若年者に多い目の不調は、眼精疲労です。特に仕事ではパソコンの使用が必須で、仕事以外でもスマホが手放せないなど目の疲労は増えることはあっても減ることはない状況です。また、中高年になると、白内障、緑内障、黄斑変性などが起こりやすくなります。「目のかすみ」といった症状があるときは、早めに医療機関で受診しましょう。
ぼんやりとかすんでしまう「白内障」
パソコンなどの機器を長時間使用することで、眼精疲労が生じやすくなります。また、画面を長時間見つめるためにまばたきの回数が減り、ドライアイを生じることもあります。
中高年以降では、白内障、緑内障、黄斑変性症などの目の病気が増えてきます。日本での白内障患者は1000万人と推計され、40歳代の30% は白内障と考えられています。白内障は、日の水晶体が濁る病気で、「目がかすむ、まぶしい」といった症状が現れます。緑内障は、眼球内の圧力によって視神経が障害され、視野の一部が欠ける病気です。
緑内障患者は250万人といわれています。
黄斑変性症は、網膜の「黄斑部」が変性する病気で、高齢者の視力障害の原因となります。網膜には、「視細胞」が存在し、光刺激のセンサーとして働いています。特に、黄斑部の周辺には、発達した視細胞が多く存在し、色の識別や解像度に優れた働きをしています。黄斑変性症は、日本を含めて、世界的に急増している病気の1つです。日本では、「滲出型加齢黄斑変性」が多く見られます。
一過性の眼精疲労やドライアイでは、OA 機器の使用を含めた生活習慣を見直しつつ、サプリメントの摂取も考慮します。ドライアイについては、特にマイボーム腺障害に対して、オメガ3 脂肪酸によって、涙液中の脂質を改善することで治療するという考えがあります。
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白内障は、加齢によって生じる病気で、紫外線の曝露や個人の体質による影響も考えられます。白内障は、黄斑変性症などと同じく活性酸素の関与があるため、抗酸化作用をもつサプリメントの効果が期待されています。
しかし、白内障の予防効果について、科学的根拠はまだ十分ではありません。進行した白内障では、濁った水晶体を除き、人工の眼内レンズを入れるという手術が一般的です。緑内障では、定期検診による早期発見が大切です。原因として、体質や加齢の他、ストレスも関係するという説もあります。ストレスは、眼圧を上げる要因となるからです。緑内障は、医薬品や手術によって眼圧を下げることが治療の基本です。また、「正常眼圧緑内障」といって、眼圧が正常でも生じる病気もあり、医療機関での検査と治療が大切です。なお、イチョウ葉エキスが正常眼圧緑内障を改善するという臨床試験が報告されています。緑内障についてはこちら。
黄斑変性症は、欧米で多く見られる疾患でしたが、近年、日本でも高齢者人口の増加や食生活の変化のために、患者数が増加しています。カロチノイド系ファイトケミカルには黄斑変性症を予防する効果があるため、緑黄色野菜などカロチノイドの豊富な食品を多く摂るようにしましょう。
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医療機関での治療法としては、レーザーを用いる「光凝固療法」や、外科的な手術法があります。なお、糖尿病性網膜症も増加しています。対策は、原因疾患である糖尿病の治療、つまり血糖の良好なコントロールです。
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目の疲れ・眼精疲労に効果のあるサプリメントはブルーベリー、ドライアイを緩和するのは、DHA、EPA、黄斑変性症に効果的なのは、ルテインです。