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短時間睡眠のための食事

食べ方の工夫でこんなにも変わる

われわれは通常、何種類かの食べ物を組み合わせたり、いろいろな調味料を加えたりして食べています。それによって、どんなデメリットが生じるか、ご存じでしょうか。つまり、その食物が本来もっている特質や性質を変えてしまったり、カロリーも増減することがあります。

たとえば、大根おろしと人参おろしを同時に食べるとどうなるでしょうか?大根のビタミンC に人参のビタミンC の破壊酵素が働きかけ、2つのビタミンC はともにこわされてしまい、まったく栄養のないものになってしまいます。ホウレン草もビタミン類を多く含む食物だが、お湯に浸すとその7割のビタミン糾が破壊されてしまいます。

カロリー計算にしても同じです。大根はカロリーが低いので、美容食として女性に歓迎されていますが、大根にはジアスターゼという消化酵素があります。これは、いっしょに食べたものの消化をうながし、カロリーを多く吸収してしまうことになります。 消化酵素が胃腸を元気にする大根

そのため、逆に、肥満を招いてしまうのです。これらのデメリットをなくし、正しい食べ方を心がけないと、健康保持、肥満防止にはつながらないのです。せっかく短時間睡眠を実践しても、効果は出てきません。では、いま述べたほかに、食べるときにはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。

化学粥味料や添加物を避ける

現代の食生活では、化学調味料や添加物を避けることは困難です。米やパンにまで添加物がはいっているのだから、どうしようもありません。しかし、できるかぎり避けようと心がけることが必要です。そのためには自然食品を中心に、ふつうの食品でも内容表示をしっかり確かめて、添加物の少ないものを選んで買うことが肝要です。

中性洗剤はつかわない

野菜や果物を洗剤で洗う人がいますが、これはきわめてNGです。食物にしみ込んだ化学洗剤は、いくら水洗いしてもとれません。同様に、食器を洗う場合も、洗剤をつかわず、お湯と水で洗うべきです。

植物油をつかう

動物性脂肪はカロリーが高く、肥満の原因になるうえに、血液を酸性に変えてしまい、結果として身体の動きを鈍くさせます。バターを植物性のマーガリンに変えたり、ゴマ抽などをつかうようにすべきです。
特にオリーブオイルがおすすめです。
腸ストレスから自分の腸を守るために効果的なエキストラバージンオリーブオイル

玄米は現代人に必須の栄養素をたっぷり含む

まず、白米を中心に食べて3時間睡眠を実践すると、身体の芯からパワーが出てこなくなり、ひじょうにつらい思いをするでしょう。いつも身体がだるく、力がはいらず、運動能力もかなり低下するでしょう。とくに、昼食後の13時、14時ごろに襲ってくる睡魔に打ち勝つのには苦労するかもしれません。

では、パン食を中心にした場合はどうだろうか。これも、あまりすすめできません。日中、空腹感が何度も襲ってくるからです。とくに、漂白されたパンを食べて3時間睡眠にすると軽いめまいを起こし、歩いているときに、思わず電柱や壁によりかかってしまうことも有るかもしれません。

めん類を中心にする場合は、うどんやラーメンよりも日本そばのほうがいいでしょう。これも、具を入れずに、そばだけを食べているほうがパワーが出ます。

ところで、野菜食だけを中心に食べて短眠法を実践するとどうでしょうか?野菜は繊維質であるだけに便秘になることはないでしょう。さらに、消化器系統の病気はほとんどが回復します。ただ、早朝とか深夜に、手足が冷えてくることが増えるでしょう。

これは、生野菜が、人間の身体に陰性に作用するためです。したがって、この食事法は冷え症ぎみの人にはおすすめできません。また、頭脳労働者にはいいかもしれないのですが、スポーツマンや肉体労働に従事する人には不向きです。

では最後に、玄米中心の食事をとった場合についてです。これは私だけでなく、私が指導したビジネスマンや受験生など約300人に体験してもらったのですが、みな一様に、「身体の芯から爽快な状態になる」といっています。

玄米だけでは栄養不良になるのではと心配する人も多いのですが、そんなことは気にする必要もありません。
玄米には、たんぱく質、脂質灰分、カルシウム、リン、鉄、カリウム、ビタミンB1、B2、Eなど450種類もの栄養素が含まれており、まさに「完全食品」と言えるでしょう。
このように一品だけ見てくると、玄米ほど多くの栄養素が含まれているのは、ほかに見当たらないことがおわかりになるでしょう。短時間睡眠を快適に実践するためには玄米食は欠かせないのです。

「米にこだわる」が質をあげる

食事・呼吸で短時間熟眠が自分のものになる

人間は1日1食でよい

人間は、眠れば眠るほど、ますます眠くなるのです。つまり、眠りが眠りを呼ぶのです。だらだらと長時間の睡眠をとることは、着ぶくれで動きが鈍くなるようなものだと言えばいいでしょうか。

つまり、熟睡するためには、余分な睡眠時間をけずり落とさなくてはいけません。しかし、いままで8時間眠っていた人に、なんの準備もさせずに、「明日から睡眠時間を3時間にしろ」といったところで、できるものではありません。

無駄なな睡眠時間をけずるためには、まず、「少食″」にすにすべきです。これは読んで字のごとく、「少なく物を食べる」という意味です。
飽食の時代だからこその「栄養失調」を読むと現代人は栄養バランスが悪いなぁ~とつくづく感じます。

睡眠というのは、内臓が疲れるために起こるのです。内臓が疲れる主な原因は、食事によって生じます。食べれば食べるほど内臓は疲れを増し、その疲労を回復するために、ますます眠らなければならなくなるのです。

ここで、1つの卓説を紹介しましょう。「人間は1日2食でよい」というものです。これを提唱しているのは、労働科学研究所前所長の小山内博医学博士です。小山内博士は血液循環の研究に取り組んで十数年、自他ともに認めるこの道の大家です。

小山内博士の理論をつぎに要約してみましょう。「人間の体内には、1週間なにも食べなくても、十分持ちこたえるだけのエネルギーがあります。体内にとり入れた栄養は細胞の中にはいり、空腹になると血液を介してエネルギーとして取り崩されますが、現代人は食べすぎのために、既存のエネルギーをつかう前に新たに栄養を補給してしまうから、エネルギーを蓄える方向にばかり血液が流れ、逆の方向にはなかなか動かないのです。

これでは身体にいいわけがありません。つまり、健康とは、血液の循環がよくて初めて成立する、と小山内博士は言います。いわゆる「血のめぐりがいい」というのが健康体だということです。そして、血のめぐりをよくするには、あまりものを食べないようにし、すでに細胞内に蓄積されている脂肪をエネルギーとして活用することなんです。と声を大にします。

これは、長年におよぶ食研究でも同様の結論を得ている専門家がたくさんいます。しかし、おなかがすいたら、どうすればいいのでしょうか?

これについては「走る」ことです。20分~30分、ランニングすると、空腹感がなくなります。走って、血液の循環をよくして、細胞内にある脂肪をエネルギーに換えればいいのです。こうして、空腹になる時間をできるだけ多くすれば、胃腸病や成人病などは起こらないのです。

ところで、さきに、「食べてから2時間以内に眠ると胃腸に大きな負担をかける」と述べましたが、この「1日1食」を実践するかぎりにおいては、食べたあと、すぐに寝てもOKです。

寝る2時間前には食べてはいけない、とよくいわれますが、それは1日3食の人たちのに該当します。1日1食、それも適量なら、睡眠中、胃に十分に血液を集めることができ、消化吸収がすこぶるよくなるから、太る心配はありません。

大食するから、胃に負担がかかって熟睡できなくなる現代人は、明らかに食べすぎです。食べすぎるから余分な脂肪が体内にたまり、もろもろの病気をひき起こし、夜もよく眠れないということになるのです。私はこの10数年間、1日1~2食の生活をつづけているが、これほど快適な生活法は見あたりません。おかげで、内臓の疲労度は軽くなり、短時間睡眠が無理なくできるのです。

アルカリ性食品が熟睡効果を驚異的に高める

さて、短時間睡眠を効果的に実践するためには、なにを食べるかがとくに重要なポイントです。血液は、交感神経が活発に働き、エネルギーが大量に消費されているときには酸性になっています。

ところが、副交感神経が活発になると、血液はアルカリ性に傾き、血圧は下降して、心臓の鼓動はゆるやかになり、目はとろんとしてきます。逆に、胃や腸の消化液の分泌はさかんになります。これが、つまり、眠りを呼ぶのにふさわしい弛緩の状態です。

短時間睡眠では、副交感神経がより早く、有効に働くような状態を意識的につくり出すことが肝要です。それには、日常の食生活を、アルカリ性食品中心に変える必要があります。

アルカリ性食品をたくさんとると、就寝時に、交感神経から副交感神経への切り換えがスムーズになり、超圧縮睡眠が楽にできるようになります。たとえば、新鮮な野菜、ノリ、ワカメ、ヒジキ、コンプなどの海藻類、煮干しなどの小魚、それに果物、これらはすべてアルカリ性の食品です。

とくに、血圧を下げるヨードを含むワカメは、副交感神経の働きを活発にさせるには最適である。さらに、梅干しとレモンもおすすめです。。この2つを毎日すこしずつ食べると、熟睡効果のほかに、体内の殺菌作用にも効力を発揮しmす。もうひとつ、食べるのではなく、匂いによって熟睡をうながす食品です。

それはタマネギである。タマネギを輪切りにして、枕もとにおいておく。できれば、寝る30分前から、タマネギ(4分の1)を頭の右と左に、30センチほど離しておいておくと、あの独特の匂いが、なぜか鼻孔に快い刺激をあたえ、いつしか眠りを誘ってくれます。

こうすれば朝の目覚めがもっと爽快になる

さわやかな朝の目覚めというのは、精神力だけではかなえられません。その日の体調が大きくかかわってくるからです。この体調というのは、前日の夕方から夜にかけてなにをし、なにを食べたかということに大きく起因します。

これは目覚めをよくするうえで、重要なポイントになります。前日の夕方から夜にかけて、身体のリズムをこわすようなすごし方をした人は、快く目覚めることができません。夜、食べすぎたり、肉をとりすぎて酸性過多になったりすれば、翌朝の目覚めはきわめて悪いものになります。
睡眠中に、胃腸がオーバーワークになれば、解毒作用を司る肝臓にも負担がおよぶでしょう。すると、こんどは、腎臓や膀胱も過労に見舞われることになる。

つまり、夜に消化の悪いものを食べすぎると、内臓はすぐに悲鳴をあげるのです。よく、「夜ふかしは身体に悪い」というが、これなども、夜食のとり方が間違っているのです。たとえば、インスタントラーメン、ハンバーガーなどを食べるから、体調が狂わされてしまうのです。

疲労を少なくするには誰も知らないコツがある

人間は毎日、多量のエネルギーを消費しています。エネルギーは燃やせるだけ燃やすべし、と説明しましたが、それはあくまで必要なエネルギーを指しているのです。エネルギーのムダづかいはなるべく避けなければいけません。

短時間睡眠をスムーズに行なううえで必要なのが、このエネルギーの節約です。浪費が悪であるのは経済面だけではないのです。われわれの活動エネルギーにもあてはまります。ここで、疲労と睡眠の相関関係をわかりやすく説明しましょう。

かりに、あなたの一1日の疲労度指数を10とする。これを完全に回復させるための休息(睡眠)時間指数は、一般的にいうなら10です。ところが実際には、酸素を上手にとる呼吸法と姿勢をコントロールしていれば、休息時間指数は5 から7 に下げることができるのです。。場合によっては4 になるかもしれない。しかし、1や2にはなりえません。

回復力にはやはり限界があるからです。それでも、これを5や4にする方法があります。つまり、疲労度指数を下げればいいのです。

それには、日中消費されるエネルギーを上手に加減し、うまくセーブすればいいのです。。たとえば、あなたは、どのような歩き方をしているでしょうか?
上体の力を抜き、身体を地面と垂直にすたすたと歩いている人は、肩をゆすって前かがみに歩く人よりはるかに疲労度が少なくてすみます。椅子に腰かけるときでも、疲れない座り方を心がけたほうがいいでしょう。よく脚を組む人を見かけるが、これは、リラックスするようで、実はかなり疲労がたまります。組んだ下の脚が鬱血するからです。

このように、エネルギーをムダづかいしないように心がければ、短時間睡眠はよりスムーズなものになります。
疲れ知らずの体は非常に参考になる情報が満載です。
疲労度指数を減らして、それにあった睡眠時間指数で間に合わせることができるのです。

