牛乳の飲み方次第では、骨にも逆効果

牛乳は多くの人が、「体にいい」と信じて疑うことのない食品のひとつです。しかし牛乳をただたくさん飲むだけでは、栄養素を体内にうまく取り入れられないばかりか、逆に摂り過ぎるとさまざまな健康上の弊害があることが最近指摘されています。

牛乳は骨を強くするのにいいというイメージが強いですが、飲み方によっては骨を強くするばかりか、骨粗鬆症などの骨の病気を引き起こす原因にもなりかねないというのです。

ではなぜ牛乳が骨を弱くしてしまうのでしょうか? 牛乳にはカルシウム、タンパク質、ビタミンB群などの栄養素が豊富に含まれています。しかし牛乳にはカルシウムを骨に運んでくれる「マグネシウム」というミネラルが欠乏しています。

マグネシウムが不足した状態で牛乳を大量に摂ると、カルシウムを骨にうまく吸収することができず、血中で余ったカルシウムがだぶついてしまいます。

そして、腎石・胆石などの結石ができたり、腰痛、背筋痛、頭痛、坐骨神経痛などの痛みを引き起こす原因になります。動脈硬化や高血圧、不整脈、狭心症、さらにはガンを引き起こすこともあります。では牛乳を健康に生かす飲み方をするには、どうしたらいいのでしょうか?

それにはカルシウムの吸収を助けてくれる「マグネシウム」が豊富な食品をたっぷり摂ったうえで、牛乳を飲むことがポイントになります。マグネシウムは、昆布やワカメなどの海藻類、アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類、インゲン豆、小豆、玄米、納豆、キノコ類などに多く含まれます。

またアマランサス(南米原産のお米) や米ぬか、ブラックジンガー(玄米の黒妙り)などの栄養素豊富な穀類にも、マグネシウムはたっぶり含まれています。さらにマグネシウムの吸収をよくするには、食物の消化・吸収をスムーズにすることが大事です。

酵素たっぷりの生野菜(特にすりおろしたダイコンやキュウリ)などを食べると、より効果的にミネラルを体内に取り入れることができます。

マグネシウムはカルシウムの運び屋の働きの他にも、たくさんの役割を担っています。ぜひ上手に毎日の食事に取り入れていきましょう。

なお牛乳を原料としているヨーグルトやチーズなどの発酵食品から、牛乳に含まれる栄養素を摂ることもおすすめです。

発酵食品には腸内環境を整える「善玉菌」が含まれているので、消化・吸収をよくする働きも期待できます。牛乳は栄養豊富な食品である反面、動脈硬化や乳ガンを引き起こす原因といわれる「飽和脂肪酸」が多く含まれているなど、他にも問題点があります。

飲むとしても2日にコップ1杯程度(約200ml)にとどめるようにしましょう。牛乳は良質のたんばく質や、ビタミンやミネラルが豊富な食品です。
日本人に不足しがちのカルシウムの重要な供給源でもあり、1日に200gははとりたい食品です。

ただし、牛乳に含まれる脂肪は意外に多く(200gあたり7.6g )、とりすぎると肥満を招きます。体重オーバーが気になる人は、低エネルギーの低脂肪牛乳や脱脂粉乳を耐用すると安心です。乳製品のなかではチーズや無糖ヨーグルトは問題ありませんが、生クリームやアイスクリームは飽和脂肪酸やコレステロールが多く、エネルギーも高いので避けたほうが無難でしょう。

丈夫な骨づくりのための必須栄養素

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