短時間熟眠を実現する誰にも出来るコツ

睡眠密度を100%にする「超圧縮睡眠」

よく、ストンと寝入って、深く眠り、起きるときはバーンと飛び上がるようにして目を覚ます人がいます。これは、睡眠量そのものは少なくても、中味がいっぱいにつまっているから、質的に最高の眠りだといえます。短時間睡眠における理想的な眠り方といえるでしょう。

私は、このような箱型の眠りを「圧縮睡眠」と呼んでいます。睡眠が圧縮されているから、3~4時間でもまったく眠くならないのです。

ところで、これとは正反対の眠り方が舟型です。睡眠の深さは、舟底のようにすこしずつ深くなり、目覚めるときには、すこしずつ浅くなっていく、というものです。

もし、3~4時間という短時間睡眠を行なうときに、睡眠の深さがこの舟型だったらどうでしょう。7~8時間眠るのなら舟型でもさしつかえないのですが、3~4時間では、舟型はとても適用しないでしょう。ただ眠いだけです。

ふつうの睡眠から短時間睡眠に切り換えた人の多くが、「眠くて眠くてしかたがない」と嘆くのは、睡巌形態が舟型のままになっているからです。つまり、睡眠の中味がいっこうに圧縮されていないのです。

ところで、短時間熟眠法は、実はこの圧縮睡眠どころの比ではないのです。それを上まわる「超圧縮睡眠」というべき内容を秘めています。

「睡眠量= 睡眠時間×睡眠の深さ」という眠りの公式についてです。つぎのことをつけ加えたいと思います。それは、量でもをく、深さでもない。密度です。密度というのは、疲労を完全ぬぐに拭える姿勢をとり、正しい呼吸をして眠っている状態を指します。単なる眠りの深さとは違うのです。

なぜなら、ひじょうに深い眠りにあるときでも、内臓や筋肉のどこかを圧迫するような不自然な姿勢で眠りこけていることが実に多いからです。

よく、寝ちがえて首の筋を痛めてしまうようなことがあります。ひどく寝ちがえると、3日も4日も痛みがとれなかったりします。これは、眠りは深くても密度がともなわなかったために生じたと思えばいいでしょう。

疲労が完全にとれる姿勢で、しかも正しい呼吸をして眠っていれば、交感神経も副交感神経も、知覚神経もすべて、生理的に最高の休息を取っていることになります。よく、「丸太のように眠り込む」といいます。

これは、ほんとうに理想的な睡眠なのでしょうか。丸太のように眠り込む人は、ぐっすりと眠ってはいても、たいてい肉体のどこかに負担をかけるような姿勢で寝ています。背骨を歪ませたり、皮膚の一方ばかりに圧力をかけるという不自然な眠り方をしていることが多いのです。

では、この密度を確保するには、どうしたらいいのでしょうか?正直にいって、これはむずかしいです。なぜなら、睡眠の密度には、寝る前の心身の疲労状態が微妙に関係してくるからです。∽ つまり、心にストレスがなく、肉体の疲労も片寄りのない快いものでなくてはなりません。

また、内臓の諸器官にも病的な疲労があってはなりません。ということは、完全に健康な人が1日の疲労を過不足なくかかえた状態でないと、理想の睡眠は得られないのです。よりよい眠りを得るということは、このようにひじょうにむずかしいのです。

「快眠」「快食」を自負している人にしても、睡眠密度は、よくて6~7割ぐらいでしょうか。これがもし10割になれば、1日の睡眠は3~4時間で十分です。

熟睡するには「3つの条件」が欠かせない

短い時間にいかに熟睡するか。それには3つの条件が必須となります。

  1. 頭脳を休める
  2. 肉体を休める。
  3. 臓を休める。

以上の3つを完全に満たさなくては、熟睡することはできないのです。

頭脳を休める

寝床にはいったとき、脳がやすらかな休息状態になっていないと、なかなか寝つくことができません。興奮の余韻がつづいたまま寝入ると、すぐに目が覚めたり、夢ばかり見ることになります。起きたときに熟睡感がないのは、このような場合が多いです。また、激しいスポーツや肉体労働をしたときも、なかなか眠れないことがあります。これは、頭脳と肉体の疲労のバランスがうまくとれていないからです。疲れすぎているのです。

肉体を休める

肉体がほとんど疲れていない場合は、いくら頭脳が休息を求めていても熟睡できません。頭脳は疲労しているから眠りにつくのは比較的たやすいのですが、体内にありあまる過分エネルギーの影響で、激しく寝返りを打ったりして、熟睡をさまたげることになるでしょう。そのため、朝、目が覚めても満足な熟睡感は得られません。

