閉経後の女性に多い
骨粗鬆症は、女性に多い病気ですが、その理由は2つあります。1つめは、男性と女性の骨量に差があること。
女性は男性より骨格が小さいため、骨に蓄えられるミネラルの畳も少なくなります。成人男女で比較すると、女性の骨量は平均して男性よりl~2割低くなっています。
2つめは、女性ホルモンとの関係で、閉経後、女性の骨量が急激に減少する確率が高いこと。女性ホルモンの一種「エストロゲン」には、骨を壊す破骨細胞の働きを抑制する作用があります。
しかし、エストロゲンは閉経とともにほとんど分泌されなくなります。そのため破骨細胞が過剰に働き、古い骨を壊す骨吸収が進んでいくと考えられています。
2つのタイプの骨粗鬆症
健康な人の場合、新しい骨をつくる骨形成と、古い骨を壊す骨吸収のバランスがとれているため、骨の新陳代謝が効率よく行われています。
骨粗鬆症は、骨吸収が骨形成を上回ったために骨がスカスカになってしまう病気ですが、骨吸収と骨形成のバランスの崩れ方によって2つのタイプに分けられます。
1つめは、骨形成は正常に行われているのに、骨吸収の働きが強まってしまうもの。「高回転型」といわれ、閉経後の女性に多く見られます。
2つめは骨形成、骨吸収がともに低下し、とくに骨形成が弱まってしまうもの。「低回転型」といわれ、新陳代謝が低下する高齢者に多いタイプです。