すべての病気は5つに分類できる

生姜の効能について18項目あることを紹介しました。

現時点までに科学的に明らかにされている以外にも、生姜は「百邪(万病)を防ぎ、百邪を治す力」を持っています。

西洋医学的病名は何千も何万も存在する。何か新しく発見されれば、それと一緒に病名が増えるからです。たとえば肺炎には、それを起こす病原体の種類により、細菌性肺炎、ウィルス性肺炎、真菌(カビ)性肺炎などと分類されます。
細菌性肺炎も細菌の種類により、肺炎球菌性、緑膿菌性、黄色ブドウ球菌性といくつもに分類されます。いちいちそのように分類し、「病名」をつけ、必死で抑えようとするのが西洋医学の「治療」です。それぞれの病気を治すためにと、それぞれに対応する新しい薬が作り出されています。

これは、終わらないイタチごつこを繰り広げているようなものです。しかし、生姜はそれらを超越して、それこそ万病に効果を発揮します。「病理学」では病気を大まかに次の5つに分類しています。

  1. 炎症
  2. 腫瘍
  3. 循環障害
  4. 免疫異常
  5. 変性(退行)性疾患

この5つに、ほとんどすべての病気が含まれます。では、具体的に5つのそれぞれの症状に対して生姜がどのように効果的なのでしょう。

炎症に効く生姜の効能

炎症は肺炎、胆のう炎、肝炎など、「炎」がつく病気の稔称です。打撲、熱などの物理的因子、酸、アルカリなどの化学的因子、細菌やウィルス、真菌などの病原体のほか、体内の免疫異常(自己免疫)などで起こりますが、大半の原因が細菌など、病原体の発生によります。

特徴的な症状は、発熱、痛み(疼痛)、発赤(皮ふや粘膜の一部が充血して赤くなること)、腫脹(体の組織体や器官の一部が腫れあがること) です。

バイ菌というのは、ドブ川、肥だめ、ゴミためなど、汚いところにしか存在せず、小川のせせらぎや南海のコバルトブルーの海の中にはほとんど存在しません。

ということは、バイ菌は地球上の不要のもの、余ったもの、死んだものを分解燃焼して、土に戻すはたらきをしているということです。

体内にバイ菌が入り、肺炎、気管支炎、胆のう炎を起こすのは、「自分自身の体内(血液内) が汚れている」ということにほかならないのです。

だから体温を上げ、発汗や大小便の排せつを促し、血液を浄化する生姜は炎症疾患に効くのです。

風邪や気管支炎のとき生姜紅茶や生姜湯を飲んで発汗すると、スーツと症状( のどの痛み、セキ、頭痛など)が改善していくことが多いのはそのためです。

「腫瘍」に生姜が効くのは

腫瘍には良性と悪性がある。良性腫瘍はイボ、ポリープ、ホクロの類。「腫れ物」ではあるのですが、転移をしたり、近接の臓器に害を及ぼしません。

しかし、悪性腫瘍は、がんや肉腫など、転移をし、近隣の臓器に浸潤してさまざまな障害を起こします。

日本人の死亡原因第1位ががんです。手術で切除しても、放射線で焼いても、薬で毒殺しても、なお再発や転移をくり返すとても治療が難しい腫瘍です。

過食や栄養過剰により、元来は人体に存在しない新生物が作られてしまったのです。
いま、西洋医学のがんに対する治療方法としては、がん腫の周囲に張り巡らされ、がん腫に栄養を送り込んでいる毛細血管の新生を妨げて栄養供給をストップさせようとする「兵糧攻め」の治療法です。
がんの予防や改善には、1食を生姜紅茶にして、1日の食事の全体量を減らす、生姜紅茶で体温を上げて、体内の余剰物、老廃物を燃焼・処理することが必要です。

「循環障害」に生妻が効くのは

循環する液体(血液、リンパ液) の中に浮いている60兆個もの細胞が栄養、水、酸素などの必要物を取り込み、炭酸ガスなどの老廃物を排せつして生命を維持しています。
血液は、胃腸から吸収された栄養素や水、骨髄でつくられた赤血球、白血球、内分泌臓器で産生されたホルモン、肺から取り入れられた酸素をかかえ込み、全身の細胞に送り届ける。そして今度は細胞の生活代謝によって生み出された老廃物を受け取り、腎臓や肺から、尿や呼気として排せつしています。

血液のほかにもリンパ液、細胞間質液、細胞内液として水分は体内に存在しており、これらの水分は絶えずスムーズに流れて、体内の新陳代謝がなされなければいけません。

しかし、水分の循環に障害が起こると、いろいろな病気が生じます。それがむくみ、高血圧、うっ血、出血、梗塞です。

体内の水分の滞りがこうしたさまざまな症状が起こるのです。
このような水分の滞りを改善する生姜は循環障害に効果があるのは言うまでもありません。

「免疫の異常」に生妻が効くのは

免疫とは文字通り「疫=病気を免れる反応」です。皮ふや胃腸、肺、気管支などはそれぞれ、外界からの物理的、化学的、生物的刺激を遮断します。
よって、強酸性の胃液で細菌や有害物を無毒化したり、肺のせん毛が不要物をタンとして排せつするなども広く免疫反応といえます。

