人間が健康を維持していくためには、質のいい栄養を食事から摂ることと同じくらい、いい排泄をすることが大切です。1日に何度も下痢をしたり、3~4日に一度しか排便がない。
このような下痢や便秘が習慣になってしまっている人は、腸内環境に問題があることが多いのです。「いい便が出ているかどうか」を毎日チェックすることは、健康管理に欠かせません。では、「いい便」とはどんな状態をいうのでしょうか? 「いい便」には、5つの条件があります。
- 1.イヤなにおいがしない臭いがしない
- 便は臭いもの」と思っている人は多いようですが、実はいい便はほとんどにおいがしないものです。便のにおいは、食物の内容と腸内環境の良し悪しによって変わってきます。悪臭がする場合は、トリプトファンフェノール、インドール、スカトールなどの毒性アンモニア代謝物が多くできている証拠です。これは肉などの動物性タンパク質の過剰摂取が原因です。毎日の便でわかる、白砂糖( ショ糖) の入ったお菓子類の食べ過ぎなどで起こります。においが少ない場合は、腸内にタンパク質の代謝物がほとんどなく、消化がきちんとされている証拠です。におわなければにおわないほど、健康な便だといえます。
- 2.適度な太さ、硬さ、長さがある
- 健康な人の便は、適度な水分を含んでいます。ウサギの糞のようなコロコロした便や、水のような下痢が出るときは要注意です。
- 水っぽい便は脂肪過多で起こりやすく、固い便は質のよい脂肪が不足しているときに出やすくなります。
- 適度な硬さのあるよい便は切れがよいので、トイレットペーパーで拭いたとき、ほとんど紙に便がつきません。またよい便は適度な水分が含まれているので、便器の中で水にプカプカ浮きませんが、完全に沈みもしないものです。太さと長さはバナナ1本分くらいが理想ですが、無理ならその半分くらいの長さでもいいでしょう。
- 3.色は黄褐色
- 黒っぼい便が続いている人は、胃腸のどこかで出血を起こしている可能性があります。特にコールタールのような便が出る場合は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ガンなどの疑いがあります。ひとまず、こちらで自分で大腸ガンのチェックができます。血便がでている場合にはすぐに行いましょう。
- また、胆のうに異常があると、胆汁が腸に排泄されなくなり、白っぽい便が出ることがあります。よい便の色は、黄色過ぎず、黒過ぎない黄褐色をしています。
- 4.最低1日1回は便通がある
- 毎日、朝の排泄の時間帯に便通があるのが正常なリズムです。よく「体質には個人差があるから、3日に1回でいい人もいる」などという人がいますが、これはとんでもない誤解です。現代人は食べ過ぎの傾向がありますから、1日に2~3回くらい排便があってもいいでしょう。
- 5.量は1日に300 g以上が理想
- 量は1日に300 g以上が理想日本人の平均的な1日の排便量は、125 gといわれています。食物繊維を多く摂っている人は量が増え、200~300 gくらいです。個人差がありますが、最低でも300 gくらいの便が出るといいし、500 g以上も出たら理想的です。
- 縄文時代の人間の平均寿命は、150歳を超えていたという学説があります。縄文人の便量は1日に700~1000 gもの多さだったといいますから、人間の寿命と便の量には比例関係があるのかもしれません。
- 便の中身についてはこちらです。