一般的には、男性に多い頭痛でほかのタイプと比べても痛みの度合いがかなり強いのが特徴です。痛みを予防したり、痛みを止める対処法をしっかり確保することが大切です。
特徴としては、男性に多い、直前に前ぶれがある、いつも決まった片側が痛い、痛みは強烈。痛くてじっとしていられないほど、「群発期」という頭痛発作が起こる時期があり、その期間中の決まった時間に痛みが起こる、持続時間は1~2時間、痛みがある間、目の充血、流涙、鼻水などの症状がある。
群発頭痛の痛みの特徴
- 頭痛が出る直前に、目のかすみ、首の張りなどの前ぶれが現れる
- 痛むのは、いつも決まって片側。とくに目の奧のほうが痛い。
- 痛みはかなり強烈。目の奥をえぐられるように痛かったり、痛くてじっとしていられず動き回る
- 痛みの発作はだいたい1~2時間以内。その時間が経過すれば、きれいに消失する
目の奧をえくられる、痛みが強力で痛みにより転げ回る。これが特徴
群発頭痛は片頭痛とくらべて知名度が低く、実際の患者数も片頭痛の10分の1程度しかいません。しかし、頭痛のタイプのなかでも、痛みの激烈さでいえば、まちがいなくナンバーワンです。
痛みは目の奥をえぐられるようだとか、痛くて転げ回るほどだと形容されます。痛みは左右どちらかの決まった片側に起こります。また、頭痛発作が起こる「群発期」があることが特徴です。群発期はほぼ一定で、決まった時期、時間に頭痛が発現するのが特徴です。
痛みの直前に前ぶれがある
片頭痛では痛みはじめる30分~1時間ほど前に、前ぶれ症状が出たり予兆がありますが、群発頭痛でも前ぶれがあります。しかし、痛みはじめる直前の5分ほど前であるため、予防策をとるには間に合いません。
原因は、不明だが痛みが生じるときには血管が拡張している
群発頭痛の原因は、まだわかっていません。しかし、痛み、発作が起こっているとき、こめかみにある側頭動脈が拡張しているため、血管の周囲の神経が引っ張られて痛むと考えられています。
また、痛みと同時に現れる目の充血や流涙、鼻水が出るといった症状は、自律神経(脳幹部にある血管運動神経中枢)から異常な命令が出ているためといわれていますが、まだわかっていません。
痛みを予防しやすいので予防薬を活用する
痛み発作が起こる「群発期」を予測できれば、次のような薬を飲んで予防することができます。
- 血管収縮薬エ
- カルシウム括抗薬
- 抗てんかん薬
- リチウム剤
エルゴタミン製剤などを発作の1時間前に服用すると効果的です。
2~4は、痛むときに服用します。また、100%酸素の吸入が痛みに有効なこともあります。
群発頭痛の痛みの発作中の血液を検査をしてみると
- 血液中のヒスタミン濃度が上昇
- 発作中の血液中のヒスタミン濃度が通常の量より20% ほど上昇していることが検査によって明らかになっていますが、ヒスタミンがどういう作用で頭痛発作を起こしているかは不明です。
- 血液中のセロトニン濃度は、低下している
片頭痛の場合も痛みが起こりはじめると、血液中のセロトニン濃度ガ低下していることがわかっていますが、群発頭痛でも同様に低下していることが多くみられます。セロトニンが血液中から出ないようにする薬を使うと、頭痛を予防できるため、なんらかの因果関係があることが考えられます。
群発頭痛は男性に多い激痛の頭痛ですが、女性に多い激痛タイプの頭痛もあります。
「慢性発作性片側頭痛」といいます。慢性発作性片側頭痛では、群発頭痛のように頭の右側か左側に発作的に頭痛が起こります。
また、頭痛が起こっている間、痛む側の目から涙ガ出たり、鼻水が出たりするなど、群発頭痛と非常によく似た症状がみられます。
一方、群発頭痛と異なる点は、1 回あたり発作の時間ガ数分から30分以内と短いこと、1日あたりの発作の回数が数回から数十回と多いことです。こうしたちがいはあるものの、患者数が群発頭痛よりもかなり少ないことから、群発頭痛との見分けがつきにくいのも特徴でです。
頭痛を専門にみている医師でなければ、診断はおずかしいといえます。治療には「インドメタシン」鎮痛薬が唯一効果がみられます。この薬が効くかどうかによって、診断のめやすとすることもあります。
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