酵素が働くためにはマグネシウムが必須

人間の体には、ミネラルが欠かせません。しかし、現代の日本人の食事は、塩分が含まれるナトリウムは過剰摂取気味ですが、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルは不足気味です。

ミネラルが不足する弊害についてはこちらに詳しい説明があります。
ビタミン・ミネラル不足がおきる理由 | ビタミン Q & A

なかでもマグネシウムは、近年私たちの体にもたらす効果がとても多様であることがわかり、大切さが再認識されるようになりました。マグネシウムには、次のような機能があります。

  1. 細胞中濃度を高めることによって、細胞本来の働きを取り戻して異常細胞を正常化する。
  2. 細胞内に入り込んだ過剰なナトリウムやカルシウム(これらは細胞の外側にあるのが普通)を、細胞外に排出する。
  3. 酵素の最大の補助剤。全身に無数に存在する酵素がよりよい働きをする手助けをする。

こういった機能から、次のような人体内での働きをしてくれています。

神経精神作用の鎮静
マグネシウムは「天然の精神安定剤」です。不足すると、イライラしがちです。
筋肉や血管の収縮を抑える
筋肉の緊張とリラックスのバランスをコントロールする役割を果たしているため、筋肉痛などの改善にマグネシウムは効果的です。
血圧の正常か
血圧の調整をしてくれるので、高血圧の予防・改善に役立ちます。
胆石・腎石の予防
カルシウムの体内への取り込みを正常化するので、カルシウムの過剰摂取が原因で起こる胆石や腎石の発生を防ぎます。
TCA サイクル(クエン酸サイクル) の円滑化
体内でのエネルギー回路の回転をスムーズにして、.疲れにくい体にしてくれます。
タンパクの代謝、ホルモンの産生、脂肪燃焼の補助
体内の代謝をよくしてくれます。
痛みやしびれの改善
こむら返りや脱力感、頭痛、生理痛などの症状を改善します。
心臓病の予防と治療
マグネシウムが不足すると不整脈が起こりやすいといわれています。しつかり摂っていれば、心臓病の予防に役立ちます。

他にも呼吸器疾患や便秘の改善などにも、マグネシウムは効力を発揮します。女性に特有の月経前症候群(PMS) をやわらげたり、妊娠中のつわりの軽減にも役立つといわれています。

このようにマグネシウムは私たちの体になくてはならないものですが、何らかの原因で細胞から逸脱してしまうことがあります。特にカルシウムを摂り過ぎると、マグネシウムは細胞外へ出ていきやすくなり、代わりに過剰なカルシウムが細胞内へ入り込んでしまいます。すると、血管の筋肉の異常な収縮が起こり、さまざまな悪影響を及ぼします。

昔はカルシウムとマグネシウムの摂取量は「カルシウム2に対してマグネシウムは1といわれていましたが、最近では「マグネシウムをカルシウムの1.2倍摂るといい」といわれ始めています。最近の学会では、2倍以上が望ましいといわれることもあります。

体の痛みやコリ、しびれなどはマグネネシウム不足で起こることが多いので、特にこのような症状がある人は、意識的にマグネシウムの多い食品(海藻類、キノコ類、豆類など)を毎日の食事に取り入れてください。またマグネシウムの細胞内の逸脱を防ぐには、酵素たっぷりの生野菜などを日常的に摂って、消化を円滑にすることを心がけましょう。

マグネシウムの100gあたりの含有量が多い食品

  1. あおのり(1280)
  2. わかめ・コンブ(900)
  3. 干しひじき(820)
  4. ごま(370)
  5. アーモンド(338)
  6. カシューナッツ(237)
  7. 大豆(140)
  8. 玄米(120)
  9. ほうれんそう(57)

酵素の無駄づかいにつながる酸化した食品やトランス型油、白砂糖を使った食物も避けましょう。また加工食品や化学薬剤、残留農薬が多い野菜、添加物なども極力摂らないようにしたいものです。

整形外科医はしびれや痛みの原因を、何でも骨の変形や神経の圧迫で説明しようとしますが、そろそろこういったミネラルの不足にも、目を向けるときが来ているのです。
マグネシウム不足は過労死の原因になりうる

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