骨 筋肉 がん 温熱療法

骨 筋肉 がん ガンを治すポイント(部位別)
骨 筋肉 がん

骨 筋肉 がん 現在の治療の方法や現状、症状、治療など。自覚症状などを紹介します。

骨・筋肉のがんの基礎知識

  1. 骨や筋肉にできる腫瘍には、良性のものと悪性のもの(がん)があります。

  2. 骨の悪性腫瘍は、特に膝や肩に発生しやすいです。

  3. 骨の悪性腫瘍のうち、骨肉腫やユーイング肉腫は子どもに多く、軟骨肉腫は中高年に多くみられます。

  4. 骨の悪性腫瘍は、治癒率が飛躍的に向上しており、もはや不治の病ではありません。

  5. 軽い衝撃で骨折するような場合は、骨の悪性腫瘍を疑う必要があります。

  6. 化学療法や手術療法の進歩により、施設によって差はありますが、骨の悪性腫瘍でも50~80%の症例で手足を切断せずに治療できるようになっています。

  7. 手術後は、抗がん剤の点滴を2~3年間、定期的に行う必要があります。

  8. 軟部腫瘍は、特殊なものを除けば中高年に多く発生します。

  9. 軟部腫瘍の治療は、切除手術が中心となります。

骨・筋肉にできるがん

一般に「がん」と呼ばれるものは、正確には「悪性腫瘍」の一部であり、皮膚や消化器の粘膜(いわゆる「上皮性組織」)に発生したものを指します。

しかし、悪性腫瘍は上皮性組織だけにできるわけではなく、骨や筋肉、脂肪組織などの「非上皮性組織」にも発生します。

これら骨・筋肉・脂肪・関節・神経などにできる悪性腫瘍は、正確には「がん」ではなく「肉腫」と呼ばれます。肉腫も進行すれば命にかかわり、転移によって重症化するため、一般の「がん」と同様に扱うべき疾患です。

ただし、非上皮性組織には悪性腫瘍だけでなく、良性の腫瘍も数多く存在しますので、腫瘍が見つかった際は、早期に良性か悪性かを見極めることが重要です。

骨や筋肉にできる悪性腫瘍(肉腫)には非常に多くの種類がありますが、ここでは「骨の悪性腫瘍」と「筋肉や脂肪の悪性腫瘍(軟部腫瘍)」の大きく2つに分類して解説いたします。


骨の悪性腫瘍

どこに起こるか

最もよく知られている「骨肉腫」は、膝の周辺にある大腿骨や脛骨に多く発生します。骨肉腫の約70%がこの部位にでき、次に肩の骨(上腕骨)に約30%が発生します。

また、学齢前の幼児に多い「ユーイング肉腫」も、骨肉腫と同様に膝や肩周辺に生じやすく、広い範囲に病変が及ぶ傾向があります。

中年以降に多い「軟骨肉腫」も膝の周辺に発生しやすいため、膝はとくに注意が必要な部位です。

どのような人に多いか

骨の悪性腫瘍で最も多いのは骨肉腫で、軟骨肉腫はその約3分の1、ユーイング肉腫は約7分の1にとどまります。

発生率に男女差はありませんが、年齢によって発生しやすい腫瘍の種類が異なります。

  • 骨肉腫は10歳代に多くみられます。

  • ユーイング肉腫は学齢前の幼児から小学生にかけて多く発生します。

  • 軟骨肉腫は30〜50歳代の中高年に多いです。

  • 骨髄腫や他臓器からの転移がんは、50歳以上の高齢者に多く見られます。

骨の悪性腫瘍の原因は明確にはわかっていませんが、骨を盛んに作る「骨芽細胞」や「軟骨芽細胞」が何らかの原因で異常な増殖を起こした結果とされています。

自覚症状

主な自覚症状は次の4つです:

  1. 手足がなんとなく腫れてくる

  2. 手足に痛みがあり、徐々に強くなる

  3. 軽い衝撃で骨折してしまう

  4. 関節の動きが悪くなる

骨肉腫では、腫れや痛みに加えて、膝や肩の周辺が熱をもつことがあります。腫れた部分を押すと痛むこともありますが、初期には痛みが少ないこともあります。

ユーイング肉腫では発熱を伴うことがあり、幼児〜小学生に多く発生するため、原因不明の発熱には注意が必要です。

軟骨肉腫では痛みはあまり見られませんが、関節付近の骨に腫れや変形が現れます。

診断

骨の悪性腫瘍は、種類によって発生しやすい部位が異なるため、部位からある程度診断が可能です。

また、骨の腫瘍の大半は良性であることも知っておくと安心です。「骨の腫瘍」と診断されても、すぐに悪性腫瘍と決めつけるのは早計です。

中には「骨巨細胞腫」のように、良性か悪性かの鑑別が難しいケースもありますので、診断では良性・悪性の見極めが最も重要になります。

診断はまずX線撮影から始めます。骨肉腫のように進行の早い腫瘍では、1か月の間隔をあけて2回撮影し、増殖速度の違いで悪性か良性かを判断することもあります。

X線で判断がつかない場合は、静脈に微量の放射性物質を注入して検査する方法(骨シンチグラフィー)も行われます。

さらに確定診断のために、腫瘍組織の一部を採取して顕微鏡で調べる生検が行われます。

治療

骨の悪性腫瘍の治療の中心は外科手術です。

骨肉腫の初期で腫瘍が限局している場合は、病変部を切除し、人工骨や金属のパイプを用いて手足を温存できる場合があります。

しかし、腫瘍の広がりが大きいと、切断が必要になることもあります。

また、骨肉腫では手術の前後に抗がん剤を使用します。抗がん剤は副作用が強いですが、がん細胞をできるだけ死滅させ、再発を防ぐ目的で、術後2〜3年間は点滴治療を継続する必要があります。

ユーイング肉腫は、手術よりも化学療法や放射線療法が優先されます。


筋肉・脂肪の悪性腫瘍(軟部腫瘍)

筋肉や脂肪、神経、血管などの「軟部組織」にできる悪性腫瘍は「軟部肉腫」と呼ばれます。

軟部組織には、良性腫瘍として筋腫(筋肉の良性腫瘍)や脂肪腫なども多く発生しますが、悪性の場合は適切な外科的処置が必要です。

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