う一方、狭義には、血液中の好中球による殺菌や、リンパ球が抗体を産生して抗原(菌、花粉、ホコリなど) へ加える攻撃、NK細胞のがん細胞への攻撃など、白血球を中心とするさまざまな抗病力を「免疫」といいます。(好中球、リンパ球、NK細胞もすべて白血球の一種)。

少し専門的になりますが、ふつう、抗原が体内に侵入してくると、リンパ球が抗体という「免疫グロブリン」をつくり出し、抗原と結びつくはたらき(抗原抗体反応)をして、抗原を抹消します。

一方、抗原抗体複合物がマスト細胞を刺激して、「ヒスタミン」を遊離させ、気管支を収縮させたり、血管壁の透過性を増加してジンマシンや湿疹を起こす現象が「アレルギー」です。

また、自分自身の体の一部をリンパ球が異物(敵) と見なし、その体の組織に対して抗体をつくつて攻撃し、破壊してしまうのが「自己免疫」病です。

止血作用を担っている血小板、大腸の細胞、だ液腺や涙腺の細胞、皮ふの細胞、甲状腺の細胞などに対して抗体をつくつて攻撃すると、血小板減少性紫斑病、潰瘍性大腸炎、シューグレン病、強皮症、橋本病(甲状腺機能低下症) などが起きてくる。アレルギー反応も自己免疫反応も、たしかに「異常な免疫反応」です。

しかし、人間の体というのは常に「健康になろう」「長生きしよう」とする反応=自然良能(自然治癒力)がはたらいているのです。

よって、自然医学的には、体内の老廃物や水分を、タンや発疹として出そうとしているのが「アレルギー」であり、誤った食物(過食、肉食過剰など) によってつくられた不健康な細胞を抹殺しようとするのが「自己免疫疾患」であると考えます。

人間の歯の形に合う穀類中心の自然の食物を摂り、健康な細胞をつくり上げれば、こうした「異常」反応は起こりません。生姜には免疫を高める作用があり、アレルギー症状にも効果を発揮するのです。

「変性(退行)性疾患」に生姜が効くのは

変性性疾患とは新陳代謝が妨げられ、細胞や組織内に正常量を超えた大量の物質が沈着したり、ふつうの状態では存在しない異常な物質が存在することをいいます。
沈着する物質の種類により、タンパク質変性、脂肪変性(脂肪肝が代表)、石灰変性、結晶体変性(腎臓結石、尿管結石、ぼうこう結石、胆石など)があります。

変性性疾患はひと言でいえば、体内の老廃物、余剰物が排せつできない状態の病気です。さらにいえば、体温の低下(冷え)により、排せつが悪くなっているのです。

この考え方であれば「肥満」こそ、変性性疾患の最たるものであるといえよう。生姜は体温を上げ、発汗、利尿、排便を促すのdすから、変性性疾患の予防・改善の大きな力になるということです。

このようにほとんどすべての病気が含まれる5つの病理学的分類をみても、それぞれに、生姜が大きな効能を発揮します。

こんな実験もあります。マウスに人間の大腸がんの細胞を植えつけ、生姜の辛味成分である「ジンゲロンを与えた群」と「与えなかった群」を追跡調査。その結果、「ジンゲロン」を与えなかったマウスには平均13 個の腫瘍が見られたのですが、与えたマウスには平均4個しかありませんでした。生姜エキス=ジンンゲロン」が白血球の免疫力を強化し、抗酸化作用を発揮して、がん細胞の増殖を食い止めたものだと考えられます。

