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血管の若返りに役立つ情報 食習慣や生活習慣などの紹介 少しの工夫で血管はもっと若返る

生活習慣を変えることで血管のアンチエイジングを高める

生活習慣を変えることで血管のアンチエイジングを高める ことができるので紹介します。血管年齢を若く保つことは、血管からくる重大な病気を予防するだけでなく、肩こりや腰痛、冷え性といった未病から、生活習慣病をはじめ、重大な病気をも遠ざけてくれます。

できるだけ血管のしなやかさを保つ努力をして、快適な日常生活を送りましょう「食生活」「運動」「睡眠法」「心の持ち方」に分けてご紹介していきます。

血管をきれいに保ち、血管年齢を若く持つ方法 生活習慣を変えることで血管のアンチエイジングを高める

生活習慣を変えることで血管のアンチエイジングを高める

生活習慣を変えることで血管のアンチエイジングを高める

血管を流れる「血液の質」は、食生活、運動習慣、睡眠、ストレスなどに大きく影響を受けます。健康であれば血液の成分はバランスよく保たれていますが、食生活の乱れや運動不足、睡眠不足、過度なストレスなどによって、血液中に「脂質」や「ブドウ糖」が増えすぎたり、血圧が上昇したりすることがあります。

このようないわゆる「汚れた血液」は、「血管内皮細胞」を傷つけ、「NO力」の低下や、動脈硬化を進行させる原因となります。「血管力」を高める努力をしながら血管内を流れる血液をきれいに保つのが健康への一番の近道です。

大事な生活習慣

  • 肉よりも魚が好き
  • 朝はサラダや野菜ジュースをとっている
  • 野菜を好んで食べる(意識して食べるようにしている)
  • 最初に野菜を食べ、ごはんは最後に食べる
  • 食事はゆっくりとよく噛んで食べる
  • 夕食は夜 8 時までにすませる
  • アルコールは適度に飲んでいる( 1 日にビール中瓶1 本程度)
  • レストランやカフェではいつも禁煙席
  • 1 ~ 2 階の移動であれば階段を使う
  • 昼食後にウォーキングなど体を動かしている
  • 夕食後の軽い運動を習慣にしている
  • 睡眠時間は 6 ~ 7  時間とっている
  • 翌日に眠気を生じないように睡眠できている
  • 仕事はがんばるけれど、適度にリフレッシュして
  • 人間関係に悩まされていない(職場も家庭も和やかな雰囲気である)
  • 目標は高すぎず、低すぎないものにしている
  • 人の意見を聞くようにしている(意固地・頑固といわれることがない)

血管を若く保つ生活「効果は実証済み!「EPA」を多く含む魚を食べる

血栓の予防にEPA・DHA
青魚に多く含まれる「EPA(エイコサペンタエン酸)」には血管内皮細胞の働きを助ける作用があります。これはさまざまな調査や研究で明らかにされており、青魚を積極的に食事にとり入れるようアドバイスしています。

野菜をほとんど食べないイヌイットに、心臓病が少ない理由

血管と魚の摂取量との関係は、1970年代にデンマークで行なわれた疫学調査の結果から注目されるようになりました。

まぐろ、かつお、さば、さんま、鮭の水煮缶詰にはEPAが多く含まれているのでおすすめです。ただし、油漬けや抽入り水煮の缶詰には植物油が使われているので「血管力」を高めるためにはおすすめできません。逆効果になってしまいます。

「どうしても魚は苦手…」 という方にはサプリメントがおすすめです。実際、EPAのサプリメントを飲んで運動を習慣にしただけで、血管年齢がかなり改善されたという方も多数いらっしゃいます。それだけ、目に見える効果があるということです。

EPAを多く含む魚

100g中に含まれるEPAの量

  • マグロ・トロ(1400mg)
  • はまち・養殖(980mg)
  • 真いわし(1200mg)
  • さんま(890mg)
  • 真さば(500mg)
  • 秋捕り・戻りがつお(400mg)

血管を若く保つ生活「肉は食べていいの?いけないの?」

現代人は、肉や脂をとりすぎる食習慣が当たり前になっており、「肉を食べると長生きできない」などという健康法が注目されています。「肉=悪」という表現もよく目にします。

「肉は食べないほうがいいって聞いたのですが…」などと心配そうに聞く方も多いです。魚を食べることはもちろん大切なのですが、だからといって「肉を食べないほうがよい」というわけではありません。健康で長生きしている方の食生活をうかがうと、90歳を超えても肉をしっかり食べているようです。肉ばかり食べているわけではありませんが、「好物はステーキ」とおっしゃる長寿の方は本当に多いのです。

やはり、若々しく、元気に長生きするためには、肉も適度に食べたほうがいいでしょう。血管の材料となるアミノ酸はタンパク質からつくられます。丈夫な血管を維持するためには、質のよいタンパク質をとることが大事です。肉にはそれが豊富に含まれています。

「EPA」と「アラキドン酸」のベストバランス

また、肉と魚をバランスよく食べるようにすると、「脂肪酸」のバランスもとれます。脂肪酸とは、脂質を構成する成分で、いくつか種類があります。大きく分けて、常温で固まる「飽和脂肪酸」と、常温でも固まらない「不飽和脂肪酸」があります。

冷えたラーメンのスープに浮かぶ白いかたまりや、脂身の多い肉を煮込んだときにできる煮こごりなどが常温で固まるのを目にしたことがあるはずです。あれが、「飽和脂肪酸」です。牛肉や豚肉、鶏肉など肉の脂身のほか、ヤシ油やパーム袖に多く含まれています。

一方で、常温でも固まらず、液体の状態を保つ植物油や水中に棲む動物の脂は「不飽和脂肪酸」です。不飽和脂肪酸は、さらに一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられます。このなかでもとくに注目されているのが、「多価不飽和脂肪酸」の「オメガ3系脂肪酸」と「オメガ6系脂肪酸」です。

油を味方にする、現代人はオメガ9 系を積極的に摂ることで効率よく健康的に痩せる オメガ3、6、9についてによればダイエットの世界でもこのオメガ3、6、9の摂取を無視できない状況になっていることがわかります。いい油と悪い油があることをしっかり理解する必要があるのです。血管の若返りにもダイエットにもいい油は必要で現代人は不足気味であるということです。

しかも、この2つは体内で合成できないので、食事での摂取が必要となっています。

現代人は積極的に摂取!注目の脂肪酸

オメガ3系脂肪酸
魚油、アマニ油、エコマ油などに多く含まれていて、体内でEPA変換される。魚にはもともとEPAとして含まれている
オメガ6系脂肪酸
大豆油、コーン油、紅花油、ひまわり油などに多く含まれ、体内でアラキドン酸(AA )に変換される。アラキドン酸は肉にも含まれている。
  • 「オメガ3系脂肪酸」は動脈硬化を予防
  • 「オメガ6系脂肪酸」を過剰に摂取すると動脈硬化を促進する

ことがわかっています。

そう聞くと、「オメガ6系脂肪酸は悪者! 」と思われてしまうかもしれませんが、そう簡単な話ではないのです。血液中のEPA とAA(アラキドン酸)の比(EPA/AA 比)を調べると、理想的な数値は「1」で、この数値が低い人ほど動脈硬化による「血管事故」を発症しやすいことがわかっています。
また、最近の研究で、「オメガ6系脂肪酸」の摂取量が増えると「オメガ3系脂肪酸」の作用が弱まり、「オメガ3系脂肪酸」が増えると「オメガ6系脂肪酸」の作用が弱まるという、シーソーのような関係にあることがわかってきました。

