痛みの生じ方には、個人差がありますが、ある特定の動作や刺激によって痛みが誘発される、めずらしいタイプです。
ほとんど知られていないため、周囲の人には「さぽり」や「怠け病Lと思われて、人知れず悩んでいる人が多いのが、この頭痛の特徴です。
痛み方の特徴
- 重いものを持つ、咳をする、夜の生活のあとなど、ある特定の動作によって頭痛が誘発される
- 痛みはクワーンクワーンと頭全体におよび、かなり激しく痛む
- 頭痛の持続時間は5~60分程度。長くても1日以内に自然に消える
痛みはじめると、体を動かすと痛みガ強くなることが多く、じっと安静にしていることで痛みが治るのを待つしかない。
特定の動作後に強い痛みが生じる
重いものを持ったり、咳こむたびに激しい頭痛に見舞われて、「なぜだろう」と思いながらもがまんしている人はいませんか?
こうした頭痛が「労作性頭痛」です。グワーングワーンと頭全体におよぶ痛みで、激しいものです。原因は特定の動作や刺激が主ですが、周囲の理解を得にくいことが最大の特徴です。
労作性頭痛の原因と分類
- 寒冷刺激による場合急激に寒いところへ出たり、体が冷えることによって起こる
- かぜをひいたりして、せきこむことによって机1モうせい起こる。良性咳轍性頭痛ともいう
- 運動や動作による場合、走る、ジャンプ、泳ぐなどの運動や重いものを持つなどの動作で引き起こされる。激しい運動によるものがほとんど。良性労作性頭痛ともいう。
- 夜の生活などのあとに頭痛が起きる
原因は、血管の拡張、髄液圧の上昇
労作性頭痛は、痛みを引き起こす特定の動作や刺激など引きがねはわかっていますが、痛み自体の原因はわかっていません。現在、考えられているのは次の3つです。
- 頭部の血管の拡張
- 髄液圧の上昇
- 頭蓋骨周辺の筋肉
もともと片頭痛のような血管拡張型の頭痛があって、それが特定の労作に限って著しく頭痛が現れるというものです。
低髄液圧性頭痛とは逆に、髄液圧が上昇して痛くなるというもの。ただし、上昇していないこともあり、決定的とはいえません。
頭蓋骨の周囲の筋肉から起こる痛みという説です。しかし、これも詳しいことは不明です。そのほか、血液中のアドレナリンが関係あるのではないか、という意見もありますが、現段階ではまだ研究中です。
治療・予防には薬とのつきあい方がポイント
一般に、労作性頭痛は生涯続く可能性は低いと考えられています。数年で頭痛が起こらなくなるケースが多いのです。
したがって、それまでの間、動作や刺激をなるべくさけて、それができないときは予防薬を使うという方針をとればよいのです。病院で処方される薬には、インドメタシンなどの鎮痛薬があります。30分~2時間前に服用しておくと、動作や刺激があっても頭痛を防げることがあります。