背中や腰、首などに痛みがあるとき、整形外科を受診します。整形外科では、痛みの原因を「骨の変形による脊髄神経の圧迫」と診断されることが多いものです。
肩がこるのは頚椎、両手がしびれるのは頚椎上部、坐骨神経痛は腰椎、こういった場所の骨が、変形や圧迫骨折やヘルニアによって神経を圧迫して起こるという考え方です。
確かに坐骨神経痛や本当にひどいヘルニアの場合は、骨の変形が原因なのでしょう。しかし実はこういった見方は、実に一面的といわざるを得ません。「他に何か原因があるというのか? 」と聞かれれば、実はもっと大きな原因があるのです。
ガンや狭心症、心筋梗塞、胃潰瘍などの病気を患っている方の中には、背中や腰や肩や首などが痛くなる人がたくさんいます。これを「内臓体壁反射」といいます。「内臓体壁反射」とは、慢性的な疾患が元となってその病気の部位に相当する体の筋肉が収縮し、神経が圧迫されたり、引っ張られたりして痛みやこり、しびれが起きることです。
内膜の不調が体の他の部分の痛みとなって出ることは、たくさんの方を診てきて、とてもよくわかります。また重篤な病気だけでなく、もっと軽症の胃炎や大腸炎、便秘や下痢、食べ過ぎや不眠、ストレス、生理痛や子宮筋腫、慢性疲労などでも「内臓体壁反射」は起こります。
特に起きやすいのは、慢性疾患がある場合です。長い年月、慢性的に病気があるという人は、ほとんどの場合どこかしらが痛かったりしびれたりするものです。内臓(特に食道、胃、小腸、大腸など)のどこかに炎症がある場合は、首や肩、背中などが痛いという人がとても多いです。
この痛みが出る場所と内臓などの炎症が起きている部位には、以下の表のような相関関係があります。
- 食道・胃
- 首
- 胃・幽門部
- 首~背部上部
- 十二指腸
- 背部上部
- 空腸・回腸
- 背部全体
- 上行結腸
- 右肩、右腰、右胸部、右背部
- 横行結腸
- 胸、首上部、眼、耳
- 下行結腸
- 左肩、左腰、左腎部、左背部、腰全体
- S字結腸
- 腰全体、腰、下部、膝
- 直腸
- 左膝、腰部、尾てい骨、子宮、下腹部
- 腎臓・副腎
- 背部の一部、尾てい骨
食道や胃に炎症がある人は、首が痛む。十二指腸に潰瘍などができると、背中の上部が痛む。直腸やS字結腸に炎症がある人は、腰痛や膝の痛みに悩んでいる人が多い。
こういった症状はほとんど誰も同じように生じます。中には、横行結腸と頭部のように、離れた場所が痛む場合もあります。単純に「腸が悪ければ、下腹部が痛む」と思いがちですが、意外と遠い部位に「内臓体壁反射」が出ることもあるのです。「年だから膝が痛いのはしょうがない」「デスクワークのし過ぎで肩こりがひどくなって、首が痛くなっているんだ」などと自己診断して、慢性的な痛みを放っておくことは絶対に避けましょう。
そのままにしておくと、痛みが悪化するだけでなく、実は体内の臓器に起こっている病気まで進行してしまう場合もあるのです。内臓体壁反射の根本原因は、
- 悪しき食事
- 間違ったライフスタイル
- 電磁波
- 過剰なストレス
の4つです。なかでも最大の原因は、悪しき食事でしょう。栄養失調、栄養のアンバランス、毒性物質の摂取は悪しき食事の典型例です。
痛みから解放されるには、まず食生活の見直しが重要なのです。
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