そのため、最近では「オメガ3 系脂肪酸(EPA)」ばかりとればいいというわけではなく、「オメガ6系脂肪酸(アラキドン酸/AA)」とのバランスが重要視されるようになってきました。とはいうものの、アラキドン酸はベジタリアンでなければ十分とれているので、意識してたくさんとる必要はありません。現実的に、いまの日本の食生活でアラキドン酸が不足することはほとんどありません。ただしEPAが足りないのは間違いないので、積極的に魚を食べるようにしましょう。

日本人は欧米人に比べると理想的な数値に近いのですが、それでもEPAが不足しています。しかも、日本人全体の平均数値なので、35歳未満では欧米人に近い数値となっています。逆に、65歳以上の高齢者は魚をよく食べているのでもう少し1に近い数値になつていることでしょう。

調理用に使う油

調理油としておすすめしたいのが、オリーブ油です。オリーブ油は一価不飽和脂肪酸」を多く含み、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールは減らさないことが確認されています。また、「オメガ6系不飽和脂肪酸」のリノール酸と違って、「オメガ3系不飽和脂肪酸」のEPAと競合しない点も長所といえます。
腸ストレスから自分の腸を守るために効果的なエキストラバージンオリーブオイルのように質の高いオリーブ油は、腸にも効果的です。

さらに、熱に強いオリーブ油は、加熱すると変性しやすい「オメガ3系不飽和脂肪酸」の強力な助っ人といえます。動脈硬化予防に役立つので、オリーブ油を積極的に活用しましょう。ただし、とりすぎは厳禁です。カロリーの過剰摂取となり、メタボを招き「血管力」を下げてしまうことになります。

血管を若く保つ生活 動脈硬化に効く野菜

健康長寿、病気予防には野菜をたくさんとったほうがよいということは、世界中のさまざまな調査・研究で検証・確認されています。心筋梗塞や脳卒中など血管の病気予防についても、野菜の摂取がよいという研究報告がたくさんあります。

こうなると、やはりみなさん「どの野菜を食べればいいの? 」ということが気になりますよね。世の中には、動脈硬化に効く、中性脂肪を下げる、血液をサラサラにするなど、さまざまな謳い文句があふれています。しかし、ズバリ申し上げますが、特定の野菜が、特定の病気や症状を劇的に改善することはありません。

怪しげな情報に躍らされて、特定の野菜だけをたくさん食べるなんてあまり意味のあることではありません。

なぜ野菜は血管にいいのか?

血管の病気に関していえば、野菜に含まれる「カリウム」が、血圧を上昇させる「ナトリウム」の排泄を促して血圧を安定させ、「血管内皮細胞」を守ります。

また、野菜に含まれる「食物繊維」も血管のサポートに一役買っています。食物繊維の中でも、水に溶ける「水溶性食物繊維」には、血液中のコレステロールの排泄を促し、脂肪を分解する酵素の働きを助ける作用があり、血管内皮細胞を守ります。
「野菜・きのこ」身近な健康食材・美容食材 | 効果アップの食材食べ合わせ

ほかにも、野菜にはエネルギー代謝に欠かせない「ビタミン」「ミネラル」が含まれています。炭水化物や脂質、タンパク質が車を動かすガソリンだとしたら、ビタミンやミネラルはエンジンオイルのようなもの。
どちらが不足しても代謝がスムーズにできませんから、野菜をしっかりとるよう心がけることは大切です。

また、野菜には「フラボノイド」や「カロテノイド」など、人体で重要な役割を担う「微量栄養素」を含んでいます。これらは、さまざまな種類があり、たくさんの野菜にごく微量ずつ含まれています。

どれかひとつだけとるのではなく、複数の野菜をたくさんとるようにしましょう。

厚生労働省がすすめる「健康日本21」では、1日に緑黄色野菜を120 g、淡色野菜を230 gとるようすすめています。血管のためにはこれにプラス50 g、1日400 gを目標にしてみてください。参考までに野菜の目安量を挙げておきます。

緑黄色野菜
淡色野菜

血管を若く保つ生活 塩分は 1 日 8 g

塩分の過剰摂取は高血圧を招き、血管に負担をかけます。

「血管力」のためには、塩分を控えた食事を心がけましょう。食卓には塩しょうゆ差しが常備されていて、なんにでもかけてしまう人や濃い味が大好きという人は、間違いなく塩分を過剰にとっています。血管もかなりのダメージを受けていることでしょう。
割り醤油をうまく活用することで減塩に
塩分が血圧を上昇させるメカニズムは、塩分をとると血液中の「ナトリウム」濃度が上昇します。血液の成分は常に一定になるようコントロールされているので、血液中のナトリウムの濃度を薄めるために、体は血液中の水分を増やそうとします。塩辛いものを食べたときにのどが渇くのは、体が水分を欲しているためです。

そうすると、血管を流れる血液の量が増え、血管内の圧量が上昇して血圧が高くなります。全身に送られる血液量が増えるので、心臓はより多くの血液を送りだそうとして強く収縮し、それによってさらに血圧が上昇します。また、血液中のナトリウムが血管の内膜や中腹に侵入すると、血管内皮細胞がむくんでしまい、その機能が低下してしまいます。血管の筋肉中にナトリウムが入り込むと、交感神経が刺激されて血管が収縮してしまい、高血圧を招くことになります。塩分の過剰摂取は、こうしてさまざまな側面から血圧を上昇させ、血管に負担をかけて動脈硬化の進行につながってしまいます。

楽しみながら減塩生活を定着させる

食事で摂取する塩分の量を減らせば、塩分の過剰摂取による高血圧は予防・改善することができます。ただし、塩分をとったときにどのくらい血圧が上昇するかという、「食塩感受性」は人によって異なります。塩分を控えても血圧が下がりにくい、逆に塩分をたくさんとっても血圧が上がりにくいというケースもあります。

とはいえ、継続的に塩分を多くとっていると、徐々に「食塩感受性」が高くなつていくので、いずれにせよ血管のためには減塩を心がけましょう。高血圧学会は、高血圧予防のためには「塩分の摂取量を1日6 g未満」としていますが、日本の食生活を考えると現実的には難しいと私は感じています。

多くの方が「1 日6 g はつらいです」「ごはんがおいしくありません」といった言葉を聞くことが少なからずあります。食事は毎日の楽しみのひとつです。せっかく食べるのであれば、おいしいごはんを食べたいに決まっています。
減塩にこだわるあまり、食のおいしさが失われてしまっては本末転倒です。ただ、塩分のとりすぎはよくないことは間違いありません。6 gは難しいにしても1日8 gを目指してみませんか。減塩でも工夫しだいでおいしい食事になります。具体的な実践方法をいくつか紹介するので参考にしてください。
血圧が高い人は、発酵黒豆エキスがおすすめです。

糖尿病にも有効!食べる順番

ふだん食事をするときに、「食べる順番」を意識されていますか?食べる順番を変える、ただそれだけで「血管力」を高めることができます。

やり方は簡単です。野菜から先に食べて、ごはんを最後に食べるだけです。「そんな単純なことで」と驚かれるかもしれませんが、これは糖尿病の治療にも有効な食事療法として認められていて、近年、注目されています。野菜から食べることでどうして「血管力」がアップするのか、わかりやすくご説明しましょう。

メリット1「野菜を食べるようになる」
野菜から食べることを意識すると、それだけで野菜を食べる量が増える
メリット2「よく噛んで食べるようになる」
野菜には「食物繊維」が多く含まれているので噛みごたえがあり、自然によく噛んで食べるようになる。よく噛んで食べると、満腹感を覚えやすく、食べ過ぎ予防にもなる。早食いの人は、お腹いっぱいと満腹中枢が指令を出す前に食べきってしまうので、食べ過ぎてしまう。
メリット3「塩分が控えられる」
ごはんと別におかずだけ食べると、ふだんの味つけを濃く感じるようになる。自然と薄味になって、減塩につながる
メリット4「食後の血糖値を抑えられる」
ごはん、パン、めん類、いも類など炭水化物を多く含むものを先に食べると、食後に血糖値が急上昇するため血管に負担がかかる。野菜から先に食べると、糖質の腸管での吸収がゆるやかになり、急激な血糖値の上昇を避けることができる。炭水化物を最後に食べるので、食べ過ぎ予防にもなる
メリット5「中性脂肪やコレステロールが改善する」
血糖値が急上昇すると、使い切れずに余ったブドウ糖は中性脂肪として蓄積される。野菜から食べると中性脂肪の数値も下がるケースが多く、その後、コレステロールの数値も改善することがある。https://108-blog.com/blood-s/