内蔵を休める

内臓はエネルギーを大量に消費しますが、その量を意識的にコントロールすることはできません。しかし、すでに述べたように、エネルギー使用量は、食事の量と質に比例することは間違いありません。つまり、消化のよいものを少量とった場合と、消化の悪いものを多量にとった場合では、消費されるエネルギー量には大きな差が出てきます。
とくに、胃腸や肝臓の活動には、多くの血液が必要です。ところが睡眠というのは、細胞、筋肉、血液のすべてがゆっくりと休息している状態です。そのとき、胃腸に多量の食物が残っていたのでは、頭脳や肉体は眠ろうとしているのに血液は胃腸に向かってさかんに活動しなくてはならず、結果として惰眠はできても熟睡できないのです。

以上をまとめると、つぎのようになります。

  1. 頭脳と肉体はともに十分に活動させ、一方、内臓はあまり酷使せずに睡眠にはいることが、熟睡を呼ぶ。
  2. 頭をよくつかい、肉体をよく動かさなければならないが、食べすぎるのは、逆
    にマイナス要因になる。とくに、食べてから2時間以内に眠ると胃腸に大きな負担をかけ、熟睡をさまたげることになる。

起床時間は絶対に厳守

「早寝早起き」という言葉を、昔の人は金科玉条にしていました。朝は太陽が昇ると同時に起きて、夕方、太陽が沈んだらそそくさと食事をすませて寝るというのが、昔の人の生理リズムにはいちばん最適でした。しかし、現代では、テレビもラジオもひと晩中放送しているし、町に出れば終夜営業のスーパーがあります。つまり、文明の進歩が、われわれから早寝の必然性をあっさりともぎとってしまったのです。いまは、夜中でも、自分の好きな生活が選べる。だから、睡眠に関していえば、自然に眠くなって、自然にまぶたが閉じてしまう状能だなってから寝床にはいればいいというスタイルです。

たいせつなことは、起きる時間を決めておくことです。起床時刻というものは、いうなれば条件反射として生活の中に走者させておくといいでしょう。それが習慣化されてしまえば、たとえ1~2時間しか眠らなくても、必ず決まった時刻に目が覚めてしまうということです。

しかも、この場合、睡眠時間の多少は、まったく体調に影響をおよぼさないのです。起床時刻を決めた場合、多くの人は、「ゆうべは7時間眠ったから、まあまあだ」「4時間しか眠れなかったから、きょうは調子が悪い」と、睡眠時間にこだわりすぎることがあります。これはひじょうにマイナスです。
なぜなら、これは、意味のない自己暗示にすぎないのです。睡眠時間の多少などは大した意味を持たない、という価値観を自覚しないかぎり、人はつまらない自己暗示に振りまわされつづけることになります。

コンディションの悪さを睡眠不足のせいにすると、調子がいい、悪いもすべて睡眠時間に依存することになってしまうのです。それでは、どうすれば、毎朝決まった時刻に確実に起きられるようになるのでしょうか。

まず、寝る前に仰向いたまま、「明朝は○時○分に起きるぞ」と自分にいいきかせませう。それを呪文のように、4~5回線り返すと、潜在意識が働いて、その時間に不思議に目を覚ますことができるようになります。このとき、時計の針が起床時間を指している状態を思い浮かべ、そのイメージを脳裏に焼きつけることが重要です。

つぎに、マジックなどで起床時刻を大きく書いた紙を寝床のそばに貼っておき、寝る前にじっと眺めます。これも潜在意識に植えつけるのに効果的です。最後に、スマホに自分の声を録音して、タイマーをつけ、時間がくるとその声が流れるようにします。「おい!「あなたの名前」、起きる時間だぞ。ぐずぐずするな」などの文句でいいでしょう。

これは、他人の声では効果がありません。。自分の声で、自分の名前を呼ぶことで、潜在意識も顕在意識も急激に働き出します。

さて、起床時刻に目を覚ますことができても、大事なのはそのあとでです。起きぬけは誰でも頭がぼやっとしているものですが、それにかまけて、寝床の中でぐずぐずしていてはいけません。目が覚めたら、間髪を入れずに起きなければなりません。
「あと5分寝かせてくれ」といって、家族に背を向けて再び眠り込んでしまう人は、おそらく相当な数になるでしょう。この「5分のまどろみ」を楽しみにしている人は、短時間睡眠によってより深く熟睡することなど、とてもできません。あと5分寝れば、またつぎの5分が欲しくなる。そうすれば、つぎの5分がまた欲しくなる。眠りが眠りを呼ぶというのは、この状態を指しています。この習慣を切り捨てなければならない。目覚めたら、すぐに起き上がることです。この一瞬に、全力を傾けて打ち勝たなければなりません。そうすれば、腺臆とした頭脳もみるみる覚醒してきます。慣れてくれば、けっしてつらくはないのです。むしろ爽快にすらなります。

