神経痛の基礎知識
体のあちこちにある神経組織の一部に炎症が発生して起きる病気です。リウマチと混同する人が多いのですが、別の病気です。
主な症状は、侵された神経細胞から出ている神経繊維の走路にそって痛みがあり、また、侵された部分の知覚が鈍くなったり、マヒすることもあります。同時にいくつかの神経が侵されると知覚が鈍くなるだけではなく、手が思うように動かなかったり、歩行が困難になることもあります。よく知られるのは、坐骨神経痛、助間(ろっかん)神経痛、三叉(さんさ) 神経痛などです。坐骨神経というのは、足の屈伸運動をつかさどり、太もも、ひざ、ふくらはぎの後ろ側を通っています。
助間神経は、助骨部分の神経で、セキや深呼吸などで痛みがはしります。三叉神経は、顔全体に広く分布している神経です。顔の一部がピクピクすると顔面神経痛だと俗にいわれますが、これは顔面神経けいれんのことです。いずれの神経痛も、カゼやチフスなど各種の伝染病をはじめ、化膿性疾患、中毒、栄養障害、外傷など、さまざまな病気の余病として発生することが多いのです。
神経痛とお酢
お酢が体によい理由の1つに、「クエン酸回路(クレプス回路を円滑にする」という特徴があります。このクエン酸回路についてですが、私たちの体の中に入った食べものは、デンプンはブドウ糖に、タンパク質は各種アミノ酸に、脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解(消化)されます。
消化されたこれら分子が、酸素とクエン酸の力で燃焼してエネルギーとなり、体のあらゆる活動の原動力になっているわけです。この燃焼活動の段階で、クエン酸はイソクエン酸、オキザロコハク酸と、次々と違った酸に変化し、最後に再びクエン酸に戻ります。これをクエン酸回路、あるいは発見者の名前からクレブス回路というのです。
栄養のバランスがくずれたり、体力が落ちてクエン酸回路が円滑に回らなくなると、栄養素が不完全燃焼し、残った燃えかす(ピルビン酸)が乳酸に変化して、体にさまざまなトラブルを引き起こすのです。
そうしたトラブルの1つに神経痛があげられます。まず、乳酸が筋肉にたまると、その部分の筋肉が硬くなり、神経痛を出やすくします。また、ピルビン酸自体も神経をマヒさせる作用をもっているのです。ですから、神経痛を緩和、解消していくには、クエン酸回路の活動を正常にし、悪役である乳酸やピルビン酸の出番を抑えることが大切になります。
お酢が、なぜ神経痛に有効なのか? もうおわかりでしょう。お酢には生体活動のカギとなる、このクエン酸回路の活動を活発にさせる働きがあるのです。そればかりではありません。お酢には血液を弱アルカリ性にして、血のめぐりをよくする働きもあります。神経痛は血行障害の一種ともいわれていますから、この点からもお酢は有効と考えられるのです。
活用法
玄米酢などのお酢やクエン酸を毎日数回、少量ずつ飲むようにします。食事も玄米を主食にするようにすれば、より効果的です。また、神経痛はビタミンBの不足が原因になることも多いので、これを多く含むニンニクをお酢で漬けて食べるのもよい方法です。お酢で患部を湿布すると、痛みが和らいでいくこともあります。
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