血管の老化を加速させてしまうリスクファクター5つについて

「動脈硬化」の恐ろしさをあらためて知るとやっぱり恐怖を感じます。動脈は、365日、24時間休まずに働いています。しかも、心臓からは1日約8トンもの血液が全身に送り出され、それが動脈を通過していくのです。ですから、動脈の血管が時間とともに少しずつ傷んでくるのは当然といえるのです。血管は、目に見えないだけにかりにくさも当然あります。

さらに、これから挙げるような病気や「リスクファクター( 危険因子)」がある場合は、動脈硬化がより速く進行していきます。

  1. 喫煙
  2. 高血圧
  3. 脂質代謝異常
  4. 高血糖
  5. 肥満(メタボリックシンドローム)

この危険因子は、そのまま心筋梗塞や脳卒中など、「血管事故」のリスクを表わすとさどういうことかというと、
『健康な人が血管事故を起こす危険度を1』とすると、『「喫煙」「高血圧」「高血糖」「脂質代謝異常」という危険因子が、ひとつ加わるごとに危険度が3倍以上になる』
というのです。

これは、名医の提唱する「3倍の法則」です。リスクがひとつだと3倍ですが、ふたつで9倍、3つになるとなんと27倍です。加速度的に増えていく危険度はおそろしいものがあります。血管へのダメージを少しでも減らし、動脈硬化のリスクを下げるためには、まずこれらの危険因子の改善から始めましょう。

4つの危険(喫煙、高血圧、高血糖、脂質異常症)がそろうと

  1. 1つの危険をもっていると!3倍の危険率
  2. 2つの危険をもっていると!9倍の危険率
  3. つの危険をもつていると!27倍の危険率
  4. 4 つの危険をもっていると!81倍の危険率

悪の絶対的工1ス「喫煙」

いうまでもないことですが、「喫煙」は血管を老化させてしまう大きな要因です。その弊害は大きく、危険リスクの第1位を陣取る「悪のセンター」と呼んでもいいくらいです。「喫煙は百害あって一利なし」は間違いありません。
タバコの煙には、ニコチン、タールなど有害物質が含まれていて、「血管事故」だけでなく発ガンリスクを高めることもよく知られています。こうした有害な物質が血管によい影響を与えるはずがありません。何より、ニコチンは「交感神経」を刺激して、心拍数の増加や末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる作用があります。血圧が上がると血管の内膜が傷つきやrlりすくなり、動脈硬化の進行を加速させます。
禁煙補助剤を上手に活用して今年こそ禁煙!

狭心症や心筋梗塞を発症するリスクは、タバコを吸う人と吸わない人では大きく異なります。タバコを吸っているだけで、男性は2.9倍、女性は33.1倍とリスクが跳ね上がるのですから、どれだけ悪影響を及ぼしているかがわかっていただけるのではないでしょうか。

ちなみに、1日に20本以上タバコを吸う人は、非喫煙者より心筋梗塞の死亡率が1.7倍になるというデータもあります。

血管だけではありません。喫煙は体内の「活性酸素」を増やし、全身の細胞を酸化させます。しかも、タバコの害は吸っているあなただけでなく、その煙を吸う家族にも影響します。家族とあなた自身の健康のために、今日から禁煙しましょう。

禁煙したくても禁煙できない

禁煙がどうしても出来ない人は「タバコを吸わないとイライラして、落ち着かない」と口を揃えます。。実は、これは無理もないことなのです。タバコに含まれるニコチンは、吸い続けているとやめられなくなる依存性の高い物質なのです。
タバコを吸わないでいるとイライラするのは、禁断症状のようなもの。タバコを吸わないと落ち着かない、イライラするというあなたは「ニコチン依存症」に陥っています。こうなると意志の力での禁煙は難しくなります。

そんなこともあり、現在は、一定の条件を満たせば健康保険を使って禁煙治療が受けられるようになっています。禁煙に何度も失敗しているという方は、お近くの禁煙外来を受診して、今度こそ禁煙を成功させましょう。
禁煙治療が受けられる医療機関は増えています。インターネットで「禁煙治療」と検索すれば、住んでいる地域で禁煙治療が受けられる医療機関を検索できたり、自分がニコチン依存ではないかをチェックしたりすることができるサイトが出てくるでしょう。「血管力」を高めるために不可欠な禁煙、ぜひチャレンジしてください。

うれしい興奮も危ない「「高血圧」

喫煙に続く危険因子は「高血圧」です。血圧が高いということは、血管の内壁に常に高い圧力がかかっていることになります。ちょうど水道水をより大量に送るために、ポンプの圧力を上げているのと同じような状態です。

高い圧力が常にかかっていると、血管の機能も低下し、その結果、動脈硬化の進行を招きます。また、ポンプの役割を担う心臓にも、負担が大きいのです。また、ずっと血圧が高い状態が続くのはもちろん、急激に上がったり下がったりするのも血管にダメージを与えてしまいます。これは血糖値も同じです。子どもをしかるときに、同じ調子でいつもしかっていると、慣れてしまってあまり効果がないのですが、ふだんやさしくしていて急に怒ったときの効果はてきめんです。血圧や血糖も同じで、乱高下することなく、ある程度の範囲内で変動していればおだやかな刺激となり、血管にはそれほど負担はかかりません。