脳をグングン活性化する呼吸法

眠っているあいだに頭がよくなる方法があります。それは、熟睡中に深い呼吸をすることです。どうすればそれが可能かといえば、酸素をたくさん体内にとり入れてから眠るようにすればいいのです。その方法を紹介します。

まず、両方の鼻孔と口から大きく息を吸い込んで、頭を思いきりうしろへ倒します。つぎに、あごを前に突き出すようにしながら息を止める。それに両鼻孔と口から、静かに息を吐きます。この呼吸法を7回線り返します。

息を止める時間は、7秒を基準として、最初は7秒、2度目は7×2の14秒、3度目は7×3の21秒というように徐々に長くしていきます。ところで、人間の頭脳の力を分類してみると、理解力、計算能力、応用力、先見力、創造力などいろいろとあげられますが、その中で、私がもっともたいせつだと思うのは記憶力です。

入学試験や入社試験などというものも、その人がどれだけの知識を蓄えているかということを測るものにすぎないのです。この記憶力というのは、その人がつかう脳細胞の量によって差が出ます。

人間は約140億もの脳細胞を持っているといわれますが、そのうち実際につかっている脳細胞はわずか6%程度にすぎないのです。残りの94%は遊ばせたままなのです。

「宝の持ち腐れ」とは、まさにこのことです。

就寝前の呼吸法は、脳の活性化を意図したものです。酸素をより多く大脳へ送り込むことで、脳細胞の働きはいちだんと高まり、記憶力を増進させます。この呼吸法は、朝、目覚めた直後にもやるといい。そうすれば心身がすっきりし、起床直後のボーッとした状態も消えてしまうでしょう。
活動的でありたいと願う人間にとって大事なのは、目覚めたあと、ウォーミングアップにもたつきを見せないことです。起きてから10分後には、あたかも獅子が獲物に襲いかかるような敏感な心身になっていなくてはいけないのです。

「起きてから2時間ぐらいは、頭も身体もエンジンがかからない」と嘆く人もいますが、これは間違った眠り方をしている証拠でもあるのです。つまり、自分自身をコントロールできないということです。

人間の身体は自動車と同じで、精密な部品の組み合わせによって成り立っている。エンジンがパッとかかってすぐ走り出せるのがいい自動車なら、人間だって同じことがいえるのです。朝のウォーミングアップに時間をかけるのは、時間の浪費にほかならない。すみやかに行動に移れてこそ、活動的な人間といえるのです。

ウォーミングアップは10分もあれば十分で、5時前には頭脳も肉体も活動できるようになっている状態がベストです。そのためにも私は、いつも枕もとに濡れタオルをおいてあり、目が覚めたら間髪を入れずにタオルに手を伸ばし、ごしごしと顔をふいている。ついでに、目が覚めたとき、すぐに寝床の中で行なえる覚醒効果の高い運動がおすすめです。

両足の親指と第二指を、パチンパチンと音が出るぐらいに叩き合わせます。これを5分間やると、3km走ったのと同じ覚醒効果があります。寝起きの悪い人はぜひ試してみてください。朝の目覚めに時間をかけている人は、たいせつな人生の時間をかなりムダにしていることになる。一生のあいだには、いったいどのくらいの量になるだろう。ムダな時間を費やすことなく、また、寝入りと目覚めをよくするためにも、正しい呼吸法で頭は、脳にどんどん酸素を送ってみるといいでしょう。いままでとは違った快適な状態になることに驚くはずです。

短時間熟眠を完璧にするコツ(食事・呼吸)

  1. 1日1食(内臓の負担を軽減)
  2. アルカリ性食品(副交感神経を活発にする)
  3. 正しい呼吸法(脳の活性化)

短時間熟眠を実現する誰にも出来るコツ

睡眠密度を100%にする「超圧縮睡眠」

よく、ストンと寝入って、深く眠り、起きるときはバーンと飛び上がるようにして目を覚ます人がいます。これは、睡眠量そのものは少なくても、中味がいっぱいにつまっているから、質的に最高の眠りだといえます。短時間睡眠における理想的な眠り方といえるでしょう。

私は、このような箱型の眠りを「圧縮睡眠」と呼んでいます。睡眠が圧縮されているから、3~4時間でもまったく眠くならないのです。

ところで、これとは正反対の眠り方が舟型です。睡眠の深さは、舟底のようにすこしずつ深くなり、目覚めるときには、すこしずつ浅くなっていく、というものです。

もし、3~4時間という短時間睡眠を行なうときに、睡眠の深さがこの舟型だったらどうでしょう。7~8時間眠るのなら舟型でもさしつかえないのですが、3~4時間では、舟型はとても適用しないでしょう。ただ眠いだけです。

ふつうの睡眠から短時間睡眠に切り換えた人の多くが、「眠くて眠くてしかたがない」と嘆くのは、睡巌形態が舟型のままになっているからです。つまり、睡眠の中味がいっこうに圧縮されていないのです。

ところで、短時間熟眠法は、実はこの圧縮睡眠どころの比ではないのです。それを上まわる「超圧縮睡眠」というべき内容を秘めています。

「睡眠量= 睡眠時間×睡眠の深さ」という眠りの公式についてです。つぎのことをつけ加えたいと思います。それは、量でもをく、深さでもない。密度です。密度というのは、疲労を完全ぬぐに拭える姿勢をとり、正しい呼吸をして眠っている状態を指します。単なる眠りの深さとは違うのです。

なぜなら、ひじょうに深い眠りにあるときでも、内臓や筋肉のどこかを圧迫するような不自然な姿勢で眠りこけていることが実に多いからです。

よく、寝ちがえて首の筋を痛めてしまうようなことがあります。ひどく寝ちがえると、3日も4日も痛みがとれなかったりします。これは、眠りは深くても密度がともなわなかったために生じたと思えばいいでしょう。

疲労が完全にとれる姿勢で、しかも正しい呼吸をして眠っていれば、交感神経も副交感神経も、知覚神経もすべて、生理的に最高の休息を取っていることになります。よく、「丸太のように眠り込む」といいます。

これは、ほんとうに理想的な睡眠なのでしょうか。丸太のように眠り込む人は、ぐっすりと眠ってはいても、たいてい肉体のどこかに負担をかけるような姿勢で寝ています。背骨を歪ませたり、皮膚の一方ばかりに圧力をかけるという不自然な眠り方をしていることが多いのです。

では、この密度を確保するには、どうしたらいいのでしょうか?正直にいって、これはむずかしいです。なぜなら、睡眠の密度には、寝る前の心身の疲労状態が微妙に関係してくるからです。∽ つまり、心にストレスがなく、肉体の疲労も片寄りのない快いものでなくてはなりません。

また、内臓の諸器官にも病的な疲労があってはなりません。ということは、完全に健康な人が1日の疲労を過不足なくかかえた状態でないと、理想の睡眠は得られないのです。よりよい眠りを得るということは、このようにひじょうにむずかしいのです。

「快眠」「快食」を自負している人にしても、睡眠密度は、よくて6~7割ぐらいでしょうか。これがもし10割になれば、1日の睡眠は3~4時間で十分です。

熟睡するには「3つの条件」が欠かせない

短い時間にいかに熟睡するか。それには3つの条件が必須となります。

  1. 頭脳を休める
  2. 肉体を休める。
  3. 臓を休める。

以上の3つを完全に満たさなくては、熟睡することはできないのです。

頭脳を休める

寝床にはいったとき、脳がやすらかな休息状態になっていないと、なかなか寝つくことができません。興奮の余韻がつづいたまま寝入ると、すぐに目が覚めたり、夢ばかり見ることになります。起きたときに熟睡感がないのは、このような場合が多いです。また、激しいスポーツや肉体労働をしたときも、なかなか眠れないことがあります。これは、頭脳と肉体の疲労のバランスがうまくとれていないからです。疲れすぎているのです。

肉体を休める

肉体がほとんど疲れていない場合は、いくら頭脳が休息を求めていても熟睡できません。頭脳は疲労しているから眠りにつくのは比較的たやすいのですが、体内にありあまる過分エネルギーの影響で、激しく寝返りを打ったりして、熟睡をさまたげることになるでしょう。そのため、朝、目が覚めても満足な熟睡感は得られません。

内蔵を休める

内臓はエネルギーを大量に消費しますが、その量を意識的にコントロールすることはできません。しかし、すでに述べたように、エネルギー使用量は、食事の量と質に比例することは間違いありません。つまり、消化のよいものを少量とった場合と、消化の悪いものを多量にとった場合では、消費されるエネルギー量には大きな差が出てきます。
とくに、胃腸や肝臓の活動には、多くの血液が必要です。ところが睡眠というのは、細胞、筋肉、血液のすべてがゆっくりと休息している状態です。そのとき、胃腸に多量の食物が残っていたのでは、頭脳や肉体は眠ろうとしているのに血液は胃腸に向かってさかんに活動しなくてはならず、結果として惰眠はできても熟睡できないのです。

以上をまとめると、つぎのようになります。

  1. 頭脳と肉体はともに十分に活動させ、一方、内臓はあまり酷使せずに睡眠にはいることが、熟睡を呼ぶ。
  2. 頭をよくつかい、肉体をよく動かさなければならないが、食べすぎるのは、逆
    にマイナス要因になる。とくに、食べてから2時間以内に眠ると胃腸に大きな負担をかけ、熟睡をさまたげることになる。

起床時間は絶対に厳守

「早寝早起き」という言葉を、昔の人は金科玉条にしていました。朝は太陽が昇ると同時に起きて、夕方、太陽が沈んだらそそくさと食事をすませて寝るというのが、昔の人の生理リズムにはいちばん最適でした。しかし、現代では、テレビもラジオもひと晩中放送しているし、町に出れば終夜営業のスーパーがあります。つまり、文明の進歩が、われわれから早寝の必然性をあっさりともぎとってしまったのです。いまは、夜中でも、自分の好きな生活が選べる。だから、睡眠に関していえば、自然に眠くなって、自然にまぶたが閉じてしまう状能だなってから寝床にはいればいいというスタイルです。

たいせつなことは、起きる時間を決めておくことです。起床時刻というものは、いうなれば条件反射として生活の中に走者させておくといいでしょう。それが習慣化されてしまえば、たとえ1~2時間しか眠らなくても、必ず決まった時刻に目が覚めてしまうということです。

しかも、この場合、睡眠時間の多少は、まったく体調に影響をおよぼさないのです。起床時刻を決めた場合、多くの人は、「ゆうべは7時間眠ったから、まあまあだ」「4時間しか眠れなかったから、きょうは調子が悪い」と、睡眠時間にこだわりすぎることがあります。これはひじょうにマイナスです。
なぜなら、これは、意味のない自己暗示にすぎないのです。睡眠時間の多少などは大した意味を持たない、という価値観を自覚しないかぎり、人はつまらない自己暗示に振りまわされつづけることになります。

コンディションの悪さを睡眠不足のせいにすると、調子がいい、悪いもすべて睡眠時間に依存することになってしまうのです。それでは、どうすれば、毎朝決まった時刻に確実に起きられるようになるのでしょうか。

まず、寝る前に仰向いたまま、「明朝は○時○分に起きるぞ」と自分にいいきかせませう。それを呪文のように、4~5回線り返すと、潜在意識が働いて、その時間に不思議に目を覚ますことができるようになります。このとき、時計の針が起床時間を指している状態を思い浮かべ、そのイメージを脳裏に焼きつけることが重要です。

つぎに、マジックなどで起床時刻を大きく書いた紙を寝床のそばに貼っておき、寝る前にじっと眺めます。これも潜在意識に植えつけるのに効果的です。最後に、スマホに自分の声を録音して、タイマーをつけ、時間がくるとその声が流れるようにします。「おい!「あなたの名前」、起きる時間だぞ。ぐずぐずするな」などの文句でいいでしょう。

これは、他人の声では効果がありません。。自分の声で、自分の名前を呼ぶことで、潜在意識も顕在意識も急激に働き出します。

さて、起床時刻に目を覚ますことができても、大事なのはそのあとでです。起きぬけは誰でも頭がぼやっとしているものですが、それにかまけて、寝床の中でぐずぐずしていてはいけません。目が覚めたら、間髪を入れずに起きなければなりません。
「あと5分寝かせてくれ」といって、家族に背を向けて再び眠り込んでしまう人は、おそらく相当な数になるでしょう。この「5分のまどろみ」を楽しみにしている人は、短時間睡眠によってより深く熟睡することなど、とてもできません。あと5分寝れば、またつぎの5分が欲しくなる。そうすれば、つぎの5分がまた欲しくなる。眠りが眠りを呼ぶというのは、この状態を指しています。この習慣を切り捨てなければならない。目覚めたら、すぐに起き上がることです。この一瞬に、全力を傾けて打ち勝たなければなりません。そうすれば、腺臆とした頭脳もみるみる覚醒してきます。慣れてくれば、けっしてつらくはないのです。むしろ爽快にすらなります。

