免疫力の要腸の敵「下剤」

便秘外来をよく知らない人は、「便秘くらいで病院に行ってもいいのですか? 」とか、「どのくらいの症状で行ったらよいのですか? 」という質問を受けます。

その時の目安として、下剤依存になっている方すぐに受診すべきでしょう。

下剤依存というのは、市販の下剤の規定量を超えて常用しているケースです。例えば、規定の2錠、3錠などを守って服用し、排便を行っている方はまだ大丈夫です。

問題なのは、規定量では排便できず、1回に10錠、20 錠、そして50錠とどんどん量が増えていくケースです。こうなると腸は自力で排便できなくなっています。また下剤を多めに飲んで排便はあるものの下痢になることも増えるにもかかわらず、明日排便がなければどうしようという不安な気持ちから、下剤を多量に服用してしまうことが多いのです。

そうすると腸にとっては負のサイクルが出来上がってしまいます。市販の下剤はとても手軽で便利なものですが、下剤依存というリスクがあることは忘れてはいけません。

また下剤を使用し統けると、腸が弱って黒くなります。原因は市販の下剤に含まれている大腸を刺激する「アントラキノン系」下剤です。センナ、大黄、アロエなどを成分として含みます。

アントラキノン系の下剤は、即効性があるがゆえに、依存性もあわせ持っているのです。薬の使用で便を出すことはできますが、やがて便が出なくなると、また薬を使うしかなくなってしまうのです。そして薬を使い続けると、大腸の粘膜が色素沈着を起こす「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」の原因になります。

これは、腸壁が真っ黒になり、腸管の神経も影響を受け、やがて大腸が伸びたゴムのようになって、腸の機能が著しく低下してしまうのです。

便秘外来は下剤の量を減らすことが第一の目標です。もちろん便が毎日出ることも重要です。しかし、毎日出ることにこだわらず、根本的にその出し方を考えなければいけません。下剤の量が多い、という自覚のある方は、病院を受診することをおすすめします。

自宅や会社の近くに便秘外来があればいいのですが、ない場合は、近所の病院の消化器内科や胃腸科を受診します。また大腸・肛門科でも便秘の治療を行っているところがありますので、事前に調べてみてください。

安易な下剤の使用は、免疫力も低下させてしまう原因となります。腸の健康を考えた場合、腸が自分の力で出せるという自然な便通がとても大切です。