ピーマンには、独特の臭いがあるので、苦手な人も多いのですが、この臭いはピラジンという物質によるものです。このピラジンは、優れた抗血栓作用がありコレステロール値を下げるには効果があります。
血液中に含まれる血小板は、血管の損傷した部分に集まり固まって血液が流れ出るのを防ぎます。酸化LDLが侵入した血管壁の傷口に対しても血小板は同様に働いてしまいます。その結果、血管のなかに血栓でしっかりふたをされたこぶができ、これが血流を悪化させる原因になるのです。しかもLDLは、血管の内皮細胞から分泌され、血小板の血栓作用を抑制して、一酸化炭素の生成を低下させる物質をもっており、一層血栓をできやすくさせてしまいます。LDLによる血栓を予防するためには、ピラジンのような血栓の生成を強力にブロックする物質が必要です。
一般的に見られる緑色のピーマンは、未成熟を収穫したものになります。完熟させてから収穫した赤ピーマンは、緑色に比べると甘みが増すだけでなくビタミンCやカロテンなどの栄養素も増えています。
ビタミンCにおいては、野菜の中では一番です。抗酸化ビタミンですから積極的に摂りたい野菜です。ピーマンのビタミンCはビタミンPにより保護されているため加熱しても壊れにくい性質をもっています。生食以外にもさまざまな調理法が楽しめます。
ピーマンの葉緑素や水溶性食物繊維には、余分なコレステロールを排泄する働きがあるため、コレステロール値の低下に役立ちます。普段の食事療法の中でも積極的に取り入れたい食材です。