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水泡ただれを伴う赤い斑点が数週間周期でくり返せば膵臓がんの可能性

赤くただれた反転が一時的に消えても原因となる腫瘍が残っていれば再発する

膵臓ガンによって、顔、手足、尻、またなどに、水疱やただれを伴う赤い斑点が周期的に現れたり消えたりすることがあります。これはグルカゴノーマ症候群呼ばれる症状です。グルカゴノーマ症候群は、膵臓にグルカゴノーマ( グルカゴン産生腫瘍)という腫瘍ができることによって起こります。膵臓のランゲルハンス島というところにこの腫瘍ができると、グルカゴンというホルモンが過剰に作られるようになります。
グルカゴンには、血糖値を上昇させる働きがあります。健康な人の体では、血糖値を上昇させるグルカゴンと、血糖を細胞に取り込んで血糖値を下げる作用のあるインスリンの両方がバランスよく働いて、血糖値は正常に維持されています。
ところが、グルカゴノーマができると、グルカゴンが過剰に作られるため、血糖値は上昇してしまいます。また、グルカゴンは脂肪を分解するため、患者さんはどんどんやせて体重が低下するということも起こります。
グルカゴンが糖を作るときは、アミノ酸を材料にします。ですからグルカゴンが非常に多くなってしまうと、アミノ酸が不足して、低アミノ酸血症といぅ状態になります。アミノ酸は、タンパク質を構成したり、細胞の生成にかかわったりする物質です。水疱やただれを伴った赤い斑点は、人間の体を作っている重要な物質であるアミノ酸が足りなくなって、引き起こされるのです。
グルカゴノーマによる低アミノ酸血症が原因の皮膚症状は、壊死性遊走性紅斑と呼ばれます。
壊死性とは、赤い斑点(紅斑)の部分が壊死する性質を持っているという意味です。遊走性とは、ただれや水疱を伴う斑点が、軽快しては別の場所に新たな幹部ができていく様子が、次から次へと移動(遊走)していくように見えることを表しています。この赤い斑点は、だいたい数週間の周期で出たり消えたりをくり返します。壊死性遊走性紅斑は、びらんといって表皮がはがれて真皮がむき出しになることも多く、かゆみや痛みを伴うことがあり、患者さんにとってはつらい症状です。

血液中のアミノ酸の量が少ないときは膵臓ガンを疑い精密検査を受けるべき

斑点が消える理由は、治療や食事でアミノ酸の量が一時的に増加するからです。しかし根本原因である、グルカゴンを作り出す腫瘍を治療しないかぎり、再び低アミノ酸血症は起こり、壊死性遊走性紅斑が体のどこかに出てくることになります。

膵臓は体の奥深くにあるため診察が容易でない臓器です。腫瘍ができていても、なかなか見つけにくいので血液中のアミノ酸の量が少ないときは膵臓ガンを疑い精密検査を受けるべき斑点が消える理由は、治療や食事でアミノ酸の量が一時的に増加するからです。しかし根本原因である、グルカゴンを作り出す腫瘍を治療しないかぎり、再び低アミノ酸血症は起こり、壊死性遊走性紅斑が体のどこかに出てくることになります。す。
壊死性遊走性紅斑が出ていた、ある患者さんの膵臓をCTスキャンで調べても、異常が発見できなかったことがあります。しかし、血液中のグルカゴンの数値は高い状態が続いていたので、何か問題があると考えられました。そこで膵臓の造影検査を行ったところ、ようやく腫瘍を見つけることができたということがあります。
膵臓の腫瘍以外でも、低アミノ酸血症になれば壊死性遊走性紅斑は起こるのですが、現代の一般的な食生活でアミノ酸が不足することは、まずありえません。低アミノ酸血症や壊死性遊走性紅斑を発症している患者さんの膵臓は、一見、腫瘍がないように見えても徹底的に検査する必要があります。

ランゲルハンス島について

膵臓の組織の中にある細胞のかたまり塊。膵臓の各所に島のように存在していることから、発見者のパウル・ランゲルハンスの名前を取って、ランゲルハンス島と呼ばれている。
膵臓の中には20万~200万個のランゲルハンス島があるといわれる。血糖値の調節と深いかかわりがあり、ランゲルハンス島の中には、血糖値を高めるグルカゴンを分泌するα細胞と、血糖値を下げるために働くインスリンを分泌するベータβ細胞が存在している。

