トイレの注意点(いきみ)

血圧が高めの人にとって、トイレに関する習慣で最も避けなければならないのは、排便時の「いきみ」です。一般に、排便時に強くいきむと、血圧が急上昇するように思われていますが、事実は逆で、その瞬間、血圧は一時的に急降下します。しかし、排便をすませてほっとしたとたん、今度は、一転して血圧は急上昇します。いずれにせよ、強くいきむことで血圧は激しく上下し、同時に心拍数も大きく変動します。
これが心臓に重い負担となり、心筋梗塞や脳卒中の引き金になることもあります。くれぐれも注意したいものです。
トイレでいきむ癖のある人は、意識して自然な排便を心がけるようにしましょう。ただ、慢性的に便秘気味の人は、いきまないとうまく用を足せないため、習慣になってしまっている場合があります。そういう人は、いきむのをやめるより何より、便秘を解消するのが先決です。
便秘を解消するにはさまざまな方法がありますが、基本は次のふたつです。第一に野菜や海藻類、いも類、きのこ、こんにゃくなど、食物繊維の多い食品をたくさんとるようにすること。肉類など脂肪分の多い食品を控えるのも効果的です。第二に適度な運動をすること。腸に刺激が加わり、排便が促進されます。
また、朝起きたらコップ1杯の水を飲むなど、こまめに水分補給をするようにします。そのほか、夜寝る前にきなこ入りのホットミルクを飲むと、牛乳のトリプトファンときなこの食物繊維が、快眠と翌朝のスムーズな便通を誘ってくれます。
快便についてはこちらのサイトがわかりやすいでしょう。

高血圧症が進んでいる高齢者の場合は、寒い時期の早朝のトイレにも要注意です。高齢者は早い時間に日が覚めがちですし、前立腺肥大のような疾患があればなおさら早い時間にトイレに起きます。早朝、寒い時期には家の中は冷え切っていますから、寝床で温まった体には寒さが一段とこたえ、血圧の急上昇を招きます。
これが引き金になって、心筋梗塞や脳卒中の発作を起こす人が多くなっています。でふれた早朝高血圧の傾向があると、危険性はさらに大きくなります。寒い時期の早朝のトイレは、ガウンを羽織るなど防寒に努め、トイレ内にも電気ヒーターを置くようにするといいでしょう。

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