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こんな食生活がコレステロールを下げる

何でもバランスよく食べる

コレステロール値が高いと診断されると卵、肉、乳製品を控えなくてはいけないのでは?と心配する人がいますが、決してそうではないので正しい知識を理解しましょう。
当然、こうした食品の過剰摂取は、禁物ですが、逆に不足すればたんぱく質やビタミンといった必要不可欠な栄養も不足してしまいます。
医師に指示されていない限り、高コレステロールの食品でも適量であれば問題ありません。たまご(卵黄)は、コレステロールが高いことで有名ですが、1日1個程度あれば全く問題ありません。それよりも卵から得られる栄養の方が大切だということです。
実際は、野菜、海草類、キノコ類といった食品を積極的に摂取し、肉や魚などもバランスよく食べることが重要です。

摂取カロリーには気を配る

バランスよく食事をとることと並んで大切なのは1日の摂取カロリーをしっかり把握し、守ることです。
肥満は、高コレステロール状態を招く原因のひとつです。食べ過ぎによるカロリーオーバーの状態が続けば、やがては内臓や皮下組織に脂肪がたまり、血液中のLDLコレステロールが増えてやがて総コレステロール値が上昇します。
「コレステロールが高くなる=高コレステロール食品の過剰摂取」と安易に考えがちですが、まずは摂取カロリーを省みることが大切です。
では、摂取すべきエネルギー量の算出はどのようにすればいいでしょうか?

標準体重、1日に必要なエネルギー量及び肥満指数(BMI)の算出法

まず肥満度数を調べるBMI値の算出方法は、次のとおり。
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
次に1日に必要菜エネルギー量(kcal)=標準体重(kg)×身体活動量(kcal/kg)となる。

活動量の(kcal/kg)は

  • 20~25…安静にしている人。寝たきりの老人など
  • 25~30…事務員、一般的な店員、動きの少ない工員など
  • 30~35…動きの多いセールスマン、動きの多い工員など
  • 35~40…肉体労働、繁忙期の農業、漁業従事者など

BMI(肥満指数)=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)

  • 18.5未満…低体重
  • 18.5以上25未満…普通体重
  • 25以上30未満…肥満1
  • 30以上35未満…肥満2
  • 35以上40未満…肥満3
  • 40以上…肥満4

調整しながらも楽しい食事を

コレステロール値を下げるためには、低カロリーや低脂肪の食事を心がけることは、大切ですが、しかしこれは何も栄養価だけを中心に考慮して食べたいモノを我慢しろ!ということではないのです。
揚げ物を食べるのであれば、油の量に気をつかって少量にしたり、食べる量を減らしたり、前後の食事で低カロリーにしたりするといった調整を行えばメニューに加えて食べることもできます。
食事はおいしく食べることで栄養も吸収されるものです。工夫をしてヘルシーでおいしい食事にしましょう。

高コレステロールになる重要な6つの原因

〔その1〕食べ過ぎ・肥満

食べ過ぎによる肥満は、確実にコレステロール値を上昇させる大きな原因になります。現代人は、食べ過ぎの生活習慣、食習慣ですので気を付けなければなりません。
1日に必要なエネルギー量は、こちらのページで計算できますが、摂取カロリーが過剰になれば、中性脂肪とそれを運搬するVLDLの合成が高まります。
血液中に大量のVLDLが増加すると、同時に善玉のHDLが減少し、脂質だけでなく糖質やたんぱく質も体内で合成されるコレステロールの材料になってしまいます。脂肪分だけでなく糖質やたんぱく質の過剰摂取もコレステロールを増加させる原因になります。

〔その2〕脂の多い食事

動物性脂肪、植物性脂肪どちらにしても脂肪は全般的に高カロリーなので、Windows分の多い食事は、コレステロール増加の原因になります。なかでも肉の脂身やバターなどの動物性脂肪はには、飽和脂肪酸が豊富に含まれます。飽和脂肪酸は、コレステロールの合成を促進させると同時にLDLを増やす働きがあります。脂肪の多い肉類やバターたっぷりの料理を好む人は、要注意です。ちなみに植物油などに含まれる不飽和脂肪酸は、LDLを減少させる働きはあるものの、過剰摂取は、過酸化脂質の生成を促すので動脈硬化を引き起こします。

〔その3〕飲酒

お酒は百薬の長とい、適度の飲酒は消化吸収を高めたり、血流をよくしたりするなどのほか善玉のHDLを増やす効果があります。しかし、飲み過ぎは、中性脂肪を蓄積させ、LDLを増やすことになります。しかも適量の場合には、増えていたHDLも、飲み過ぎはればむしろ減少に転じることになります。

