高血圧だけでなく合併症を併発 している高血圧の薬物療法について紹介します。
合併症を併発 している高血圧の薬物療法
高血圧だけでなく合併症 ( 脳卒中 心臓病 腎臓病 糖尿病 痛風 ) などの病気がある方の薬物療法について。
脳卒中
高血圧症を治療する目的の第一は、生命に直接かかわる「脳・心臓・腎臓」への合併症を未然に防ぐことです。
なかでも高血圧症が原因になって起こる脳への障害は、他の合併症よりも発症頻度が高くなっています。
すでに脳出血(脳内出血、クモ膜下出血など)、脳梗塞を合併している人の場合は、病状、年齢、体調などを十分に見極めた上で、慎重に降庄薬が選択されます。
使用される降庄薬はいろいろですが、カルシウム括抗薬、ACE阻害薬のように血管を拡張する薬剤が主になります。
心臓病
高血圧症に狭心症、心筋梗塞、心肥大などの心臓病を合併している人の場合は、心臓の負担を取り除く降圧薬が使われます。具体的には、カルシウム
拮抗薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、降圧利尿薬などです。。RAS抑制薬(ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は、血管を拡張して心臓の負担を軽減し、心不全や心肥大を抑止する効果が期待できます。
カルシウム括抗薬も血管を拡張し、心臓の負担を軽くします。心筋の酸欠状態にも有効です。冠撃縮性狭心症には特効的予防効果があります。降庄利尿薬は、心臓の機能が低下して、体の中にナトリウムや水分が貯留している場合に有効です。
腎臓病
高血圧の合併症として問題になる腎臓痛には、急性腎炎、慢性腎炎、腎孟腎炎、腎動脈硬化症、大動脈炎などがあります。それぞれに治療法も治療薬も異なりますから、併用する降庄薬も当然違ってきます。そんな中でも、腎臓への負担を軽くする効果のあるカルシウム拮抗薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ACE阻害薬はは、慢性腎炎をはじめとして使用されるケースが多くなっています。いずれにしても、腎臓病は多岐にわたり、高血圧との関係も複雑で、簡単に最適な降庄薬を選択できないケースも少なくありません。症状に合わせて、医師と二人三脚で治療を進める必要があります。
糖尿病
降庄薬が糖尿病を悪化させたり、糖尿病の治療薬であるインスリンや血糖降下薬が血圧の正常化を阻害したりするケースがまれにみられます。糖尿病が合併している場合は、利尿薬やβ遮断薬はほとんど使われません。糖尿病薬と併用すると治療効果が出にくいとされています。
痛風
痛風、高尿酸血症の人では、尿酸値を上げる降庄利尿薬は使いません。カルシウム括抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ACE阻害薬が主になります。
高血圧の薬物療法については、こちらが詳細に記載されています。