生姜で治す18の症状

実際に生姜についてこれまでの研究で確立された効能です。代表的な18の症状です。

  1. 体を温める作用
    副腎髄質を刺激して、アドレナリンの分泌を促し、血液循環をよくして体を温める。
  2. 免疫力を高める作用
    好中球(白血球)の数を増し、そのはたらきを促進させて免疫力を増強させる。
  3. 発汗、去痰(タンを取り除く)作用
    血管を拡張して血行をよくする上に、体内のさまざまな管や腺組織を刺激して発汗や去痰作用を発揮する。
  4. 鎮咳作用
    去痰を促し、また脳の咳嗽中枢に作用して咳を鎮める。
  5. 解熱作用
    生姜にはアスピリン(解熱・鎮痛薬)の80% 程度の解熱効果がある。生姜の薬効成分が「プロスタグランディン」(体の機能をいろいろな場所でコントロールしているホルモン様物質) の生成を抑えることにより、解熱を促すという。
  6. 鎮痛・消炎(炎症を消し去る)作用
    「アスピリン」や「インドメタシン」などの消炎・鎮痛剤もほぼ同等の効果はあるが、化学薬剤には胃炎や胃潰瘍を起こす可能性がある。その点、生姜は逆に胃壁を守る作用もあるので、より効果的であるといえる。
  7. 血液凝固の抑制作用
    生姜は血小板の粘桐性(ねばり気)を抑えて、その凝集を抑制して血栓を防ぎ、脳梗塞、心筋梗塞、高血圧を予防・改善する。しかもアスピリンのように胃潰瘍の原因となったり、白血球が減少するなどの副作用は生姜にはないということ。
  8. 強心作用
    生姜は心筋を刺激することにより、心筋の収縮力を高め、脈拍をゆっくりと低下させる。血圧も10~15mmHGくらい下がることが多い。この強心作用は、現代の代表的な強心剤「ジギタリス」に似ている。
  9. 消化・吸収能力を高める
    生姜は胃腸の内壁の血液循環をよくして、胃腸のはたらきを促し、消化吸収を高める。また、胆汁の分泌を高め、ビタミン、ミネラルの活性を増す。
    特に「ジンギペイン」という強力なタンパク質消化酵素は、パパイヤに含まれるタンパク質分解酵素「パパイン」やパイナップルに含まれるタンパク質分解酵素「ブロメリン」に匹敵するほど強力な作用を有している。
    ほかには肉の軟化作用にも優れている。中華料理の肉料理に生妻が使われるのもその理由からだ。また、抗生物質のはたらきを高める作用や、駆虫作用に優れている。
  10. 抗潰瘍作用
    生姜には、少なくとも7つの抗潰瘍成分が明らかにされている。胃潰瘍の原因菌とされるヘリコバククー・ピロリ菌をはじめ、大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌などの食中毒菌に対する殺菌作用を持っている。
  11. 鎮吐(吐き気を抑える)作用
    船酔い、つわり、抗がん剤による吐き気に対して、生姜が著効を示すという研究結果が発表されている。
    毎日1gの生姜粉末をつわり症状のひどい30人の妊婦に飲ませたら著効を示した、という論文が掲載された。
  12. 抗菌、抗ウィルス、抗真菌、抗寄生虫作用
    生姜は風邪ウィルスや気管支炎、肺炎などを起こす細菌類、カンジダや水虫などの真菌に対して抗菌作用を示す。
    ほかに回虫、フィラリアなどの寄生虫をも駆逐するはたらきがある。また、魚に寄生している「アニサキス」を体内に摂取すると、激しい腹痛発作が起こることがあるが、こうしたアニサキスにも生姜は効く。
    寿司屋のガリ(生姜の甘酢漬)は大いに食べるべき。
  13. めまいに効く
    米国の大学で、被験者を回転椅子に座らせて6分間回すという実験をした。めまい止めの薬を投与したグループ12人は、平均4分で「めまい」のためダウン。
    一方、回転椅子に乗る30分前に1gの生姜を与えたグループは、12人全員が6分間の回転に耐えられたという。生姜は内耳の血行をよくして、めまい、耳鳴りを防ぐはたらきがあるのだ。
  14. 血中コレステロールの低下作用
    生姜の「ジンゲロール」の胆汁排せつ促進作用により、血液中のコレステロールが低下する(
  15. 生殖機能の改善
    生姜は男性の精子の連動率を高め、また、女性の生理不順を改善して、不妊症に効果を発揮する。
  16. 酸化防止作用
    生姜は数多くのスパイスの中で、「最大の酸化防止剤」であるとされている。つまり、最高の抗酸化剤ということになる。炎症、がん、アレルギー、自己免疫疾患などのほか、老化も体内で発生する活性酸素が深く関与しているとされるが、抗酸化作用の強い生妻は老化や万病の予防、改善に役立つ。
  17. 脳の血流をよくして「うつ」に効く
    漢方医学では2000年も前から、生妾には「気を開く」、つまり「うつ気分」を改善する作用があるとして、「気の病」の特効薬、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)の構成成分として用いられている。
  18. 解毒促進・体内浄化
    体内に食物している場合、活力が増す。また、発汗、体内浄化(食毒)、血液(瘀血=汚血)、体液(水毒)、エネルギーが過度に蓄積生妾を飲用すると血液の循環がよくなり、体内にある60兆個の細胞の排尿、排便を促して毒素を排せつし、体内の浄化をする。

蒸し生姜を実際に使ってみた使用感と効果

生姜はどのくらいの量を摂るのが適量か?

生姜の研究の第一人者でデンマークのオーゼンセ大学のスリワスタワ博士やイスラエルのベーコン博士らの研究によれば、健康の維持・増進のための生姜の1日摂取量は、生姜粉末1gが目安とされています。

しかし、関節炎に悩む方が誤って生姜粉末を1回3~4g摂ったところ、痛みが軽減したという報告(スリワスタワ博士の研究報告より) もあります。

現在は、蒸し生姜を使ってさまざまな症状が改善している例があります。
リバウンドのない健康的なダイエットをしたいのなら体の冷えを解消する蒸し生姜(生姜の使用感、口コミ)
ダイエットに生姜を利用する症例が多いのですが、体温アップによってさまざまな症状が改善、軽減しています。

量を多めに摂取しても調子がいいのであれば、3 ~7 gでも問題あいりません。

食欲増進、消化促進が目的であれば、食前10~15分ごろに摂取するのがいいでしょう。もちろん、食事中でも食後でも、その効能は十分に発揮できます。

吐き気止めを目的とするなら、毎日1gを少なくとも旅行の3日前から摂取するようにします心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症予防には、毎日2g摂るようにします。

世界の文献を調べてみたところ、薬品としての生姜、また、食品としての生姜に、副作用に関する研究報告などは記載がありません。

同じように『日本薬局方』にも副作用の記載はありません。米国のFDA(食品医薬品局)では、生姜は「GRAS(一般的に見て安全) に当たるハーブ」として分類しています。
事実、何の警告ラベルもつけずに販売されています。また、1日のうちでいつ摂るのが一番いい、というルールもありません。もし空腹時に摂ると胃に不快感を感じるなら、食後にするといいし、それでも不快なら、生姜の量を減らせばいいでしょう。
いわゆる食品という分類に入るので副作用がないのが当然です。
しかし次に該当する場合は、生姜は控えるようにしましょう。

