高血圧症に肥満を合併している人の割合は多く、ダイエットも同時に行うのが鉄則となっています。つまり、摂取エネルギーのコントロールが重要です。
「高血圧+肥満」の人が食事から減らしていきたいものといえばまさに「動物性脂肪」です。
とくに、脂身のたっぷりついた「ばら肉」や「霜降り肉」などは、高エネルギーです。肉は体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含む食品ですが、とりすぎはエネルギーの過剰摂取を招くとともに、余分な飽和脂肪酸をとり込むことになり、血液中の悪玉(LDL)コレステロールを増やしてしまいます。
肉のメニューを選ぶなら、ヒレ肉や赤身肉、鶏ささみなど、脂肪の少ない部位を選びます。脂の多い部位は、しやぶしゃぶや網焼き、ゆで調理など、脂肪を落とす調理法で食べると大幅にエネルギーダウンできます。また、バターやバターを多く使った洋菓子も、エネルギー量が多いので、できるだけ控えます。
ダイエット中の人や、高血圧症とともに肥満を指摘されている人は、適正体重に戻るまで、揚げ物などはできるだけ控えます。とくにフライや豚カツなど、衣をつけて揚げた料理は、衣の吸油量が多く、思っている以上に高エネルギーです。食べるなら、せいぜい週1回程度を目安にします。
ごはんやパン、めん類などの主食は、脂肪を多く含む食品ほどは、神経質になることはありませんが、量をとりすぎればエネルギー過剰になってしまいます。
ごはんは好きなだけおかわりするのではなく、一膳と決めます。また、パンは意外に食塩含有量が多い上にマーガリンやバター、チーズなどと一緒に食べることが多く、塩分、脂分ともに過剰摂取になりがちですからその点からも食べすぎには注意が必要です。
揚げ物や妙め物を減らしてしまうと、どうしても献立にボリューム感がなくなります。満足感が得られずにストレスがたまってしまいます。それをカバーしてくれるのが、低エネルギーの野菜や海藻、乾物などです。これらを薄味に調理すれば、エネルギー過剰を招くことなく満足感が得られます。できるだけ食物繊維の多い食品をたくさん摂るようにすると、満腹感が得られる上に余分な脂肪を排泄してくれます。
芋類は、食物繊維が多く含まれる上に、満腹感も得られます。
以下は肉別、調理法のカロリー表です。
調理法によるカロリーダウン
可食部100g あたりのエネルギー量(kcal)
生肉 | 網焼き | ゆで調理 | |
牛かた肉(薄切り) | 205 | 181 | 171 |
牛かたロース(薄切り) | 295 | 265 | 278 |
牛ばら肉(薄切り) | 427 | 335 | 338 |
牛もの肉(厚切り) | 167 | 161 | 149 |
豚ロース(薄切り) | 250 | 201 | 228 |
豚ヒレ(薄切り) | 136 | 124 | — |
豚ばら肉(薄切り) | 347 | 246 | 328 |
豚もも肉(薄切り) | 145 | 104 | 111 |
鶏手羽 | 261 | 183 | — |
鶏むね肉(皮なし) | 136 | 112 | 107 |
鶏むね肉(皮あり) | 181 | 148 | 139 |
今回は、高血圧を改善するためにカロリーを減らしてダイエットをする…という視点ですが、ダイエット効果の高い食品として意外に知られていないものに「緑茶カテキン」があります。
実際に、男女80名の肥満者を対象にした臨床試験では、1 日あたり588mgのカテキンが12週間投与された結果、体重や体脂肪量が有意に低下したそうです。このとき、男性では内臓脂肪、女性では皮下脂肪が減少したことが確認されています。
日頃からこうした、ダイエット効果のある食品を意識して摂ることも大切です。
無添加の緑茶であれば、安心して飲むことができます。
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