頭部や顔面を走っている末梢神経が痛みを起こす神経痛です。ほかのタイプの頭痛とちがって、末梢神経の放電性の痛みのため、電撃的な痛みがあるのが特徴です。
痛み方の特徴
- 顔面や後頭部にどリビリ、チクチクとする痛みがある
- 頭分の芯から清いというよりも、皮膚表面の痛みのように感じる
- 痛みはある部分の領域に限定され、頭全体が痛いというわけではない
- 髪の毛や肌にさわると、ビリビリする痛みが誘発される
痛みはじめると、痛みを起こしている神経の根元を指で押さえると、強く痛みます。
一瞬ビリッとLたり、チクチクとくり返す痛みがある
頭部神経痛は、その名の示すとおり神経の痛みが原因です。末梢神経のなかで起こる「放電現象」にょるため、ほかの頭痛と痛みかたが異なります。
痛みは1回あたりの持続時間は数秒と短く、痛みのないときを間欠期といいます。「放電現象」は1日に1~2回のこともあれば数回のこともあり、またこうした状態の持続期間が1カ月続くようなこともあります。平均で7~10日くらいで、いったん消えるのが一般的です。
頭部神経痛の痛みは、範囲が限定されていることから深部からの痛みではなく表在性の痛みです。つまり、皮膚の痛みのように浅いところから痛みが起こります。そのため、最初は皮膚の病気のように感じることが多くみられます。また、走行している神経に沿って痛む範国が限られていることも誤解を招く要因となっています。
痛みがある部分は、知覚や触覚に違和感があり、痛みに対して鈍くなったような感じや、逆にジンジンするような感じがあります。
痛みに関係している6つの神経
頭部神経通に関係しているのは、顔面に3本、後頭部に3本ある神経です。このいずれかが原因となって神経を起こします。
押すと痛むポイントがあるため、診断の際に手がかりとなります。
痛む場所は、顔面と頭部を走る神経のいずれかに痛みが起こるのが頭部神経痛です。顔面の経を三叉神経、後頭部の神経を後頭神経といい、それぞれ3本ずつあります。頭部神経痛の原因は、筋肉のこりによる圧迫、頭部の神経が血管や骨によって圧迫されているなどの理由が考えられます。
また痛みそのものも、神経繊維間の電気信号の漏電ではないかという見解と、神経細胞の異常興奮が原因だという見解もあり、これについてもまだはっきりと原因がわかっていません。
診断の手がかりになるのが、押すと痛い圧痛点
頭部神経痛は痛みかたに特徴があるので診断は比較的容易ですが、さらに見分けるめやすとして、圧痛点の有無があります。
頭部神経痛では痛む神経の部分を押すと痛むのです。この圧痛点があるかで診断できます。
圧痛点って?
圧痛点は、痛みが起こっている範囲のなかで、押すと痛む部分がある。これが圧痛点。神経の起点にあたる部分です。
治療には抗てんかん薬やビタミンB12が使われる
頭部神経痛の痛みにもっともよく用いられる薬は、抗てんかん薬とビタミンB12です。
抗てんかん薬
神経細胞の異常興奮を鎮める作用が有効に働くと考えられます。頭部神経痛の患者さんの約半数が痛みを軽減できています。
ビタミンB12
ビタミンB12は、痛みが強いときに静脈注射で投与すると、10分程度で痛みが軽くなることがわかっています。しかし、すぐに効果がなくなる人と、しばらくの間は痛みがなくなる人に分かれます。
一般に、ビタミンB12は、飲み薬だけでは効果が不十分で、静脈注射のあとで服用すると効果が持続します。ビタミンB12は、効きめがやや弱いのですが、副作用などで抗てんかん薬が使用できない人にはよく用いられています。
そのほかの頭部神経痛の治療
神経ブロック
神経の圧痛点に直接麻酔を打って、痛みを抑える治療法。ビタミンB12の静脈注射よりも効果が数日間持続するので、強い痛みに有効です。
ただし、くり返して何度も打つと、注射によって組織ガ傷ついて、逆にジクジクと持続する痛みが出ることがあります。回数については医師と相談してください。
脳外科手術による神経・血管の剥離
三叉神経が原因の頭部神経痛では、血管によって三叉神経が圧迫されていることがあります。
この場合、血管と神経を剥離する手術が有効です。この手術によつて、約80%の患者さんが痛みを完全に抑えられています。頭痛に対して外科手術まで望まない患者さんが多いのですが、原因が血管による圧迫とわかっている場合は一考の価値があります。
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