血圧というと、病院の検査などで医師や看護師に測定してもらうものと思っている人も多いかもしれません。病院では、血圧を非常に重要視します。実はこうした測定は必ずしもその人の血圧の実態を表すものとはいえません。人間の体には、約5Lの血液が流れています。
これが必要なときに体内の臓器や組織に分配されます。
運動中であれば、脳や手足の筋肉、食事中なら胃や腸、夜中には肝臓や腎臓などに優先的に配分され、活動や消化、疲労回復に役立つようになっています。時間帯や行動の内容によって、血液の流れの分布は変わり、血圧も変動します。このような血圧の日内変動は、一人ひとり固有なものです。
たとえば、仕事で大きなミスをした、人間関係で不快な思いをしたなどの際には、精神状態も変わります。そうしたストレスに対応して血流と血圧は変動します。年に1回、健康診断で血圧を測定しても、何時ごろ測ったのか、心身の状態がどうだったかなどによって、まったく別の結果が出る可能性があるわけです。このような検査だけでは血圧の実情を知るには十分とはいえません。
最近は、自分で簡単に測れる性能のよい血圧計が数多く出回っています。種類も二の腕で測定するタイプ、手首で測定するタイプ、指で測定するタイプなどさまざまです。基本的に太い部分で測るほど正確な数値が得られますが、JIS親格をクリアしたものなら、まず問題はないでしょう。
健康診断で血圧が高めという結果が出た人はひとつ購入し、日常的に血圧測定をする習慣を身につけたいものです。自分の血圧の実情を知るには、起床後や就寝前など1 日に2 〜3 回、時間を置いて測定し、それを週に2〜3 回、期間にして1〜2か月続けることです。血圧の変動のパターンなどもつかむことができますから、日常生活で気をつけるべき点もわかってきます。なお、血圧は15分ほどの安静後に測定します。もちろん、随時に測定した数値も意味があります。そういった場合測定したのであれば、どのような条件、たとえば、飲酒後、入浴後、食事後などストレスが高いときなどのメモをつけておくといいでしょう。
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