わずか5分の仮眠で他人に徹底的に差をつける

仕事をバリバリとこなすビジネスマンには、睡眠時間の短い人が多いことはすでに見てきたとおりです。昼間は仕事にフル回転し、夜は豪快に飲み、疲れを知らぬかのように元気いっぱいです。某大手商社の営業課長で(41歳)にきいてみると、「私の睡眠時間は平均3~4時間ですね。これぐらいがもっとも調子がいい。5時間以上眠ると、かえって身体がだるくなる」といいます。

そのかわり、昼寝の名人で、午後になると机から離れて、空いている応接室へ飛び込み、ソファに座るやまたたく間にスッと眠り込んでしまいます。それだけではない。電車に乗っても、5分以上の時間があると、すぐに仮眠をとっています。トータルすると30分から小1時間になります。

起きると頭脳も肉体も、嘘のようにすっきり壮快なのだそうです。このように、たとえ5分ずつでも仮眠をとると、その効果は大きいものになります。「たった5分ぐらいで?」と、昼寝などしたことがない人は思うかもしれませんが、これは紛れもない事実です。

もしもあなたが、毎晩7~8時間眠って、起きてからは休まず活動しているのなら、睡眠パターンを思いきって変えてみることをおすすめします。3~4時間睡眠にして、仮眠を5分ずつとるようにします。このほうが活動時間が増えるし、仮眠によって脳がリフレッシュするから仕事や勉強に集中できます。

人間も機械と同じで、緊張と弛緩を繰り返すことで、より活動的になれるのです。たとえば、山登りでも、直線コースで頂上まで登るより、カーブを描きながら登ったり、小休止しながら登っていったほうが疲れが少なくてすむのです。そのほうが合理的です。

睡眠でも同じことがいえるのです。1回の睡眠で疲労をすべて取り除こうとするよりも、数回に分けたほうが効果があるということです。医学実験でも、5分ぐらいの仮眠を数回つづけるだけで、人間に必要な休息はちゃんととれていることが確認されています。

なんといっても、現代は超過密の激烈競争時代です。人に差をつけるためには、仕事や勉強の時間をすこしでも多くすることが肝心です。こんなときこそ、睡眠形態や質を合理的に組み立て直す必要があるのです。

こうした仮眠をうまく活用すれば、かなり多くの仕事を成し遂げられます。いや、仕事だけでなく、受験勉強に追われる学生にも、これは強い武器になります。ライバルの倍以上の時間が得られるのですから。と

ころで、私は片目睡眠法について少し述べましたが、勉強に追いまくられて睡眠時間がなくなったときなどは、この片目ずつ眠る睡眠法をぜひ試してください。これをマスターすれば、徹夜明けでぐったりとなっていても、睡眠をとる必要がなくなり、勉強をつづけることができるようになります。むろん、徹夜で勉強の最中でも、この片目睡眠法は可能です。

頭と体をフルにつかえば必ず熟睡できる

これまで、たびたび述べてきたことですが、睡眠というのほ、副交感神経の働きが活発になることによって、初めてスムーズなものになります。交感神経をうまく活用させ、精神疲労、肉体疲労の2つがバランスよくかみあうことで、快適な眠りが約束されるのです。

そのためには、昼間、ボーッとするような時間を1分たりとも持つべきではないのです。盲の活動時間のなかに、このような時間ができると、その日はおそらくよい眠りを得ることができません。私は、精神的にも肉体的にも、すきのある時間を持つな!提唱しています。できることなら、コマネズミのように1日をすごせ、といいたいのです。私はかつて、猛烈に忙しい日々を送っていましたた。ヨガの指導者としての名声を得て、つぎからつぎへと本の執筆に追われていました。
さらに、テレビ、ラジオへの出演もつづいて、深夜のディスク・ジョッキーの仕事までかかえていましたた。このころは、睡眠2~3時間が当たり前で、3日つづけて徹夜することなど毎度のことでした。しかし、私の頭脳はさえにさえ、この期間に30数冊の本を書き、それでも病気ひとつすることもありませんでした。

つまり私は、精いっぱい働き、精いっぱい遊んで、まったく余力を残さなかったのです。めまぐるしい毎日の中で、自分をとことん燃焼させ、それでいて健康そのものだったのです。毎日、精いっぱい動き、考え、気をつかいます。一瞬たりとも、だらけた精神を持たなかったのです。このように懸命に生きれば、必ず熟睡できるし、熟睡しなければ体がもたないのです。

間違いだらけの睡眠情報 不眠症に悩まない秘訣

マインド・コントロール法で心を自在に切り換える

さて、ここで不眠症のタイプを分類してみましょう。ただ、これは、いま述べたように完全な不眠症のことではなく、不眠ノイローゼのことだと理解していただきたいと思います。

  • [A]寝つきが悪く、いつまでも眠れない。
  • [B]眠りが浅く、夜中によく目が覚める。
  • [C]いったん目が覚めると、眠れなくなる。
  • [D]うとうとし、夢ばかり見る。

Aのタイプは、心配ごとや気にかかることがあるわけではないのに、なぜか眠れないというものです。このタイプは、神経質で責任感が強く、几帳面な人に多いタイプです。

「早く眠らないと明日の仕事にさしつかえる。さあ眠れ、眠れ」と、精神が過剰に興奮しているのです。このタイプの人は、眠ることに対してひじょうに硬くなっています。つまり、緊張しているのです。これがもう一歩進むと、「これから無事に眠ることができるだろうか? 」という一種の強迫観念を持つことになってしまいます。

そのため、このタイプの人は、ようやく眠りかけても、ちょっとしたことで日が覚めてしまい、それからまたしばらくは眠れなくなったりすることが多くなります。ですが、寝つきが悪いといっても、眠ってしまえば、ある程度は熟睡しているのがふつうです。「どうも寝つけないんだ」とこぼしながらも、わりと元気な人が多いのはそのためです。抑このタイプの人には、マインド・コントロールが必要です。自分の心を思いどおりに動かす能力に欠けているから、不眠になるのです。

これは、昼間の活動時にも、大きなマイナス要因となります。そこで、仕事、健康、将来、家族などの問題はすべて、時間が解決するにまかせ、できることを望み、できないことは望まないというように、自分の心を自由に切り換えることが肝要です。

これで神経がリラックスできる

つぎはBタイプです。これは、寝つきは悪くないのだが、夜中に何度も目が覚め、朝起きても熟睡した感じがしない、という人です。人によっては、ひと晩に10回以上も目を覚ますことがある。また、このタイプの人は、目が覚めた回数をはっきりと覚えている人が多いです。
いずれにしても、このタイプの人もまったく心配することはありません。なぜなら、目を覚ます回数は多くても、またすぐスーツと眠ることができるからです。

このタイプは、たいてい神経過敏な人に多いタイプです。知覚神経がふつうの人よりシャープなので、ちょっとした物音にもすぐに日を覚ましてしまいます。しかし、またすぐに眠りに落ちるのです。このタイプの人は「神経弛緩法」をマスターするといいでしょう。

人間は、夜、寝るときには神経活動がゆるやかになっているものですが、この自動制御装置が逆に作用するために不眠という現象が起きるのです。そこで、神経を弛緩させる方法の代表的なものです。

  1. 軽い運動をする。
  2. ぬるめのお風呂にはいる。
  3. 軽食(サンドイッチ、カステラなど) をとる。
  4. 漫画を見たり、軽音楽をきく。

つねに「自分の限界」に挑戦してみる

つぎに、Cのタイプは、環境が一時的に変化することによってしばしばひき起こされます。たとえば、出張したり、他人の家に泊まったり、あるいは海外旅行から帰って、まだ時差ボケがつづいているときなどは、夜中の2時、3時ごろに目が覚めると、そのあとまったく眠れなくなってしまうことがよくあります。

これは、自分が持っていた生理リズムが急にこわされたために、眠りのリズムが乱されるからです。しかし、この状態は決して長つづきしないから、心配はしなくていいでしょう。時差ボケが数日でもとにもどるように、生活パターンが身体に順応しさえすれば、この状態は必ず吹き飛ぶのです。もし、どうしても気になるのなら、この機会を利用して「自己最大能力」がどれほどのものか、挑戦してみるのもいいでしょう。つまり、自分の体力がどれだけ強いか試してみます。

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不眠なこうして治る

[A]寝つきが悪く、いつまでも眠れない。

仕事、健康、家族などの開署はすべて、時間が解決するにまかせ、できることを望み、できないことを望まないという心の法則に切り換える。

[B]眠りが浅く、夜中によく目が覚める。

軽い運動をする。ぬるめのお風呂にはいる。軽食(サンドイッチなど) をとる。漫画を見たり、軽音楽をきく。

[C]いったん目が覚めると、眠れなくなる。

夜中に目が覚めたら、この棟会を利用して本を読んだり音楽を開いて、自分の体力がどれだけ強いか試してみる。

[D]うとうとし、夢ばかり見る。

日中の運動量をもっと増やして思いきりエネルギーを昇華しておく。そして、量の眠りより質の眠りを心がけましょう。

余分なエネルギーをためこむと眠りは浅くなる

さて、最後に、Dのタイプです。「私は、毎晩夢ばかり見て、さっぱり眠った気がしない」と、浮かぬ顔をする人がよくいるが、結論からいえば、これもまったく心配することはありません。私たちが、見た夢をはっきり覚えているのは、朝、目が覚める寸前に見た場合です。

もちろん、夜中に怖い夢を見て目を覚まし、また眠って朝起きたときも、その夢のことを記憶しているのですが、細かいことまでは覚えていません。朝の眠りというのは、いうなれば付け足しの睡眠です。心身の疲労を取り除くうえで、ぜひとも必要な睡眠というわけではありません。

熟睡型の短時間睡眠を実践している人は、目覚めのまぎわに夢を見ることなど、ほとんどありません。なぜんあら付け足しの睡眠は必要ないからです。たしかに、ひと晩に夢をいくつも見る人がいます。目を覚ますたびに、夢を見ていたことは覚えていて、こうした状態が朝起きるまでに4~5回繰り返されます。

しかし、起床したときには、最後の夢だけをおぼろげに記憶しているだけでなのです。
このタイプの人は、やたらと夢を見た印象が強く、そのため、一晩中ほとんど熟睡できなかったのだと思い込みがちです。

ひどい人になると、「私はずっと夢を見ていたのだから、ほとんど眠らなかったのと同じだ」などと考えたりします。これは、とんでもない思い違いです。大脳生理学者によると、1時間も2時間も見つづけていたように思える夢も、実際にはわずか4~5秒にすぎないのだそうです。だとすれば、ひと晩に4~5つも夢を見たとしても、合計してせいぜい30秒たらずということです。
あとの数時間は、安らかに眠っているのです。夢は、正睡眠のあとの逆説睡眠のときに見るのです。

さらに、どんな人でも、逆説睡眠時には必ず夢を見ます。ところが、「私はめったに夢を見ない」という人がいる一方で、「しょっちゅう夢を見る」という人もいます。これはつまり、見た夢をたちどころに忘れる人と、起きてからしばらくは覚えている人がいるからです。

前者は熟睡できる人であり、後者は眠りの浅い人です。これは、いいかえれば、熟睡できる人は短時間睡眠型で、眠りが浅い人は惰眠型だということになります。見た夢をはっきり覚えているような眠り方は改めるべきだということも言えるのです。このタイプの人には、「もうすこし睡眠時間を短くして、量の眠りより質の眠りを心がけなさい」ということです。

こういうと、Dタイプの人は、「たっぷり眠った満足感がないのに、眠る時間を減らせとは、ひどいアドバイスだ」と、口をとがらせるかもしれませんが、これこそ有効な逆療法なのです。より少なく眠ることで、逆に熟睡時間が増え、過度に夢を見ることがなくなります。

8時間睡眠で夢また夢を繰り返すより、3~4時間睡眠で夢を撃退するほうが、目覚めの気分は数倍さわやかになります。

このタイプを根本的に治すには、「過分エネルギー昇華法」を実践することです。このタイプの人たちは、運動が不足しているため、食事によって摂取したエネルギーの放出量が少ないのです。そのため、エネルギーがありあまった状態になり、本能の働きで、眠る前に、寝床をころがってみたり、首をまわしてみたり、左右にごろごろしたりするのです。
つまり、「もっと運動をして、エネルギーを発散してほしい」と身体が訴えているのです。そのために浅い眠りしか得られず、夢ばかり見ることになるのです。日中に、思いきりエネルギーを消費しておくことです。

