酒飲み メチオニン が代謝を助けるので必要です。アルコールは体内に吸収されると、ほとんどが肝臓で分解されます。このため酒飲みはふだんから肝臓の働きを強化させる栄養素を十分にとって、アルコールがスムーズに処理されるようにしておく必要があります。
酒飲み メチオニン
メチオニンは、アルコールを摂取する人にとって特に重要な役割を果たす必須アミノ酸の一つです。
そんな栄養素の中で、とりわけ不足しないように心がけたいのが、必須アミノ酸の一種であるメチオニンです。必須アミノ酸とは、人間の体で合成することができないため、必ず食物から摂一取しなくてはならない8種類のアミノ酸です。
なぜ特にメチオニンが必要かというと、アルコールが肝臓で分解されるとき、直接その働きを行う酵素の主な原料になるのがメチオニンだからです。
肝臓にメチオニンが不足していると、アルコールの分解がスムーズに行われません。実際、二日酔いの薬には必ずメチオニンが入っているほどです。
おまけにメチオニンは、アルコールが分解されきれずに脂肪となったものを、皮下の脂肪組織に運ぶ役目をも果たしているので 脂肪肝 を防ぐうえでも特に欠かせないアミノ酸といえます。
ところで肝臓では、全身の細胞をつくるのはもとより、肝臓そのものをつくるタンパク質をも合成しています。よく肝臓の機能が低下するといいますが、これは、このようなタンパク質の合成能力の低下といいかえてもいいでしょう。実は、メチオニンはこの働きを肉牛正常に保つうえでも欠かせない存在なのです。
このように、肝臓が正常な働きをするうえでいかにメチオニンが重要な役割を果たすか、よくおわかりいただけたことと思います。
事実、肝臓をおかされた患者さんの血中濃度をはかってみると、メチオニンが著しく減っていることがわかっていますし、障害が強いほどその減り方はひどくなっているものです。そして、こうした人にメチオニンを補給しつづけると、肝機能がどんどん回復することも確認されています。
メチオニンは毎日の食事から手軽に肘摂取できますので、酒飲みを自認するかたは日ごろからしっかり補給しておきたいものです。メチオニンは鶏肉、牛肉、豚肉などの肉類や卵に多く含まれます。
メチオニンとアルコール代謝の関係
- 肝臓の解毒作用をサポート: アルコールは主に肝臓で分解されます。この分解過程で、メチオニンは肝臓に入ってくる毒素や老廃物の排除、代謝を促進する働きに関わります。特に、アルコールを分解する際に必要なアミノ酸として知られています。
- 脂肪肝の予防: 過剰なアルコール摂取は肝臓に脂肪が蓄積する「脂肪肝」のリスクを高めます。メチオニンは「抗脂肪肝栄養素」とも呼ばれ、肝臓での脂肪蓄積を予防する効果が期待されています。脂質を乳化させて体外に排出しやすくする働きもあります。
- アセトアルデヒドの代謝: アルコールの分解過程で生じるアセトアルデヒドは、二日酔いの原因となる有害物質です。メチオニンが直接的にアセトアルデヒドを分解するわけではありませんが、肝臓全体の代謝機能をサポートすることで、間接的にアセトアルデヒドの処理を助けると考えられます。二日酔いの薬にもメチオニンが含まれていることがあります。
- S-アデノシルメチオニン(SAMe)の生成: メチオニンは、体内でSAMeという重要な物質に変換されます。SAMeは肝臓の機能維持、解毒作用、抗酸化作用など、様々な生理機能に関与しています。
アルコール摂取量が多い場合の注意点
アルコールを多量に摂取すると、肝臓でのアルコール分解のためにメチオニンが大量に消費されてしまうため、不足しやすくなると言われています。そのため、日常的にお酒を飲む機会が多い人は、意識的にメチオニンを摂取することが推奨されます。
メチオニンが多く含まれる食品
メチオニンは、主にタンパク質が豊富な食品に含まれています。
- 肉類: 牛肉、豚肉、鶏肉など
- 魚介類: マグロ、カツオ、サケ、イワシなど
- 卵
- 乳製品: チーズなど
- 大豆製品: 豆腐、納豆、枝豆など
これらの食品をバランス良く食事に取り入れることで、メチオニンを摂取することができます。もし食事だけでは不足が心配な場合や、アルコール摂取量が多いと感じる場合は、サプリメントでの補給も選択肢の一つとなります。
ただし、重要な注意点
メチオニンがアルコールの代謝を助けるからといって、過剰な飲酒を推奨するものではありません。アルコールの過剰摂取は肝臓だけでなく、全身の健康に悪影響を及ぼします。メチオニンはあくまで肝臓のサポート役であり、適度な飲酒量を守ることが最も重要です。