「夜の生活」も、血圧を上げることが知られています。高血圧の人が豊かで健康的な「夜の生活」を送るためには、いくつかの注意点があります。まず、「夜の生活」で血圧はどの程度上がるのでしょうか。
各種の調査から、1回の「夜の生活」で最高血圧が30〜150mmHg、最低血圧が20~50mmHGも上昇させることがわかっています。ということは、ふだんの最高血圧が150〜200mmmHgなど、かなり重症の高血圧症の人の場合は、性行動で極端に血圧が上昇することも考えられます。むともと血圧の高い人が瞬間的にせよ、極端な血圧上昇を起こすのは大変危険です。血管の負担がいっきに増し、狭心症の発作や脳卒中などを誘発する恐れがあります。
「夜の生活」と血圧の関係は、家庭での「夜の生活」のあり方が多様なのに加え、個人差も大きいため、一概にこうすべきだとは断言できません。
ただ、「夜の生活」が短時間で心拍数を急激に上げ、血圧を上昇させることは確かです。最高血圧が200mmg以上、最低血圧が120mmHg以上などという人は、「夜の生活」は控えたほうがよいでしょう。
性的欲求は、食欲などと並ぶ人間の本能のひとつです。それだけに性の問題は、人生80年時代の高齢社会では避けて通れないどころか、QOL(生活の質)を左右する大きなテーマといえます。
そうしたことから、アメリカで開発された男性のED(勃起障害)の治療薬であるバイアグラが大きな注目を集めました。
最近では、日本でもかなり普及しているようです。バイアグラで注意すべきは、副作用による死亡事故があることです。特に注意が必要なのは、医師と相談したうえで使用するのではなく、インターネットなどでこの種の薬を入手して使用する場合です。高血圧の人でバイアグラの使用を望む場合は、医師と必ず相談して用いることが大切です。