不眠症には考える時間がたっぷり

この複雑な現代社会に生きていれば、人は誰でも、大なり小なりのストレスに心身をいたぶられるでしょう。きちんと眠って、食べて、過不足ない運動をしていさえすれば、人間は健康なはずなのに、眠り方が悪かったり、食べられなかったりすると、たちどころに身体のどこかに異状が発生します。

不眠、食欲不振の悪循環が、ますます人間を不健康に追いやっていくのです。いったい、どうしてそうなるのでしょうか。それは、私たち人間が感情の動物だからです。精神のあり方ひとつで、身体の中の信号が簡単に赤に切り換わってしまうからです。不眠症にしても、原因はすべて精神的な問題に端を発しています。ちょっとした気の持ちようで、眠れなくなってしまうのです「眠らないというのは、つらいんだよね」世の中には、こういう人間がたくさんいます。

「ほう、そんなにつらいんですか」私ならこんな返事をして、相手を煙に巻いてしまうでしょう。私は、不眠症など恐れるに足りないと思っているからです。「もちろん不眠はつらいです。明日は大事な仕事がひかえているのに、なぜか頭がさえて眠れないという経験、あなたにはないんですか?」相手はむきになって、こう切り込んでくる。私は平然と答える。「ありますよ。あるけど、つらくなんかはないな。私はむしろ、眠れないことを楽しんでしまいます」相手の唖然とした顔を見るのは、実に楽しいものである。

眠れない。あせる。あせるからますます眠れない。悩む。苦しむ。自分はいま、世の中でいちばん不幸な人間だと思う人もいるでしょう。これがいけないのです、私ならこうするでしょう。
眠れない。よし、眠れるまで考えごとをしよう。じつと思索にふけるでしょう。頭がさえてくるのが楽しい。ひとつ終わっても、まだ眠気が訪れなければ、つぎに進む。これも楽しい。時間のたつのを忘れるでしょう。よし、朝まで楽しもう。

そして、いつしかか眠れるのです。つまり、眠れなければ、これはチャンスだ、と思考を替えてしまいます。この時間を活用して、昼間できなかった考えごとをじっくりとまとめてみましょう。あるいは、忙しさにまぎれて、ふだんはできない楽しい想念にふけるのもおすすめです。。

疲れたら寝返りを打つのです。右向きのあとは左向き、つぎはうつ伏せになって、とにかく眠くなるまで熱心に考えつづけましょう。私は、世の多くの不眠症族に、この姿勢を見習えといいたいのです。眠れなかったら、その時間を活用して、自分の好きなことを考えればいいだけです。不眠を利用して、「考える人」になればいいのです。

眠れなくてツライ夜を過ごしたのであれば、今夜の夕食を少し減らしてみましょう。胃腸が活発でなければ人は眠れるのです。食べ過ぎは不眠の最大の原因です。

間違いだらけの睡眠情報 不眠症は贅沢病 虚弱体質の人には漢方薬

たくさん食べる人ほど惰眠のとりこになる

不眠症で困っている、ときくと、実にうらやましいと思ってしまいます。なにしろ、事業に、講演に、テレビ、ラジオの出演に、そして執筆にと、目のまわるような毎日をすごしている多忙な人にとって、眠れないということは、むしろ「天の助け」とさえ思えるからです。

毎日、人の3倍は働いているような忙しい人は、すこしでも睡眠時間を切りつめて仕事をこなしているのです。だから、ときどき、眠る必要がなかったらどれほどいいだろう、と思うこともあります。しかし、そんなことを言おうのなら、実際に不眠症で苦しんでいる人から、「眠れないつらさなど知りもしないのに、なんということをいうか!」と、お叱りを受けるかもしれません。

「このままいくと気が狂ってしまうのではないか? 」と、眠れなくてノイローゼ一歩寸前の人だって、世の中にはいることでしょう。不眠症の苦しみは、おそらく想像以上のものだと想像しています。しかし、気持ちはわかるのですが、そんなに悩む必要はけっしてない、声を大きく言いたいです。

これまでに、不眠症で死んだり発狂したり、また、不眠症のせいで身体を悪くして入院したという詰もほとんど聞きません。
そこで、あなたの気持ちをさらに楽にさせるために、驚くべき慢性不眠症の例をあげてみましょう。

奈良県の天理市に住んでいたSさん(調査当時、66歳)は、40代の半ばごろから急に食欲がなくなり、ほぼ20年にわたって、ほとんど食事というものをしなかったそうです。といって病気になったわけではなく、健康状態はきわめて良好でした。

Sさは、食欲の減退と歩調を合わせるように、睡眠時間も徐々に短くなり、十数年のあいだ、1日の睡眠時間はわずか5~6分でだったそうです。この事実は、一般医学常識では考えられませんが、十分に理解できます。

睡眠というのは、大脳だけではなく、内臓が疲労することによって起こる現象です。内臓を疲労させるいちばんの要因が、胃腸の消化活動です。つまり、食べれば食べるほど内臓を疲れさせ、それを回復するために睡眠が必要になるのです。

だから、たくさん食べる人ほど、必要以上に眠らなければいけないのです。したがって、短時間の睡眠ですませたければ、なるべく食べないようにしなくてはいけないのです。Sさんは、食事らしい食事をほとんどしなかったからこそ、ほんの数分の睡眠ですごせたのです。

横になって目を閉じるだけで疲労は回復できる

「布団にはいってもなかなか寝つけない」「早く眠ろうと意識すればするほど、ますます目がさえてくる」と、寝つきの悪さを訴える人はたくさんいます。これはもう、軽度の不眠症と言えるでしょう。

「眠らなくてはいけない。明日の仕事にさしつかえる」という強い自己暗示が潜在意識下で見え隠れするために、眠るどころか、逆に、睡眠のリズムからどんどん遠ざかってしまいます。こうした人は、「夜中の3時すぎまで、ずっと時計の音をきいていたよ」「冷蔵庫のモーター音が、明け方まで耳について眠れなかった」というのですが、それでは寝不足の真っ赤な目でフラフラしているかといえば、けっしてそんなことはないのです。

当然です。本人はずっと目をつぶって横になっていたのだから、眠れなかったとはいえ、大脳も肉体も十分に休息しているのです。それにしても、「人間は7~8時間眠らなければ疲労を回復できない」「睡眠不足は健康によくないし、仕事の能率も落ちる」といったような誤った常識が世の中に浸透しているのは、実に困ったものです。
こんな固定観念に縛られることによって、どれだけ多くの有能な人間がムダな時間をつぶしていることでしょう。

不眠ノイローゼはこうして治る

「がん患者1人に、がんノイローゼ100人」などととよくいわれます。不眠症もこれと同じようなものなのです。

つまり、「不眠症1人に、不眠ノイローゼ100人」といえるのです。

不眠症で悩んで病院に足を運ぶ人はかなりの数ですが、医師にいわせると、ほんとうの不眠症というのはその中でもひじょうに数少ないのです。そもそも、不眠症は病気ではない、という医師もいるほどです。なぜなら、「不眠症」という病名オど存在しないからです。

眠れない、と訴えて医師のもとを訪れると、医師は便宜上、その人を不眠症と診断して、いろいろと相談に応じたり診察したりします。しかし、それだけの話なのです。一般に、不眠症という場合と、単なる不眠ノイローゼという場合では、やはり画然とした開きがあるのです。

不眠症と呼ぶのは、「寝床にはいっても、朝までほとんど眠れない」と訴える人に村してであり、不眠ノイローゼというのは、「寝つきが悪くて2~3時間しか眠れない」「夜中にしょっちゅう目が覚めて熟睡できない」といった訴えをする人のことです。このような、単なる不眠ノイローゼなら恐れることはまったくありません。

まず、そうした不眠ノイローゼのケースを紹介しましょう。

某大手鉄鋼会社につとめる40歳の男性 は一流私立大学出身で、これまでエリートコースを難なく進み、同期組のトップを切って、30代後半にして人事課長の要職につきましたた。ところが、この課長昇進にともなって、この男性に初めての試練が襲ったのです。
まず、これまでより責任が倍増し、さらに、部下の人心把握、部長への気づかい、そして同期への配慮と、神経を消耗させる問題がつぎつぎに生じました。

大企業の人事機構は、年々、複雑化してきています。人事課長という要職にある男性のストレスはたいへんなものでした。しかも、男性は、神経質なタイプで、仕事にも対人関係にも完壁を期する人でした。男性は課長について以来、めっきり寝つきが悪くなってしまいました。

会社で起こったさまざまな問題が、閉じたマブタの裏でぐるぐるとまわりつづけました。身体はぐったりかなり疲れているのに、頭の芯が熱く、目がさえてしまうのです。部下に放ったちょっと不用意な一言、書類作成上のごく小さなミス、自分をとがめるような部長の一瞬の目つきなど。気にかかることがつぎつぎと頭に浮かんでくるのです。

眠りにつくのは、いつも明け方近くなってから、という状態が毎晩のようにつづいていましたた。眠ってもすぐに目が覚めたり、うとうとして夢ばかり見たりで、熟睡した日がありません。こうなると、りっばな不眠ノイローゼです。
元来が神経質な人だから、眠ろうとしても交感神経の興奮がおさまらず、神経の覚醒状態がずっとつづいてしまうのです。適度にのんきな人なら、就寝時には副交感神経がうまく働くように神経作用のスイッチが切り換わるのに、男性のようなタイプの人はそれができないのです。

このタイプの不眠症を治すには、眠るときに血液を腹部に集中させると効果的です。というのも、血液が腹部に集められると副交感神経が活動をはじめ、頭部に集められると交感神経が活動をはじめるからです。

このようなタイプは、この血液の流れが逆になっているから、夜眠れなくなるのです。血液は、押す、つく、たたく、打つなどの刺激を受けると、その場所に急激に集まるようにできています。

たとえば、打ち身や捻挫をしたときには、その場所に血液が集中し、ケガを一刻も早く治そうとするのです。そこで、この原理を応用した、不眠症をピタッと治す方法を具体的に紹介します。

まず、ヘソの真裏に枕をおき、仰向けに大の字に寝ます。思いきり腰をあげ、息を大きく吐きながら、腰をストンと落とします。これを20回つづけます。こうすると、頭部に集まっていた血液が腹部に集められ、ぐっすりと眠ることができます。

この「血液集中法」を覚えてからは、不眠症で悩むことがなくなったことはいうまでもありません。

不眠症に効果絶大の漢方薬

ところで、いくら眠れないからといって、睡眠薬(催眠薬)や精神安定剤などに頼るのは、健康面でも精神面でも恐ろしいこと、といわざるをえません。もし、服用する場合は、医者の注意に従うべきことはいうまでもないのですが、くれぐれも用心しなければいけません。

短時間睡眠を実践すれば、不眠症や不眠ノイローゼはたちどころに治ってしまうのです。そうはいっても、なにかいい薬はないかと真剣に悩んでいる方もいるでしょう。そういう方には、比較的安全な漢方薬を紹介しましょう。
もちろん、漢方薬は安全だといっても、使い方を誤るとやはり危険です。素人考えではなく、必ず専門医や薬局で相談しましょう。

漢方というと、民間薬であるゲンノショウコやハブ茶、ドクダミ、オオバコ、センブリ、サフランの類まで漢方薬だと思っている人が多いのですが、これらは単味(一種類の薬草のこと)で使われるものだから漢方薬ではないので間違えないようにしましょう。

漢方薬は、これらの生薬(天然の植物性または動物性の薬。前者を一般に生薬、後者を動物生薬という) を何種類か混合させてつくったものです。民間薬と漢方薬との根本的な違いは、その生薬の用い方にあるといえる。それらを列記すると、つぎのようになります。

  1. 一般に漢方薬は何種類かの生薬を混合させて用いるが、民間薬は単味で用いる。
  2. 漢方薬は必ずその人の体質、すなわち虚性体質、実性体質に分類して、その人にもっとも合致した薬を選ぶ。
  3. 民間薬はまったく体質など考えない。病気の症状が出たら、いつ用いてもいい。病気の進行状態などに合わせることもない。

もうすこしくわしく解説すると、漢方薬は漢方的な方法を用いて治療するということです。その人の体質はもちろん、いま病気がどんな状況にあって、この状況に合う薬はいったいなにかを選択します。その選択を誤ると、治療はうまくいきません。