  • 39度以上の発熱時
  • 1分間に90以上の頻脈
  • 脱水症状

生姜は新陳代謝を活発化させるため、こうした症状を悪化させる恐れがあるためです。

生姜の毒素排泄力

伝染病でも生姜を食べていた人だけでは無事だったという話

イギリスでは1人の主によって、生姜が一般庶民にも広がるようになった歴史があります。14世紀、ロンドンでペストが大流行しました。市民の3 分の1 が死亡したとき、生姜をたくさん食べていた人は死亡しませんでした。

この歴史的事実を知った16世紀、イギリスの王ヘンリ18世が、ロンドン市長に人形の形をした「生姜パン」をつくるように指示しました。
加えて一般庶民にも生姜を食べるように奨励したので、この頃から、少しずつ非上流階級の人々も生姜を食べることができるようになりました。

言葉というのはその国の歴史、文化、生活習慣からできあがるものです。gingerという単語は生姜のなんたるかを、端的に物語っていることがよくわかります。

また、イギリスでは、ビールを生姜で味つけして飲む習慣がある。飲み屋のカウンターでは、生姜入りのビールを熟した鉄棒でかき混ぜながら飲む人がたくさんいます。
風味が出ておいしいのが理由です。もともと、ビールは体を冷やす飲み物なので、体を温める生姜を加えるはど「いい塩梅」になるのです。

「生姜は消化を促す作用があるので、肉料理のソースに用いるといい。砂糖漬けにして食べると体が温まる。胃腸の病気をはじめ、あらゆる病気の予防や治療に役立つ」「体内のむくみを防ぎ、消化を助け、強力な駆風作用を発揮する」また、精力を増強させる」「去痰 作用にも優れている」「緩下剤の効果が弱いときは、生姜を食べるとその効果が増す」「生姜の砂糖菓子は胃のはたらきをよくし、胃痛を鎮める」「生姜は老人の健康増進に重宝する」

世界の生姜の効能の利用

国名 生姜の効能
アメリカ 発熱、吐き気、風邪、ガスによる腹痛、頭痛
ブラジル 風邪、リウマチなどの痛み
中国 消化不良、食欲不振、生理痛、
キューバ 不妊症、生理痛、生理不順
イギリス 午前中の気分低下など心の不調
インド ガスによる腹満、発熱、咳、糖尿病、結核、生理痛、生理不順
マレーシア 出産後の体力回復
メキシコ 消化不良
ナイジェリア けが、感染症
サウジアラビア 吐き気、つわり、腹痛、心不全、出産後の回復、発熱、頭痛

生姜には「自家解毒剤」(ファイトケミカル)が備わっている

生姜にはどんな成分があるのでしょうか?
100g中の含有成分量を以下のとおりです。

  • エネルギー(31kcal)
  • 水分(91.9g)
  • たんぱく質(0.9g)
  • 脂質(0.1g)
  • 糖質(6.3g)
  • ミネラル(0.8g)
  • カルシウム(12mg)
  • リン(23mg)
  • 鉄(0.3mg)
  • ナトリウム(4.0mg)
  • カリウム(340mg)
  • マグネシウム(28mg)
  • 亜鉛(400mg)
  • 銅(95mg)
  • ビタミンA(1μg)
  • ビタミンB1(0.03mg)
  • ビタミンB2 (0.03mg)
  • ナイアシン(0.7mg)
  • C(2mg)
  • 食物繊維(2.5g)
    • これはあくまで、現代栄養学による5大栄養素(タンパク質、脂質、糖質、ミネラル、ビタミン) を中心とした分析である。しかし、植物の体内にはタンパク質や脂質、ミネラル、ビタミン、繊維以外の重要なはたらきをする「植物性の化学成分= ファイトケミカル」が含まれています。

      なぜそのような成分があるのかといえば、植物は動物と違い、生えてから枯れるまで同じ場所から動けないためです。

      動物は有害物が近づいた時、逃げることができるが、植物はそれができないのです。その間、紫外線、有害昆虫、食べようと近づいてくる小動物、大気汚染など、さまざまな有害物や敵にさらされ、生命を脅かされることになるということです。

      だから、植物の体内ではそうした有害物が接近してきた場合、近づかないようにしむけたり、自身の体内で解毒できるように強力なメカニズムを有しているのです。

      植物の色や香りの成分のほとんどがこの「ファイトケミカル」で、トマトやイチゴだいだいの赤の色素、ニンジンやオレンジの橙や黄の色素、ブロッコリーの緑の色素、にんにくやタマネギの臭いの成分などががそれです。

      最近話題になっている赤ワインの「ポリフェノール」や、ニンジンの「β-カロチン」、お茶の「カテキン」、ブルーベリーの「アントシアニン」、大豆の「ダイゼイン」もすべてファイトケミカルです。

      そして、漢方薬の有効成分は、ほとんどがこのファイトケミカルの力によるものです。

      植物体内でさまざまな有害物を解毒するファイトケミカルは、人間の体内に取り入れられても、同じように体内の有害物を解毒します。また、体内の諸器官・諸細胞の賦括(機能・作用を活発化すること)して、人間の健康の維持・増進、病気の治癒促進に役立つのです。つまり、生姜の薬効成分もこのファイトケミカルの力そのものです。

生姜の薬効は数え切れないほどある、漢方薬の7割に含有している

生姜の豊富な効能、効果

普段から生姜紅茶を飲み、朝食を生姜紅茶だけにして1日の食事の全体量を減らすだけでも、さまざまな病気が予防できます。

また、生姜紅茶は、現在、病気にかかっている人にも、その病気を治す原動力になるはずです。では、なぜ、これほど生姜が効くのでしょうか?

