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食習慣の基本は、減塩

人間はにとって「塩」は生きる上で必須ですが、食事からとらなくてはならない塩の量はそれほど多くはありません。むしろ、食事から摂取している塩分はかなり過剰な状態です。「減塩」というと、いかにも大変なようなイメージがありますが、むしろいままでとりすぎていたぶんを調整すると考えて減塩に努めなくてはいけません。
健康な人でも、日常的にとりすぎた塩分は、尿にから排泄しています。
高血圧の人にとって塩分制限は、ナトリウムの過剰摂取による水の貯留を防ぎ、循環血液量を増やさないための重要な治療のひとつなのです。
減塩が血圧の上昇を防ぐことは、すでに知識としてもっているはずです。自分自身の健康を守るために、今日から「減塩」を実行しなければなりません。はじめは、味気ないのですが、慣れてくると素材そのものの味がよくわかり食事が楽しくなります。
減塩は、高血圧治療の第一歩といえます。

食習慣の改善は、塩分摂取量を減らすことだけではありません。高血圧の改善にとどまらず健康全般を考えたら、食事から摂取するエネルギー量をいかに適正にするかが最優先課題です。要するに、食べすぎを防ぐ習慣をしっかり身につける必要があるわけです。肥満はそれだけで血圧の上昇を招き、心臓の負担を大きくします。また、糖尿病や脂質異常症のリスクを高めます。高血圧によってパワーの落ちた心臓のポンプに、これ以上の負担をかけないためにも、太りすぎの人は適正体重を目標に滅量することを意識します。
エネルギーオーバーを改菩するには、.毎日なにげなくとっている食事そのものを、エネルギーの面から見直してみることが大切です。油であげていた調理方法を蒸したり、茹でる、焼くなどにかえるだけでもずいぶんよくなります。

いまさら言うまでもありませんが、食べすぎは、肥満のほか糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)など、現代人に急増している生活習慣病の発症リスクを高めます。これらの症状は動脈硬化の引き金になるのはもちろん、症状を悪化させる重大な要因になります。これに高血圧が加わることで、動脈硬化の危険性が一段と高まるのは医学的な常識です。

減塩や摂取エネルギーのコントロールが血圧の上昇を防ぐキーワードであるなら、食事のバランスをとることは、逆の意味での積極策といえます。それというのも、高血圧にさらされた血管を守り、強化するには、必要な栄養素をバランスよくとることがなにより重要だからです。マイナスを減らしながら、プラス効果を強化すると考えます。そのためには、次のような点に配慮しましょう。

  • 良質のたんばく質(高たんばく低脂肪の食品)を過不足なくとる。
  • 野菜や果物、海藻類からビタミン、ミネラル、食物繊維を十分にとる。
  • 幅広い食品から抗酸化作用をもつ成分をとる

エネルギーの摂取量を減らして肥満を防ぎ、高血圧をはじめとする生活習慣病を予防・撃退する心得は非常に大切ですが、基本的にはバランスのとれた食事を、規則正しく、腹八分目に抑えてとることに尽きます。
ややこしい問題はひとつもありません。しかし、ある意味では、こうしたごくあたり前のことが、現代人にとっては極めて難しいことでもあります。仕事や家事に追われるうちに、食事の時間がずれ込んだり、1食抜いてしまったり、あるいはつき合いでアルコールを連日のように飲まなければならないことも多いでしょう。そんな中で、健康的な食習慣を維持しなければならないのですから、なるほど簡単なことではありません。まずは、ことの重要性をしっかり自覚することから始めたいものです。

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