体にいいはずの食べ物でも疲れの原因になっていることもある

丈夫な体を作るのに、タンパク質が欠かせないから肉をしっかりたくさん食べなきゃ!と思っている人はとても多いです。

しかし現代の日本をはじめとした先進国では、動物性のタンパク質の過剰摂取が健康に悪影響を与えていることが問題視されています。体に不可欠なタンパク質が、なぜ体に悪いものになってしまうのでしょうか?

それはタンパク質そのものに問題があるのではなく、私たちのタンパク質の摂り方に問題があるのです。タンパク質を摂るというと、たいていの人は「肉や魚をたくさん食べればいい」と思うでしょう。
そして刺身などの一部の料理を除いて、肉や魚は焼いたり煮たりして食べるのが普通です。実は、そこが最大の問題点なのです。
健康を維持するためには、生きた酵素をたっぷりと食物から摂る必要があります。しかし焼肉やステーキ、焼き魚のような料理には、酵素は加熱によって破壊されてしまうため、まったく含まれていません。また肉や魚といった動物性タンパク質は、アミノ酸にまで小さく分解されないと、体内に栄養素として一取り入れることができません。

酵素がたっぷりの生野菜などを食べた場合は、口の中で阻曝すると消化酵素を含んだ唾液と交じり合い、食物そのものに含まれる酵素と相まって、事前消化されます。しかし加熱した肉や魚は酵素が死んでしまっているため、事前消化がなされない状態で、胃の下部へと到達します。そこで初めてタンパク質分解酵素のペプチンによって、消化が始まります。

そのため、消化・吸収には時間がかかるのです。大量に加熱した肉や魚を食べると、消化や分解が不十分なまま、腸へと移動していってしまいます。そしてアミノ酸分子にならなかった消化不良のタンパク質のかけらが、腸壁から吸収されて血液中に入り込んでしまいます。

これが前に述べたルロー(連銭形成)などとなり、血液を汚し、私たちの体に悪影響を及ぼしてしまいます。末梢まで血液が行き渡りにくくなるため、肩こりや腰痛、頭痛なども起こりやすくなります。

さらに腸に残留したタンパク質の残骸は腐敗し、有害なガスや物質を発生して、腸内環境を乱します。そして慢性の下痢や便秘などを引き起こします。その結果、栄養の吸収が悪くなり、免疫力も落ちてきます。

最近、日本人で大腸ガンにかかる人が急激に増えていますが、これも動物性タンパク質の過剰摂取が一因になっています。また人間の体には、タンパク質の貯蔵庫がありません。

アミノ酸は少量ならば一時的に貯めておくことができますが(アミノ酸プール)、すぐに飽和状態になり、あふれたタンパク質は、痛風や骨租軽症、腎結石や胆石の元になります。

タンパク質が過剰になると、アミノ酸のままでは排泄できないため、肝臓で分解して尿素や尿酸に変えて、腎臓から排泄されます。タンパク質のpH(ペーハー)は酸性なので、体内のカルシウムで中和しようとするため、骨からカルシウムが大量に奪われてしまいます。そのため骨租軽症が進行したり、腎石や胆石ができたりするのです。体にいいと思って食べていた肉や魚などの動物性タンパク質も、食べ過ぎるとさまざまな体調不良や病気を引き起こしてしまうというわけです。

とはいうものの、タンパク質は私たちには必要な栄養です。まずは、豆腐や納豆に含まれる大豆などの植物性タンパク質を積極的に活用するようにしましょう。そして、肉や魚は量を決めて、食べ過ぎないように気をつけましょう。
肉や魚は、次の量や頻度を目安に、食べるようにすれば安心です。

  • 肉は週に200 g以下、魚は300 g以下、卵は5個以下
  • 魚と肉は同じ日に摂らない。毎日食べるなら、夕食に30~40 gの少量にする
  • 肉や魚を食べたら、その2倍以上の量の生野菜や果物を食べる

また同じ肉を食べるにしても、焼肉やステーキよりは、煮たり蒸したりといった調理方法にしましょう。余計な脂質を摂らなくてすみます。鍋に入れれば野菜も一緒に食べられるので、一石二鳥です。

消化酵素が不足していると感じたらこちら。

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