これが興奮して血圧が一気に上がるなど、上下の変動が大きいときには血管に大きな負担がかかります。ストレスが血管によくないといわれるのは、過度なストレスが血圧を急上昇させるからです。ストレスはつらいことばかりではありません。過去に、宝くじが当たって、うれしすぎて心筋梗塞になったという方がいらっしやいました。

つらいことでも、うれしいことでも、刺激の強すぎる興奮はあまりよくないということですね。血圧を安定させるには、塩分を控えることが大切です。なかには、塩分を控えてもなかなか血圧が下がらないケースもありますので、血圧が高い方は一度、医療機関を受診されたほうが安心です。ちなみに、血圧は年をとるとだんだん上がってきます。これには、加齢によって「NO」の分泌や働きが落ちることも関係しています。

気になるコレステロール「脂質代謝異常」

忘れてならないのが、血液中の「脂質」です。血液中の脂質には「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」があります。一般的な健康診断ではこれらの脂質を調べます。一般的には、LDLコレステロールは血管の内膜に入り込んで酸化コレステロールとなり、動脈硬化の進行を促進するため「悪玉コレステロール」と呼ばれます。

これに対し、HDLL コレステロールは体内の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻すため、「善玉コレステロール」と呼ばれています。ですから、悪玉コレステロールであるLDLが高く、善玉コレステロールであるHDLが低い人は動脈硬化が進行しやすいとされています。

悪玉(LDL)と善玉(HDL)

このイメージが先行したことで、LDLコレステロールは体に有害なだけのものと決めつけられていますが、じつはそうではありません。肝臓から全身の細胞にコレステロールを運ぶという役割を担っています。細胞に運ばれたコレステロールは細胞膜やホルモンの原料になるという、大切な役割があります。

悪玉コレステロールは本当に悪者か?

誤解されている方が多いのですが、コレステロールそのものが悪者なわけではないのです。体内で代謝されたときに、どんな形になるかで悪玉か善玉かに分かれ、なかでも、LDLコレステロールは、悪玉に変化しやすいだけだということを、もっとみなさんに知っていただきたいのです。

安定したコレステロール値のために積極的に摂りたい5つの栄養素

たとえば、海外ではタクシーが危険な乗り物といわれることがありますが、すべてのタクシーが危険なわけではありませんね。ドライバーが悪人であれば危険なタクシーになりますが、善人のドライバーであればなんの心配もありません。

コレステロールは、運転するドライバーによって危険にも安全にもなるタクシーに似ています。代謝の過程でどんなタンパク一質と結びつくかで、悪玉、善玉、どちらになるかが左右されているのです。悪い人が運転するコレステロールをつくり出す環境を避けることが、コレステロールとうまくつきあっていくことがポイントとなります。

それには、悪い脂(飽和脂肪酸、リノール酸などのオメガ6系多価不飽和脂肪酸)の過剰摂取を避け、喫煙、塩分の過剰摂取、運動不足など、生活習慣の改善が不可欠です。コレステロールが高いと指摘されると、とにかくコレステロールが含まれている食べ物を避ける、という方がいらっしやいますが、コレステロールは食事で摂取する量よりも体内でつくられるほうが多くなっています。

全体的なカロリーの摂取量が多かったり、肉ばかり食べていたりするとLDLコレステロールがたくさんつくられてしまうので、食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎを避けて、肉よりも魚を食べるなど心がけましょう。
LDLコレステロールが血管をダメにする

「超悪玉」コレステロール″にかかわる「中性脂肪」

コレステロールだけではありません。「中性脂肪」にも注意です。

これまでは中性脂肪が高くても動脈椎化にはそれほど関係ないと考えられてきましたが、最近、血液中の中性脂肪が多いと、「超悪玉」と呼ばれる酸化しやすい、小型のLDLコレステロールがつくられやすいことがわかっています。
超悪玉コレステロールは動脈硬化を早く進行させるので、中性脂肪の数値にも気をつけたほうがよいといわれるようになっています。中性脂肪は食べ方に気をつけて適度に運動をすれば、比較的下がりやすくなっています。

ストレスがたまると中性脂肪とコレステロールが増えるなども現代人は注意しなければいけません。
特に働き盛りの40代男性はこういったことも気にかけるようにしないといけません。

脂質代謝異常の判断の目安

  • LDLコレステロール 140mg/dl以上→高LDLコレステロール血症
  • HDLコレステロール 40mg/dl未満→低LDLコレステロール血症
  • 中性脂肪 150mg/dl以上→高トリグリセライド血症
  • いずれかに該当→脂質異常症

