体をサビさせる「活性酸素」を、酵素で撃退する

1956年、アメリカのネブラスカ大学のハーマン教授は「人間は体内で発生するフリーラジカルにより老化が進行し、病気になり、死に至る」という「フリーラジカル(活性酸素) 理論」を史上初めて発表しました。

それから50年以上の年月が経ちましたが、この理論はすたれるばかりか、ますます人々に支持されるようになってきました。

さらにアメリカの医科大学でも、完全といってよいほど、認められるようになりました。活性酸素をひと言でいうと「サビ」であり、「酸化されて出現する毒」のことです。例えばリンゴをすりおろして放置しておくと、1分も経たないうちにリンゴおろしは赤茶けてきます。むき出しの鉄は、時間がたつと錆びついてきます。

これらの変化こそが「酸化」であり、活性酸素による害毒なのです。人間の体の中でも活性酸素は、加齢とともに産生されやすくなつていきます。特に多いのが、スーパーオキシド、過酸化水素、一重項酸素、ハイドロキシラジカル、過酸化脂質の5つです。

そして体内で発生した活性酸素は、細胞を破壊して回り、さまざまな病気や体の痛みを引き起こす元凶となります。例えば体内のガン抑制遺伝子を攻撃すると、ガン遺伝子が野放しになり、ガンが生じます。

また油のうちLDLコレステロールが活性酸素によって酸化されると、酸化コレステロールとなり、これが原因で動脈硬化が進行するといわれています。

活性酸素はガンをはじめ、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、高血圧、膠原病、神経疾患などあらゆる病気の発症に関わっています。風邪ですら、活性酸素が原因で起こるのです。

ただし人間の体の中では、活性酸素(フリーラジカル) という酸化物は、常に出たり消えたりしています。活性酸素は元々は体内に侵入してきた細菌やウィルスをやっつける大切な防御機能として出現するのであって、「悪」とばかり決めつけられない気もします。

外敵が侵入したときに、活性酸素は即座に作られ、速やかにそれを攻撃して消去させるわけですが、外敵が多すぎると大量に発生せざるを得なくなります。そして過剰に作られた活性酸素が居残り、今度は自分の体をやっつける恐ろしい敵になってしまうのです。

このように人間にとって「必要悪」ともいえる活性酸素を体内で暴れさせないためには、「抗酸化物質」であるビタミン(C 、E 、B2 など) や多くのミネラル、ファイトケミカルなどが効果的です。

そしてこれらの栄養素を効果的に摂るには、新鮮な野菜や果物がいちばんなのです。やはり活性酸素の害から体を守るのにも、「野菜と果物を生で食べる」ことが大きなカギを握っているのです。

関連情報:

  1. ビタミンc
  2. ビタミンE
  3. ビタミンB2