骨粗鬆症(骨粗しょう症)の食事療法では、カルシウムを積極的に摂るだけでなく、「カルシウムの吸収を邪魔する成分をいかに控えるか」という点にも注意しなければなりません。
せっかく十分な量のカルシウムを摂取していても、特定のミネラルや成分を摂りすぎていると、吸収率が下がったり、カルシウムが尿と一緒に体外へ排出されてしまったりします。特に関心の高い「リン」や「ナトリウム(塩分)」などの注意すべきポイントを解説します。
カルシウムの吸収・定着を妨げる主な成分と食品
1. リン:加工食品に多く、過剰摂取でカルシウムを排出させる
リンはカルシウムと結合してリン酸カルシウムをつくり、骨や歯の主成分となる大切なミネラルです。しかし、一般的な食材に広く含まれているため不足することはほとんどなく、むしろ現代人は加工食品の添加物(酸味料や結着剤など)による過剰摂取が問題視されています。
カルシウムとリンは「1対1」の割合で摂取するのが理想的です。しかし、リンを摂りすぎるとカルシウムの吸収率が低下し、骨を壊す「骨吸収」が進んでしまいます。さらに、カルシウムが尿中に排出される量も増えてしまいます。
- 注意すべき食品:インスタント食品、スナック菓子、加工肉(ハム・ソーセージ)、清涼飲料水など
2. ナナトリウム(塩分):摂りすぎるとカルシウムも一緒に抜けていく
主に食塩から摂取するナトリウムは、体の水分調節や筋肉の収縮など、生理機能の維持に欠かせないミネラルです。しかし、塩分を摂りすぎると、体は余分なナトリウムを尿から排出しようとします。このとき、カルシウムも一緒に尿中に巻き添えにして排出してしまうため、骨をもろくする直接的な原因になります。
健康的な骨を維持するためにも、日頃から薄味を心がけ、塩分を控えることが極めて大切です。
日々の食事で無理なく塩分を減らすための具体的なテクニックは、以下の記事で解説しています。
3. シュウ酸・フィチン酸・食物繊維:適量は必要だが過剰摂取に注意
ほうれん草などに含まれる「シュウ酸」や、豆類・穀類に含まれる「フィチン酸」、そして健康に良いとされる「食物繊維」も、一度に大量に摂りすぎるとカルシウムと結合し、その吸収率を低下させてしまう性質があります。
ただし、これらはどれも体に不可欠な栄養素です。完全に避けるのではなく、カルシウムが豊富な食材と組み合わせて食べる(例:ほうれん草とおひたしにじゃこを添える、乳製品を一緒に摂るなど)といった、食べ合わせの工夫を意識しましょう。
4. たんぱく質:不足も過剰もNG!適切な量を見極める
たんぱく質は骨の土台(コラーゲン)を作るため、適量であればカルシウムの吸収を助けてくれます。しかし、肉類などを極端に食べすぎてたんぱく質が過剰になると、尿中へのカルシウム排出量が増えてしまうという一面を持っています。
ただし、高齢者の方や一人暮らしの方の場合、摂りすぎよりも「たんぱく質不足」による骨質の低下が問題になるケースが多く見られます。過剰摂取を恐れて肉や魚を避けるのではなく、たんぱく質とカルシウムが両方豊富に含まれる大豆製品や魚、乳製品などをバランスよく毎日の食生活に取り入れるのが理想的です。
まとめ:引き算の意識でカルシウムを活かす
骨粗鬆症の食事療法を成功させるカギは、カルシウムという「足し算」だけでなく、吸収を阻害する成分を控える「引き算」の意識を持つことです。インスタント食品や味の濃い食事を少し減らすだけでも、骨の健康維持に大きなプラスとなります。できるところから少しずつ、食事の質を見直していきましょう。
食事だけで十分な栄養を摂るのが難しい場合は、
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