急に毛深くなれば精巣・卵巣腫瘍、産毛が顔に密生すれば肺・大腸ガンの可能性

体毛の発育を促す男性ホルモンを増やすガンもありヒゲや胸毛の生え方に注意

ガンによる皮膚の変化では、赤くなる、黒くなる、黄色くなる、ただれる、カサカサするなどのほかに、毛深くなるという症状を伴うことがあります。
ガンが体の中で増殖したり大きくなったりするとき、ガンは成長因子と呼ばれる物質を作り、それを利用して成長していきます。成長因子はガンを大きくするだけでなく、人間の体にさまざまな作用を及ぼすことがあります。毛深くなるのは、成長因子が男性ホルモンの分泌を促す一因になるためだと考えられています。男性ホルモンにはいろいろな働きがありますが、その1つに体毛の発生があります。男性ホルモンは、全身の毛に一様に作用するのではなく、頭頂部の毛髪には脱毛に働き、あごヒゲや胸毛などには発毛に働きます。
したがって男性ホルモンが過剰になると、頭の毛は薄くなり、鼻の下やあごのヒゲ、胸毛が濃くなったり、速く伸びたりなどの変化が現れてくることになります。
頭髪が薄くなっても、それは年齢や家系のせいと考えて、病気が原因であることをうっかり見逃してしまうかもしれません。しかし、ヒゲが濃くなることには気がつきやすいと思います。思春期ならともかく、成人後にヒゲが濃くなったり薄くなったりするような変化は起こりにくいからです。ガンと皮膚症状としての発毛に関しては、まだよくわかっていない部分もありますが、男性の精巣、女性の卵巣にガンが発生すれば、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌が乱れ、毛深くなることがあります。
また、肺ガンや大腸ガンなどは、男性ホルモンの分泌を促し女性は密生した産毛、男性はヒゲの伸びの速さに注意したいてしまうので、顔に産毛が生えるといった変化が起こる可能性があります。

男性はヒゲそりの頻度、女性は顔・腕・乳房の毛が濃くなったらガンを疑う

体毛に変化が現れたかどうかを判断する1つの目安は、ヒゲそりの頻度です。例えば、不精ヒゲになるほどヒゲが伸びるのに、以前なら2~3日かかったのが、毎日剃らなければならないほど速くなったというような場合です。男性の場合、ヒゲの渡さよりも、ヒゲそりの頻度のほうが実感としてわかりやすいかもしれません。
同時に頭髪が薄くなっているかどうか観察してみましょう。女性の場合も同じような変化が現れるはずです。女性は女性ホルモンのほうがもともと多いために、頭髪は多く、頭頂部の毛髪が薄くなるような変化は起こりにくいものです。
しかし、男性ホルモンの分泌が促されるような種類のガンになったときは、女性でも男性ホルモンの量が増えて、乳輪の周囲に毛が生えたり、腕や足の体毛が濃くなったりすることがあります。また、顔の産毛がヒゲのように濃くなったり長くなったりすることもあるのです。ただし、体毛に変化が起こったからといって、ガンの疑いが大きいというわけではありません。
毛髪の生え方がおかしいと感じたら皮膚科医に相談し、内臓の病気との関連がみあるかどうかを診てもらうこともガンの早期発見には欠かせません。

