急増中の大腸・小腸ガンはホクロが唇以外に手足にいくつもできたら要注意

唇の縦ジワに沿って数mm大の色素斑が多発したら腸にポリープが多出している

唇にホクロのような色素斑が多発して現れると、胃や小腸、大腸といった消化管に、同時に無数のポリープができており、その一部はガン化するおそれの高い場合があります。ポリープとは、内臓の外皮や粘膜からキノコ状に発生し、隆起した病変のことです。ポリープがただちにガン化するわけではありません。かといって、すべてのポリープが良性のままとも限りません。ポリープのうち、一部はガンになる危険性があるのは事実です。胃や小腸、大腸などの消化管にできるポリープを消化管ポリープといいます。消化管ポリープが無数にできてしまう病気に、消化管ポリポーシスという遺伝性の病気があります。
消化管ポリポーシスを発症すると、食道を除く消化管に数百個単位のポリープができるのです。
消化管ポリポーシスの一種で、皮膚に色素沈着が現れる病気があります。ポイツ・イエーガー症候群と呼ばれる病気です。ポイツ・イエーガー症候群による色素沈着の特徴は、唇や口、手足に、メラニン色素の沈着した小さい色素斑が現れることです。
色素沈着のうち、最も代表的なのが唇に現れるものです。唇には縦ジワがありますが、その縦ジワに沿って、数mm大の色素斑が多数現れます。黒っぼい色をしており、一見、ホクロのようです。この色素斑は平らで、盛り上がってはいません。唇のほかに、手足にも同様の色素斑ができ、ホクロのように見えることがあります。手足にできる色素斑は主に、手なら手首よりも先、足なら足首より先に、左右対称に現れます。
ポイツ・イエーガー症候群の唇や手足に出現するホクロのよぅな色素斑は、幼児期に出現し思春期にかけて増えます。それと同時に、帝化管に多数のポリープができるのです。そのため、10代や20代の若い年代に、患者さんが多い傾向にあります。
腸のポリープは年を重ねるとともにガン化する確率が高くなり、40~50歳になると一定(約10%)のポリープがガン化するといわれます。また、ポイッ・イエーガー症候群の患者さんは、ほかのガンになる可能性も高いといわれているのです。ただし、ポイツ・イエーガー症候群で現れるホクロのような色素斑自体が、悪性腫瘍(ガン)ということではありません。

左右非対称の、色に濃淡があるホクロが7mm以上になれば皮膚ガンの可能性あり

ポイツ・イエーガー症候群の原因は、わかっていません。また、消化管ポリープが原因で、色素斑ができるわけではありません。消化管ポリープだけができて色素斑が現れない人や、色素斑だけが現れて消化管ポリープができない人もいますが、これらの場合、患者さんはポイツ・イエーガー症候群ではありません。
若い人の唇や手足などに、これまで見かけなかったホタロのような色素斑ができているときは、皮膚科の診察をぜひ受けてください。最後に、普通のホタロと皮膚の悪性黒色腫( メラノーマ)との見分け方を簡単に述べておきましょう。普通のホタロは一様に同じ色をしていますが、色に濃淡があったり、境界部がにじんだような左右非対称の後天的なホタロが、7mm以上の大きさになったりしたときは、メラノーマの可能性があります。また、顔のホクロだと思っていたものが徐々に拡大してきたり、出血したり、かさぶたができたりするときは、基底細胞ガンである場合もあります。