食べる順番を変えるだけで、こんなにいい効果につながるのですから、食事のときは「野菜から食べる」を意識して実践してみてください。それだけで「血管力」がずいぶん高まるはずです。

血管を若く保つ食生活「脂肪をため込みやすい時間」に注意」

肥満(メタポリックシンドローム) は「血管力」を低下させる大きな要因です。肥満の予防・改善は「血管力」アップには欠かせません。1回の食事の中の食べる順番だけでなく、食事をする時間帯を意識するだけで肥満予防になります。

「BMAL1(ピーマルワン)」という物質をご存じですか?私たちの体内には、ある一定のリズムが存在しています。夜になると眠くなり、朝になると目覚めるのは、体がこのリズムに沿って生命活動を営んでいるためです。
このリズムは「体内時計」と呼ばれます。BMAL1は体内時計に関係する遺伝子であると同時に、脂肪の分解を抑制して体内にため込みやすくする働きがあります。

最近の研究で、BMAL1 は 1 日のうちの時間帯によってその強さが変化することが明らかになりました。夕方6時ごろから徐々に作用が強くなり、深夜2時ごろにもっとも強くなったあとで、徐々に弱まっていきます。BMALl の作用が強い時間帯に食事をすると太りやすく、BMALl の作用が弱くなる時間帯に食事をとると肥満予防になります。

つまり、

  • BMAL1 の作用がもっとも弱い午後2時前後に昼食を食べる
  • BMAL1 の作用が強くなる前の夕方6時ごろに夕食をすませる

これが太りにくい食事のベストタイミングです。

ただ、仕事によっては、難しいこともあるでしょう。夕食を6時に食べるのは難しいので、昼食を2時前後にとっています。夕食は8時ごろに自宅で手料理を食べ、朝食は野菜ジュースだけにしています。朝食を野菜ジュースだけにしているのも、BMAL1の影響を考えてのことです。

実は、朝6時は夜の10時ごろと同じくらいBMAL1の作用が強くなるタイミングです。そのため、朝食をしっかり食べると太りやすくなるのです。一般的には朝食をしっかりとったほうがいいとされていますが、夕食を遅い時間にしっかり食べる人は、朝食は軽くすませたほうがよいのです。もしくは夕食を軽くすませて朝食をしっかりとるかです。

血管を若く保つ食生活「適量のアルコールなら百薬の長」

風呂上がりのビールはやめられない、そんな人は多いのではないでしょうか。ストレス解消のためにお酒を飲む人もいらっしやるでしょう。アルコールは適度にとれば「血管力」を高めてくれます。飲み方に注意すれば、「酒は百薬の長」となるでしょう。

九州大学が福岡県久山町で行なった大規模な疫学調査によると、少量のアルコールの摂取は脳梗塞の予防に役立つという報告があります。まったく飲まない人よりも、適量のアルコールを飲んでいる人のほうが、脳梗塞の発症率が低かったそうです。そのほか、適量のアルコールが心疾患の発症予防に役立つことや、死亡のリスクを減らすなど、少量の飲酒を支持する研究データが発表されています。

適度なアルコールは血液循環をよくするので、「NO」の分泌を促してくれ、「血管力」アップに効いているのでしょう。ただし、飲み過ぎは厳禁です。1日の適量を守り、1週間に1日は休肝日を設けてお酒と上手につきあうようにしてください。参考までに、男性の1日の適量をご紹介します。女性はこれらの分量のおよそ半量と考えましょう。
日本人が肝臓の心配をせずに飲める量 | 健康マニア

お酒の種類ごとの 1 日の適量
  • ビール ( 中瓶 1 本程度 )
  • 日本酒 ( 1号程度 )
  • ワイン (グラス 2 杯程度 )
  • 焼酎 ( 半合弱 )
  • ブランデー ( ダブル 1 杯程度 )
  • ウィスキー ( 1 杯程度 )

脳卒中のリスクを高める食事はこちら。

血管を若く保つための運動

運動は「食後 30 ~ 60 分」が効果的

運動で「血管内皮細胞」を直接刺激すると、「NO」の分泌が促されて「血管力」アップにとても効果的です。ここでは運動するタイミングや、より効果を高めるポイントをご紹介しましょう。

運動をするタイミングについて質問されることが多いのですが、この判断は専門家によって異なります。私は、食後、高血糖を早めに安定させるということを考えて、食後の運動をおすすめしています。

血糖値は食後 1 ~ 2 時間後にもっとも高くなります。このとき消費しきれなかったブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓に蓄えられたり、脂肪細胞に貯め込まれたりしてしまいます。食後に運動をして血液中のブドウ糖を使うと、高血糖状態が早めに改善されて中性脂肪へ合成される量が減り、「血管力」のサポートになります。

「食事をしてから 30 分から 1 時間以内に 10 分程度歩きましょう」とおすすめしています。
食後 30 分ほどは消化のために体を休ませて、食後 1 時間までの間に 10 分程度の有酸素運動を行なうようにしましょう。
少し食べ過ぎたときや体重を落としたいときには、これにさらに 10 分追加するなどするとよいでしょう。

1 回の運動時間は 10 分でも、1日3回行なえば合計 30 分。1 日の運動量としては十分です。

かつては、運動は連続して20分以上行なわないと効果が出ないといわれていましたが、そんなことはありません。確かに、連続した運動で調べると内臓脂肪や皮下脂肪は20分を過ぎるころから使われ始めますが、血液中のブドウ糖は10分程度の運動でも燃焼されます。

食後血糖値を下げて「血管内皮細胞」への負担を減らすには、10分の運動でも十分に効果があります。

朝のウォーキングがよくない理由

朝は運動に適していない時間帯なので、連動は昼食後や夕食後、おやつのあとなどがおすすめです。朝の運動は、もともと血圧が高い人や高齢者には危険なので控えたほうが安心です。心筋梗塞や脳卒中の発作は、起床後1時間以内、もしくは午前中に多く起こるといわれています。

午前中は副交感神経が優位な状態から交感神経が優位な状態へと切り替わる時間帯なので、血管が収縮して血圧が上がりやすくなっています。そんなときに運動をすると、血管に負担がかかってしまいます。運動をするなら午後からにしましょう。
どうしても朝に運動したいのであれば、少し早寝早起きをして、水分補給だけか軽めの朝食をとり、起床後1時間ほどたつてからウォーキングすることをおすすめします。

食べ過ぎてしまった日には「なかったこと運動」でリセット

とくに夕食後の運動をおすすめしています。夕食後は昼休みに比べると時間が多くとれるので、15分もしくは10分を2セットなど、まとまった運動をすることができるのではないでしょうか。
食べ過ぎたときには糖質カット酵母で食後の血糖値の急上昇もなし「パクパク酵母くん」なども活用すると尚、効果的です。

夕食後の運動を「なかったこと運動」と言うことにしています。その日、食べ過ぎた食事を運動によって「なかったことに(消費)」するからです。ブドウ糖が脂肪になつて蓄積する前に、こまめな運動で血液中のブドウ糖や脂質を使いきれば、肥満の予防・改善だけでなく、「血管内皮細胞」への負担を減らすことにもなります。

