誤った睡眠情報が疲れた体をさらに疲れさせている のです。これはどういうことでしょうか?睡眠は8時間とらないとNGなのは間違いです。睡眠の質は、短時間で間眠っている人とほとんど差がないこともわかっています。睡眠不足は、睡眠不足が原因で集中できないのです。人間の睡眠というのはよくしたもので、眠りの質がよければ量は必要ではなく、逆に多量の眠りを求めるのは、質の悪さを補おうとするからです。
睡眠は8時間とらないとNGは間違い
- 睡眠不足で集中できない!
- しっかり寝ていないので今日はアイデアが出ない!
睡眠は、7~8時間寝ないとダメでそれ以下だと忙しいと自慢話のようにストレスでいっぱい…という話をしているビジネスマンや学生さんんたちがいます。
こうした「常識」が世間にはまかり通っていて、誰もが信じているようですが、事実はまったく違うのです。というのも、3日間まったく眠らずにいても、そのあとで10時間眠れば、以前となんら変わりのない状態にもどることが臨床実験によって実証されているからです。よく寝だめはできないから~という情報も目にしますが、正式な実験で明かにされています。
また、1日3時間しか眠らない人の脳波をべたところ、睡眠の質は、入時間眠っている人とほとんど差がないこともわかっています。
つまり、睡眠時間が短いからといって、能力が低下することなどありませんし、疲労が回復しないということもないのです。
もしあるとすれば、寝不足だと思う不快感や、もっと眠りたいという不満感が残ることです。
いいかえれば、誤った常識にまどわされて、不調の原警すべて「睡眠不足」のせいにしているのです。
7~8時間も眠っている人は惰眠をむさぼっているのです。理由は明らかです。熟睡できないから、長時間眠らなければならなくなるということです。深い眠りが得られれば、人間は9~10時間も寝ていられるはずがないのです。
人間の睡眠というのはよくしたもので、眠りの質がよければ量は必要ではなく、逆に多量の眠りを求めるのは、質の悪さを補おうとするからです。
よく毎日排便があってもスッキリしないのなら便秘体質である!と言われるように睡眠も同じように質が重要だということです。
質のいい睡眠は、浅い眠りと深い眠りの両方が必要
惰眠型人間は熟睡できない
眠りを公式化すると「睡眠時間×睡眠の深さ=睡眠量」になります。
この公式からもおわかるように、眠りの深さが足りなければ、どうしても長い時間眠らなければならないのです。
たとえば、あなたは、つぎのような経験をしたことがあるはずです。ゴルフやテニスでくたくたに疲れてしまい、そのうえ寝る時間も遅くなってしまったのに、翌朝はいつもより早く目が覚め、爽快な気分で起きることができた。また、夜遅くまで酒を飲んですっかり酔ってしまい、いつしか寝入ってしまったが、目が覚めてみると意外にすっきりしていた。これでわかることは、疲労の度合いが大きければ眠りも深くなり、そのため短時間の睡眠でも快い目覚めが得られるということです。
このような眠りが本来は、もっとも自然な眠りだと解釈できるのです。眠っているあいだ、頭脳も肉体も実にリラックスしているからです。そもそも、人間の睡眠に関しては、今日の大脳生理学でも解明されていないことが多数あります。
ただ、8時間もの睡眠をとる必要がないことだけは解明されています。
大脳の活動には、グルタミン酸を分解したガンマアミノ酸酪酸が不可欠です。これは、大脳の働きにつれてガンマハイドロオキシ酪酸とアンモニアに分解されます。このガンマハイドロオキシ酪酸が脳にたまると、人間は疲労を覚えます。
これを取り除くには、睡眠をとるしか方法はありません。だから、大脳の疲れをとるためには、眠りこそ唯一不可欠なのです。しかし、このガンマハイドロオキシ酪酸を脳から除去するために、8時間も眠る必要はないということが、近年、実験によって証明されました。
それでは、深い眠りを得るにはどうしたらいいのでしょうか?単純明快にいえば、なるべく眠らないようにすればいいのです。そして、深い眠りを得るべく短時間睡眠のリズムに変えることです。
そうしたリズムをつくらずに、いつも惰眠をむさぼっていては、夜、寝床にはいっても、深い眠りを得ることはできません。朝、目を覚まし、時計を見る。まだ時間の余裕がある。寝たのは、たしか前夜12時前後。いま起きたのでは7時間も眠っていない。もう1時間、いや、あと2時間は眠らないと、この眠気はとれそうにありません。
よし、眠ろう。こうして、毎日、惰眠が繰り返される。目覚めても、不満感でいっぱいになります「しかたないんだ。8時間眠らなければ、頭がボーッとしてしまうんだから」と、平然というかもしれない。しかし、頭脳も肉体もシャープな状態になるもっともいい方法は、眠くてもバッと起きて、その夜からの眠りを「質の眠り」に変えることです。
眠りすぎると逆に頭も休も鈍化する
ところで、身体の不調を訴えると、ほとんどの医者がこういうでしょう。
「十分な睡眠をとりなさい」では、十分な睡眠 とはいったいどういった睡眠を言うのでしょうか?これは、ただ長時間眠ることではないはずです。「人間は休む時間が長ければ長いほど、疲労を回復することができない」と言う人もいるぐらいです。
「そんなバカな?!」と…これは事実なのです。人間の頭脳は、長時間休めば休むほど不活性状態になり、運動神経も低下し、人間が持つあらゆる能力が鈍化してしまうのです。これにともなって精神もいつしか弛緩し、「気力」「勇気」をなくしてしまいます。
