カルシウム 賢い摂取方法 骨粗鬆症の食事療法について紹介します。骨粗鬆症は、骨の密度が低下し、骨がもろくなる状態を指します。カルシウムは骨の主要な構成要素であり、骨粗鬆症の予防や治療において重要な栄養素です。
カルシウム 賢い摂取方法 日本人は特に不足している
ミネラル(無機質) の一種であるカルシウムは、体内ではつくられないため、必要量のすべてを食物などからとらなければなりません。
成人女性の一日の必要所要量は600mgとされていますが、骨粗鬆症を予防するためには、1日あたり800mgの摂取を目安にするとよいでしょう。
現在の日本人には、カルシウムの摂取量が不足しています。原因としては、日本の伝統的な食事に乳製品が少ないことや、日本の水がカルシウム含有率の低い軟水であることなどが考えられます。
さらに若い世代での摂取量の不足は、過剰なダイエットや外食の多さとも関係していると思われます。
骨が成長する時期のカルシウム不足は、将来の骨粗鬆症の原因になります。若い頃からいろいろな食品をバランスよく食べることを心がけ、カルシウムを十分にとれる食習慣を身につけましょう。
食事からのカルシウム摂取については、カルシウムは乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)、豆腐、魚介類(サーモン、サバ)、葉野菜(ほうれん草、小松菜)、堅果類(アーモンド、くるみ)などの食品に多く含まれています。バランスの取れた食事を心掛け、これらの食品を摂取することでカルシウムをしっかり摂りましょう。
カルシウムは体に吸収されにくい
カルシウムは体に吸収されにくい栄養素です。吸収率は食品や食べ方によって違いますが、もっとも吸収率のよい乳製品でも50% 前後。つまり摂取したカルシウムの半分は体外に排出されてしまうのです。
また、高齢になると胃腸の働きが弱くなるため、カルシウムの吸収率がさらに低下します。カルシウムを十分にとるためには、毎日の摂取量を増やすだけでなく、食べ方を工夫して、体内で効率よく吸収きれるようにすることが大切です。
カルシウムの多い食材
牛乳・乳製品
牛乳や乳製品にはカルシウムが豊富に含まれています。さらに吸収率が約50 %と高いため、カルシウムを効率よく補給することができます。
魚介類
骨ごと食べられる小魚がおすすめ。小魚のカルシウム吸収率は約30% で丈夫な骨づくりに欠かせないたんばく質も豊富です。
大豆
大豆のカルシウム吸収率は約20 % ですが、豆腐、納豆などさまざまな形で食べることができるので、毎日の食事に取り入れやすい食材です。
野菜
小松菜などの青菜類にカルシウムが豊富です。カルシウム吸収率は約20 % 。カルシウムは加熱しても失われないので、妙めたりゆでたりしてたっぷり食べましょう。
海草類
ひじき、わかめ、昆布などの海藻類も積極的に食べましょう。乾燥させたものでも、生のものでもOK 。カルシウム吸収率は約20% です。
食品中のカルシウム含有量の目安
- 牛乳(200ml)220mg
- 丸干しいわし(中1尾/ 20g) 88mg
- 木綿豆腐(150g) 180mg
- 納豆(50g) 45mg
- 小松菜(100g) 170mg
- 乾燥ひじき(10g) 140mg