1食で食べ過ぎたとしても、1回であればそれほどたくさんではありません。その日のうちに運動で解消できるのであれば、毎日こまめに運動したほうがいいに決まっています。また、夜はBMAL1 の作用が強いので、夕食を食べ過ぎると、そのまま脂肪に蓄積されてしまいます。

その予防や改善にも食後の運動が効果的です。家の中で手軽にできる運動として、「踏み台昇降運動」をおすすめしています。踏み台昇降運動は、階段を一段上ったり下りたりするだけの簡単な動作です。階段がない場合は、15〜20 センチの高さの踏み台を用意しましょう。

「本を重ねて台にした」という方がいらっしやいましたが、これは安定せず危険なので絶対やめてください。手ごろな高さの台が見つからなければ、ウォーキングをおすすめします。ウォーキングなど有酸素運動をしたあと、水分補給をしてから入浴し、入浴から1〜2時間経ってから就寝するのが理想的です。雨の日や冬の寒い日には、家の中でも有酸素運動が可能です。テレビの前で大きく腕を振り、足を高く上げてその場でウオーキングしましょ、つ。もう少し運動量を増やしたい場合は、その場で軽くジョギングしてみてもいいでしょう。

部屋の中で運動をしたい人はこちらです。NHKでスローステップ運動として紹介されました。スローステップ運動は台の上をのぼったりおりたりする運動です。階段などを使えばお金は一切かかりません。階段などがない場合は、スローステップ台を購入するといいでしょう。

若くつ睡眠、血管は睡眠中に修復される

血管のためにも、ぐっすり眠るようにしましょう。とはいえ、現代人は「眠れない」という悩みを抱えている人が少なくありません。働き盛りの30~50代は、忙しさから睡眠時間があまりとれず、平均睡眠時間は2~3時間という人が多いのも現代人の特徴です。

体に不調があらわれたり、病気をすると、はじめてまずいと感じ、意識して睡眠時間をとるように生活習慣を変えたり、仕事そのものを変えるケースが多いです。

私たちは睡眠をとることで脳や体を休息させています。睡眠の直後から3時間ほど分泌されるという「成長ホルモン」は、体内の新陳代謝を促して、体が受けたダメージを修復します。

入眠3時間後に成長ホルモンの分泌がピークになる
実は、血管も睡眠中に修復されているのです。

また、睡眠中は「副交感神経」が優位になって、心身ともにリラックスした状態です。心拍数が下がり、血圧も下がるため、血管への負担が減ります。ぐっすり眠ることが「血管力」を高めているのです。

短すぎる睡眠時間は「交感神経」の緊張を招くので、血管にはよくありません。寝不足が続くときには、ほぼ例外無く血圧が上昇しています。また、睡眠不足は食生活にも悪影響を与えます。満腹感を得られにくくなったり、食欲を出させるホルモンが出たりするので、睡眠不足だとふだんより食べてしまうのです。

深夜になるとお腹がすいてくるのはそのせいです。BMAL1の作用が強い、太りやすい時間帯にバクバクと食べていれば、メタポへまっしぐらとなるでしょう。

眠れないでいると、体の疲れがとれず、翌日の行動にも支障が出てしまいます。体を動かすモチベーションが下がるので、運動不足から肥満につながることも指摘されています。毎日をすこやかに過ごすためにも、ぐっすり眠るようにしましょう。
眠りが浅い、寝付きが悪い、途中で目が覚めてしまうなどで睡眠トラブルを抱えている場合は、快眠ぐっすり酵素「セロトアルファ」で睡眠薬が不要に をごらんください。
副作用や常習性がなくて安心です。

医学的な面から最適な睡眠時間は?

どのくらい眠ればいいのですか? 」という質問をよく受けるのですが、必要な睡眠時間は人によって異なります。6時間眠れば充分という人もいれば10時間以上眠らないとつらいという人もいます。

睡眠時間は、短過ぎても長過ぎてもよくありません。実際、睡眠時間が5時間未満、8時間以上というケースで病気が起こることが多いといわれています。
6~7時間くらいが死亡率の低い睡眠時間とされています。2014年春、厚生労働省から『健康づくりのための睡眠指針2014』が発表されました。
この中で、日本人の成人の睡眠時間は6時間以上8時間未満の人が約6割を占めており、これが標準的な睡眠時間と考えられるとしています。

さらに、睡眠時問は加齢とともに減っていき、10代前半までは8時間以上、25歳で約7時間、45歳には6.5時間、さらに65歳になると約6時間というように、20年ごとに30分くらいの割合で減少していくものだとしています。

ただ、仕事や家事に追われている年代が睡眠時間をしっかりとるのは難しいでしょう。そんなときには、少ない睡眠でも心身が回復できるよう、ぐっすり眠る「熟睡」を目指しましょう。熟睡できるかどうかは眠る前の過ごし方にかかっています。よい睡眠をいざなうポイントを紹介したいと思います。

質のいい睡眠がいい血管をつくる

  • 夕方の居眠りは夜眠れなくなるので避ける
  • 自分に合った寝具(枕や布団)を選ぶ
  • ニコチン、アルコール、カフェインは寝つきを悪くするうえ、利尿作用があるので夜中にトイレで目が覚める。寝る前の日本茶やお茶、コーヒー、多量の飲酒、喫煙は避ける
  • 寝る前には38~40度のぬるめの湯に入る(熱い風呂に入ると交感神経が優位になって眠れなくなる)
  • 寝る前は激しい運動は避け、軽いストレッチで副交感神経を優位にさせる
  • 静かな音楽を聴く、照明を落として過ごすなど心身をリラックスさせる
  • 眠れないときにはいったん布団から出て気分転換するとよい
  • 夜、眠る前のテレビやインターネット、読書などは避ける

血管を若く保つ心の持ち方 その1

ストレスは、血管を収縮させて血圧を上昇させ、「血管力」を低下させてしまいます。ストレスと上手に付き合い、血管に負担をかけないようにしましょう。ただ、現代社会ではストレスを避けて通ることは難しいでしょう。
とくに、人への怒りやイライラ、嫉妬などは、交感神経を盛大に刺激して、血圧を上昇させます。怒りは、相手が思い通りにならない、自分と違う意見を持っているときに湧きやすいものです。こうしたストレスをためないためには、「相手を変えようとしない」ことが大切です。
現代人のストレス

医師は患者さんに「生活習慣」を変えていただくようお願いすることがあるのですが、患者さんの「考え方」や「価値観」を変えようとは思っていません。患者さん自身が病識を持っていただけるように、生活習慣の乱れや生活習慣痛が、実際に自身の血管力にどれだけ悪影響しているかを、感覚的にわかりやすいデータを見せながらお話しするようにしています。

その結果、どうしたいのかを自分で選択していただくのです。喫煙者に禁煙をすすめた結果、険悪な雰囲気になるとお互いにストレスがたまりますよね。でも、現実問題として血管年齢が20歳も老化して、あげくに首の血管の壁には動脈硬化のコブができてしまっているとなれば、自ら禁煙したいといい出すことになるでしょう。
それでも禁煙しないというのならそれでよいことにするわけです。

相手を変えようとしてイライラするのではなく、自分が変わればいいと思えば「まあ、いいか」と思えるようになります。そうすれば、「どうしてこうなんだ」と怒りが湧いてくることもありません。むしろ、「そういう考え方もあるんだ」と相手を認められるようになります。

もちろん、治療のためにやっていただきたいことは、わかっていただけるまで根気よくご説明します。「どうしてできないの」と思うのではなく、「どう説明すればわかってもらえるか」と考えるようにしています。相手を変えるよりも自分が変わる、それがストレス対策の第一歩ではないでしょうか。