まず、生姜の一番の効能は「体を温める」ことです。生姜紅茶によって「体の冷え」が治ったら、さまざまな症状や病気が改善するのですが、体を温めることは万病を治す原動力にも発展します。
また、生姜には、

  • 消化・吸収を助けて胃腸を丈夫にする
  • 痙攣や腹痛、鼓腸(ガスのため腹が張る) を治す

といった効能もあります。

生姜の皮のすぐ下の細い管には芳香性の油性の液体が含まれています。これは、「精油」と呼ばれ、動物でいえば血液にあたり、植物の活力・精力の原動力となるものになります。
精油の芳香成分は、昆虫から身を守ったり、小動物を寄せつけないようにする香りを放つ物質です。芳香成分は「ジンギペロール」、「シトラール類」など400種類以上存在しますま

た、辛味の成分として有名なのが「ジンゲロン」、「ジンゲロール」、「ショーガオール」、「カブサイシン」です。こうした400種を超える成分の相互作用で、生姜の「薬効」が生まれるのです。

すべての漢方薬のうち7割に含まれている

日本へは3世紀ごろ、稲作とともに中国経由で伝わったとされています。古代には「クレノハジカミ」と呼ばれていましたた。「クレ」は中国を表わす「呉」からであり、「ハジカミ」は、「サンシヨウ」の意味という説と、「(生姜は) あまりに辛いので、食べると顔をしかめる」から来ている、という説があります。

中国では、古くから生姜が重宝されていたことが歴史書からもわかります。。紀元前500年ごろに活躍した儒学の祖、孔子も、「食事をするときは、生姜を必ず一緒に食べる」ことを習慣にしていたと伝えられています。

いま、私たち医師が処方する医療用漢方薬の約150種のうち、7割以上の漢方薬に生姜が用いられていることを考えると、生姜は「5000年の治療師」といわれるのも当然かもしれません。

歴史上貴重品だった生姜

生姜はなにも東洋だけのものではない。紀元前から薬用として用いられてきた生姜は世界のさまざまな国で、まさに「民間療法薬」として重宝されてきました。

たとえば、生姜の原産地インドの医学「アーユルヴェーダ」。これは単に医学というより、インドの哲学やインド人の精神に多大なる影響を与えているインドの精神文化の一部というべきものです。そのアーユルヴェーダでは、生姜は「神からの治療の贈り物」とし、万病を治す力があると言い伝えられています。

イスラムの聖典『コーラン』には、「天からの聖なるスピリッツ」と表現されている。びやく『アラビアン・ナイト』では、生姜は「媚薬」としても登場しています。生姜は、紀元前2世紀には古代アラビア人により、インドから海上ルートで古代ギリシャやローマに伝えられました。
また、陸上ルートではインドからトルキスタン、ペルシアなどを通り、トルコからヨーロッパへと運ばれています。

朝食は絶食、昼はそばがベストの食習慣

人間の脳細胞や筋肉細胞などの60兆個の細胞のうち、細胞の9割以上は糖分だけから活動のエネルギーを得ています。だから朝食を抜いても、糖分の補給だけはしたはうがいい。

そこで起きぬけの胃腸に負担をかけず、「吸収は排せつを阻害する」ようなことはさせずに糖分を補うベストな方法として、朝食の代わりに生姜紅茶に黒砂糖を入れて飲めばいいでしょう。
水分と糖分、それにビタミンとミネラルを補い、しかも、生姜紅茶の体温上昇効果によって、うつ気分をはじめ、朝の不調を即座に解消することができるのです。

また、排尿、排便も促され、血液を浄化し、病気の予防・治療の原動力になります。朝、生姜紅茶を2~3杯を飲むだけで物足りないようなら、リンゴをかじったり、ヨーグルトを食べたりしてもいいでしょう。しかし、ゆっくりと時間をかけても最後は、生姜紅茶を飲むだけにするほうが体のためにはいいでしょう。

このように、朝を生姜紅茶だけにすると、前日の夕食から翌日の昼まで16~18時間のちょっとした断食の実践になります。

数日から1週間の本格的断食をした場合は、断食期間終了後の食事には特に気をつけなければなりません。断食終了後の1日目は、「うすい重湯1杯+梅干し+みそ汁の汁のみの食事」を朝、夕2回。
2日目は、かゆ「お粥1杯+梅干し+みそ汁+しらすおろし程度の食事」をl日2回。このようにして徐々に普通食に戻していかないと、胃腸をはじめ、体全体の調子がかえって悪化してしまいます。