わずか5分の仮眠で他人に徹底的に差をつける

仕事をバリバリとこなすビジネスマンには、睡眠時間の短い人が多いことはすでに見てきたとおりです。昼間は仕事にフル回転し、夜は豪快に飲み、疲れを知らぬかのように元気いっぱいです。某大手商社の営業課長で(41歳)にきいてみると、「私の睡眠時間は平均3~4時間ですね。これぐらいがもっとも調子がいい。5時間以上眠ると、かえって身体がだるくなる」といいます。

そのかわり、昼寝の名人で、午後になると机から離れて、空いている応接室へ飛び込み、ソファに座るやまたたく間にスッと眠り込んでしまいます。それだけではない。電車に乗っても、5分以上の時間があると、すぐに仮眠をとっています。トータルすると30分から小1時間になります。

起きると頭脳も肉体も、嘘のようにすっきり壮快なのだそうです。このように、たとえ5分ずつでも仮眠をとると、その効果は大きいものになります。「たった5分ぐらいで?」と、昼寝などしたことがない人は思うかもしれませんが、これは紛れもない事実です。

もしもあなたが、毎晩7~8時間眠って、起きてからは休まず活動しているのなら、睡眠パターンを思いきって変えてみることをおすすめします。3~4時間睡眠にして、仮眠を5分ずつとるようにします。このほうが活動時間が増えるし、仮眠によって脳がリフレッシュするから仕事や勉強に集中できます。

人間も機械と同じで、緊張と弛緩を繰り返すことで、より活動的になれるのです。たとえば、山登りでも、直線コースで頂上まで登るより、カーブを描きながら登ったり、小休止しながら登っていったほうが疲れが少なくてすむのです。そのほうが合理的です。

睡眠でも同じことがいえるのです。1回の睡眠で疲労をすべて取り除こうとするよりも、数回に分けたほうが効果があるということです。医学実験でも、5分ぐらいの仮眠を数回つづけるだけで、人間に必要な休息はちゃんととれていることが確認されています。

なんといっても、現代は超過密の激烈競争時代です。人に差をつけるためには、仕事や勉強の時間をすこしでも多くすることが肝心です。こんなときこそ、睡眠形態や質を合理的に組み立て直す必要があるのです。

こうした仮眠をうまく活用すれば、かなり多くの仕事を成し遂げられます。いや、仕事だけでなく、受験勉強に追われる学生にも、これは強い武器になります。ライバルの倍以上の時間が得られるのですから。と

ころで、私は片目睡眠法について少し述べましたが、勉強に追いまくられて睡眠時間がなくなったときなどは、この片目ずつ眠る睡眠法をぜひ試してください。これをマスターすれば、徹夜明けでぐったりとなっていても、睡眠をとる必要がなくなり、勉強をつづけることができるようになります。むろん、徹夜で勉強の最中でも、この片目睡眠法は可能です。

頭と体をフルにつかえば必ず熟睡できる

これまで、たびたび述べてきたことですが、睡眠というのほ、副交感神経の働きが活発になることによって、初めてスムーズなものになります。交感神経をうまく活用させ、精神疲労、肉体疲労の2つがバランスよくかみあうことで、快適な眠りが約束されるのです。

そのためには、昼間、ボーッとするような時間を1分たりとも持つべきではないのです。盲の活動時間のなかに、このような時間ができると、その日はおそらくよい眠りを得ることができません。私は、精神的にも肉体的にも、すきのある時間を持つな!提唱しています。できることなら、コマネズミのように1日をすごせ、といいたいのです。私はかつて、猛烈に忙しい日々を送っていましたた。ヨガの指導者としての名声を得て、つぎからつぎへと本の執筆に追われていました。
さらに、テレビ、ラジオへの出演もつづいて、深夜のディスク・ジョッキーの仕事までかかえていましたた。このころは、睡眠2~3時間が当たり前で、3日つづけて徹夜することなど毎度のことでした。しかし、私の頭脳はさえにさえ、この期間に30数冊の本を書き、それでも病気ひとつすることもありませんでした。

つまり私は、精いっぱい働き、精いっぱい遊んで、まったく余力を残さなかったのです。めまぐるしい毎日の中で、自分をとことん燃焼させ、それでいて健康そのものだったのです。毎日、精いっぱい動き、考え、気をつかいます。一瞬たりとも、だらけた精神を持たなかったのです。このように懸命に生きれば、必ず熟睡できるし、熟睡しなければ体がもたないのです。