血管を若く保つ心の持ち方 その2

頭に上った血をスッと下げる「呼吸法」

昔に比べれば、随分カーッとなることは減りましたが、ときには「ムカッ」とすることもあります。また、「怒りをしずめるにはどうすればいいんですか」と悩んでいる方もいらっしやいます。そんなときにおすすめしているのが「腹式呼吸」です。腹式呼吸を行なうと、ストレスで緊張した筋肉がほぐれます。体がほぐれると気持ちもほぐれてすっきりします。「リラックス腹式呼吸」はオフィスでもできますので、イライラしたときにはやってみてください。

血管を若く保つ心の持ち方 その3

怒り=たばこ3本分のストレス

考え方を変えても、腹式呼吸をしても、どうしても怒りがおさまらない。そんなときはメモをとっておきましょう。なぜ怒ったのか、相手が何をしたのか、そのとき自分はどう感じたのかを書いておくのです。えんま帳のようなものですが、書くことで冷静になったり、客観的になったりするので、気持ちを落ち着けるのにはいいのです。
あとで読み返したときに、「これくらいのことだったのか、まあいいや」と思えればしめたものですし、「こうならないためにはこうしよう」と対策をたてることもできます。

血管の若返り法

血管の老化を加速させてしまうリスクファクター 5 つについて

血管の老化を加速させてしまうリスクファクター 5 つについて 紹介します。「動脈硬化」の恐ろしさをあらためて知るとやっぱり恐怖を感じます。動脈は、365 日、24 時間休まずに働いています。しかも、心臓からは 1 日約 8 トンもの血液が全身に送り出され、それが動脈を通過していくのです。ですから、動脈の血管が時間とともに少しずつ傷んでくるのは当然といえるのです。血管は、目に見えないだけにかりにくさも当然あります。

さらに、これから挙げるような病気や「リスクファクター( 危険因子)」がある場合は、動脈硬化がより速く進行していきます。

  1. 喫煙
  2. 高血圧
  3. 脂質代謝異常
  4. 高血糖
  5. 肥満 (メタボリックシンドローム)

この危険因子は、そのまま心筋梗塞や脳卒中など、「血管事故」のリスクを表わすとさどういうことかというと、
『健康な人が血管事故を起こす危険度を1』とすると、「喫煙」「高血圧」「高血糖」「脂質代謝異常」という危険因子が、ひとつ加わるごとに危険度が 3 倍以上になる』
というのです。

これは、名医の提唱する「 3 倍の法則」です。リスクがひとつだと 3 倍ですが、ふたつで 9 倍、3 つになるとなんと 27 倍です。加速度的に増えていく危険度はおそろしいものがあります。血管へのダメージを少しでも減らし、動脈硬化のリスクを下げるためには、まずこれらの危険因子の改善から始めましょう。

4 つの危険 ( 喫煙 高血圧 高血糖 脂質異常症 ) がそろうと

  1. 1つの危険をもっていると!3倍の危険率
  2. 2つの危険をもっていると!9倍の危険率
  3. つの危険をもつていると!27倍の危険率
  4. 4 つの危険をもっていると!81倍の危険率

悪の絶対的工1ス「喫煙」

いうまでもないことですが、「喫煙」は血管を老化させてしまう大きな要因です。その弊害は大きく、危険リスクの第1位を陣取る「悪のセンター」と呼んでもいいくらいです。「喫煙は百害あって一利なし」は間違いありません。
タバコの煙には、ニコチン、タールなど有害物質が含まれていて、「血管事故」だけでなく発ガンリスクを高めることもよく知られています。こうした有害な物質が血管によい影響を与えるはずがありません。何より、ニコチンは「交感神経」を刺激して、心拍数の増加や末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる作用があります。血圧が上がると血管の内膜が傷つきやrlりすくなり、動脈硬化の進行を加速させます。
禁煙補助剤を上手に活用して今年こそ禁煙!

狭心症や心筋梗塞を発症するリスクは、タバコを吸う人と吸わない人では大きく異なります。タバコを吸っているだけで、男性は2.9倍、女性は33.1倍とリスクが跳ね上がるのですから、どれだけ悪影響を及ぼしているかがわかっていただけるのではないでしょうか。

ちなみに、1日に20本以上タバコを吸う人は、非喫煙者より心筋梗塞の死亡率が1.7倍になるというデータもあります。

血管だけではありません。喫煙は体内の「活性酸素」を増やし、全身の細胞を酸化させます。しかも、タバコの害は吸っているあなただけでなく、その煙を吸う家族にも影響します。家族とあなた自身の健康のために、今日から禁煙しましょう。

禁煙したくても禁煙できない

禁煙がどうしても出来ない人は「タバコを吸わないとイライラして、落ち着かない」と口を揃えます。。実は、これは無理もないことなのです。タバコに含まれるニコチンは、吸い続けているとやめられなくなる依存性の高い物質なのです。
タバコを吸わないでいるとイライラするのは、禁断症状のようなもの。タバコを吸わないと落ち着かない、イライラするというあなたは「ニコチン依存症」に陥っています。こうなると意志の力での禁煙は難しくなります。

そんなこともあり、現在は、一定の条件を満たせば健康保険を使って禁煙治療が受けられるようになっています。禁煙に何度も失敗しているという方は、お近くの禁煙外来を受診して、今度こそ禁煙を成功させましょう。
禁煙治療が受けられる医療機関は増えています。インターネットで「禁煙治療」と検索すれば、住んでいる地域で禁煙治療が受けられる医療機関を検索できたり、自分がニコチン依存ではないかをチェックしたりすることができるサイトが出てくるでしょう。「血管力」を高めるために不可欠な禁煙、ぜひチャレンジしてください。

うれしい興奮も危ない「「高血圧」

喫煙に続く危険因子は「高血圧」です。血圧が高いということは、血管の内壁に常に高い圧力がかかっていることになります。ちょうど水道水をより大量に送るために、ポンプの圧力を上げているのと同じような状態です。

高い圧力が常にかかっていると、血管の機能も低下し、その結果、動脈硬化の進行を招きます。また、ポンプの役割を担う心臓にも、負担が大きいのです。また、ずっと血圧が高い状態が続くのはもちろん、急激に上がったり下がったりするのも血管にダメージを与えてしまいます。これは血糖値も同じです。子どもをしかるときに、同じ調子でいつもしかっていると、慣れてしまってあまり効果がないのですが、ふだんやさしくしていて急に怒ったときの効果はてきめんです。血圧や血糖も同じで、乱高下することなく、ある程度の範囲内で変動していればおだやかな刺激となり、血管にはそれほど負担はかかりません。

これが興奮して血圧が一気に上がるなど、上下の変動が大きいときには血管に大きな負担がかかります。ストレスが血管によくないといわれるのは、過度なストレスが血圧を急上昇させるからです。ストレスはつらいことばかりではありません。過去に、宝くじが当たって、うれしすぎて心筋梗塞になったという方がいらっしやいました。

つらいことでも、うれしいことでも、刺激の強すぎる興奮はあまりよくないということですね。血圧を安定させるには、塩分を控えることが大切です。なかには、塩分を控えてもなかなか血圧が下がらないケースもありますので、血圧が高い方は一度、医療機関を受診されたほうが安心です。ちなみに、血圧は年をとるとだんだん上がってきます。これには、加齢によって「NO」の分泌や働きが落ちることも関係しています。

気になるコレステロール「脂質代謝異常」

忘れてならないのが、血液中の「脂質」です。血液中の脂質には「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」があります。一般的な健康診断ではこれらの脂質を調べます。一般的には、LDLコレステロールは血管の内膜に入り込んで酸化コレステロールとなり、動脈硬化の進行を促進するため「悪玉コレステロール」と呼ばれます。

これに対し、HDLL コレステロールは体内の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻すため、「善玉コレステロール」と呼ばれています。ですから、悪玉コレステロールであるLDLが高く、善玉コレステロールであるHDLが低い人は動脈硬化が進行しやすいとされています。

悪玉(LDL)と善玉(HDL)

このイメージが先行したことで、LDLコレステロールは体に有害なだけのものと決めつけられていますが、じつはそうではありません。肝臓から全身の細胞にコレステロールを運ぶという役割を担っています。細胞に運ばれたコレステロールは細胞膜やホルモンの原料になるという、大切な役割があります。

悪玉コレステロールは本当に悪者か?

