「血液をさらさらにする」という言葉を聞くと、血液の流れをよくすることが健康につながると考える方も多いでしょう。
もちろん、血液がスムーズに流れることは大切です。しかし、血液だけでなく、それを運ぶ「血管」の状態にも目を向ける必要があります。
この記事では、血管のしなやかさや血管内の状態などを含めて「血管力」という言葉で表し、血管の健康を保つために知っておきたいことを解説します。
血液だけでなく「血管」の状態にも目を向ける
血管は、全身に酸素や栄養を届けるための重要な器官です。
血管が健康な状態を保つためには、血管のしなやかさだけでなく、血管の内側の状態や血流、血圧、血糖値、コレステロールなど、さまざまな要素が関係しています。
ここでは、こうした血管全体の健康状態を「血管力」と表現します。
ただし、「血管力」は医学的に定められた検査項目や診断名ではありません。血管の健康を考えるための一つの考え方として捉えてください。
血管が硬くなる「動脈硬化」に注意
血管の健康を考えるうえで重要なのが動脈硬化です。
動脈硬化とは、加齢や高血圧、高血糖、脂質異常症、喫煙などの影響によって、動脈の壁が厚くなったり硬くなったりする状態をいいます。
動脈硬化が進行すると、血管の内側にプラークと呼ばれる病変ができることがあります。
プラークによって血管の内腔が狭くなれば血流に影響することがあります。また、プラークの状態によっては血栓が形成され、血管を詰まらせる原因になることもあります。
そのため、「血液をさらさらにする」という考え方だけではなく、血管に負担をかける要因を減らし、動脈硬化の進行を抑えることも大切です。
「血管年齢」と「血管力」は同じではありません
血管の状態を調べる方法として「血管年齢」という言葉を耳にすることがあります。
血管年齢は、脈波などを利用して血管の硬さを評価し、実年齢と比較して血管の状態を分かりやすく示すものです。
代表的な検査には、指先などで脈波を測定する加速度脈波検査や、四肢の血圧と脈波を測定する脈波速度検査などがあります。
ただし、血管年齢だけですべての動脈硬化の状態を判断できるわけではありません。
血管の硬さを評価する検査と、血管壁にできたプラークなどを確認する検査では、見ている部分が異なるからです。
そのため、
- 血管の硬さ
- 血管壁の状態
- 血管の内腔が狭くなっていないか
- 血圧や血糖、コレステロールなどのリスク要因
などを総合的に考えることが重要です。
頸動脈エコーで血管の状態を確認する方法もある
動脈硬化の状態を確認する検査の一つに、頸動脈エコー検査があります。
- 頸動脈エコー検査
- 首にある頸動脈を超音波で観察し、血管壁の状態やプラークの有無、血管が狭くなっていないかなどを確認する検査です。
血管年齢を調べる検査と頸動脈エコーでは評価する内容が異なります。
そのため、「血管年齢が実年齢相当だったから動脈硬化の心配はない」と単純に判断するのではなく、健康診断の結果や生活習慣、必要に応じて医療機関で行う検査などを総合的に確認することが大切です。
動脈硬化は自覚症状がないまま進むことがある
動脈硬化の注意点の一つは、初期には自覚症状が分かりにくいことです。
血圧や血糖値、コレステロール値などに異常があっても、本人には特に症状がないことがあります。
しかし、動脈硬化が進行すると、脳や心臓などの血管に影響を及ぼすことがあります。
たとえば、心臓に血液を送る冠動脈に動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞につながる場合があります。
また、脳の血管が詰まることで脳梗塞が起こることもあります。
こうした病気を予防するためにも、自覚症状がない段階から血圧、血糖、脂質、体重、喫煙などの生活習慣や健康状態を確認しておくことが大切です。
「さらさら血液」だけを意識しないことが大切
「血液をさらさらにしたい」という目的で、特定の食品や飲み物だけに注目することがあります。
しかし、血管の健康を考えるのであれば、特定の食品だけに頼るのではなく、毎日の生活習慣全体を見直すことが基本です。
特に意識したいのが次のようなポイントです。
- 塩分を摂りすぎない
- 野菜や魚などを取り入れ、バランスのよい食事を心がける
- 適度に体を動かす
- 体重を適正な範囲に保つ
- 血圧を適切に管理する
- 血糖値やコレステロール値を確認する
- 喫煙している場合は禁煙を検討する
- 十分な睡眠をとる
これらは血管だけを対象とした対策ではありませんが、生活習慣病の予防や管理にもつながります。
血管の健康は30代・40代から意識したい
血管の健康は、年齢を重ねてから突然考えればよいものではありません。
高血圧、高血糖、脂質異常症、喫煙、肥満、運動不足などの状態が長く続けば、血管に負担がかかります。
特に、健康診断で血圧や血糖値、コレステロール値などを指摘された場合は、「症状がないから大丈夫」と考えず、生活習慣を見直すきっかけにすることが大切です。
30代や40代であっても、健康診断の結果を確認し、食事や運動などを少しずつ改善していくことは、将来の血管の健康を考えるうえで意味があります。
もちろん、50代、60代以降でも遅すぎるということではありません。
血管の状態を一度の検査だけで判断するのではなく、日々の生活習慣と健康診断の結果を確認しながら、長期的に管理していくことが重要です。
「血管力」を高めるという考え方は生活習慣の見直しから
「血管力」という言葉から、何か特別な食品や方法によって血管を若返らせることをイメージするかもしれません。
しかし、血管の健康を保つために大切なのは、特別な方法に頼ることではありません。
減塩やバランスのよい食事、適度な運動、体重管理、禁煙、血圧・血糖・コレステロールの管理など、基本的な生活習慣を継続することが重要です。
また、健康診断で異常を指摘された場合には、そのまま放置せず、必要に応じて医療機関に相談しましょう。
血管の状態は自覚症状だけでは分かりにくいため、「今は元気だから大丈夫」と考えず、定期的に自分の健康状態を確認しておくことが大切です。
血管の健康状態を確認する方法
血管の状態は自覚症状だけでは判断しにくいため、健康診断の結果や必要に応じた検査などから確認することが大切です。
血管年齢測定では、血管の硬さや血流の状態をチェックする目安になります。また、生活習慣を見直すことで、血管を健康に保つことも重要です。
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