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怒りは自分の管を老けさせる

怒りは自分の管を老けさせる という情報についてです。
緊張すると、血圧が上がる(どきどきする)
緊張すると、下痢をしてしまう、または便秘になる

そんな経験、ありませんか?

怒りは自分の管を老けさせる

怒りは自分の管を老けさせる

どちらも、ストレスを受けた体が交感神経優位になって、腸と血管に困った状況をもたらすからです。自律神経という言葉は、もうすっかりおなじみですね。

いろいろな内臓の働きを調節してくれている神経です。自律神経のうち、興奮したときに優位に働くのが交感神経で、リラックスしたときに優位に働くのが副交感神経。この2つの神経のバランスが大事ということは、周知のとおりです。

まず、ストレスがかかると、交感神経が活発になります。そうすると、血管が収縮し、心臓が強く速く打つようになって血圧が上がります。

「白衣高血圧という言葉、聞いたことはありますか? これは白衣姿の医師や看護師の前ではちょっと緊張するため、ストレスで普段よりも血圧が上がるという現象です。
白衣性高血圧についてはこちら

また、ストレス状態に陥ると、体の中でストレスと闘うホルモンが分泌されるのですが、そのホルモンが血圧や血糖値を上げたり、血栓をできやすくしたり、活性酸素を発生させることも分かっています。

つまり、ストレスがかかると、心が疲れるだけではなく、血管や心臓にかかる負担も増ぇるのです。血管への負担は、動脈硬化を進行させる要因になります。では、ストレスを受けているときの腸はどうでしょう?

交感神経が興奮して血行が悪くなれば、腸の動きも悪くなり、消化・吸収能力も低くなり、便秘にもなりやすくなります。腸は、副交感神経が優位なリラックス状態のときのほうがスムーズに動くのです。

交感神経が優位のときには、末梢の血管はキュっと締まって、血行が悪くなり、腸の機能も落ちる。逆に、副交感神経が優位なときには、末梢の血管がしなやかに開いて、血行が良くなり、腸の機能も良くなる。ということです。

知識が怒りから解放してくれる 怒りは自分の管を老けさせる

ところで、ストレスには、心配事や悩み、緊張、怒りといった精神的なものだけではなく、睡眠不足や過労、激しい運動といった肉体的なものもあります。どちらも長く続くと、血管や腸に負担をかけることになります。

嫌なことがあってイライラしていると、
「そんなに怒ると血圧が上がりますよ」なんてなだめられること、ありますね。
「そんなこと言われても、腹が立つものは腹が立つじゃないか」
と、思うかもしれません。

でも、相手に怒っているはずなのに、じつは自分の管をどんどん傷つけているのです。自分の腸と血管を瞬く間に悪くさせていると思うと、馬鹿らしくなりませんか?

「(相手に) 怒ることで得られる利益」と、「怒らないことで腸と血管を傷つけないですむという利益」を天秤にかけたら、怒れなくなります。イライラッときたら、「あぶない、あぶない、管が傷つけられてしまう」と考えて、まずはゆっくりと呼吸をしましょう。

腹式呼吸でゆっくりと息を吐いているうちに、だんだんと落ち着いてくるものです。その知識が、あなたを怒りから解放してくれます。知識を持てば行動が変わり、行動が変われば、管が守られるのです。

生活習慣を変えることで血管のアンチエイジングを高める

anger(怒り)についてはこちら。

腸内フローラしだいで敵にも味方にもなる 「 レシチン 」

腸内フローラしだいで敵にも味方にもなる 「 レシチン 」 に関する情報です。腸と動脈硬化の関連でもう 1 つ、こんな興味深い話もあります。腸のコンディションしだいで、動脈硬化を防ぐ役割もすれぼ、動脈硬化を進める働きもしてしまうという栄養素も見つかっているのです。
ちなみに レシチン とは レシチンはフォスファチジルコリンとも呼ばれ、約 13 %のコリンを含むリン脂質(リンを含む脂質)の一種で、細胞膜の主成分です。 脳神経や神経組織を構成します。
レシチン などのリン脂質が不足すると、細胞膜が正常に働かなくなったり、コレステロールが蓄積することもあります。

腸内フローラしだいで敵にも味方にもなる 「 レシチン 」

腸内フローラしだいで敵にも味方にもなる 「 レシチン 」

それは、卵黄や大豆、牛乳、チーズ、牛肉などに多く含まれている 「 レシチン 」 という成分です。脂質の一種で、細胞膜を構成する主成分であり、細胞内に栄養を取り入れ、細胞の外に老廃物を出す働きもおこなっています。

さらに、水と油の両方の性質を併せ持っているという特性から、血液中のコレステロールを溶かして排泄するのを手助けし、細胞内や血液中のコレステロール値を調整してくれること、悪玉の LDL  コレステロールを減らして善玉の HDL  コレステロールを増やすことも報告されていて、動脈硬化を予防する効果も期待されています。

このように レシチン は血管にとって、かなりありがたい存在です。それだけに、サプリメントとしても売られています。

ところが、最近の研究で、このレシチンをもとに体内でつくられる、ある物質が血液中に多いと、動脈硬化が悪化し、心臓病になりやすいことがわかったのです。レシチンを腸内細菌が分解したときにできる TMA という物質が腸から吸収されて血流に乗って肝臓にいくと、そこで TMAO という物質に代わります。これが血液中に多いと、動脈硬化ができることが明らかになったのです。