また、漢方薬には、「気」剤といって心の状態を調整してくれる薬はあるが、西洋医学のような睡眠薬とか精神安定剤とかいうものはありません。東洋医学では、とくにこの漢方薬のことを「湯液治療」と呼んでいます。

湯とは「お湯」のこと、液は液体だから、湯液治療とは煎じて飲むことです。しかし、煎じ薬では飲みにくいし、めんどうだということで、最近は漢方薬も錠剤にして売られています。

薬局(漢方薬取り扱い店) で売っているものは、全部といっていいくらい錠剤になっています。

さて、病気の症状だけを見て治療することを、対症療法という。カゼをひいたからカゼ薬を飲む、これが対症療法です。しかし、漢方では、カゼの原因は弱い身体にあるととらえて、病気を根本から除去する根本治療を行ないます。

つまり、漢方薬の狙いは、体質改善をはかることにあるのです。体質を改善するには、現代医学のように身体の部分だけを観察するのではなく、人間を全体的に見ることが必須です。病んでいる人を1人の人間として扱わねばなりません。

それでは、不眠症を治すのに効果がある漢方薬を紹介します。しかし、何度もいうようですが、漢方薬も現代の医薬品も薬であることに変わりはなく、使用方法を誤ると危険もあります。あくまでも、自分の体質に合った薬を使うことが大切ですから、どういう薬が自分に合うかは、専門家の相談を仰ぐことをおすすめします。

虚弱体質で気の弱い人にはこれが最適

虚弱体質で気の弱い人というのは、体質的に虚性体質といわれます。やせて青白く、なで肩、指は細く、声に力がないのが特徴です。顔の形は面長か逆三角形です。虚性体質の人はアスピリンなどで発汗しにくくなるか、その反村に発汗過多となり、胃を悪くすることがあります。こういう人が不眠症にかかったら、つぎの薬がおすすめです。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
虚弱体質の人の中でも、とくに弱い人向きの薬です。食欲がなく、みぞおちから脇腹にかけて、苦痛を訴えます。のぼせの傾向があり、口唇が乾燥して、尿量が少ないです。上胸部でドキドキと心臓の動悸がし、血行がすぐれず、急いで歩くと息切れします。
夜、寝苦しくなり、とくに悪夢におびやかされるという人に効きます。
また、手足が冷えやすく、下痢や軟便の人に用います。

脈にも腹にも力がなく、腹部の胃弱を訴えている人に合います。とにかく、とても弱い人向きの薬と思えばいいでしょう。

胃アトニーや胃下垂、神経症、貧血症に効果があります。この薬は、不眠症以外にもいろいろつかえて便利でです。とくに流感に効きます。メーカーによって多少、使用方法が異なるのですが、効能書きをよく読んでつかえば絶対に間違いないでしょう。この薬を最初に紹介したのは、もっとも安全で危険性のない薬だからです。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
朝鮮人参が代表的ですが、この人参湯は、それとはすこし異なります。人参のほかに、甘草、沭、乾姜が同量ずつ入っていますとくに、胃の悪い人に抜群の効果があります。やはり虚弱体質者向きで、顔色がすぐれず、貧血ぎみで、手足の冷える人。胃部が冷たく感じられたり、食欲のない人に用います。口にはうすいツバがたまり、また、大便はつねに軟便か下痢便で、小便はうすく、尿の量が多い人。吐き気、めまい、頭重を訴え、腹に力がなく弱い人に合います。ただし、高血圧の人は使用禁止です。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
やはり虚弱体質の人向きの薬ですが、これは疲労回復に用います。きわめて応用範囲が広く、強壮効果がある。身体がだるい。疲労しやすい。食欲がない。手足がだるく、微熱が出る。頭痛、寝汗、視力減退、胸部の近くで動悸がする。息切れがする。言葉が出にくい。夏やせがひどい。痔疾、脱肛などの症状に効きます。虚弱な人で不眠を訴える人向きの薬として、とくに効果があります。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
竜骨というのは、古世紀に生きていた恐竜や爬虫類、牛、馬、鹿などの動物の化石のこと。中国に多く産する。心を鎮め、胸部の動悸に効果があります。また、強壮にも効きます。不眠症にも用いられます。牡蠣というのは、カキの貝がらのこと。これも心を鎮め、胸部の動惇を鎮め、強壮に用いられます。のどの渇きも治してくれます。ふだん虚弱な人で、すぐ神経が興奮したり、ひどく疲れやすい人に向いています。性的神経衰弱、精力減退にもよく効きます。高血圧、頭髪脱毛症、夜尿症にも効果があります。

丈夫でガツチリした人向きの薬

実性体質といって、身体つきがガッチリして骨太の人に合った薬は以下のとおりです。この体質の人は、たくましい筋肉質で、その筋肉も硬く丈夫、肩がいかっていて、頼もしい体格をしています。声は大きく、血色もよく、指が太く、腹に力もあり、ヘソが深く大きいのです。目には力があり、しっかり見開いています。顔の形は丸形か四角形です。とにかく線が太いのが特長です。アスピリンを使うと発汗しやすく、胃を悪くしないのが特長です。こういう人が不眠症にかかったら、つぎの薬がおすすめです。

  1. 大柴胡湯(だいさいことう)
    この薬は、年齢的には壮年から老年期初期で、丈夫な体格をした、ずんぐりタイプの人に向いています。血圧が高く、嘔吐、むかつきがあり、食欲不振、胃がつかえて胸苦しいという人に合います。とくにこの薬は、胸と脇のところが硬く張っている人に用いられます。
  2. 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
    やはり丈夫な人向きで、炎症、充血をなくし、精神的不安を取り除く効果があります。また、もろもろの熱性の病気の経過中に用いると効果があります。病人は、炎症、充血による心の不安定、煩悶を訴え、尿が赤くなり、または出血をきたし、脈は沈んでいるが力のある人に用います。
  3. 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
    この薬もやはり筋肉体質の人向きで、のぼせたり、顔面紅潮、気分の不安定などがあり、便秘し、脈に力のある人に用います。胸部圧迫や腹直筋の弾力がない人、つまり、腹が張って苦しいところがない人に用います。弾力があり、底力のある腹をした人によく、炎症、充血を治療し、鎮静の効果があります。胃を丈夫にします。

この薬は、脳出血や脳の鬱血、喀血、吐血、子宮出血、痔出血などに用いられ、切り傷、その他の出血で驚きと不安のあるときに用いると効果があります。気分を鎮め、止血の効果を発揮します。この薬は、神経症や不眠症のみならず、かなり応用範囲の広い薬です。

ただ、不眠症に用いる場合は、必ず専門家の指導を受けることが大切です。

以上、虚性体質と実性体質の人に分けて、それぞれ星の数ほどある漢方薬の中からごく一部を紹介しました。漢方薬の大家が一般的にすすめている代表的な薬です。とくに、実性体質の人向きの大柴胡湯(だいさいことう)と、虚性体質の人向きの柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)は応用の範囲が広く、よく用いられているポピュラーなものです。

漢方薬を服用するとき、もし自分が実性か虚性かわからなかったら、いちおう、虚性と判断してつかうことが一般的です。身体の丈夫な実性体質の人が虚性体質向きの薬を飲んでも、問題はないが、身体の弱い虚性体質の人が実性体質向きの薬を飲むことは避けなければいけません。

漢方薬は、その人の体質に一致したら、まったく関係のないところまで調子がよくなってきます。この点が現代医薬と違う点であり、おもしろいところでもあります。
たとえば、ふだん虚弱な体質の人が熱性の風邪をひいたときに、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)をあたえたら、単に風邪が治っただけでなく顔色もよくなり、心が明るくなっているのを見て驚いたことがあります。このように、漢方薬は、体質の改善に大いに効果を発揮してくれます。

間違いだらけの睡眠情報 「睡眠のメカニズム」を活用して惰眠を排除する

爽快な目覚めは90分サイクル

正睡眠と逆説睡眠を合わせた睡眠のサイクルは、時間にして1.5時間前後で、ほとんどの人は、これをひと晩に4回は繰り返しています。つまり、6~8時間の睡眠をとっているのです。

逆説睡眠の持続時間は、サイクルを繰り返すごとにすこしずつ長くなっていくのがふつうです。したがって朝方の第4回目のサイクルともなると、40分から1時間近くもつづくことがあります。このことから、大脳が完全に眠っている時間が、夜中から朝になるにつれてしだいに減っていることがわかります。では、さわやかに目覚めるためにはいつ起きればいいのでしょうか。

それは、逆説睡眠が終わった直後です。たとえば、7時間よりも6時間のほうが起きやすくなります。睡眠のサイクルは90分前後ですかあ、7時間眠ると、どうしても中途半端なところで起きなければならないからです。
これに対して、6時間なら、90分のサイクルでちょうど4回、逆説睡眠が長くなって2時間ぐらいのサイクルになったとしてもちょうど3回になり、目覚めがスムーズになるのです。
同様に、5時間よりも3~4時間のほうが起きやすくなります。
とくに、3時間睡眠は熟睡できるから、90分のサイクルで十分であり、それが2回繰り返された直後は、実に目覚めがさわやかです。

短眠は、成長ホルモンの分泌が活発になる

生後6ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんは、平均すると1日に16時間も眠っています。赤ちゃんの睡眠のサイクルは、大人とはちょっと違って、せいぜい1時間ぐらいで繰り返されます。そのうち半分の30分は眼球を動かしながら眠っています。

つまり、全睡眠量の半分が逆説睡眠です。乳幼児には、なぜこんなに逆説睡眠が多いのでしょうか。

人間の成長ホルモンというのは、昼間起きているときにはほとんど分泌されません。ホルモンの分泌がさかんになるのは、夜、眠っているときです。そのなかでも、逆説睡眠時にはとりわけ多くなります。成長ホルモンは成長するにつれて分泌が少なくなり、成人に達すると微量になってしまいますが、これは逆説睡眠が占める割合がどんどん低くなってくるからです。

ちなみに、乳幼児から小学生までの逆説睡眠の割合は、1歳児(睡眠22~14時間) で40%、4歳児( 睡眠11~12時間) で30%、7歳児( 睡眠10時間前後) で25%です。小学校最上級生の12歳ぐらいになると、睡眠時間も大人と差がなくなり、逆説睡眠も20%強に落ちついてしまいます。もちろん、このころには、脳波も成人とほとんど同じパターンを示します。
骨格や性徴の面では、まだとても大人の城には達していないのに、睡眠に関しては大人の仲間入りを果たしてしまうのです。

人間は歳をとるほど朝の目覚めが早くなり、夜中に目を覚ますことが多くなります。ある学者は、「老人になると、幼児に逆行するような眠りのリズムがあらわれ、逆説睡眠が再び増えだす」といっていますが、これには諸説あって、「いや、正睡眠の中の深眠期が減って、中等度睡眠期が増えるのだ」と唱える専門家もいる。しかし、こうした論議の対象となる老人というのは、だいたい七〇歳をすぎていることが多く、六〇代の場合はほとんど変わりはないだろう、と思っています。

ところで、受験生で毎晩、短時間睡眠を余儀なくされている人はこんな心配をするかもしれません。「眠りが少ないと、成長ホルモンの分泌も少なくなるのでしょうか。ボクはまだ成長期にあるから、短時間睡眠は身体に悪いのでは? 」しかし、その心配は不要です。人間には自然に保護本能が働くから、睡眠が少なければ、むしろ、ここぞとばかりに成長ホルモンを出すようになります。
受験生で、十分な睡眠時間をとれない期間がずっとつづいていても、急に背が伸びたり、以前よりも運動神経が発達したりすることがあるのですが、これがなによりの証拠です。

誰にでもできる48時間サイクルの睡眠法

寝るのは2日、つまり48時間に一度、という生活サイクルを送っている人が世の中には大勢います。鉄道員、警察官、消防署、タクシー運転手、夜間運送業者、看護婦などがそうである。これらの人たちは、たいてい徹夜を繰り返しています。
きちんと眠るのは2日に1回だから、当然そうなります。そして、その人たちは、仕事の効率上、この生活サイクルがまことにいいのです。

ここで、48時間サイクルで生活をする具体例として、あるタクシー運転手の生活パターンを紹介します。

まず、朝はふつうに9時ごろ出勤します。それから夜中の3時、4時まで乗務がつづきます。1日の勤務時間は18~19時間にも及ぶこともあります。乗務を終えると会社にもどり、洗車や雑用をすませたあと、朝、家へ帰ります。
この日はもちろん休日です。ところが、家へ帰ってもすぐに寝床にもぐり込むわけではありません。風呂にはいり、食事をし、新聞を読んだり、テレビを見たりして、寝るのは午後になってからです。