誤解されている方が多いのですが、コレステロールそのものが悪者なわけではないのです。体内で代謝されたときに、どんな形になるかで悪玉か善玉かに分かれ、なかでも、LDLコレステロールは、悪玉に変化しやすいだけだということを、もっとみなさんに知っていただきたいのです。

安定したコレステロール値のために積極的に摂りたい5つの栄養素

たとえば、海外ではタクシーが危険な乗り物といわれることがありますが、すべてのタクシーが危険なわけではありませんね。ドライバーが悪人であれば危険なタクシーになりますが、善人のドライバーであればなんの心配もありません。

コレステロールは、運転するドライバーによって危険にも安全にもなるタクシーに似ています。代謝の過程でどんなタンパク一質と結びつくかで、悪玉、善玉、どちらになるかが左右されているのです。悪い人が運転するコレステロールをつくり出す環境を避けることが、コレステロールとうまくつきあっていくことがポイントとなります。

それには、悪い脂(飽和脂肪酸、リノール酸などのオメガ6系多価不飽和脂肪酸)の過剰摂取を避け、喫煙、塩分の過剰摂取、運動不足など、生活習慣の改善が不可欠です。コレステロールが高いと指摘されると、とにかくコレステロールが含まれている食べ物を避ける、という方がいらっしやいますが、コレステロールは食事で摂取する量よりも体内でつくられるほうが多くなっています。

全体的なカロリーの摂取量が多かったり、肉ばかり食べていたりするとLDLコレステロールがたくさんつくられてしまうので、食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎを避けて、肉よりも魚を食べるなど心がけましょう。
LDLコレステロールが血管をダメにする

「超悪玉」コレステロール″にかかわる「中性脂肪」

コレステロールだけではありません。「中性脂肪」にも注意です。

これまでは中性脂肪が高くても動脈椎化にはそれほど関係ないと考えられてきましたが、最近、血液中の中性脂肪が多いと、「超悪玉」と呼ばれる酸化しやすい、小型のLDLコレステロールがつくられやすいことがわかっています。
超悪玉コレステロールは動脈硬化を早く進行させるので、中性脂肪の数値にも気をつけたほうがよいといわれるようになっています。中性脂肪は食べ方に気をつけて適度に運動をすれば、比較的下がりやすくなっています。

ストレスがたまると中性脂肪とコレステロールが増えるなども現代人は注意しなければいけません。
特に働き盛りの40代男性はこういったことも気にかけるようにしないといけません。

脂質代謝異常の判断の目安

  • LDLコレステロール 140mg/dl以上→高LDLコレステロール血症
  • HDLコレステロール 40mg/dl未満→低LDLコレステロール血症
  • 中性脂肪 150mg/dl以上→高トリグリセライド血症
  • いずれかに該当→脂質異常症

老化の原因は「糖化」にある?「高血糖」

「血糖値」とは、血液中に含まれるブドウ糖の量です。食事で摂取した炭水化物が消化・分解されるとブドウ糖になります。ブドウ糖は脳や体温の維持、体を動かすなど私たちが生命活動を維持するためのエネルギー源となります。

血液中のブドウ糖が不足すると、エネルギー不足となってしまいます。そんなことにならないよう、私たちの体は血液中のブドウ糖を空腹時でも70~100mg/dlくらいに保つようコントロールしています。

食事をしたあとの血糖値は一時的に高くなりますが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きで、食後1~2時間で元の数値に戻るようになっています。しかし、暴飲暴食を続けていると、インスリンの効きが悪くなったり、分泌量が低下したりして、血糖値が下がりにくくなってきます。

これが進行すると、常に「高血糖」状態が続くようになって、糖尿病を発症します。この「高血糖」状態も血管にダメージを与えます。「糖化反応(メイラード反応)」という言葉を聞いたことはありませんか?

糖がタンパク質と反応したときにできる「AGE(終末糖化産物)」という物質が老化を招くと、テレビなどでとりざたされたこともあるので、耳にされた人もいらっしやるのではないでしょうか。
食品中のAGEも糖尿病の合併症を進行させる

テレビなどでは、食品を加熱したときにタンパク質が焦げて発生するAGEばかり取り上げていますが、血管をサビさせるのはそうしたAGEを多く含む食べ物ではありません。

むしろ、血液の高血糖状態こそが血管を老化させる原因です。血管を構成しているのはタンパク質(アミノ酸)です。血管壁のタンパク質に血液中のブドウ糖が結びついて糖化することで、血管の内皮細胞が障害されます。また、LDLコレステロールも酸化して変性しやすく、動脈硬化を進めてしまいます。

LDLコレステロールが血管をダメにする

食事に含まれる糖質やタンパク質からつくられるAG Eよりも、高血糖状態が続き、自分自身の細胞を糖化させてしまうほうが大問題なのです。糖尿病の人に動脈硬化が進行しやすいという研究結果はいくつもありますから、高血糖状態がいかに血管に負担をかけるかということがわかります。

血糖値を急上昇させない「食べ方のコツ」

血糖値の急上昇を防ぐには、野菜から食べて、最後にごはんを食べるという食べる順番を変える食事方法が有効です。同じものを食べても血糖値の上昇がゆるやかなので、血管への負担を避けることができます。
もちろん、野菜でお腹が満たされたなら、最後のごはんを少なめにすることが大切です。食事のときは、野菜から食べて血糖値を上げすぎない食べ方を心がけましょう。

糖尿病の判断の目安

  • 血糖値(早朝空腹時)126mg/dl以上は「糖尿病型」
  • ヘモグロビンA1Cが6.5以上は「糖尿病型」

2つが当てはまると「糖尿病」
糖尿病についてはこちら。

お腹ぽっこりのメタボ

  • 高血圧
  • 喫煙
  • 高血糖
  • 脂質代謝異常

に付け加えたいのが「メタボリックシンドローム」です。肥満といっても判断基準は体重ではありません。要注意なのは内臓周辺に脂肪がついた、「内臓脂肪型肥満」です。

内臓脂肪がつくと、糖質、脂質などを体内で利用するための代謝機能に異常が生じ、高血糖、高血圧、脂質代謝異常などを引き起こして動脈硬化を進行させてしまいます。高血圧、糖尿病、脂質異常症と診断されるほど数値が高くない人でも、これらを複数あわせ持つと「血管事故」のリスクが非常に高くなります。

内臓脂肪を減らすエノキ生姜茶「 えのき美人茶」の効果と使用感

これは先ほど紹介した「3倍の法則」と同じです。この複数の危険因子をあわせ持った状態が、いわゆる「メタポリックシンドローム」と呼ばれます。メタポリックシンドロームを指摘されているあなたの血管はとても危険な状態です。

いますぐ生活習慣を見直すことをおすすめします。なお、メタポリックシンドロームの診断は腹囲(お腹まわり)だけと勘違いされている方がいらっしやいますが、腹囲がクリアしていても、血圧、血糖値、中性脂肪が高いのはいい状態ではありません。腹囲だけを見て安心しないようにしましょう。

血管壁にダメージを与える悪しき生活習慣を取り除いて、「血管へのリスクを軽減または予防することができれば、ダメージを受けていた血管内皮細胞が回復して、本来持っている機能を取り戻すことができます。