レシチンは動脈硬化を防いでくれる正義の味方のはずなのに、レシチンをもとにできるTMAOは動脈硬化を促進させてしまう・・・
「一体どっちが正しいの? 」と思いますよね。そこでこんな研究が行われました。

まずは、マウスにレシチンがたっぷり入った食事を与えてみる。そうすると、血液中のTMAOが増えて、普通の食事を与えられたマウスに比べて明らかに動脈硬化が進んでいました。

ちなみに、血中のコレステロールや中性脂肪には影響はありませんでした。次に、抗生物質を投与して、腸内細菌を減らしてから、同じレシチンたっぷりの食事を与えたところ、血液中の TMAO は増えず、動脈硬化も悪化しなかったのです。この実験で分かることは、レシチンが悪いわけではなく、腸内細菌が TMAO につながる TMA をつくることが悪いということです。

レシチン には体にいい作用があることが分かっているのだから、控える必要はありません。ただ、腸内細菌にTMAをあまり作らせないようにすればいいのです。どの腸内細菌が TMAO を増やしているのかはまだ分かっていませんが、どうやら、 腸内フローラ のバランスが良ければ TMAO はあまり増えないのではないかと言われています。

この話のおもしろいのは、同じものを食べても 腸内フローラ の良し悪しによって、動脈硬化を予防するものにもなれば、動脈硬化を促進するものにもなるということです。

先はど、抗酸化作用のあるポリフェノールは、腸のコンディションしだいで栄養の吸収率が代わりの腸のコンディションが悪ければ吸収してくれないので、食べても意味がないことを紹介しました。

ところが、このレシチンの場合、腸内が悪ければ、血管に長いはずのものが逆に悪いものに変わってしまうのです。それだけは避けたいですね。また、マウスの研究では、レシチンをたくさん食べると、血中のコレステロール値は高くないのに動脈硬化は悪化しました。

一般的な動脈硬化は、まえにふれたとおり、血液中に余ったコレステロールが血管の内側に入り込んで酸化し、免疫細胞と攻防を繰り広げることからはじまります。でも、コレステロール値は高くないのに動脈硬化があるという方はたしかにいらっしゃいます。その背景には、じつは腸内細菌が関わっていた可能性があるというわけです。

無駄な脂肪を燃やし細胞を修復するレシチンが豊富で脂肪肝を予防

炎症を終わらせてくれる EPA DHA

炎症を終わらせてくれる EPA DHA についての情報です。動脈硬化の直接的なきっかけは、免疫細胞と酸化コレステロールの闘いという炎症反応です。

炎症を終わらせてくれる EPA DHA

炎症を終わらせてくれる EPA DHA

そして炎症が慢性的に続くことで、動脈硬化がさらに進行していきます。私たちの体の中にも、炎症を終わらせてくれる物質があることが分かってきました。その 1 つが、青魚に多く含まれることで有名な EPA ( エイコサペンタエン酸 ) と「 DHA ( ドコサヘキサエン酸 ) だったのです。

EPA については、炎症を抑える働きだけではなく、はかにも血管に良い作用を持っることがすでに分かっていました。体内に入った EPA は、血管の最も内側にあり、直接血液に触れている血管内皮細胞に取り込まれるのですが、EPAをとり込んだ血管内皮細胞は、さまざまな良い指令を出してくれます。

血圧の上昇を抑えて高血圧を予防したり、傷ついた血管の細胞の炎症を抑えて血栓ができないように働きかけたり、すでにできてしまった動脈硬化のコブを壊れにくい安定した状態にするように手助けしたりと、血管を健康な状態に導いてくれるのです。

こんな研究結果も出ています。1 万 8 千人強の高脂血症の方を対象に、日本で行われた大規模調査です。対象の方たちを 2 つのグループに分けて、一方のグループではコレステロールを下げる薬のみを服用してもらい、もう一方のグループでは同じ薬に加えて高濃度の EPA が入った薬も併用してもらったところ、コレステロールや中性脂肪の数値には明らかな違いはなかったにもかかわらず、EPA も一緒にとったグループのほうが心筋梗塞や狭心症、心臓突然死を起こした人の割合は低かったのです。

つまり、動脈硬化やその先に起こる心臓病を予防するには、コレステロール値や中性脂肪値をコントロールするだけではなく EPA を十分にとることが大事ということです。
血管のアンチエイジングには EPA が大事ということはよく言われている最近の常識です。

一方、DHA のほうは、脳の働きを良くするということで、認知症の予防・改善に効果があることは有名ですが、これまで「血管の健康にはあまり関係していないのでは」と考えられてきました。

ところが、最近になって、炎症を抑える働きが EPA 以上に強いことが分かってきて、注目されています。少し前まで、炎症がどうやっておさまっていくのかは、よく分かっていませんでした。蚊に刺されて赤く腫れ、かゆくてたまらなかった所も 1 日 2 日経てば、赤みもおさまり、かゆかったこともすっかり忘れていますね。

このように自然と治っている裏側では何が起こっているのか、ハッキリとは分かっていなかったのです。

ところが、最近の研究によって EPA と DHA が炎症を終わらせる物質(炎症終焉物質) を出していることが分かってきました。ですから EPA と DHA がリッチな状態をつくると、炎症が早く終わるようになります。「慢性的な血管の炎症」と言われる動脈硬化はもちろんのこと、皮膚の炎症である肌荒れにだって効果大です。

  • EPA と DHA には、炎症を終わらせる働きがある
  • EPA には、高血圧や血栓の予防、血管のコブを安定させる作用もある

魚の油に多く含まれる EPA や DHA が脂肪の代謝をよくして脂肪肝を予防してくれる