徹夜明けのあとはどうしても神経が高ぶっているから、帰宅してもなかなか眠くならないのです。昼食をすませてからようやく寝床へはいりますが、これは昼寝のようなもので、せいぜい2~3時間眠る程度です。

そして、夕食、団らんのあと、夜10時すぎになってふつうに眠り、翌日は朝から出勤します。このタクシー運転手さんは、こうした生活を繰り返して5~6年になりますが、一度も病気になったことがないそうです。

このように、通常の生活よりはるかに変則的な生活をしても、身体に毒だと心配する必要はありません。むしろ、2日に1回本格的に寝て、あとは仮眠だけというほうが、労働時間も長くて能率があがり、休日もたっぷりとれるから合理的でもあります。

この48時間サイクルの生活を人にすすめると、「2日に1回の睡眠だから、7時間の倍としても14時間は眠らないと疲れがとれないのでは?」と、早合点されかねないのですが、けっしてそうではありません。2~3時間仮眠し、7~8時間眠るだけで十分に疲労がとれるのだから、われわれが2日間にとる睡眠時間より4~5時間は少なくなるのです。
こうして浮いた時間を、1~2年後に合計してみるといい、かなりの時間になります。

10年、20年、一生を考えれば、この時間は実に有意義なものになるのです。

間違いだらけの睡眠情報 正しい睡眠不足の解消方法

たった10分のうたた寝が心身を爽快にする

睡眠というのは、いったいどのような構造になっているのでしょうか。睡眠は、大別すると2つの様態に分類できます。1つを正睡眠と呼び、もうひとつを逆説睡眠と呼びます。正睡眠は別名をオルソ睡眠といいます。オルソとは英語のオーソドックスの略です。またこれは、徐波睡眠とも呼ばれています。正睡眠は、つぎにあげる4つの段階から構成されています。

1.第1段階=入眠期
限りについてから2~3分間の浅い眠りです。眠気を感じ、うつらうつらしてきて、外的刺激をちょっとでも受けるとハッと気がつく状態です。脈拍は起きているときよりもやや遅くなり、呼吸も低下し、眼球の動きは、大時計の振り子のようにゆっくりと左右に動いています。
2.第2段階=浅眠期
入眠期をすぎたあとの眠りです。これは約10分ほどつづくのが一般的です。この状態にはいると、小さな物音ぐらいでは気がつかず、かすかに寝息を立てるほどになります。
3.第3段階=中等度睡眠期
脳波はゆるやかになり、脈持もいちだんと遅くなり、意識はなくなって、眼球も動きません。外的刺激をあたえても、目が覚めにくい状態です。ふつう20~30分ほどつづきますが、1時間以上におよぶときもあります。
4.第4段階=深眠期
もっとも深い眠りの時期で、脳波は中等度睡眠期よりさらにゆるやかになり、脈拍は1分間に50~60ぐらいに落ちます。もちろん眼球も動かず、身体もほとんど動きません。丸太のように眠っているという状態が、まさにこの時期になります。筋肉もぐったりと弛緩し、声をかけたり、ちょっとつねったくらいでは目を覚ましません。揺り起こしてようやく目が覚めます。時間にして30~50分ぐらいです。睡眠のサイクルの中で、この時期の占める割合がもっとも多くなります。この深眠期は、やがて寝返りなどの身体の動きによって中断され、つぎの状態へと移っていきます。

以上が正睡眠のサイクルです。どんな人でも例外なく、このサイクルにしたがって、徐々に深い眠りへとはいっていきます。

これでわかることは、10分ぐらいのうたた寝は身体にとてもいい、ということです。なぜなら、2~3分の入眠期から10分程度の浅眠期のところで起きれば、目覚めがさわやかで、身体がすっきりするためです。

「あっ、眠ってしまったな」と感じるわずかな睡眠は、寝起きがとてもスムーズなので、目覚めてからしばらくのあいだ、頭脳も肉体もドロンとしているといったことがないのです。

昔の人はよく、「昼寝は1時間にしろ」といったのですが、これも実に理にかなっているということになります。つまり、第1段階から第4段階までの正睡眠のリズムに加えて、これから述べる逆説睡眠までが、ちょうど1時間30分前後で終わるからです。

もし、2時間の昼寝をしたらどうだでしょうか。1回日のサイクルを終えて、2回目の第3投階(中等度睡眠期)にはいったあたりで日を覚ますことになります。これはかなり寝起きのよくない状態ですから、目覚めても身体がだるく、すっきりしません。

60分の昼寝なら、たいていは探眠期の最中に目を覚ますことになります。深い眠りを経験した直後だから、バッと目が覚め、疲労が気持ちよくとれた実感を味わうことができる。もっともこの場合の寝起きは、深く眠ったばかりなので、10分ほどのうたた寝のときのように、すぐにすっきりするというわけにはいきません。起きてから数分間はだるさが残ることは避けられません。

睡眠中でも脳は目覚めている

眠りのサイクルには、正睡眠の第4投階のあとに、時間にして約20分ぐらい、もうひとつまったく変わった形態が続きます。これは、第1段階の入眠期と似ていて、脳の眠りは浅いのに肉体は深く眠っているという、不思議な睡眠形態です。
これを逆説睡眠といいます。なぜ「逆説」なのか。それは、脳波は入眠期と同じで眠りが浅いはずなのに、筋肉は極度に弛緩して、すこしぐらいの外的刺激では目が覚めないほど、深く眠っているからです。

正睡眠(オルソ睡眠)に対して、この逆説睡眠は、パラ睡眠と呼ばれています。

逆説睡眠はまた、レム睡眠とも呼ばれます。というのも、逆説睡眠が正睡眠と区別される最大の特徴が、睡眠中に眼球が、まるで起きているときのようにキョロキョロと動くからです。この眼球の動きを最初に発見したのは、大脳生理学の権威、クレイトマン博士でした。

彼は、ミルクを飲んでから、また眠った赤ん坊をじっと観察しているうちに、そのかわいい眼球がせわしなく動いているのを目にしました。博士は、入眠期に眼球が動くことは知っていましたが、赤ん坊のその動きはまるで違うものだということに気づきました。
まるで、起きているときに、なにかを目で追っているような動きでした。

そこで、こんどは大人の被験者を調査しました。睡眠中に眼球運動がはじまると、すぐに被験者を揺り起こすことにしたのです。この結果、レム睡眠にはいると夢を見ることがわかりました。また、眼球が動くたびに脈搏が増え、呼吸も不規則に乱れることがわかったのです。さて、この逆説睡眠は、必ず毎晩、どんな人にも正睡眠のつぎに訪れます。その後、再び正睡眠へともどっていくのです。

つまり、人は誰でも毎晩、夢を見ているということです。「夢なんかめったに見ないよ」と口にする人もいますが、それは見ていないのではなく、目が覚めたときには忘れてしまっているだけです。
夢を見る。これは、眠りのメカニズムからいうと、大脳が完全には眠っていないということになります。

正睡眠のときには大脳は眠っていますが、逆説睡眠になると、大脳はいくらか目を覚ましていることになります。にもかかわらず、逆説睡眠の最中は身体はほぼ完全に弛緩しており、眠りとしては深いのです。こんなところから、「正睡眠は大脳の眠りで、逆説睡眠は身体の眠りである」と、専門家は表現します。

この一種不思議な睡眠形態は、全睡眠時間の中でどのくらいの割合を占めているのでしょうか。ふつうの人の平均睡眠時間(7~8時間) で計算してみると、1時間半から2時間は逆説睡眠が占めていることになります。

眠りの20%は脳が眠っていない逆説睡眠なのです。

その意味からいうと、バタンキューと寝て、朝までぐっすり眠りっばなしということは、どんな人でもありえないのです。学者の研究によると、この逆説睡眠は人間だけでなく、すべての哺乳動物に見られるものです。とくに、犬や猫は、生まれたてのころは逆説睡眠ばかりです。人間の赤ちゃんでも、生後6ヶ月ぐらいまでは、逆説睡眠が全睡眠の50%を占めているのです。

夢は中断されればどんどん増える

ところで、この逆説睡眠を取り除くと、どうなるのでしょうか?。20年ほど前に、アメリカの学者がこんな実験を行なっています。被験者を暗い部屋に入れて自然に眠らせ、脳波を調べ、レム(逆説睡眠の眼球運動) がはじまるとすぐに揺り起こします。そして、また眠らせ、再びレムがはじまるやいなや、同様の「拷問」を繰り返します。

4~5日つづけてこの実験を行なった結果、大変おもしろいことがわかりました。逆説睡眠は、妨げられれば妨げられるほど、簡単に起こるようになったのです。さらに、3日目、4日目と進むにつれて、逆説睡眠ははっきりとあらわれ、しかも、ふつうに揺り動かした程度では目が覚めないくらい眠りが深くなっていきました。

「まるでモグラたたきゲームをやっているようだ」大学教授は形容形容しました。つまり、逆説睡眠は野に生える雑草と同じようなもので、踏みつければ踏みつけるほどたくましく生えてくるということです。この実験が終わって、被験者がいつもどおり7~8時間眠ると、なんと、逆説睡眠は3時間以上にもおよんだのです。

人間の睡眠にとって、逆説睡眠が必要不可欠なものだということが、この実験によって証明されたのです。

少し似たようもので夢見の多い人間がそれをどの程度覚えているかといったことを調べた実験がありました。その人と仕事で3~4日旅行したさい、ホテルのツインルームにわざと一緒に泊まりました。短時間睡眠人間だから、3時間も眠ればたちどころに疲労は回復します。
明け方には目を覚まし、その人が夢を見はじめるのをじっと待ちかまえていました。彼は、夢を見るとうわごとをいうことが多くなりました。声を出さないときでも、眠っている状態を注視していれば、夢を見ていることはだいたいわかります。

「いまだ」と思うと、私はすぐ彼を揺り起こし、つぎのように聞きました。「君はいま、うわごをいっていたぞ。どんな夢を見ていたのかな?」三晩ほどつづけて、私はそんな試みを繰り返しました。彼はそのつど私の質問に答えてくれたのですが(一晩に数回ということもあったので、3日で計10回ほど)、ムニャムニャと半分ねぼけながらも、いま見ていたのがどんな夢だったのかをちゃんと話せる場合と、話しても要領を得ない場合と、「覚えていないんだ」という場合とがありました。

ただひとつ、興味深かった事実をここにつけ加えておきます。旅行から帰る飛行機の中で、彼は、しかめっ面を私に向けながら、こう口にしました。
「お陰様で夢ばっかり見るようになりました!」

「ゆうべなんか、夢、また夢。どうしてくれるんですか」私もまた、逆説睡眠は妨げられれば妨げられるほど増えてくるものだということを、この実験ではからずも立証していたのです。

間違いだらけの睡眠情報 頭脳・肉体・自律神経を休息させる睡眠

こうすれば頭脳の活動はグンと高まる

人間が活動するためには、大脳と自律神経系に休養をあたえておかなければなりません。この休養が、睡眠です。大脳が疲労すると、ガンマハイドロオキシ酪酸という有害物質がたまり、これを脳から取り除くためには、睡眠をとる以外に方法がありません。

では、肉体の疲労はどうでしょうか。1日中身体を動かしていると、筋肉に乳酸が蓄積します。しかし、この乳酸は、筋肉に休息がもたらされると炭酸ガスと水に分解されます。つまり、肉体の疲労は、ただ横になって休むだけで十分に回復するということです。

ここで、大脳の構造についてです。

大脳には3つの皮質があります。まず1つは、人類の進化の過程においてもっとも古くからある旧皮質。これは人間の本能を司るところで、性欲や食欲など、本能的欲望はここから発生します。
2つ目は、古皮質です。
これは旧皮質のすぐあとに生まれたもので、旧皮質で発生した本能的欲望に方向づけをしたり、ブレーキをかけたりする働きをしています。
そして3つ目が、新皮質である。ここは、知性と人格の中枢。
ここには前頭葉、側頭葉、腹頭葉、頭頂葉などがある。前頭葉は別名を「人格の座」と呼ばれます。
ここには、人間を社会的生物として制御する神経があります。そして、側頭葉は言語の中枢ともいうべきものです。

それでは、われわれの睡眠と覚醒を司るのはどこでしょうか?それは、いまあげた3つの皮質の下にある脳幹で。ここには無数の神経が網の目のように張りめぐらされており、網様体と呼ばれています。この網様体の活動が活発になると、大脳の活動はグンと高まります。
逆に、活動がゆるやかになれば、大脳も休止状態になります。つまり、網様体は人間の覚醒センターであると同時に、睡眠センターの役割も果たしているのです。