〔その4〕遺伝的要素

食べ過ぎ、飲み過ぎなどの食習慣から生じるもの以外に遺伝的に高コレステロール体質を備えているという場合もあります。これは、生まれながらにしてLDLの処理能力に問題を抱えている場合で、家族や親族に同様の体質をもった人がいるという特徴があります。
このようなケースを「家族性高コレステロール血症」といいます。食事や生活習慣の改善以外に薬物療法により治療を行います。

〔その5〕女性の閉経後

女性の場合、閉経後にコレステロールが高くなる場合があります。閉経により、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が少なくなるためです。エストロゲンの分泌が高いと、LDLが活発に処理されて原書するのに加え、HDLの合成も促進されます。このため、閉経前までは、一般的に女性のほうがコレステロール値が低いのです。
ところが、更年期にさしかかると閉経によりエストロゲンの分泌が減少するばかりでなく新陳代謝の機能も低下します。このため閉経と肥満の両方の影響によりコレステロール値が高くなる傾向にあります。

〔その6〕最近は、子供も危ない

高脂血症は、成人以上の年齢で起きる病気でしたが最近では、小中学生でもコレステロール値が高くなる傾向が見られるようになりました。
動物脂肪やスナック菓子、清涼飲料水の過剰摂取が原因です。また、テレビゲームなどによる運動不足もあります。受験などのストレスが引き金になるケースも多いのが現状です。
子供の高脂血症は、大人以上に深刻です。子供の場合、自覚症状に乏しいのが特徴です。血液中の脂質値が高くなると動脈硬化により、血管がもろくなり、心臓、脳といった生命に関わる臓器にダメージを受けることになり、生活習慣を見直すことが大切です。

総コレステロールや悪玉コレステロールを自然素材で下げる「コレステ生活」

動脈硬化は高コレステロールが原因

酸化LDLは、体内で有害化する

悪玉のLDLが増加すると、具体的にはどういった問題が起きるのでしょうか?じつはLDL自身はそれほど「危険」というわけではありません。そのままの状態で血液中に流れているだけでならはほとんど無害です。
しかし、LDLが体内で発生する活性酸素によって、酸化された状態になると一転して体にとって非常に有害な物質となってしまうのです。
酸化されたLDLは、血管の内壁(内膜)に侵入することによって、血管を硬く、そしてもろくさせてしまう「動脈硬化」を進行させるのです。つまり、問題は、LDLを酸化させる活性酸素に原因があるのです。

有害物質である活性酸素とは

活性酸素は、体内でエネルギーがつくられる過程で発生するものでたいへんに強酸化力があります。このため酸化LDLのみならず、不飽和脂肪酸を酸化させ過酸化脂質を生成し、細胞膜を弱めて老化やアレルギー、ガンなどを進行させる原因のひとつになります。人間の体内には、活性酸素を抑制するための抗酸化物質が含まれますが、過酸化脂質による処理が正常に機能しなくなった場合に過酸化脂質の生成を抑えることができなくなってしまいます。

活性酸素を増やす原因には、過剰なストレスや煙草、紫外線、化学物質の影響などがあげられますが、抗酸化物質の生成は、加齢と共に減少し、加齢とともに活性酸素の影響が大きくなります。

酸化LDLは動脈硬化の原因に

酸化されたLDLが血管の内膜に侵入すると、これを異物と判断したマクロファージに取り込まれます。しかし、マクロファージは、食べきれなくなると泡沫細胞となり、やがては、破裂します。
破裂したマクロファージの残骸は、ほかの泡沫細胞などと集まってドロドロした粥状の固まりを作り出します。このドロドロした物質を宛ロームといいます。アテロームは、ちょうど血管内に突き出たこぶとなって血液の流れを悪くします。またこうした一連の血管壁修復作業の末に血管壁は肥厚して硬くなり、弾力性を失ってしまいます。
これがまさに動脈硬化です。しかも、LDLが侵入した血管壁の傷跡には、血小板が集まって血栓ができてしまいます。これをアテロームのこぶががっちりとふさぎ、血流を悪くさせるのです。

コレステロールによる動脈硬化を防ぐには

  1. LDLそのものを減らすこと
  2. 活性酸素を減らし、LDLの酸化を抑制する
  3. 血栓をできにくくする

ことが重要です。

では、動脈硬化からどんな病気になるのでしょうか?動脈硬化は、起きる場所にってさまざまな疾患を引き起こします。心臓の冠状動脈で起きると、狭心症や心筋梗塞、脳あるいは脳以外の場所でできた血栓が脳の動脈につまった状態になれば、脳梗塞です。
手足の末梢血管であれば、手足のしびれや痛みを伴う間欠性跛行 に、腎臓の細静脈で起きれば、腎臓硬化症となります。

総コレステロールや悪玉コレステロールを自然素材で下げる「コレステ生活」