まずは自分でできる「大腸ガン検査キット」

上腕に赤い斑点が出たりのど元の毛細血管が浮き出赤くなれば肝臓ガンを疑う

肝機能の低下で女性ホルモンが増えると上半身の皮膚の毛細血管が広がってくる

肝臓ガンなど、肝臓の病気で肝機能が低下してくると、皮膚が赤く変化してくることがあります。その代表的な症状が、クモ状血管腫、紙幣状皮膚、手掌紅斑です。クモ状血管腫とは、クモが足を広げたよ、りに、血管が中心から放射状に広がって赤く見える症状で、のどもとや胸によく現れます。紙幣状皮膚は、赤色や褐色の斑点が上腕の外側に広がります。大きさは数ミリから数舛ンまでさまざまで、形も不規則。胸や顔などに現れることもあります。その様子がアメリカの昔のドル紙敗何の透かし軽様によく似ていることから、紙幣状皮膚と呼ばれるようにあったそうです。
手掌紅斑は、文字どおり手のひらが赤みを増す症状です。クモ状血管腫、紙幣状皮膚、手掌紅斑は、いずれも毛細血管が拡張して現れる症状です。
毛細血管が拡張するのは、女性ホルモンのエストロゲンの増加が要因として考えられています。エストロゲンには血管を拡張する働きがあるからです。
エストロゲンは、肝臓で処理されます。しかし、肝臓の働きが悪くなるとエストロゲンが処理されにくくなるため、血液中のエストロゲンの濃度が増加してきます。エストロゲンが過剰になることで、血管が広がりやすい状態が作り出されてしまうのです。
肝臓ガンなどによって肝臓の働きが損なわれると、エストロゲンの処理が順調に行われなくなります。男性でエストロゲンが過剰になると、乳房が大きくなる「女性化乳房」が起こることもあります。ただし、女性の場合は肝臓に異常がなくても、もともとエストロゲンの値が高めなため、手掌紅斑が起こることがあります。もともと手のひらが赤くなかったのに、最近、急に赤くなった場合や、女性化乳房に手掌紅斑、クモ状血管腫などが重なって現れた場合は、肝臓の異常を疑うべきでしょう。

肝臓の病気は目立つ症状が少なく皮膚に出る異常が発見の手がかりになる

肝臓の異常を示す皮膚の徴候は、肝臓のガンだけでなく、肝硬変などでも現れます。また、皮膚の徴侯が現れても、肝機能検査値には異常が認められない場合があります。これらの症状が検査値よりも早く、肝臓の異常を知らせてくれることがあるのです。
以前、虫刺されで来院した患者さんの皮膚に毛細血管の拡張が認められたので、肝臓の具合はどうですかとたずねてみたのです。すると、その患者さんは過去に肝硬変と診断されたことがあるけれども、めんどうなのでいまは治療を受けていないというのです。
私は肝臓の治療をするようにすすめました。肝臓ガンなど、肝臓の病気に伴って現れることが多い皮膚の変化で、もう一つ覚えておきたいのは黄疸です。黄痘は、皮膚が黄色くなる症状です。赤血球から*作られる、どリルビンという黄色い色素が過剰になると現れます。ひぞう赤血球は古くなると牌臓で分解され、ビリルビンは肝臓に運ばれて便や尿の一部になって排泄されます。
ビリルビンを処理する経路に異常が生じると、ビリルビンはうまく排泄されず、その色素によって皮膚が黄色く見えるのです。黄痘が現れたときは、ビリルビンの代謝や排泄に関係している肝臓・胆のう・胆道などの病気が疑われます。

日頃からカリフラワーを積極的に摂取すると大腸ガン、肝臓ガンを防止する作用があります。

急増中の大腸・小腸ガンはホクロが唇以外に手足にいくつもできたら要注意

唇の縦ジワに沿って数mm大の色素斑が多発したら腸にポリープが多出している

唇にホクロのような色素斑が多発して現れると、胃や小腸、大腸といった消化管に、同時に無数のポリープができており、その一部はガン化するおそれの高い場合があります。ポリープとは、内臓の外皮や粘膜からキノコ状に発生し、隆起した病変のことです。ポリープがただちにガン化するわけではありません。かといって、すべてのポリープが良性のままとも限りません。ポリープのうち、一部はガンになる危険性があるのは事実です。胃や小腸、大腸などの消化管にできるポリープを消化管ポリープといいます。消化管ポリープが無数にできてしまう病気に、消化管ポリポーシスという遺伝性の病気があります。
消化管ポリポーシスを発症すると、食道を除く消化管に数百個単位のポリープができるのです。
消化管ポリポーシスの一種で、皮膚に色素沈着が現れる病気があります。ポイツ・イエーガー症候群と呼ばれる病気です。ポイツ・イエーガー症候群による色素沈着の特徴は、唇や口、手足に、メラニン色素の沈着した小さい色素斑が現れることです。
色素沈着のうち、最も代表的なのが唇に現れるものです。唇には縦ジワがありますが、その縦ジワに沿って、数mm大の色素斑が多数現れます。黒っぼい色をしており、一見、ホクロのようです。この色素斑は平らで、盛り上がってはいません。唇のほかに、手足にも同様の色素斑ができ、ホクロのように見えることがあります。手足にできる色素斑は主に、手なら手首よりも先、足なら足首より先に、左右対称に現れます。
ポイツ・イエーガー症候群の唇や手足に出現するホクロのよぅな色素斑は、幼児期に出現し思春期にかけて増えます。それと同時に、帝化管に多数のポリープができるのです。そのため、10代や20代の若い年代に、患者さんが多い傾向にあります。
腸のポリープは年を重ねるとともにガン化する確率が高くなり、40~50歳になると一定(約10%)のポリープがガン化するといわれます。また、ポイッ・イエーガー症候群の患者さんは、ほかのガンになる可能性も高いといわれているのです。ただし、ポイツ・イエーガー症候群で現れるホクロのような色素斑自体が、悪性腫瘍(ガン)ということではありません。