老化の原因は「糖化」にある?「高血糖」

「血糖値」とは、血液中に含まれるブドウ糖の量です。食事で摂取した炭水化物が消化・分解されるとブドウ糖になります。ブドウ糖は脳や体温の維持、体を動かすなど私たちが生命活動を維持するためのエネルギー源となります。

血液中のブドウ糖が不足すると、エネルギー不足となってしまいます。そんなことにならないよう、私たちの体は血液中のブドウ糖を空腹時でも70~100mg/dlくらいに保つようコントロールしています。

食事をしたあとの血糖値は一時的に高くなりますが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きで、食後1~2時間で元の数値に戻るようになっています。しかし、暴飲暴食を続けていると、インスリンの効きが悪くなったり、分泌量が低下したりして、血糖値が下がりにくくなってきます。

これが進行すると、常に「高血糖」状態が続くようになって、糖尿病を発症します。この「高血糖」状態も血管にダメージを与えます。「糖化反応(メイラード反応)」という言葉を聞いたことはありませんか?

糖がタンパク質と反応したときにできる「AGE(終末糖化産物)」という物質が老化を招くと、テレビなどでとりざたされたこともあるので、耳にされた人もいらっしやるのではないでしょうか。
食品中のAGEも糖尿病の合併症を進行させる

テレビなどでは、食品を加熱したときにタンパク質が焦げて発生するAGEばかり取り上げていますが、血管をサビさせるのはそうしたAGEを多く含む食べ物ではありません。

むしろ、血液の高血糖状態こそが血管を老化させる原因です。血管を構成しているのはタンパク質(アミノ酸)です。血管壁のタンパク質に血液中のブドウ糖が結びついて糖化することで、血管の内皮細胞が障害されます。また、LDLコレステロールも酸化して変性しやすく、動脈硬化を進めてしまいます。

LDLコレステロールが血管をダメにする

食事に含まれる糖質やタンパク質からつくられるAG Eよりも、高血糖状態が続き、自分自身の細胞を糖化させてしまうほうが大問題なのです。糖尿病の人に動脈硬化が進行しやすいという研究結果はいくつもありますから、高血糖状態がいかに血管に負担をかけるかということがわかります。

血糖値を急上昇させない「食べ方のコツ」

血糖値の急上昇を防ぐには、野菜から食べて、最後にごはんを食べるという食べる順番を変える食事方法が有効です。同じものを食べても血糖値の上昇がゆるやかなので、血管への負担を避けることができます。
もちろん、野菜でお腹が満たされたなら、最後のごはんを少なめにすることが大切です。食事のときは、野菜から食べて血糖値を上げすぎない食べ方を心がけましょう。

糖尿病の判断の目安

  • 血糖値(早朝空腹時)126mg/dl以上は「糖尿病型」
  • ヘモグロビンA1Cが6.5以上は「糖尿病型」

2つが当てはまると「糖尿病」
糖尿病についてはこちら。

お腹ぽっこりのメタボ

  • 高血圧
  • 喫煙
  • 高血糖
  • 脂質代謝異常

に付け加えたいのが「メタボリックシンドローム」です。肥満といっても判断基準は体重ではありません。要注意なのは内臓周辺に脂肪がついた、「内臓脂肪型肥満」です。

内臓脂肪がつくと、糖質、脂質などを体内で利用するための代謝機能に異常が生じ、高血糖、高血圧、脂質代謝異常などを引き起こして動脈硬化を進行させてしまいます。高血圧、糖尿病、脂質異常症と診断されるほど数値が高くない人でも、これらを複数あわせ持つと「血管事故」のリスクが非常に高くなります。

内臓脂肪を減らすエノキ生姜茶「 えのき美人茶」の効果と使用感

これは先ほど紹介した「3倍の法則」と同じです。この複数の危険因子をあわせ持った状態が、いわゆる「メタポリックシンドローム」と呼ばれます。メタポリックシンドロームを指摘されているあなたの血管はとても危険な状態です。

いますぐ生活習慣を見直すことをおすすめします。なお、メタポリックシンドロームの診断は腹囲(お腹まわり)だけと勘違いされている方がいらっしやいますが、腹囲がクリアしていても、血圧、血糖値、中性脂肪が高いのはいい状態ではありません。腹囲だけを見て安心しないようにしましょう。

血管壁にダメージを与える悪しき生活習慣を取り除いて、「血管へのリスクを軽減または予防することができれば、ダメージを受けていた血管内皮細胞が回復して、本来持っている機能を取り戻すことができます。

メタボリックシンドローム判定の目安

内蔵脂肪蓄積の指標として、へその高さで測った腹囲が

  • 男性(85cm以上)
  • 女性(90cm以上)

これに加えて以下の項目1~3のうち2つ以上があてはまればメタボリックシンドロームと判断されます。

  1. 血圧(上が130mmhg以上または下が85mmhg以上)
  2. 空腹時血糖値(150mg/dl以上)
  3. 中性脂肪(150mg/dl以上またはHDLコレステロールが40mg/dl以上)

血管の老化を加速させてしまうリスクファクター5つについて」への1件のフィードバック

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