いいかえれば、筋肉や皮膚の感覚、目、耳、鼻、内臓などからの信号がぐっと少なくなり、大脳皮質と網様体が刺激されなくなるから、人間は眠くなるのです。このことは、私たちの日常生活が、いくらでも証明しています。

たとえば、眠るとき、ほとんどの人が部屋を暗くし、身体を横にします。こうすると、網様体への刺激が少なくなるからです。また、退屈きわまりない単純作業をしているときや、おもしろくもない話を聞いているときに睡魔に襲われるのも、同じ理由からです。

脳のトレーニング「脳のための睡眠時間は6時間以上」は短深眠法とは逆のことを言っていますが、このあたりの情報が現在、一般に浸透している情報でしょう。

炭水化物は頭脳・肉体の休息に絶対欠かせない

ところで、大脳は、どのような栄養素を必要としているのでしょうか。まず欠かせないのが酸素です。呼吸によってとり入れられる酸素こそ、大脳にとって、もっとも重要な活動源です。

たとえば、10歳ぐらいまでの児童の場合、体内に送り込まれる酸素の半分が大脳で消費されます。それが成人になると、20~25%に減ります。したがって、汚れた空気を吸ったときなどにいちばん被害を受けるのは大脳なのです。つまり、最悪のケースが、一酸化炭素中毒です。

つぎに大脳が必要とする栄養は、良質の蛋白質です。とくに、海草類などに多く含まれているグルタミン酸が重要です。これが大脳に豊富に送り込まれることで、人間に必要な興奮作用と抑制作用がともに活発になります。

つまり、いま説明した大脳の旧皮質(本能を司る)と古皮質(本能の抑制を司る)の両方を活発に機能させるのです。グルタミン酸は脳内でガンマアミノ酪酸とガンマハイドロオキシ酪酸に分解され、前者は旧皮質の、後者は古皮質の働きをうながすのですが、このガンマアミノ酪酸は炭水化物の助けを借りないと生まれません。
つまり、グルタミン酸は、炭水化物の補助がないと一本立ちできない、ということになります。そこで、ひとつ問題が出てきます。大脳が炭水化物を必要とするように、筋肉もやはりそれを欲するのです。とすると、一方が炭水化物を消費しすぎると、他方は活動が停滞して迷惑をこうむることになってしまいます。

これは酸素についてもいえます。私たちの身体は、首を境界線として、上と下とで酸素と炭水化物の奪い合いをしています。よく、スポーツをやりすぎると頭が空っぽになるといわれるが、これはある意味正しいのです。
適度の運動であれば、炭水化物は全身にくまなくまわりますが、ふつうの人より激しい筋肉運動をすると、炭水化物はほとんど首から下のほうにとられてしまい、大脳は栄養不足になります。この炭水化物を体内にとり入れるには、胚芽のついた玄米を食べるのが一番いいでしょう。
玄米を主にした食生活をしていれば、炭水化物が不足をきたすことはないからです。

眠りは副交感神経に支配されている

当たり前ですが、心臓や胃などの諸器官は、眠っているあいだでも、きちんと機能しています。このように、意識の圏外で身体諸器官の活動をうまく調節している神経組織を自律神経といいます。この自律神経には2つの顔があります。

1つは交感神経といい、もう1つを副交感神経という。「顔」というくらいなので、この2つは同時にあらわれることはありません。

では、交感神経の働きが活発になるとどうなるのでしょうか。まず、瞳孔が広がり、心臓の動きは力強くなります。気管支が太くなり、腎臓の尿の量が増え、血圧が上がります。汗腺もよく働くから汗をかきます。つまり、交感神経というのは、われわれが昼間起きて活動しているときの顔です。

これに村して、副交感神経というのは、完全に夜の顔です。これが活発になると、瞳孔は縮まり、心臓の鼓動はゆるやかになり、気管支は収縮し、汗腺もすぼまって発汗が抑制されます。しかし、自律神経の活動の中でも、胃腸の働きだけはすこし変わっています。というのも、交感神経が興奮すると胃壁の平滑筋は弛緩状態になり、逆に副交感神経が興奮すると、胃壁の平滑筋が収縮運動をはじめるからです。つまり、胃腸の働きというのは他の器官と異なって、昼間よりも夜のほうがより活発になるからです。

たとえば、寝る前に食べたり飲んだりして、満腹の状態でベッドにもぐりこんでも、朝になると、すっかりおなかがすいて、食卓に飛びつくことがあります。これは、眠っているあいだでも、胃腸がひじょうに活発に働いている証拠です。

不眠の原因のひとつに副交感神経優位、いわゆるリラックスモードにうまく切り替わらないケースがあります。これは、寝る前にたくさん、食べたり、飲んだり、寝る間際までPCで仕事をしているような人に多いタイプです。リラックスモードに上手に移行するためには、静かなオルゴールなど音楽などを聞くのが推奨されていますが、理にかなっているということです。
快眠のための音楽 (オルゴールCD)

間違いだらけの睡眠情報 第一線で活躍する人ほど睡眠時間は短い

すぐに飛び起きる生活習慣が身に付いている人も

世の中には、短い睡眠時間で人の3倍も4倍も仕事をこなしている人がたくさんいます。とくに、ビジネスの第一線で活躍している経営者や管理者ともなると、3時間ぐらいの睡眠できびきびと働いている人が数え切れないほどたくさんいらっしゃいます。

8時間睡眠を守らなければ病気になるのではないか?と信じている人が見れば、信じられないかもしれません。しかし、短時間の睡眠で暮らしている人ほど、顔色がよく、1日15時間以上、働きつづけてもケロリとし、健康そのものなのには驚かされるばかりです。

西武グループの総帥としてよく知られている堤義明氏は、睡眠について、「夢なんか見てちゃダメですよ」と断言しています。10万人というマンモス企業のリーダーとして分きざみのスケジュールに追われているこの人の、独特の睡眠哲学に耳を傾けてみましょう。

「私は、睡眠というのは量じゃなく質だと思っていますから、少なく寝て熟睡することをいつも心がけている。少なく寝るというのは、あっ、もう12時だからベッドにはいるというのではなく、1時でも2時でも、眠くなって居眠りが出てくるまで起きていて、それでバタンと寝ちゃうというやり方だ。こうすれば、夢なんか見ない」

堤氏によれば、「いつも夢を見る人はどこか健康状態が悪い。こういう人は、心の中にいろいろな雑念があり、そのせいで夢を見る。「だから私は、極力、夢を見ないようにしている。眠くてしかたがないギリギリまで起きていて、バタンキューと寝てしまう。ときどき、うとうとして夢を見はじめたりするけど、こんなときは朝の4時でもバッと起きる。とにかく、睡眠時間は、短ければ短いほどいい。そうすれば熟睡できる」

堤氏の平均睡眠時間はかなり短いのです。1日3時間ぐらいしか眠らないことも多いのです。そのかわり、昼間の活動時間の合間の、たとえば移動の車中などではうまく居眠りしているというのです。居眠りといえば、この堤さんにかぎらず、財界人の多くが居眠りの名人のようです。

その代表は、現在も国会に出ている政治家です。「私は、夜、ベッドで寝ているのはほんの数時間です。しかし、昼間は、新幹線だろぅが飛行機の中だろうが、必ず寝ることにしていますね。事務所にいるときでも、昼食のあとは1時間ほど昼寝しているんです」大正生まれの政治家の心身壮健の秘密は、こんなところにあるのかもしれません。

昼間、眠気が襲ってきたら、その政治家は貧乏ゆすりをして睡魔を撃退するのだそうです。聞けば、食事は3分以内、トイレは1分以内だそうです。「食事ぐらいゆっくりとりなさいよ」と私がいうと、「いや、時間がもったいない」と答えたのには苦笑させられてしまいました。ここに登場を願った方々は、いずれも、身体の生理リズムが、長年のあいだに最良の睡眠時間を選んでいるのです。だからこそ、睡眠不足を訴えることがないのでしょう。これは、頭脳とはまったくべつの働きです。

短時間睡眠で2倍の時間を生きる

睡眠時間が3~4時間という短時間睡眠は、やる気さえあれば、今日からでもすぐに可能です。気力さえ備わっていれば、べつにむずかしいことではありません。そして、増えた時間をフルに活用して、あなたの人生をより充実した多面的なものにすることも可能です。

それこそ、短時間睡眠ならではの意義といえるでしょう。このことを明確にしておかないと、いくら睡眠時間を短くしようと決意したところで、「待てよ、いったいなんのためにこんなことをしようとしているのだろうか? 」という疑問に襲われて、ハタと考え込んでしまったりするからです。

短時間睡眠が目的なのではない。要は、それによって、なにが得られるかでです。つまり、あなたは、短時間睡眠に切り換えることによって、どのようなものを得ることができるのでしょうか?

時間

もし、あなたがいま30歳だとしたら、これまでに睡眠に費やした時間は約7年の計算になります。今日から3時間睡眠を実践するとしたら、70歳まで生きるとして、これからの40年は約5年分の睡眠量です。実質活動時間は、35年にもなるのです。

これが8時間睡眠をとっている人となると、実質活動時間は27年しかありません。なんと、両者のあいだには8年もの開きが出てきてしまいます。

この8年をなににつかうかそれは、あなたの心構えひとつにかかっているということです。ビジネスの成功者となるために、情報収集につかってもいいし、人脈を広げるために、パーティに顔を出すのもいいでしょう。あるいは、いずれ独立するためにサイドビジネスをはじめてもいいし、老後に備えて手に職をつけるのもいいでしょう。
すべて、現在の時間をつぶすことなく実行できるのです。

集中力

短時間睡眠によって、ほんとうの熟睡が可能になれば、頭脳の働きはいきいきしてきます。想像力、集中力、記憶力がめざましくアップするが、なかでも強調しておきたいのが集中力です。たとえば、車のA級ライセンスと、小型船舶の操縦士の免許をとり、催眠術もマスターしたが、車と船は試験の前日に集中的に勉強しただけで一発で取得したし、催眠術の勉強はふつう1年半かかるところを、わずか5日でマスターできるでしょう。

これは、まさに3時間睡眠のおかげ以外のなにものでもありませんでした。7時間も8入時間も寝ていたら、催眠術をマスターするのに相当時間がかかっていたはずです。A級ライセンスも小型船舶操縦士免許も、とても1日では取れなかったはずです。

若さを保てる肉体

「眠りすぎる人は頭がボケてくる」と、紹介しましたが、眠りすぎによるデメリットは、頭だけでなく身体にもおよんできます。たとえば、たっぷり睡眠をとって身体の細胞を休ませすぎるのは、老化につながるのです。
また、いつも8時間、9時間眠っていると、体内に余分の脂肪が蓄積され、これが動脈硬化などを招く原因となるでしょう。さらに、長時間、身体を横たえることによって身体を圧迫し、血行を悪くするのである。アメリカのあるデータによると、過眠型の人の死亡率は、7時間かそれ以下の睡眠の人にくらべて4四倍も高いのだそうです。細胞の活動、新陳代謝こそ肉体の若さを保つ秘訣であることは言うまでもありません。細胞を休ませすぎないように活動させるには、短時間睡眠が一番です。

精神安定

人間は過分エネルギー(エネルギーのとりすぎ)によって、精神が不安定になることがあります。睡眠時間が多くなればなるほど、エネルギー過剰になって、昼間の時間でそれを十二分に消費できないまま、また眠りにつくという悪循環が起こってしまうのです。そこで、短時間睡眠に切り換えて活動時間を延長すれば、エネルギーの消費がうまくバランスを保つことができ、精神の安定にもつながるのです。

胃腸などの内臓の若返り

短時間睡眠は、必然的に食事の内容や食事量を変えることになります。それによって、胃腸や他の内臓をリフレッシュさせることが可能です。これまでのように胃腸に負担をかけることなく、本来の機能にあった自然状態に移行するため、内臓は若返ってくるのです。

時間の「ドケチ」に徹して無駄を切り捨てる

ところで、短時間睡眠が一種の「行」であることは間違いありません。毎日7~8時間も眠っていた人が、そのリズムを変えて睡眠時間を半分以下に減らすのだから、地獄の苦しみと感じる人がいてもそれが普通でしょう。
では、この「行」を成功させるには、どのような環境づくりをすればいいのでしょうか。おすすめは有言実行です。つまり、家族や友人、知人、会社の同僚や上役、部下などの誰でもいいから、「私は今夜から、睡眠時間を3時間にする」と決意表明してみることです。これは、きわめて有効な方法です。他人に公言することで、「いった以上は3日坊主にならないようにつづけるしかない」と、一歩も後には引けない立場に自分を追い込んでしまうからです。