左右非対称の、色に濃淡があるホクロが7mm以上になれば皮膚ガンの可能性あり

ポイツ・イエーガー症候群の原因は、わかっていません。また、消化管ポリープが原因で、色素斑ができるわけではありません。消化管ポリープだけができて色素斑が現れない人や、色素斑だけが現れて消化管ポリープができない人もいますが、これらの場合、患者さんはポイツ・イエーガー症候群ではありません。
若い人の唇や手足などに、これまで見かけなかったホタロのような色素斑ができているときは、皮膚科の診察をぜひ受けてください。最後に、普通のホタロと皮膚の悪性黒色腫( メラノーマ)との見分け方を簡単に述べておきましょう。普通のホタロは一様に同じ色をしていますが、色に濃淡があったり、境界部がにじんだような左右非対称の後天的なホタロが、7mm以上の大きさになったりしたときは、メラノーマの可能性があります。また、顔のホクロだと思っていたものが徐々に拡大してきたり、出血したり、かさぶたができたりするときは、基底細胞ガンである場合もあります。

乳ガンは指関節と爪周りが赤く荒れ体の力が出なければ要注意

屋外で日光を浴びてひどく赤くなり皮膚科を受診しガンが判明するケースも

手の甲側の指の関節や、爪のまわりに赤みが広がって、最初は手荒れかと思っていたのに、顔にも赤みが広がったり、体力が急に低下したりする人がいます。この症状は皮膚筋炎と呼ばれる病気の症状で、ガンになったことを知らせる皮膚の症状デルマドロームの一種でもあるのです。
皮膚筋炎は、膠原病の一種です。膠原病とは、体の結合組織(膠原組織)に、いろいな炎症や病変を起こす総称です。皮膚筋炎の赤みはどちらか一方ではなく必ず左右対称に現れます。
また、塗り薬を塗ってもなかなか治らない手指の赤みは、肌荒れではなく皮膚筋炎の可能性があります。皮膚筋炎で顔が赤くなり、腫れることもあります。この場合ひたいの顔の腫れは、額やまぶた、ほおにしばしば現れます。
特にまぶたがむくんで紫紅色になったしん状態を、ヘリオトロープ疹といいます。両小鼻から口もとに向かって八の字に伸びる、いわゆる法令線に沿って、ほおに赤み(紅斑)が現れることもあります。これらの顔の紅斑も左右対称に出ます。
法令線に沿ってほおに紅斑が現れる病気としては、やはり膠原病の一つであるエリテマトーデス(SLE)がありますが、皮膚筋炎によるほおの紅斑はテマトーデスのようにちょうのような形にはなりません。
また、エリテマトーデスの患者数の男女比は1対9と圧倒的に女性が多いのですが、皮膚筋炎では1対2とやや女性が多い程度です。皮膚筋炎の症状には、ひじやひざなどの関節の紅斑、肩や背中のかゆみを伴った紅斑などもあります。皮膚筋炎は、これらの皮膚の症状とともに、筋力低下を伴うことがよくあります。
体にカが入らず、階段の昇降をつらく感じたりする症状が出るのです。また、皮膚筋炎の人は、光線過敏症を伴っているケースがあります。子供の運動会に出て屋外で日に当たったら顔が真っ赤になり受診したら皮膚筋炎で、ガンが見つかったというような例も実際にあります。