メタボリックシンドローム判定の目安

内蔵脂肪蓄積の指標として、へその高さで測った腹囲が

  • 男性(85cm以上)
  • 女性(90cm以上)

これに加えて以下の項目1~3のうち2つ以上があてはまればメタボリックシンドロームと判断されます。

  1. 血圧(上が130mmhg以上または下が85mmhg以上)
  2. 空腹時血糖値(150mg/dl以上)
  3. 中性脂肪(150mg/dl以上またはHDLコレステロールが40mg/dl以上)

血管の若返り

硬くなってしまった血管もやり方次第で柔らかな血管に回復できる

硬くなってしまった血管もやり方次第で柔らかな血管に回復できる という情報です。

血管が詰まる「梗塞」と破れる「出血」

私たちの体には網の目のように血管が巡っています。血管には「動脈」「静脈」そして「毛細血管」の3種類があります。これらをすべてつなぎ合わせると、およそ9~10 万km。

これは、地球を約2周半する長さにもなります。動脈硬化に関係する「動脈」の長さだけを想像しても、いつ、どの場所でトラブルが発生するのか。事前に把握することは、現実的には難しいところです。
さまざまな重篤な病気を併発する大敵「動脈硬化」は、どこに進行するかによって、誘発される病気が変わります。

たとえば、心臓を養う冠動脈で起これば「心筋梗塞」「狭心症」を、脳の血管で起これば「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」などを発症します。

とくに脳の動脈硬化は、「脳血管性認知症」の原因にもなります。これら、動脈硬化が加齢現象を超えて進行し、誘発する病気をまとめて「動脈硬化症」と呼びます。血管が原因の病気なので、私はこれらの病気を「血管事故」と呼んでいます。
これらは、自覚症状がほとんどないままに進行し、発症したときには生命にも関わる致命的なケースが少なくありません。まさに、動脈硬化は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」なのです。

「血管事故」はここに起こる

動脈硬化が発生した血管の部位ごとに起こる病気を以下にまとめました。ぜひ参考にしてください。血管の病気はたくさんあるので、脳と心臓の病気について簡単にご説明します。

脳動脈
  • 脳梗塞(脳の血管が詰まる)
  • 脳出血(脳の血管が破れて出血する)
  • 脳血管性認知症(脳梗塞や脳出血などの後遺症として認知症になる)
大動脈
  • 大動脈癌(動脈硬化によって大動脈の壁がもろくなり内圧に負けて膨らむ)
  • 大動脈解離(大動脈壁が裂け、血液が流れ込んで壁が内側と外側に解離する)
冠動脈
  • 虚血性心疾患(冠動脈が狭くなったり、詰まったりする)
腎動脈
  • 腎硬化症(腎臓の血管に動脈硬化が生じ、腎臓が硬く萎縮して機能が障害される)
  • 腎不全(糸球体の機能60%以下まで低下した状態。10%以下になると人工透析治療が必要になる)
末梢動脈
  • 閉塞性動脈硬化症(下肢の血管の動脈硬化が進み内腔が狭くなったり詰まったりして血流が不足する)

意外と知らない動脈硬化「3つの起こり方」

1.アテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)
血管壁の内膜に、コレステロールなどの脂肪からなるドロドロした粥状物質(アテローム)がたまってコブのようなものができ、次第に大きくなることで動脈の内腔が狭くなる。大動脈や脳動脈冠動脈などの比較的太い動脈に起こる。
2.細動脈硬化
脳や腎臓の中の細い動脈に起き、3層になっている血管の壁(内膜・中膜・外膜)全体が厚くもろくなる。しなやかさが失われると血管壁は破れやすくなる。高血圧症が長く続いて引き起こされることが多いのが特徴。

3.中膜硬化(メンケルベルク型硬化)血液中のカルシウムが血管の壁の中腰にたまって石灰化を起こす。中膜が硬くもろくなり、血管壁が破れることもある。大動脈や下肢の動脈、頸部の動脈に起こりやすい

すべての始まりは、「血管内皮細胞」の障害が原因

一般的に動脈硬化というと、1の「アテローム性動脈硬化」のことを指しています。「頚動脈エコー検査」で調べられるのは、主にこのタイプの動脈硬化です。それでは、アテローム性動脈硬化の起こり方を簡単にご説明していきましょう。

血管内皮細胞の障害と半球(白血球)の侵入
まず、生理的な加齢や高血圧、高血糖、脂質代謝異常などの危険因子により、血管の内側の「血管内皮細胞」が障害されます。傷ついた血管内皮細胞には単球(白血球)がくつつき、やがて血管内皮細胞の固から壁の内側へと侵入します。続いて内皮から血管壁の中へと侵入した単球は、輿物を貪り食うようにして処理する細胞「マクロファージ」へと変化します。
異物の侵入
傷ついた「血管内皮細胞」のバリア機能が弱まると、血管内に異物が侵入しやすくなります。異物の代表格が「LDLコレステロール」で、これが血管壁に入り込むと「活性酸素」の影響で「酸化コレステロール」となります。
LDLコレステロールとは、血液中の脂質の一種で、酸化すると動脈硬化を進行させるため「悪玉コレステロール」と呼ばれています。また、「活性酸素」とは、反応性の高い分子の総称で、体内でエネルギーをつくり出すときに発生します。ストレスや喫煙などで増えることもわかっています。

安定したコレステロール値のために積極的に摂りたい5つの栄養素

非常に不安定な物質で、「活性酸素によって体内が酸化する」などといった表現をよく耳にしますが、活性酸素によって細胞が傷つけられることを意味しています。血管内に活性酸素が増えると、血管が傷つけられやすくなり、動脈硬化が進行してしまいます。喫煙が「血管力」を下げるのは、体内の活性酸素を増やすことも関係しています。

免疫システム発動

LDL コレステロールが「酸化コレステロール」になると、私たちの体を守る免疫システムはそれらを異物とみなして攻撃します。

免疫細胞である白血球の「単球」から分化した「マクロファージ」は、アメーバのような細胞で、病原菌などを自らの体内に取り込んで殺し、私たちの体を守っています。
「酸化コレステロール」はこうした異物とみなされて、マクロファージに処理されます。

限界まで働いた免疫細胞が破裂、蓄積

限界を超えるまで酸化コレステロールを取り込んだマクロファージは泡沫細胞となり、脂肪のかたまりとなって血管壁内に蓄積してしまい、やがてコブのように隆起します。これが、「プラーク」と呼ばれるもので、その内部に詰まったジュクジュクとした軟らかい脂肪のようなものが「アテローム」です。プラークは、その状態がおかゆに似ているため「粥腫」とも呼ばれます。

プラークが大きくなると血管の内腔が狭くなって、血液が流れにくくなってしまいます。また、動脈硬化によって血管壁が、もろくなり、切れてしまうこともあります。

「LDLコレステロール」が、どうして血管の内膜に侵入して酸化するのかはまだよくわかっていません。ただ、加齢や生活習慣病などによって血管内皮細胞の機能が低下し、傷つきやすくなった血管の内膜にコレステロールが侵入することはわかっています。動脈硬化は血管内皮細胞の衰えとともに発症するといってもいいでしょう。

ふさぐ・詰まる元凶「血栓」はなぜできる?

