで、しっくりと音楽を聴くためには、集中して聴ける場所を選ぶ必要があります。もちろんコンサートで音楽を聴くのが一番集中できるので、右脳への刺激そこでおすすめなのが、お風呂。お風呂なら、ゆっくり1人で音楽を楽しむことができます。

さて、お風呂で聴く音楽は、いったいどんな感じでしょう。いつもは聴き流しているものであっても、風呂場という空間でじっくり聴いてみると、意外に印象が変わるものです。そこではじめて、いままではただ聴き流していたにすぎなかったと気がつく人もいることでしょう。

音楽を聴くことで脳を刺激したいのなら、場所を変えるだけでは不十分です。何を聴くかも大切です。効果的なのは、普段、聴かないジャンルの音楽を聴くこと。音楽は、どうしても自分の好きなジャンルのものを聴いてしまいがちです。幅広く聴いているつもりでも、結局は、ジャズという範噂であったり、ポッブスというくくりであったりするものです。

聴き慣れているということは、脳の中にそれを受け入れる場所がすでにできあがっているということです。それでは決して右脳の刺激にはなりません。

一方、新しいジャンルの音楽は、脳の中に新しい枠組みをつくつてくれます。その結果、脳の中に、まったく新しい音楽を受け入れる場所ができあがります。

そこで、ポップスしか聴かない人は、たまには、まったく聴いたことのないジャズを聴いてみるとか、クラシックしか聴かない人は、演歌を聴いてみるとか、自分の範時にないジャンルのものを積極的に聴くようにしてみるといいでしょう。

いままで聴いたこともないジャンルの音楽に足を踏み入れる第一歩を踏み出すことが大切です。

すでに聴いたことのある音楽は、歌詞の内容は考えずに覚えてしまっている場合がほとんどです。知っている歌はそれと同じで、歌っていても歌詞の意味をあまり考えていないものです。
歌謡曲をほとんど聴かない人がたまたま聴いて、「なるほど! 」と思い、歌詞の意味を考えるところに、このトレーニングの意味があるのです。

たとえば、普段は外国の曲ばかり聴いている人が、週に1回は昼間のFMラジオ日本の歌謡曲を聴いてみるのは、左右の脳を鍛えるうえでとても効果的といえます。