腸内フローラしだいで敵にも味方にもなる 「 レシチン 」

腸内フローラしだいで敵にも味方にもなる 「 レシチン 」 に関する情報です。腸と動脈硬化の関連でもう 1 つ、こんな興味深い話もあります。腸のコンディションしだいで、動脈硬化を防ぐ役割もすれぼ、動脈硬化を進める働きもしてしまうという栄養素も見つかっているのです。
ちなみに レシチン とは レシチンはフォスファチジルコリンとも呼ばれ、約 13 %のコリンを含むリン脂質(リンを含む脂質)の一種で、細胞膜の主成分です。 脳神経や神経組織を構成します。
レシチン などのリン脂質が不足すると、細胞膜が正常に働かなくなったり、コレステロールが蓄積することもあります。

腸内フローラしだいで敵にも味方にもなる 「 レシチン 」

腸内フローラしだいで敵にも味方にもなる 「 レシチン 」

それは、卵黄や大豆、牛乳、チーズ、牛肉などに多く含まれている 「 レシチン 」 という成分です。脂質の一種で、細胞膜を構成する主成分であり、細胞内に栄養を取り入れ、細胞の外に老廃物を出す働きもおこなっています。

さらに、水と油の両方の性質を併せ持っているという特性から、血液中のコレステロールを溶かして排泄するのを手助けし、細胞内や血液中のコレステロール値を調整してくれること、悪玉の LDL  コレステロールを減らして善玉の HDL  コレステロールを増やすことも報告されていて、動脈硬化を予防する効果も期待されています。

このように レシチン は血管にとって、かなりありがたい存在です。それだけに、サプリメントとしても売られています。

ところが、最近の研究で、このレシチンをもとに体内でつくられる、ある物質が血液中に多いと、動脈硬化が悪化し、心臓病になりやすいことがわかったのです。レシチンを腸内細菌が分解したときにできる TMA という物質が腸から吸収されて血流に乗って肝臓にいくと、そこで TMAO という物質に代わります。これが血液中に多いと、動脈硬化ができることが明らかになったのです。

レシチンは動脈硬化を防いでくれる正義の味方のはずなのに、レシチンをもとにできるTMAOは動脈硬化を促進させてしまう・・・
「一体どっちが正しいの? 」と思いますよね。そこでこんな研究が行われました。

まずは、マウスにレシチンがたっぷり入った食事を与えてみる。そうすると、血液中のTMAOが増えて、普通の食事を与えられたマウスに比べて明らかに動脈硬化が進んでいました。

ちなみに、血中のコレステロールや中性脂肪には影響はありませんでした。次に、抗生物質を投与して、腸内細菌を減らしてから、同じレシチンたっぷりの食事を与えたところ、血液中の TMAO は増えず、動脈硬化も悪化しなかったのです。この実験で分かることは、レシチンが悪いわけではなく、腸内細菌が TMAO につながる TMA をつくることが悪いということです。

レシチン には体にいい作用があることが分かっているのだから、控える必要はありません。ただ、腸内細菌にTMAをあまり作らせないようにすればいいのです。どの腸内細菌が TMAO を増やしているのかはまだ分かっていませんが、どうやら、 腸内フローラ のバランスが良ければ TMAO はあまり増えないのではないかと言われています。

この話のおもしろいのは、同じものを食べても 腸内フローラ の良し悪しによって、動脈硬化を予防するものにもなれば、動脈硬化を促進するものにもなるということです。

先はど、抗酸化作用のあるポリフェノールは、腸のコンディションしだいで栄養の吸収率が代わりの腸のコンディションが悪ければ吸収してくれないので、食べても意味がないことを紹介しました。

ところが、このレシチンの場合、腸内が悪ければ、血管に長いはずのものが逆に悪いものに変わってしまうのです。それだけは避けたいですね。また、マウスの研究では、レシチンをたくさん食べると、血中のコレステロール値は高くないのに動脈硬化は悪化しました。

一般的な動脈硬化は、まえにふれたとおり、血液中に余ったコレステロールが血管の内側に入り込んで酸化し、免疫細胞と攻防を繰り広げることからはじまります。でも、コレステロール値は高くないのに動脈硬化があるという方はたしかにいらっしゃいます。その背景には、じつは腸内細菌が関わっていた可能性があるというわけです。

無駄な脂肪を燃やし細胞を修復するレシチンが豊富で脂肪肝を予防

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