足が痛むというのでレントゲンを撮ってみたものの、異常は見つからずにちっとも悪そうな場所がない。痛みというのは不思議なもので、このような原因が不明の痛みというものも、多々あります。大きな病気が隠れているのでは?と覚悟を決めて病院に行ったのに「異常はないですね」と言われてほっとしたものの、どうしてこんなに痛いのかと不安になります。
また骨や筋肉に何の異常もないのに腰痛を訴える人もいれば、かなり激しく背骨が「く」の字型に曲がってしまっていても、ちっとも痛くないという人もいます。こうしてみると、痛みを感じるメカニズムというのはとても複雑です。
一般的に西洋医療では、背中や腰などが痛い場合は、脊髄神経のどこかの圧迫が原因であると考えます。椎間板ヘルニアや坐骨神経痛、腰椎の圧迫骨折などは、明らかに骨の異常が見られ、これが脊髄の神経を圧迫しているので、この考え方で納得がいきます。
しかし、レントゲンで見て脊髄には何の異常もないのに腰が痛いというような場合は、これだけでは説明がつきません。「内臓体壁反射」による痛みというものが、痛みとおおきく影響しているのでしょう。「内臓体壁反射」とは「体のある部位に炎症などが起こると、体の他の部位の筋肉が収縮して痛みやこりを感じる」というものです。
一般に起こる筋肉痛の原因は、
- 脊髄神経の圧迫による痛み(5%)
- 内臓体壁反射による痛み(40%)
- 1と2の複合型(40%)
- スポーツや過酷な労働(15%)
といった内訳が一般的ですそして痛みの一番の原因になる「内臓体壁反射」を引き起こす最大の要因が、「酵素不足」なのです。
肉類などの動物性タンパク質は、消化するのに時間がかかります。さらに、食べ過ぎると、消化するために多量の消化酵素が必要となり、体内の代謝酵素が不足してしまいます。酵素が破壊された加熱食を中心にした食生活を続けている場合も、体内の酵素が減ってしまい、さまざまな悪影響が出てきます。
体内の代謝酵素が減ってしまうと、体の隅々まで血流が行き届かなくなり、あなたの体は冷えやすくなります。そしてせっかく食べた食物を効率よく消化し、栄養を吸収することができなくなってくるため、エネルギーの回転が悪くなり、乳酸という疲労物質が体内に溜まりやすくなり、疲れたり筋肉痛を起こしやすくなったりします。
こういった酵素不足のスパイラルに陥ると、消化が悪くなるため胃炎や腸炎を起こしやすくなり、体中の血液も汚れてきます。血液が汚れてくると気の流れが悪くなり、ガンや心筋梗塞などの命にかかわる病の元凶となる「活性酸素」も体内に活発に発生してきます。そして、これらの要因が相まって、さらに内臓体壁代謝が頻繁に起こるようになっていってしまうわけです。
肩こり、腰痛、偏頭痛などの慢性的な痛みは、このような負の連鎖でますます治りにくくなっていくのです。原因不明の痛みがふえていくということです。
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