できたばかりの「プラーク」は非常にもろく、血管の収縮などの刺激をきっかけに一部が破れてしまうことがあります。すると、それを修復しょうとして血小板が集まり、血液のかたまり(血栓)ができます。この血栓がやっかいで、血液の流れが滞るのはもちろん、血管をふさぐまで大きくなることもあります。
そこで詰まらなくても、血流に乗って別の場所に運ばれ、そこで動脈を詰まらせてしまうこともあるのです。

脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす血栓はこうしてつくられています。プラークが大きくなって血管の内腔が狭くなると、小さな血栓でも詰まることがあります。また、動脈硬化のリスクとなる喫煙習慣や生活習慣痛が放置されると、できたてのプラーク同様の、内部に脂がたまった傷つきやすいコブが、いつまでも血管の内壁にでき続けますので、注意が必要なのです。

厄介なプラークは、「安定性」がカギ

プラークは大きいから危険だとは限りません。むしろ、できたばかりでそれほど大きくもない小さなプラークでも、不安定で傷つきやすいことも多く、「血管事故」を起こしやすいことがわかっています。プラークは大きく2種類に分けることができます。

  1. 内部の脂質が多く、また表面を覆う膜が薄くてはがれやすい「不安定プラーク」。突然死を招きやすい
  2. 内部の脂質が比較的少なく、また厚く丈夫な膜に覆われ傷つきにくい「安定プラーク」

できて間もないプラークのほとんどは「不安定プラーク」で、時間をかけて段階的に成長したものが「安定プラーク」になります。

もしも、悪しき生活習慣をそのまま放置し続けると、動脈硬化のコブは不安定プラークのまま次第に大きさを増していきます。

ところがある程度の大きさのところで、脂質を覆っているプラークの膜が傷つき、血管事故を発生することがあるのです。一方、生活習慣を改善したり、適切な治療を受けたりすることで「不安定プラーク」は「安定プラーク」へと変化します。不安定プラークは炎症を起こしています。

たとえるなら、蚊に刺された直後の皮膚の状態と同じようなものです。蚊に刺された直後は炎症が起こり、ブワ一つと大きくはれ上がって強いかゆみをともないます。そして爪で引っ掻けばジクジクして容易に傷ついて出血してしまいます。ところが、引っ掻いて傷つけないようにしていれば、時間の経過とともにだんだん炎症がやんで、ふくらみも小さく固まるようにして治っていきます。

プラークも同じで、最初は炎症を起こしてジュクジュクしていても、時間がたつと徐々に固まっていきます。積極的な治療を施せば、プラークが小さくなってたいしゆくいくこともあるのです。これを動脈硬化の「退縮」と呼びます。

できたての「小龍包」プラークが大事故を招く

コレステロールなど脂肪がたっぷり詰まって破れやすい「不安定プラーク」は、中華料理でおなじみのク小龍包クのようなものです。熱々の小龍包を箸でつついて破れると、ジュワッとした肉汁があふれてきます。

不安定プラークもこれと同じで、ちょつとした刺激で破れて中に詰まった脂が出てきてしまいます。そうすると、傷ついたプラークを修復するために血栓ができてしまいます。

一方、「安定プラーク」は「肉まん」にたとえられます。肉まんは、中身を包む皮がしっかりしていて、ちょっと触ったくらいで破れることはありません。また、中の肉汁は少なめでしっかりしています。安定プラークも、外側の膜が丈夫で内部の脂も少ないため、いきなり破れて血栓をつくることはほとんどありません。

プラークが大きい場合、血管の内腔は狭くなりますが、心筋梗塞などによる突然死のリスクはそれほど高くありません。事実、1998 年の厚生省(現・厚労省)のデータによると、急性心筋梗塞の 8 割強はそれほど大きくなっていないク「龍包プラーク」が傷ついたことによって発症していたことがわかっています。「小籠包プラーク」つまり「不安定プラーク」こそ、突然死を招く黒幕といっていいでしょう。

ランニング中「突然倒れる人」に起きていること

困ったことに、できたばかりのプラークは小さく、血管内腔が狭くなっていないため、自覚症状がほとんどありません。みなさん、自分の血管がそのような危険な状態にあるなどと思いもよらないことでしょう。

マラソンなどで急性心筋梗塞を発症して亡くなる方は、こうした「小籠包プラーク」が、走っている間にバチッとはじけて、そこにできた血栓で冠動脈が詰まってしまうのです。マラソンは、汗を大量にかき、長時間体を動かすハードな運動ですから、そのストレスが一気に血管に襲いかかり、こうした「血管事故」が起こることが少なからずあるのです。

プラークの中には、ジュクジュクした不安定な状態のまま大きくなるものもありますし、膜が硬くなって安定するものもあります。ジュクジュクした状態のまま徐々に大きさを増す「小龍包プラーク」はとても危険です。血圧の上昇などちょっとした刺激で破れてしまいます。

「血管事故」を防ぐには、プラークを覆う丈夫な膜をつくり、安定させることが大切だとおわかりいただけたと思います。

「プラークの安定化」が突然死を防く最大のコツ

一方、「肉まんプラーク」、つまり「安定プラーク」ができた場合は、血管の内腔が狭くなっているので、血液が流れにくく、小さな血栓が詰まりやすいため、胸の痛みなどなんらかの自覚症状があります。深刻な状態に陥る前に医療機関で適切な治療を受ければ、突然死を迎えることなく、おだやかな状態でそのまま維持できます。

では、どうすれば、危険な「小籠包プラーク」を、丈夫な膜で覆われた「肉まんプラーク」に変えることができるのでしょうか。ここで活躍するのが「血管内皮細胞」です。

血管内皮細胞が正常に機能していれば、できてしまったプラークを、ある程度のところまで小さくすることもできます。大きくなってしまった「小籠包プラーク」をなくすことは難しいのですが、固めて少し小ぶりの「肉まんプラーク」にすることは可能です。

たとえるなら、不発弾をセメントで固めて爆発しないようにする、不発弾処理のようなものです。

「血管内皮細胞」といえば、「NO」です。「NO 」は、「血管内皮細胞」の機能を維持します。「NO力」を高め、できてしまった「プラーク」も速やかに安定化できることを目指しましょう。
また、そもそも「血管内皮細胞」が正常に働いてくれてさえいれば、血管内皮細胞の障害から始まる、一連の動脈硬化のプロセスは抑制されます。血管内皮細胞の傷は、血管内皮細胞自らが出す「NO」によって修復されますし、また、血管壁への白血球や血小板などの沈着も起こりにくくなり、炎症や血栓の形成も抑制されるのです。
NOをたっぷり効率よく分泌させる3つの方法
「NO力」を高めることの大切さ、改めておわかりいただけたのではないでしょうか。

脳卒中のリスクを半分に減らせる食べ物

さらに、血管内皮細胞を助け、安定化を早めてくれるのが、青魚に含まれる EPA ( エイコサペンタエン酸 ) です。EPA には血管内皮細胞の炎症をしずめ、血管の膜をつくる(コーティング)作用があります。魚が「血管事故」予防によいことは、さまざまな研究で明らかになっていて、魚に含まれる EPA は脳卒中のリスクを 40 ~ 50% 、心筋梗塞のリスクを約 20 % 低下させるという研究結果もあります。

最近、中国などでマグロの買い占めが始まったことがニュースになりましたが、こうした研究結果に影響されているのではないでしょうか。治療の一環として EPA の摂取をすすめているクリニックや病院も増えています。食事での摂取が難しいという方には、治療薬としての高純度EPA製剤を摂取していただいています。

脂質異常症の患者さん26人に、毎日、高純度EPA製剤 ( EPA 1800mg 含有 ) を摂取していただいたところ、2 ヶ月で血液中の脂質データが改善し、血管の壁がしなやかになって若返返りました。

ただし、市販されているサプリメントは純度が低いものもあるので注意が必要です。
血管の若返りにDHAたっぷりのマンボウの肝油」などがおすすめです。

EPA のほかに、ブルーチーズに含まれている LTP  (ラクトトリベプチド) にも血管内皮細胞の機能を高める作用があることがわかっています。これには血管拡張作用とそれにともなう降庄作用がありますが、そのメカニズムのひとつとして血管内皮機能の改善が考えられています。

血管若返り