朝食は、ファイトケミカルたっぷりの果物がいい

病気の元凶になる活性酸素を撃退するのに、ファイトケミカルがいいといいましたが、このファイトケミカルが豊富に含まれている食品の代表選手が果物です。

ファイトケミカルの存在が明らかになったのは比較的最近のことで、1980年代に入ってからです。「ファイト」とは「植物」のことで、ファイトケミカルとは「植物性の抗酸化栄養素」という意味です。

果物には独特のいい香りと美しい色がありますが、この成分こそがファイトケミカルなのです。何千種類もあるファイトケミカルですが、どの種類のものも組織の酸化を防ぐ働きをもっています。さらに抗ガン作用のあるものもたくさんあります。

ファイトケミカルは、ビタミンでもミネラルでもなく、カロリーもないためエネルギl源にもなりません。摂らないからといってすぐ病気になるというわけではありませんが、私たちの健康を保ち、若さを維持するためには欠かせない存在なのです。ファイトケミカルには、カロチノイド系ファイトケミカル(600種類以上)、フラボノイド系ファイトケミカル(4000種以上)などがあります。

カロチノイド系ファイトケミカルには、β カロチン( キウイフルーツ、パパイヤ、マンゴー、アンズなどに多く含まれる)、リコピン(グレープフルーツ、アンズなどに多く含まれる) などがあります。

中でもリコピンには、効果的な抗ガン作用があることがわかっていて、注目を集めています。果物ではありませんが、完熟したトマトには特にこのリコピンが多く含まれています。フラボノイド系ファイトケミカルには、ポリフェノール(リンゴ、ブドウの皮、ブルーベリーなどに多く含まれる)、フラボノール(リンゴやカキに多く含まれる)、緑茶に多く含まれることで有名なカテキンなどがあります。

果物にはファイトケミカルはもちろん、新鮮な酵素、ビタミン各種(特にC、AやB群、葉酸も存在する)、ミネラル各種(特に鉄、カリウム)、食物繊稚が豊富に含まれています。

まさに素晴らしい完全栄養食だといえるでしょう。しかし「果物を食べると太る」という間違った定説を信じている人も多いようです。

確かに果物は甘いので、食べ過ぎは糖分の摂り過ぎにつながるように思えます。ただ果物に含まれている糖分は、白砂糖などに含まれるショ糖ではなく、質のいい果糖が中心です。

カロリーも全般的に低めなので、果物を食べたから太るということはありません。また果糖はインスリンの反応とは無縁なので、糖尿病の原因にはなりません。

糖尿病の方たちにも、食事療法で朝食に果物を摂ることをすすめているところは多数あります。

国連食糧農業機関(FAO) の「1人1日あたりの果物供給量」の統計によれば、日本は33カ国中、ワースト5位です。

日本では「果物は噂好品」という考えがまだまだ根強いようですが、酵素栄養学の立場からいえば、果物は私たちの食事に絶対に欠かせない食品です。

果物は食後ではなく、「食前に果物だけを単独で食べる」ようにしましょう。デザートとして炭水化物やタンパク質を摂った後に食べると、胃腸の中で腐敗や発酵が起きることがあるからです。

特に消化器官がまだ目覚めていない朝食のメニューには、果物は最適です。果物は消化がとてもよく(胃の中の停留時間は20分以内)、しかも果糖がすぐに脳のエネルギー源になってくれます。みなさんも、ぜひ朝食に果物を摂る習慣をつけてみてください。果物特有のいい香りで気分もスッキリして、快適な1日のスタートを切ることができると思います。

安全な果物を選ぶにはこちらです。