この期間を「補食」の期間といいます。同じように、朝を生姜紅茶を飲用するだけにした場合、昼食は捕食の期間にあたるので、若干、軽めの食事のほうが体のためにはいいでしょう。普通食でも問題ないのですが、その場合はよく噛んで、腹八分目にすることがとても大切です。

昼のメニューで最適なのはそばです。そばは、さるそばでも、温かいとろろそばでもOKです。そばは8種類の必須アミノ酸を含む優秀なタンパク質や動脈硬化を防ぐ植物性脂肪、エネルギー源の炭水化物の三大栄養素のほかにも、ビタミンやミネラルが多く含まれています。

さらに「そばポリフェノール」は脳の神経細胞のはたらきをよくして記憶力を向上させ、ボケを防いでくれることがわかっています。

漢方医学的にいっても、外観が濃い色のそばには体を温めてくれる作用がある。また、そばに薬味の七味唐辛子やネギをたっぷりふりかけるのも大切です。

七味唐辛子にあるカプサイシンや、ネギのイオウ化合物(硫化アリル)は血管を拡張して血行をよくし、発汗、排尿、排便を促して血液を浄化し、病気の予防、治療に役立ちます。

毎日そばでは飽きるというなら、ピザやパスタに、タバスコをかけて食べるのも同じような効果が期待できます。チーズやパスタも体を温める作用があるし、タバスコにもカブサイシンが含まれているので、体が温まります。

そして朝、昼をこのような食事にしたのなら、夕食はそれこそ、アルコールも含めて、何を飲んでも食べてもOKです。少々食べすぎても、朝の生妾紅茶と昼のそばやピザ、パスタで排せつがよくなっているので大丈夫です。

この食生活を実施して、多くの人々がさまざまな病気を改善している症例が多数あります。

このパターンの食生活をして日中、のどが渇いたり、お腹が空くのならどうすればいいのでしょうか?その時は、生姜紅茶に黒砂糖を入れて何杯でも飲めば解決します。

仕事中も生姜紅茶を飲んだり、チューブ入りの生姜を用意しておいて紅茶に入れたりすることもいいでしょう。生姜紅茶は、1日2~6杯を目安に、好きなだけ飲んでOKです。

そもそも空腹感や満腹感は、胃腸の中に食物がどれだけ入っているかで決まるのではなく、血糖値の増減により決まります。血糖が上昇すると脳の視床下部にある満腹中枢が刺激され、満腹を感じる仕組みです。

逆に、血糖が低下してくると空腹中枢が刺激され、空腹感を感じるようになります。空腹感を感じたとき、ごはんやパンやラーメンなどを食べると、それが胃や小腸で消化され、炭水化物がブドウ糖になって血液に吸収されるまで小1時間はかかります。その間は、血糖が上昇しないので、満腹感を感じることなくいくらでも食べてしまうことになります。

血糖が上昇しはじめ、満腹感を感じるころになると、胃や小腸には必要以上の食物がつまっています。結局それは食べすぎたことになり、血液の汚れや肥満の原因になります。

そこで、空腹を感じたら生姜紅茶に黒砂糖を入れて飲むのがベストな対策です。わずか1分後には、血糖値が上昇して空腹感がピタリと止まります。

砂糖の糖分は、ごはんやパンヤラーメンなどのような多糖類ではなく、二糖類なので、すぐに消化・吸収されて血糖を上昇させます。
食べ過ぎ→肥満→血液の汚れ→万病の原因という悪循環を絶つことが現代人が健康を維持するために必要です。

現代人のように汚れ放題の血液はどうやってキレイにするばいいか

現代人は多くの人がは食べすぎが原因の血液の汚れのために病気になっています。毎日飽食させて太らせたマウスと、1日おきに断食させてやせたマウスを比べてみたら、肥満マウスはやせたマウスに比べ5.3倍、がんにかかりやすく、やせたマウスは肥満マウスの2倍長生きしたというような実験は、欧米では1940年代ごろからいくつもあります。

がん、脳卒中、心臓病、胆石、腎臓病、糖尿病などあらゆる病気において、太っている人ほど、その罹患率や死亡率が高いことがわかっています。

どのような病気も食べすぎが大きな要因となっているのです。日本の有名なことわざに「腹八分に病なし」「腹十二分に医者足らず」という諺がありますが、まさにいまの日本人は「腹十二分状態」だからこそ、医師がどんどん増え、また、1年に30兆円以上という国家予算の3分の1以上にあたる額の医療費を費消しても病気が減らないのです。

たとえば、長年、アトピー性皮膚炎に苦しめられた人でも食べる量を減らして体の冷えを取り除くことで完治してしまう例があります。
あれほど辛く長年苦しんだアトピーが生姜で改善

ならば、現在の「腹十二分」から1日の食事量の30%を少なくすれば、たちまち病気をすることは抑えられるということです。

要するに、1日のうち1食を抜けばいい、ということになります。では、朝昼夜、どの食事を抜くのが体によく、効果的でしょうか。それは朝食です。

朝は吐く息が臭い、濃い尿が出ます、目ヤニがたまっているなどというように「排せつの時間帯」です。そんな時に食べると、せっかく排せつを多くして血液をキレイにしようとする体内の反応を妨げてしまうことになるのです。

