健康を考えたときに、食生活や運動、生活習慣を見直すのが一般的です。当然、大事な要素ですが、夜の健康づくりについて考える人が少ないのはどうしてでしょうか? 夜の睡眠は、健康維持にはとても重要なのです。
風邪をひいたり、調子がよくない、だるいときに、まず何を考えるでしょう? ほとんどの人が「 早く寝る 」という方法ではないでしょうか? 早く寝ることがどれだけ効果的であるかはみんなよくわかっているのです。頭で考えるよりも体が睡眠を要求しているのです。
では、睡眠が1日の疲労を癒し、明日への活力になっていることは、体はわかっているのに、行動は伴わないことが多いのはどうしてでしょうか?
生理学的にも睡眠の疲労効果は科学的に証明されています。また、人間の体は、病気に対して免疫力と快復力を備えています。そして重要なことは、この体がもつ自然の力は、夜眠っている間につくられるということです。病気の人が眠れない日が続くと、病状に変化はなくても回復が遅いことがわかっています。
健康を考えたときに「 睡眠 」は必要不可欠なのです。ところが健康の情報に、眠りのことを訴えている専門書などはあまり見かけません。もっと睡眠に関心を寄せるべきです。
個人差があって当然の睡眠時間
何時間眠るのが最適か? これについては、とても難しい問題で、個人差はもちろんありますが、現実的には 6~8 時間ぐらいが最適と言われています。ただ、無理にこの時間を満たそうとして不眠になってしまう人もいます。
歴史的人物のナポレオンは、3時間しな眠れなかったとも言い伝えられています。真偽はわかりませんが、短時間の睡眠でも元気に過ごしている人がたくさんにるのも事実です。
人間の睡眠は、個人差が大きく、その人が置かれている状況や立場、年齢などによっても違ってくるので、あまり気にする必要はありません。
短時間の睡眠でも昼間、正常に活動でき、支障をきたさないのであれば心配はいりません。
眠らないとどうなるのか?
徹夜をした経験は誰にもあると思いますが、かなりの疲労が蓄積し、ふらふらします。一晩徹夜をすれば、一晩が限界だな、と思うのが普通です。
第一夜は目覚めていることは、容易ですが、午前3時~6時ごろまでに強烈な睡魔がおそってきます。目のかゆみやなどの症状があらわれます。ところが、翌日に昼頃には、眠気は少なくなり、普段とそれほど変わらない生活ができます。
第二夜になると、第一夜と異なり、目覚めているのが困難になり、覚醒状態を保つために食べたり、しゃべったりという筋肉を動かしていないといられなくなります。目はかゆみだけでなく、乾いてまぶたを閉じないと乾燥がひどくなります。しきりにまばたきをしなければいられなくなります。
歩いたり、動いたりしても眠気が絶えずおそってきます。昼間でも腰をおろすと寝てしまいそうになります。
第三夜は、目覚めているのが一層困難になります。ギネスブックには10日以上、眠らなかった人がいますが、通常は、2日~3日が限界です。日本で行った実験では、4日が最高でした。
人間は、どのくらい眠らずに過ごせるのか?という答えは、せいぜい4日が限界です。そして最後には寝てしまうのが答えです。非常に単純明快な答えです。