スタート時において大切なことは、翌日から1週間あるいは10日後までの計画表をつくっておくことです。20時間は起きているのだから、行動目標はいくらでも考えられるでしょう。時間に不足はないのです。当面の目標について、できるだけ細かな計画表をつくり、それにしたがって行動すべく自分を追い込んでいくようにします。こうして自己規制しなければ、どうしても途中で挫折してしまうでしょう。

そこで、計画表をつくるうえで心がけるべきことを1つあげておきます。それは、時間をケチることです。

目が覚めたら、さっと行動を起こす。計画表にしたがって、つぎの行動に一直線に進んでいくことです。無駄な時間は思いきって切り捨ててしまいます。人間にとって、つねに緊張感をもって生きていくことは、ひじょうに有意義なものです。細胞の活動が活発になるから身体にいいし、頭もよくまわるようになります。「そんなにしょっちゅう張りつめていては、気疲れしてしまうのでは?」と、心配する人がいるかもしれないが、気にすることはないでしょう。

気疲れとはつまり、脳と神経の疲れですが、それは熟睡さえすれば、たちどころに回復します。人間というものは本来、怠け者にできていて、どんなに緊張感をみなぎらせていても、1日24時間のうち、どこかで気を抜いているものです。つまり、上手に「緊張」と「弛媛」のバランスをとっています。だからこそ、「さあ、やるぞ」という緊張感をもってものごとに集中してちょうどいいバランスになるのです。

間違いだらけの睡眠情報 誤った睡眠情報が疲れた体をさらに疲れさせている

睡眠は8時間とらないとNGは間違い

  • 睡眠不足で集中できない!
  • しっかり寝ていないので今日はアイデアが出ない!

睡眠は、7~8時間寝ないとダメでそれ以下だと忙しいと自慢話のようにストレスでいっぱい…という話をしているビジネスマンや学生さんんたちがいます。

こうした「常識」が世間にはまかり通っていて、誰もが信じているようですが、事実はまったく違うのです。というのも、3日間まったく眠らずにいても、そのあとで10時間眠れば、以前となんら変わりのない状態にもどることが臨床実験によって実証されているからです。よく寝だめはできないから~という情報も目にしますが、正式な実験で明かにされています。

また、1日3時間しか眠らない人の脳波をべたところ、睡眠の質は、入時間眠っている人とほとんど差がないこともわかっています。

つまり、睡眠時間が短いからといって、能力が低下することなどありませんし、疲労が回復しないということもないのです。

もしあるとすれば、寝不足だと思う不快感や、もっと眠りたいという不満感が残ることです。
いいかえれば、誤った常識にまどわされて、不調の原警すべて「睡眠不足」のせいにしているのです。

7~8時間も眠っている人は惰眠をむさぼっているのです。理由は明らかです。熟睡できないから、長時間眠らなければならなくなるということです。深い眠りが得られれば、人間は9~10時間も寝ていられるはずがないのです。
人間の睡眠というのはよくしたもので、眠りの質がよければ量は必要ではなく、逆に多量の眠りを求めるのは、質の悪さを補おうとするからです。

よく毎日排便があってもスッキリしないのなら便秘体質である!と言われるように睡眠も同じように質が重要だということです。
質のいい睡眠は、浅い眠りと深い眠りの両方が必要

惰眠型人間は熟睡できない

眠りを公式化すると「睡眠時間×睡眠の深さ=睡眠量」になります。
この公式からもおわかるように、眠りの深さが足りなければ、どうしても長い時間眠らなければならないのです。

たとえば、あなたは、つぎのような経験をしたことがあるはずです。ゴルフやテニスでくたくたに疲れてしまい、そのうえ寝る時間も遅くなってしまったのに、翌朝はいつもより早く目が覚め、爽快な気分で起きることができた。また、夜遅くまで酒を飲んですっかり酔ってしまい、いつしか寝入ってしまったが、目が覚めてみると意外にすっきりしていた。これでわかることは、疲労の度合いが大きければ眠りも深くなり、そのため短時間の睡眠でも快い目覚めが得られるということです。

このような眠りが本来は、もっとも自然な眠りだと解釈できるのです。眠っているあいだ、頭脳も肉体も実にリラックスしているからです。そもそも、人間の睡眠に関しては、今日の大脳生理学でも解明されていないことが多数あります。

ただ、8時間もの睡眠をとる必要がないことだけは解明されています。

大脳の活動には、グルタミン酸を分解したガンマアミノ酸酪酸が不可欠です。これは、大脳の働きにつれてガンマハイドロオキシ酪酸とアンモニアに分解されます。このガンマハイドロオキシ酪酸が脳にたまると、人間は疲労を覚えます。

これを取り除くには、睡眠をとるしか方法はありません。だから、大脳の疲れをとるためには、眠りこそ唯一不可欠なのです。しかし、このガンマハイドロオキシ酪酸を脳から除去するために、8時間も眠る必要はないということが、近年、実験によって証明されました。

それでは、深い眠りを得るにはどうしたらいいのでしょうか?単純明快にいえば、なるべく眠らないようにすればいいのです。そして、深い眠りを得るべく短時間睡眠のリズムに変えることです。

そうしたリズムをつくらずに、いつも惰眠をむさぼっていては、夜、寝床にはいっても、深い眠りを得ることはできません。朝、目を覚まし、時計を見る。まだ時間の余裕がある。寝たのは、たしか前夜12時前後。いま起きたのでは7時間も眠っていない。もう1時間、いや、あと2時間は眠らないと、この眠気はとれそうにありません。

よし、眠ろう。こうして、毎日、惰眠が繰り返される。目覚めても、不満感でいっぱいになります「しかたないんだ。8時間眠らなければ、頭がボーッとしてしまうんだから」と、平然というかもしれない。しかし、頭脳も肉体もシャープな状態になるもっともいい方法は、眠くてもバッと起きて、その夜からの眠りを「質の眠り」に変えることです。

眠りすぎると逆に頭も休も鈍化する

ところで、身体の不調を訴えると、ほとんどの医者がこういうでしょう。
「十分な睡眠をとりなさい」では、十分な睡眠 とはいったいどういった睡眠を言うのでしょうか?これは、ただ長時間眠ることではないはずです。「人間は休む時間が長ければ長いほど、疲労を回復することができない」と言う人もいるぐらいです。

「そんなバカな?!」と…これは事実なのです。人間の頭脳は、長時間休めば休むほど不活性状態になり、運動神経も低下し、人間が持つあらゆる能力が鈍化してしまうのです。これにともなって精神もいつしか弛緩し、「気力」「勇気」をなくしてしまいます。

たとえば、あなたはこれまでに、骨折の経験はあるでしょうか?骨折すればギプスをはめ、その箇所をずっと固定しておかなければなりません。治ったあとギプスをはずすと、関節がまったく曲がりません。関節がスムーズに曲がるようになるまでには約2週間のリハビリテーションが必要で、1ヶ月もギプスをしていると、以前とまったく同じ状態に回復するには約1年もの時間が必要となります。

つまり、肉体の1ヶ所を固定して休ませすぎると、その箇所は運動機能を忘れてしまい、神経も筋肉も弛緩してしまうのです。これは、睡眠にもあてはまります。つまり、眠りすぎることによって頭脳や肉体が鈍化し、活動能力がどんどん減退してしまうのです。

つまり、受験生が長い睡眠をとるのは大いに考えものなのです。いい大学へはいれるかどうかといういちばん大事な時期に、身体はだるく、頭は働かず、生あくびばかり出て勉強に身がはいらないのでは、まったく救いようがないのです。こうした症状は、ほとんどがムダな眠りすぎによって生じる。「人間には、個人差があって、人それぞれ生理リズムが違う。だから、7~8時間以上は眠らないと気がすまないという人は、体質上、しかたない」という専門家もいますが、これは誤りです。こうした専門家は短く深く眠る方法を知らないのです。

短深眠は丈夫な体をつくる

糖尿病の人が病院で「しっかり睡眠をとるように」と指導されて毎日10時間も寝ていました。その結果はどうなったでしょうか。快方に向かうどころか、病気はますます悪くなってしまいました。10時間も睡眠をとったために、糖尿の症状に拍車がかかったのです。その後、睡眠時間を半分にしたら元気になりました。

眠時間が短くなったことで交感神経の働きが活発になり、ホルモンの分泌がよくなって、新陳代謝を増進させた結果です。9時間も10時間も睡眠をとっている人は、思いきって睡眠時間を半分にしてみることをおすすめします。もちろん、病気にかかっている人が極端な睡眠不足になることは避けなければならないが、それよりも、長時間の睡眠をとるほうが、病気の回復には悪いのです。

睡眠時間が多くなると、呼吸が浅くなり、体内の酸素が不足するようになります。こうなると、頭脳の働きが鈍くなり、筋肉は弛緩し、全身がだるくなります。必然的に、血液の循環が悪くなるということです。

たった数分で脳と体をリフレッシュする「分散睡眠」の実力

一般的には、人間は眠ることによって休息し、疲労をとります。そのため、毎日必ず一定量の睡眠時間をとらなければならないと、ほとんどの人が思い込んでいます。しかし、睡眠というものは、連続的に長時間とる必要はないのです。

ほとんどの人が仕事中や勉強中に、あるいは電車の中などで、ふと、うたた寝をしてしまった経験があるはずです。わずか5分でも、10分でも、目が覚めると頭がひじょうにすっきりしていることを体験したことがあるはずです。
こうした仮眠でも、頭脳や肉体の疲れが意外によくとれるのです。これが10~20分ですっきりするのですが、30分以上寝てしまうと体はだるくなり何をする気にもなりません。
もっとも、これは、惰眠を好む人には通用しません。
毎日の睡眠時間が少なく、仕事や勉強に寸暇を惜しんで没頭している人にこそ、仮眠は大きなプラスに働きます。
慣れてしまえばたとえ5分間の仮眠でも、それが心身をグンと楽にさせるのです。

たとえ、不眠症でも「マイクロスリープ」で脳は必ず休息している

人間というのは、眠らないと死ぬということはありえないのです。眠らなくても人間は健康でいられるのです。つまり、不眠で悩むことはまったくないのです。なぜなら、人間の大脳は疲労するとガンマハイドロオキシ酪酸がたまってきて、どうしても覚醒のスイッチが切れてしまうようにできているからです。そして脳は活動していると、必ずこのガンマハイドロオキシ酪酸が自然に蓄積します。

これはちょうど、水が高いところから低いところへ流れるように、覚醒という意識水準の高いところから、睡眠という意識水準のもっとも低いところへと下降するのと同じ仕組みです。したがって、不眠症で苦しむのは、まったく不要な悩みだということがわかります。

眠らないと死ぬかもしれない、などと心配しなくてもいい理由の2つ目は、戦争中のスパイの拷問でもっとも残酷だったのは、眠らせないということでした。しかし、眠らせまいとして種々の刺激をいくら加えても、人はどこかで必ずこのマイクロスリープを何回も繰り返して、結局、すこしでも眠ろうとしているのです。したがって、不眠などというものは恐れるに足らずなのです。それより、眠りすぎるとかえって俊敏性を失い、頭の働きを悪くしてしまうのです。そして、そのほうを恐れるべきなのです。

食べれば食べるほど内臓が疲れ、その疲労を回復するために身体を休める睡眠が必要となるのです。ちなみに、これまでのデータから見ると、食事1食分は3時間の睡眠に匹敵します。

通常、1日に3食とるわけですから、3食×3時間= 9時間で、やはり8~9時間ぐらいの睡眠が必要になってしまうのです。そのことからいえば、「短く深い眠りを得るには少食」という1つの公式が生まれてくるのです。
現代人は、体を動かさないにもかかわらず食べ過ぎの傾向です。粗食を推奨している人たちの本来の考え方が見えてきたようにも思います。
飽食の時代だからこその「栄養失調」は深いなぁ~とつくづく感じます。

現代人はストレスをどうやって解消すべきか?結局、食べるという行為でストレスを解消しているのは脳だけで、体は逆にストレスとなっているということになるのかもしれません。小食や粗食をつきつめていくと人類の幸せにたどりつくのかもしれません。やや宗教的なオチになってしまいましたが、本来の人のあるべき姿や生き方に通じるのかもしれません。
これまでの常識や文化を見直す時期にきているのでしょうか?