高GI食が体を疲れさせ、生活習慣病のリスクを増やす

あなたは毎日の食事で、主食に何を食べていますか? 日本人の白米離れが進んでいるとはいうものの、1日3食のうち1食か2食は白いご飯を食べている人が多いのではないでしょうか?

また朝食には、必ずトーストやサンドイッチなどのパンを食べているという人も多いことと思います。しかしご飯やパンの食べ過ぎは、さまざまな体調不調の原因になってしまいます。ひと昔前に「低GIダイエット」というダイエット方法が、流行したことがあります。

「GI」とは「グリセミック・インデックス」のことで、「炭水化物の吸収速度を表す指標」のことです。GI値の基準になるのはブドウ糖です。人体がブドウ糖を吸収する速度を100として、その他のあらゆる食品に対してGI値が示されています。「低GIダイエット」の流行はわりと短い期間ですたれてしまいましたが、この「低GI」は医学的に極めて重要かつ素晴らしい内容の指標です。

最初に提唱したのは、カナダのトロント大学のデービッド・ジュンキンス博士で1981年のことでした。GI値が70以上の食品が「高GI食品」といわれ、砂糖、食パン、ジャガイモ、白米などがその代表格です。また60~70〇の食品は「中GI食品」と呼ばれます。とうもろこし、アイスクリーム、カボチャ、長芋などがこれに含まれます。

そして60以下の場合は「低GI食品」といわれます。ナッツ、アーモンド、ピーナツなどの種子類、そば、玄米などは低GI食品の仲間です。

ちなみに野菜はジャガイモ、ニンジン、カボチャ、長芋、とうもろこし、里芋などを除くと、ほとんどが低GI食品です。しかも30以下の「超低GI食品」が多くなつています。

私たちが「高GI食品」を食べると、食後1時間以内に180にも達する急激な血糖増加がおこり、その後血糖は急に低下してしまいます。

一方、「低GI食品」を食べたときは、血糖が上がらないか、ゆっくり少しだけ上がります。

私たちの健康にさまざまな問題を引き起こすのは、この「高GI食品」を食べた場合です。血糖値の急激な変化は、体に次のようなさまざまな悪影響を及ぼすからです。

  1. いわゆる細菌のエサを、血中にばらまいてしまう(菌血症)。
  2. 1日に3000~5000個体内で発生するという、ガン細胞のエサを増やしてしまう。
  3. さまざまな病気を引き起こす元凶「活性酸素」を出現させる。
  4. インスリンを動員させることから、低血糖状態を誘発する。そしてその結果、精神異常や過食症などの「低血糖症候群」が起きる。
  5. インスリン動員によって、すい臓が疲れ果て、糖尿病になりやすくなる。
  6. 高血糖→インスリン動員によって、交感神経過緊張を引き起こし、内臓機能を麻痔させたり、ホルモン分泌の異常をきたす。

高GIの食品ばかりを毎日食べていると1~6のような「万病の元」が次々と体内で生まれ、心筋梗塞やガンなどのあらゆる生活習慣病へのリスクが増えてしまいます。特にもともと糖尿病のある人は血糖コントロールが悪くなり、病状を悪化させてしまいます。では高GI食品が多い炭水化物をまったく摂らない食生活をすればいいかといえば、そういうわけにもいきません。

三大栄養素のひとつである炭水化物なしでは、私たちの食生活は成り立ちません。炭水化物は脳の栄養素であり、第一のエネルギー源です。また炭水化物の量を減らすとなると、エネルギー源として脂質を多く摂ることになってしまいます。

脂質の摂り過ぎは、悪しき脂肪細胞を作る原因となるので、これも避けなければなりません。そこで重要なのが、炭水化物の選び方と摂り方を工夫することです。

まずは、毎日の主食を白米から、五分づき米にアマランサス(南米産の米) や昆布、ゴマや豆などを混ぜて炊き込んだ「低GI高同繊維ご飯」に変えてみましょう。

食物繊維が多いと、糖の吸収速度は遅くなります。麺類もうどんよりもそば、パンも白い食パンではなく、ライ麦パンなどの低GI食品を選ぶようにしましょう。

ちなみに酢などの酸味の強いものを炭水化物と同時に摂ると、糖の吸収が遅くなるため、高GI食の悪影響は少なくなります。
尿酸の増加を抑え、痛風を予防し症状を軽減

酢の物や梅干しを副菜にしたり、ご飯を酢飯にするなどの工夫もしてみましょう。さらに食後に黒酢を使った「スーパー黒酢茶」を飲むようにすると、驚くほどGI値が下がります。

なお糖分に関しては、白砂糖や黒砂糖などは概して高GIなので控えるようにして、甘みが欲しければメープルシロップなどで代用するといいでしょう。

最近輸入されるようになつたメキシコのサボテンの一種・アガペを原料とした「アガペシロップ」という甘味料もおすすめです。果糖が85%もあるため低GIで、安心して食べられます。

アガペシロップはGI値が25と超低GI食なのです。

アガベシロップ

低GI食を実践していると、さまざまな病気にかかりにくくなり、体の痛みや疲れを感じにくくなるのと同時に、糖の吸収がゆっくりになり、太りにくい体質に変化してきます。健康と美容のために、あなたもぜひ低GI食にトライしてみてください。

代表的な食材のGI値一覧(穀物・パン・野菜・芋類・肉類・魚介・豆類・砂糖・菓子類など)

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