腸内環境がよくても血管がつまったらアウト

100歳以上長生きしている人のことを「百寿者」と呼びますが、中国で高齢者の食事内容と腸内フローラを調べたところ、百寿者は、食物繊維をよくとっていて、食物繊維を分解する能力を持っている種類の腸内細菌が多かったのです。

そんな話を聞くと、「とにかく食物繊維をたくさん摂って、腸内フローラのバランスを整えればいいのね」と思われそうですが、そんなに単純ではありません。

たしかに食物繊維も腸も大事。でも、どんなに腸内環境に気を遣っていても、血管が切れたり詰まったら元も子もありません。たった1度の血管事故が命取りになります。

心臓に血流を送る冠動脈が詰まる「急性心筋梗塞」を起こしたら、およそ2割の人が亡くなります。脳の血管が詰まる「脳梗塞」の死亡率は1~2割程度。およそ2割の人が亡くなります。

脳を覆うくも膜の下で出血する「くも膜下出血」を起こすと、3人に1人が亡くなっています。日本人の死因を見ても、がんに次いで多いのが、「心臓病」です。

そして、「脳卒中(脳出血+脳梗塞)」も4番目に多い。心臓病と脳卒中という代表的な「血管病」で亡くなる人は、毎年30万人を超えています。

また、命を取り留めても、元通りに元気になるとは限りません。特に脳梗塞やくも膜下出血、脳出血など、脳の血管が切れたり詰まったりした場合、手足のまひや言語障害など、後遺症が残ることが多いのです。

血管が切れたり詰まったりすると、命や生活が脅かされます。ですから、腸をケアするだけではなく、血管を老化させないこと、つまり動脈硬化を防ぐことが大事になってくるのです( といっても、腸のコンディションが悪いと動脈硬化も起こりやすくなるので、どちらも大事なのですが)。