皮膚に赤みが広がったり腫れたりして皮膚筋炎と診断されたらガン検査も受ける

皮膚筋炎の患者さんのうち、全体の2~3割にガンが見つかります。ガンを併発している皮膚筋炎の割合は決して低くありません。皮膚筋炎を起こすガンとしては、わが国では乳ガンや子宮ガンなど、女性の生殖器系のガンがやや多い傾向にあるといえます。そのほか、胃ガン、大腸ガンなど消する場合もあります。また、ガンと皮膚筋炎がほぼ同時に現れる患者さんもいます。
ただ、ガンを発症する1年前後の問に皮膚筋炎を発症するといわれるほど、両者に密接な関係があることは事実です。皮膚筋炎が発見された場合、一般にガン検査を行います。消化器系のガンや肺ガンも見つかっています。皮膚筋炎とガンの出現の順序は、患者さんによってまちまちです。ガンを先に発病して皮膚筋炎が現れる場合もあれば、皮膚筋炎が先に現れてガンを発病する場合もあります。
また、ガンと皮膚筋炎がほぼ同時に現れる患者さんもいます。ただ、ガンを発症する一年前後の問に皮膚筋炎を発症するといわれるほど、両者に密接な関係があることは事実です。皮膚筋炎が発見された場合、一般にガン検査を行います。

首・またのつけ根、わきの下が短期間で黒ずみ皮膚が厚くなれば胃ガンの危険

皮膚の黒ずみ・肥厚は肥満でも起こるが太ってもいないのに起こったら危険

胃ガンは、肺ガンに次いで日本人に発症数の多いガンで、かつては日本人に最も多いガンでした。多くの場合は進行するまで、ほとんど自覚症状は現れません。
ところが、皮膚の症状が胃ガンになっていることを教えてくれる場合があります。
胃ガンになると、首やわきの下、またのつけ板の皮膚に、黒ずみやザラザラした触感が現れることがあるのです。
この症状もデルマドロームの一種。デルマドロームとは、胃ガンなどの内臓悪性腫瘍によって引き起こされる皮膚症状のことです。首やわきの下、またのつけ板、しり尻の割れめなど、圧力がかかりすやすく、擦れる刺激を受けやすかんさつぶい体の部分は、間擦部と呼ばれています。胃ガンになると、間接部の皮膚が黒ずみ、肥厚(厚くなること)してザラザラした状態になることがあります。
間擦部の皮膚の黒ずみや肥厚は、内分泌障害や、健康な人でも肥満によって起こる場合があります。この場合、インスリン様成長因子(アミノ酸の配列がインスリンと酷似した成長因子)が関係していると考えられていますが、肥満の人では、わきの下などの間擦部の皮膚の摩擦が大きくなるため、このような角質増殖や色素沈着が生じやすい、ともされています。わかりやすい例として、大相撲の力士のわきの下などの間擦部は、黒ずんだり肥厚したりしていることがよくあります。肥満が原因の間擦部の里ずみや肥厚は、肥満を解消すればなくすことができます。
胃ガンによる間接部の皮膚の黒ずみや肥厚を引き起こす元凶は、ガン細胞が作る成長因子です。体の中でガンが大きくなろうとするとき、ガン細胞はいろいろな物質を作り出して成長の足がかりにします。
胃ガンが作り出す成長因子が血液に来って全身を回り、間擦部に行き着くと、間擦部の表皮細胞が胃ガンの成長因子に反応することがあります。すると、表皮組織の角質層を過剰に増殖させたり、色素細胞を刺激して*メラニン色素を増やしたりするスイッチが入ってしまうのではないかと考えられています。

自分のわきの下を見たり触ったりする機会の少ない40歳以上の男性は注意

肥満が原因なのか、それとも胃ガンなどのガンが原因なのか間擦部の黒ずみや肥厚した状態を見ただけで区別するのは簡単ではありません。とはいえ、太ってもいないのに、わきの下などに里ずみや肥厚が現れたときは、胃ガンを疑う必要があります。また、症状が現れるスピードも参考になります。肥満は徐々に進むものです。肥満が原因なら、それに伴う間擦部の黒ずみや肥厚も、肥満の進み方と同じようにゆっくりと形成されるはずです。ところが、胃ガンなどのガンによる間擦部の黒ずみや肥厚は、短期問で出現します。ちなみに、ガンによる間擦部の黒ずみや肥厚は、かゆみを伴う場合と伴わない場合があるので、胃ガンかどうかの区別の基準にはなりません。
ガン年齢(男性40歳以上、女性35歳以上)より上の人で肥満体形でもないのに、急に間擦部が黒ずみ、肥厚が現れた場合、皮膚科の医師はガンの可能性を考えます。
間擦部に黒ずみや肥厚が現れるのは、初期ガンのときもあれば、進行ガンのときもあります。初期ガンで黒ずみ・肥厚が現れたことがきっかけとなり、早期発R兄・早期治療できたという幸運な患者さんもいます。特に、男性の場合、わきの下を自分で見たり触ったりする機会はめったにないと思います。ときどきは、自分のわきの下を見たり触ったりしてみて、異常を感じたときは皮膚科に相談してみるといいでしょう。