たとえば、あなたはこれまでに、骨折の経験はあるでしょうか?骨折すればギプスをはめ、その箇所をずっと固定しておかなければなりません。治ったあとギプスをはずすと、関節がまったく曲がりません。関節がスムーズに曲がるようになるまでには約2週間のリハビリテーションが必要で、1ヶ月もギプスをしていると、以前とまったく同じ状態に回復するには約1年もの時間が必要となります。
つまり、肉体の1ヶ所を固定して休ませすぎると、その箇所は運動機能を忘れてしまい、神経も筋肉も弛緩してしまうのです。これは、睡眠にもあてはまります。つまり、眠りすぎることによって頭脳や肉体が鈍化し、活動能力がどんどん減退してしまうのです。
つまり、受験生が長い睡眠をとるのは大いに考えものなのです。いい大学へはいれるかどうかといういちばん大事な時期に、身体はだるく、頭は働かず、生あくびばかり出て勉強に身がはいらないのでは、まったく救いようがないのです。こうした症状は、ほとんどがムダな眠りすぎによって生じる。「人間には、個人差があって、人それぞれ生理リズムが違う。だから、7~8時間以上は眠らないと気がすまないという人は、体質上、しかたない」という専門家もいますが、これは誤りです。こうした専門家は短く深く眠る方法を知らないのです。
短深眠は丈夫な体をつくる
糖尿病の人が病院で「しっかり睡眠をとるように」と指導されて毎日10時間も寝ていました。その結果はどうなったでしょうか。快方に向かうどころか、病気はますます悪くなってしまいました。10時間も睡眠をとったために、糖尿の症状に拍車がかかったのです。その後、睡眠時間を半分にしたら元気になりました。
眠時間が短くなったことで交感神経の働きが活発になり、ホルモンの分泌がよくなって、新陳代謝を増進させた結果です。9時間も10時間も睡眠をとっている人は、思いきって睡眠時間を半分にしてみることをおすすめします。もちろん、病気にかかっている人が極端な睡眠不足になることは避けなければならないが、それよりも、長時間の睡眠をとるほうが、病気の回復には悪いのです。
睡眠時間が多くなると、呼吸が浅くなり、体内の酸素が不足するようになります。こうなると、頭脳の働きが鈍くなり、筋肉は弛緩し、全身がだるくなります。必然的に、血液の循環が悪くなるということです。
たった数分で脳と体をリフレッシュする「分散睡眠」の実力
一般的には、人間は眠ることによって休息し、疲労をとります。そのため、毎日必ず一定量の睡眠時間をとらなければならないと、ほとんどの人が思い込んでいます。しかし、睡眠というものは、連続的に長時間とる必要はないのです。
ほとんどの人が仕事中や勉強中に、あるいは電車の中などで、ふと、うたた寝をしてしまった経験があるはずです。わずか5分でも、10分でも、目が覚めると頭がひじょうにすっきりしていることを体験したことがあるはずです。
こうした仮眠でも、頭脳や肉体の疲れが意外によくとれるのです。これが10~20分ですっきりするのですが、30分以上寝てしまうと体はだるくなり何をする気にもなりません。
もっとも、これは、惰眠を好む人には通用しません。
毎日の睡眠時間が少なく、仕事や勉強に寸暇を惜しんで没頭している人にこそ、仮眠は大きなプラスに働きます。
慣れてしまえばたとえ5分間の仮眠でも、それが心身をグンと楽にさせるのです。
たとえ、不眠症でも「マイクロスリープ」で脳は必ず休息している
人間というのは、眠らないと死ぬということはありえないのです。眠らなくても人間は健康でいられるのです。つまり、不眠で悩むことはまったくないのです。なぜなら、人間の大脳は疲労するとガンマハイドロオキシ酪酸がたまってきて、どうしても覚醒のスイッチが切れてしまうようにできているからです。そして脳は活動していると、必ずこのガンマハイドロオキシ酪酸が自然に蓄積します。
これはちょうど、水が高いところから低いところへ流れるように、覚醒という意識水準の高いところから、睡眠という意識水準のもっとも低いところへと下降するのと同じ仕組みです。したがって、不眠症で苦しむのは、まったく不要な悩みだということがわかります。
眠らないと死ぬかもしれない、などと心配しなくてもいい理由の2つ目は、戦争中のスパイの拷問でもっとも残酷だったのは、眠らせないということでした。しかし、眠らせまいとして種々の刺激をいくら加えても、人はどこかで必ずこのマイクロスリープを何回も繰り返して、結局、すこしでも眠ろうとしているのです。したがって、不眠などというものは恐れるに足らずなのです。それより、眠りすぎるとかえって俊敏性を失い、頭の働きを悪くしてしまうのです。そして、そのほうを恐れるべきなのです。
食べれば食べるほど内臓が疲れ、その疲労を回復するために身体を休める睡眠が必要となるのです。ちなみに、これまでのデータから見ると、食事1食分は3時間の睡眠に匹敵します。
通常、1日に3食とるわけですから、3食×3時間= 9時間で、やはり8~9時間ぐらいの睡眠が必要になってしまうのです。そのことからいえば、「短く深い眠りを得るには少食」という1つの公式が生まれてくるのです。
現代人は、体を動かさないにもかかわらず食べ過ぎの傾向です。粗食を推奨している人たちの本来の考え方が見えてきたようにも思います。
飽食の時代だからこその「栄養失調」は深いなぁ~とつくづく感じます。
現代人はストレスをどうやって解消すべきか?結局、食べるという行為でストレスを解消しているのは脳だけで、体は逆にストレスとなっているということになるのかもしれません。小食や粗食をつきつめていくと人類の幸せにたどりつくのかもしれません。やや宗教的なオチになってしまいましたが、本来の人のあるべき姿や生き方に通じるのかもしれません。
これまでの常識や文化を見直す時期にきているのでしょうか?