逆に、朝に食べなければ排せつがどんどん促進されます。血液をキレイにでき、それによって、万病を防げるし、万病を治す原動力になるということです。

昨今、「朝食は 1日のエネルギーの供給にとって一番大切な食事だから、必ず食べるように!」とか「蠕動運動のために必須」という指導がなされています。

しかし、「食べたくない」と本能がいっているのなら、無理をして食べる必要はありません。

本能こそ、私たち動物に備わっている自然治癒力のもとです。

また、朝から食欲がある人でも、肥満、高脂血症、脂肪肝、高血糖、高尿酸血症など、明らかに「食べすぎ病」を患っている人はなるべく食べないほうがいいでしょう。

朝食を食べないと力が出ない、などというのは、単なる思い込みで間違った情報です。相撲の力士でも、朝食はいっさい口にせず、午前中はそのまま3~4 時間もヘドの出るほど激しい稽古ができるというわけです。

贅沢な食生活がアトピー・花粉症・ガンをつくっていた!でもほぼ同じようなことを言っています。現代人の食べ過ぎによる悪影響はかなり深刻です。

「生姜紅茶+黒砂糖」で体はほかほか

生姜紅茶の温め効果は優秀

生姜紅茶を飲み続けると、まず、風邪にかかりにくくなります。日ごろから飲んでいない人でも、風邪の引き始めに生姜紅茶を1日3~4杯飲むとすぐに改善に向かいます。
それは、紅茶と生姜の両方に共通する保温作用、殺菌作用、免疫力促進作用によるものです。

生姜紅茶の作り方はこちらです

その生姜紅茶に黒砂糖を加えるとさらに効果が高まります。黒砂糖は同じ砂糖でも白砂糖とは似て非なるもので、現代文明人の栄養過剰(高タンパク、高脂肪、高炭水化物)、栄養失調(ビタミン、ミネラル不足) の両方からくるさまざまな病気を防いでくれるほどのビタミン、ミネラル類を含んでいます。

カルシウムの含有量を白砂糖と比べると、なんと150倍近くもあります。だから黒砂糖を摂りすぎても虫歯になるという危険性もほとんどありません。
また、黒砂糖にある成分が血糖を下げることもわ確認されています。したがって黒砂糖を描いりすぎて、糖尿病になることや、それが悪化することもありません。

糖尿病というのは、東洋医学的な考えでは、糖を摂りすぎて発症するというより、体温低下により、体内での糖の燃焼が十分に行なわれず、体内に糖分が残ってしまうために起こる症状と考えます。

だから、体が温まり、驚くほどの発汗がみられる黒砂糖入りの生姜紅茶を愛飲すると、血液中の糖が燃焼・消費され、糖尿病の予防になるのはむしろ必然的なのです。

「緑茶」は体を冷やすが、「紅茶」は温める

多くの病気は「体の冷え」と「血液の汚れ」が原因です。その解消に大いに役立つものそれが生姜です。生姜には体を温める作用があります。

体温上昇により代謝が高まり、脂肪や糖分の燃焼がよくなるというのが、減量や体調改善の要因のひとつです。そして、生姜の効能は体温上昇作用だけではありません。

万病の原因である血液の汚れを取り除いてくれる作用もあるのです。生姜は体内に食物(食毒)、血液(瘀血=汚血)、体液(水毒)、エネルギーが過度に蓄積した場合、血液の循環をよくして、体内60兆個の細胞の活力を増し、また、発汗、排尿、排便を促して、毒素を排せつし、結果、体内の浄化すすめます。

また、生姜と相性がよく、生姜の効果を増進させるものがあります。それが紅茶です。紅茶は緑茶を発酵させたものですが、同じお茶でも紅茶と緑茶では体に対する作用が異なります。

紅茶は外観が緑色から赤(黒)色に変わったところに、漢方医学的には大きな意味があります。体を冷やす緑色の「陰性食品」から、体を温める赤(黒)色の「陽性食品」に変わっているから点です。

「陰性食品」は、熱や塩を加えると体を温める「陽性食品」に変わります。また、紅茶には緑茶と同様、カフェインが入っており、強心・利尿作用を発揮して水毒を取り除く作用もあります。

さらにお茶の「カテキン」が重合してできる「テアフラビン(紅茶の赤い色素)」には強力な抗酸化作用があり、万病の原因とされている活性酸素の除去の役割もあります。

この「テアフラビン」は、風邪ウィルスを殺す作用があることも確認されています。

紅茶は古くからヨーロッパで飲まれてきました。しかし、ヨーロッパ人はビタミンC不足による壊血病に何世紀もの間苦しめられてきました。

本来ならビタミンCを多く含んでいる緑茶のほうが飲まれていいはずですが、なぜ緑茶を飲む習慣がなく、紅茶だったのでしょうか。
それは、緑茶は体を冷やすので、ヨーロッパのようを寒い地域では、本能的に拒否されたということです。

体温の低下によって、新陳代謝が悪くなり、血液・併内に老廃物をためて病気を起こしている現代の日本人にとって必要なのは、緑茶でぽなく紅茶です。
体を温める作用のある生姜と紅茶は、非常に効能あらたかであるといえます。そして、これを組み合わせた最強の体を温める方法が生姜紅茶なのです。