そして心配ならまず自分で出来る!胃カメラをやらずに胃がん検査なども検討ください。

いぼが数ヶ月で全身に広がり、かゆみも伴う場合は、消化器系のガンの疑いが強い

ガン細胞が作る成長因子などの物質が皮膚の表皮細胞を刺激、変化させる

いぼというのは、肌から飛び出したり盛り上がったりしているため、見た目が美しくなく、美容的には敬遠されがちです。ただ、いぼができたからといって、多くの場合、健康に害が及ぶことはありません。
一方で、胃ガン、大腸ガンなどの消化器のガンに伴ってできるいぼがあり注意が必要です。
ガンに伴ってできるいぼと、ガンとは無関係のイボとはどう違うのか?
まずガンとは無関係のいぼについてです。いぼには、子供によくできるものと、中高年の人にできるものとがあります。l子供によくできるいぼは、ヒトパピローマウイルスというウイルスの感染によって起こります。
子供に多いウイルス性のいぼは、成人にできることもありますが、高齢者にはあまり見られません。ウイルス性のいぼのほとんどは無害です。

唯一の例外は性器周辺にできるいぼで、女性の子宮頚ガンに関係する場合があるといわれています。中高年に多いいぼは、脂漏性角化症、老人性疣贅といわれ、老化に伴って現れる良性腫瘍の一種です。
40~50代以降の人にでき、60代以上の人の80% 以上に認められます。紫外線や加齢などによって皮膚の表皮細胞が過剰に増殖してできますが、ほとんどは無害。紫外線の影響による皮膚の老化が発生の一大原因のため、顔や首筋、胸、手の甲、腕などに多発する傾向があります。

中高年に多いいぼは褐色か黒い色をしており、皮膚から乳頭状に飛び出したものだけでなく、わずかに盛り上がっただけの比較的平たいものもあります。大きさも、数mmから数cmまでさままざまです。
いぼの表面は比較的すべすべしていることもあれば、カサカサしていることもあります。ただ、いぼにかゆみは伴いません。消化器のガンなどに伴って現れるいぼは、一年中高年に多いいぼ(脂漏性角化症)によく似ています。このいぼは、デルマドロームの一種です。
デルマドロームとは、消化器ガンなどの内臓悪性腫瘍に伴って現れる皮膚症状です。ガン細胞が体内で成長し、増殖していくとき、さまざまな物質を作り出し、それを活用しながら大きくなっていきます。
ガンが作り出すそうした物質のが、成長因子と呼ばれるものです。

ガンの成長因子は、ガン細胞が成長するのに使われるだけでなく、体内の健康な細胞を刺激し、なんらかの影響を及ぼすことがあります。消化器のガンに伴ういぼも、ガンが産生する成長因子の働きによって作られると考えられているのです。

無害ないぼは日に当たる部分に多いがガンのいぼはそうでないところにも出る

中高年に多い無害なイボと、消化器のガンに伴うイボには、比較的わかりやすい違いが3つあります。まず、中高年の無害なイボは、老化によって現れるので、何年もかけてゆっくりと出てきます。

一方、消化器のガンに伴うイボは急速に現れてきます。消化器のガンは数ヶ月単位の短い期間に進行することが多いめ、イボもガンが成長・悪化するスピードとほぼ一致して、急速に現れてきます。例えば、2~3ヶ月月で何十個も現れるという場合もあるのです。中高年の無害ないぼなら、こんな急激な現れ方をすることはないと考えていいでしょう。
次に、いぼができる部位にも違いがあります。中高年の無害ないぼは、日光(紫外線)による皮膚の老化と関連しているので、日に当たる頭部、顔、首筋、胸、腕、手の甲などに多く現れます。

それに対して、消化器のガンに伴うイボは日光には関係なく、体幹部(胴体)や手足に現れます。日に当たる部位にも、当たらない部位にも現れるのです。3番めに挙げられる違いは、「かゆみ」です。中高年の無害ないぼに、かゆみは伴いません。しかし、消化器のガンに伴うイボは、かゆみを伴います。ガンに伴ういぼは、できたいぼの全部がかゆくなるのです。

かゆみの程度はさまざまで、いぼがかゆくてしかたがないという患者さんもいれば、ちょっとだけかゆいという患者さんもいます。このように、短期間にたくさんのいぼができた、日光が当たらない部位にもできた、できたいぼにかゆみを感じる、などの場合は、消化器系を中心としたガンに伴ういぼである可能性が80% 以上あるといわれています。気になるいぼがあるときは、まず皮膚科で診察を受けることをおすすめします。
20160121追加

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皮膚の状態から内臓の異常がわかる

ガンの場合、特徴的な症状がでるケースが多い

昔から「皮膚は内臓の鏡」といわれます。内臓を含む全身が健康であれば皮膚の状態は良好だが、内臓に病気があるとき、皮膚は鏡のように内臓の状態を映して、なんらかの異常が現れるこのことについては、古くから気づいていたといわれています。
便秘が続いたら肌が荒れてきた、体が疲れて目の下にクマができたなどの現象は、多くの人が体験しています。
こうした比較的軽い、しかし皮膚はなんらかの変化を見せますが、内臓の重大な病気のサインとして皮膚に症状が現れることも少なくありません。特に内臓にガンができたときや、ガンの前兆の1つとして、皮膚症状が現れるケースがあります。具体的な症状では次のようなものがあります。

  • 胃がん…わきの下や首が黒ずんだりカサカサしたりする
  • 肝臓がん…手のひらが赤くなる
  • 膵臓がん…水疱やただれ、赤い斑点などが出る
  • 精巣がん・卵巣がん…急に毛深くなる

このほか、胃や大腸などのガンに伴って急に体にイボがたくさんできることや、消化器のポリープで唇などにホタロのような斑点ができることもあります。
皮膚科の領域では、こうした内臓のガンなどの病気と皮膚症状の関係の研究が進められていて、皮膚を見て内臓の異常を疑うということは少なくありません。患者さんが単なる湿疹か虫刺されだと思って皮膚科を受診したところ、その皮膚症状が手がかりとなり、ガンが発見されるといったケースも珍しくありません。現在は検査機器や技術が発達し、大きな病院に行かなくても内視鏡や血液検査のほか、CTスキャンやMRI(磁気共鳴断層撮影装置)での検査ができるようになってきました。皮膚の症状から早期にガンを疑い、これらの検査によって確認することが可能です。

ガン細胞が成長したり酵素やホルモンのバランスが崩れることで肌に異常が出る

内臓のガンに伴っていろいろな皮膚症状が現れる理由は、いくつか考えられます。ガン細胞は酵素やホルモンを分泌することもあります。すると、体の中で保たれている、酵素やホルモンの本来あるべきバランスがくずれるため、毛細血管が異常に拡張したり、体毛が過剰に生えたりするということが起こります。
また、ガンの成長因子が皮膚症状にかかわっているとも考えられています。ガンの成長因子とは、ガンが体の中で成長し増えていくとき、細胞分裂を促したりガンの組織を大きくしたりするために作られる物質です。ガン細胞は、これを足がかりにして広がっていきます。成長因子はガン細胞の成長を助けるだけでなく、人体になんらかの作用を及ぼすことがあります。その皮膚反応の一つが、ザラザラした黒色の皮膚や、急なイボの増加なのです。内臓のガンなどに伴って現れる皮膚の症状は、デルマドロームと呼ばれています。デルマドロームはこれまで、しゆよ、つ主にガンなどの内臓悪性腫瘍に伴う皮膚病変とされていましたが、最近は悪性腫瘍に限定せず、内臓の病気に伴う皮膚病変と解釈が広げられています。皮膚科医にとって、デルマドロームはよく知られた症状です。
が、専門医でも内臓疾恩とb関連があるかどうかは、なかなか即断できないのが実情です。とはいえ、内臓のガンに伴ってなんらかの皮膚症状が現れるのは事実であり、ガンを発見する貴重な手がかりになります。皮膚科医がガン特有の皮膚症状に注意を怠らないことはいうまでもありませんが、一般の人たちがこの種の知識を持ち、内臓のガンを発見できるきっかけになるとしたら、大いに意義のあることです。それまでになかったような肌荒れや皮膚の黒ずみ、斑点が気になるときは、精密検査を受けてみるといいでしょう。