魚の油に多く含まれるEPAやDHAが脂肪の代謝をよくして脂肪肝を予防してくれる

このところ、魚肉の脂肪分に多く含まれるEPA (エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸) という成分が注目を浴びています。血栓の予防にEPA・DHA

動脈硬化を予防する働きがあるというのがその主な理由ですが、実は酒飲みにとって気がかりな脂肪肝をも予防してくれることがわかっています。

ところで、私たちが毎日の食事で栄養源としているのは、タンパク質、糖質、脂肪の3つの栄養素です。そして、これらの栄養素を1日あたり、エネルギー(=カロリー)換算でタンパク質12~13% 、糖質57~68% 、脂肪20~25% の割合でとるのが理想とされています。

日本人の栄養摂取は、最近までこの適正な割合を保っていて、それが長寿国になった大きな要因であると考えられていました。

脂肪の摂取量がふえている日本も、成人病の発症率が欧米のあとを追っていることはまずまちがいありません。したがって脂肪の摂取量をこれ以上ふやさないことがなにより望まれます。

と同時に、実は食品それぞれに含まれる脂肪の質についても注意する必要があるのです。牛肉や豚肉に含まれる脂肪には飽和脂肪酸というものがたくさん含まれていて、とりすぎると、体内にコレステロールや中性脂肪などがふえてしまいます。血液中にふえた脂質は血管壁にたまって動脈硬化を進め、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こすもとになります。

それだけではありません、皮下脂肪としてたまれば、肥満を招き、糖尿病などあらゆる成人病の危険を増大させるのです。このように、飽和脂肪酸のとりすぎは、いろいろな成人病を起こす大きな危険因子となります。ところがこれを予防するのに、魚に含まれている脂肪酸、つまりEPAやDHA が大きな役割を果たしてくれることが、最近の研究で明らかにされたのです。

牛肉や豚肉など鶏肉の脂肪に多い飽和脂肪酸に対して、魚の脂肪に豊富なのは、多価不飽和脂肪酸という物質です。名前こそ似ていますが、働きは逆で、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らすと同時に、動脈硬化を予防する働きをするいわゆる善玉コレステロール HDLをふやす作用を持っているのです。

そればかりか、多価不飽和脂肪酸には、体内の余分な脂肪を燃焼しやすくするとともに、中性脂肪が合成されすぎるのを抑える働きもあります。
つまり、多価不飽和脂肪酸をとっていると、肝臓にたまっている脂肪も減り、末梢にある脂肪組織も小さくなります。このことがまさに、脂肪肝を防いでくれることにつながるのです。

このようなすばらしい働きをしてくれる多価不飽和脂肪酸の代表格が、EPAとDHAなのです。これらは両方とも、いわしやあじ、さば、さんまなど背の青い魚に多く含まれています。
どの魚も私たちに身近なものばかり。成人病はもちろん、脂肪肝が気になりだしたら、肉よりこうした魚を多くとる食生活に切りかえたいものです。

なお、EPAやDHAをより多く摂取するという意味では、魚の調理は脂肪を落とさないような方法がおすすめです。焼くよりは、煮て煮汁ごと食べるほうが損失は少ないわけですし、刺し身ならむだなくまるごととれることになります。また魚の缶詰めも、脂肪成分がそこなわれずに含まれていますので、じようずに利用したいものです。

小魚に多いエラスターゼには肝臓を守る働きがある

現代人は、肉が多く魚を食べないとはよく言われていますが、やっぱり魚は肝臓にも欠かせない食材です。魚に含まれる栄養成分が、世界的に見直されているもうなずけます。

特に頭からまるごと食べられる小魚には、私たちの健康や成人病予防に役立つ成分がいろいろ含まれています。それらの成分の1つで、近年特に注目を集めているものに、エラスターゼがあります。エラスターゼとは、牛や豚の膵臓でつくられる酵素の一種です。

それが注目されるようになったのは、血管の弾力性を保つと同時に、脂肪やカルシウムの沈着を防いで動脈硬化を予防するなどといった、さまざまな作用のあることが次々に明らかにされてきたからです。

老化や成人病を予防してくれる有効な成分というわけです。実際、心臓病、高脂血症、肝臓病、糖尿病などに効果のあることがわかって、治療にも使われ始めています。

このエラスターゼ、酒飲みにとって見のがせない成分でもあります。エラスターゼには脂肪の分解を促す働きがあるのです。この働きによって、肝臓の細胞に脂肪がたまって起こる脂肪肝が改善されることがわかっています。

また、肝細胞が線推化して肝硬変になるのを予防する働きのあることも、実験によって確認されています。現に、私も慢性肝炎の患者さんにエラスターゼの製剤を与えたところ、肝機能検査の成績がよくなり、病状も改善するのを確かめています。

現在、治療薬として使われているエラスターゼは、豚の膵臓から抽出し製剤化されたものです。ですから、その効能を得るためには、豚の膵臓を食べればよいわけです。ところが、豚の膵臓はさまざまな有効成分の宝庫であるため、製薬メーカーがほとんど買い上げてしまい、なかなか入手することができません。

そこで、身近な代用食品としてぜひおすすめしたいのが、小魚類です。わかさぎやししゃも、うるめいわしなど内臓ごと食べられる小魚には、エラスターゼに似た物質が含まれているからです。おつまみにはもちろん、おかずにするなど、積極的に食べる習慣をつけたいです。