NOをたっぷり効率よく分泌させる3つの方法

NO=一酸化窒素のすばらしさを知るとどうすればくさん出すことができるのか、具体的な実践方法が知りたくなります。

「NO力」を高めるために必要なこと-それは、ズバリ「血流をよくすること」です。「NO」がパンパン出る→血管が拡張し血流がよくなるというわけですから、その逆もしかり。血流をよくする→「NO」がパンパン出るのです。
これから「N O力」を高める3つの方法をご紹介します。即、実践あるのみです。

動脈を刺激する「NO体操」

「血流をよくする」というと、もんだりさすったりするマッサージを思い浮かべる人も多いことでしょう。確かに、リンパや静脈はもんだりマッサージしたりすることで流れがよくなりますが、動脈を拡張させて血液循環をよくするには、「有酸素運動」による筋肉の収縮がより効果的です。

ウォーキングなどの「有酸素運動」は、動脈にとっては、やさしくもみほぐしてくれる「リラックスマッサージ″」のようなものです。反対に、短時間で一気に筋肉に負担をかける「無酸素運動」は力まかせにギュウギュウと押しっける「暴力的なマッサージ」のようなもので、血管にはむしろ負担がかかります。「NO力」を高めるにはおすすめできません。「有酸素運動」によって筋肉を動かすと、酸素や栄養が消費されます。

体はそれらを補うため、心拍数を増やしてより多くの血液を全身の細胞に送りだします。このとき、筋肉からは「ブラジキニン」という物質が放出されていますが、これが「血管内皮細胞」を活性化させて、「NO」の分泌を促します。
ブラジキニンには、筋肉に存在する「グルット4 (糖輸送担体)」という物質を細胞膜に移動する作用もあります。グルツト4 には血液中のブドウ糖を細胞内に取り込みやすくして、運動などで必要とされるエネルギーがスムーズにつくられるよう促して、高血糖状態を改善する働きがあります。

ある研究によると、座っている時間が長い人ほど心臓の病気が多いというデータがあります。この′背景には、有酸素運動の不足による「NO力」の低下があるのかもしれません。ここからは、「NO力」を高める有酸素運動「NO体操」を行うことで回避できます。

NO体操その1「歩くことは血管再生の薬」

有酸素運動の代表といえば「ウォーキング」です。健康のためには歩きましょうとよくいわれますが、「NO力」アップにも役立ちます。そして、歩くときにちょっとした工夫をすると、その効果をさらに高めることができます。

まず、お腹と背中をくつつけるようなイメージで下腹をぐっと凹ませます。そのまま背スジを伸ばした状態で歩きます。これは「ドローイン」というトレーニング法で、お腹を凹ますだけで、体の奥にある筋肉(インナーマッスル)を鍛えることができます。インナーマッスルを鍛えると、姿勢がよくなり、胃や腸など内臓の機能を助けることにもつながります。

通勤電車でこの「ドローイン」を意識して立つだけでも、体にとってはちょうどよい「有酸素運動」になります。ドローインの姿勢のまま歩くと、さらにその効果はアップします。歩くときには、いつもより「少し早め」に、「歩幅は5 cmほど広く」を心がけるといいでしょう。
ちょっとした移動時間に効率のよい有酸素運動を取り入れることができます。ただし、ひざの痛みなどがある方は無理しないようにしましょう。歩幅を小さめにして歩くか、痛みが強い場合には、ウォーキングではなく、これから紹介する「ふくらはぎ体操」や「手クロス体操」など、ひざに負担のかからない体操を行なうようにしてください。

NOウォーキングのやり方
  1. お腹と背中をくっつけるようなイメージで下腹部を凹ませる。
  2. 1の姿勢を意識したまま、いつもより少し早足で、歩幅は5センチ多くとるようにして歩く。

NO体操その2 下半身の大渋滞であるむくみも解消できる「ふくらはぎ体操」

「ウォーキングをする時間がない」「ひざが痛くて歩けない…」という方には、より手軽にできる「ふくらはぎ体操」がおすすめです。

ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど、血液循環に関係しています。心臓は全身に血液を循環させるために新しい血液を送り出します。ただ、体の末端、とくに心臓より遠く離れ、低い位置にある足の血液を心臓に戻すのはなかなか大変です。
そのためふくらはぎの筋肉が収縮することでポンプのような役割を果たし、下半身の動脈や静脈の血流をよくするのです。しかし、運動不足の現代人は、足を動かす機会が減っているため、この循環が滞っていることが多いのです。

そこで、この「ふくらはぎ体操」の出番です。ふくらはぎの血液循環がよくなつて「血管内皮細胞」が刺激されると、「NO」の分泌が確実に促されます。実際にこのふくらはぎ体操を実践していただいたところ、たった4 日間で「NO」の量が増えていました。

立ったまま「ふくらはぎ体操」のやり方
  1. 足を軽く開き、デスクやイスなどに片手を置いて、体を安定させる。
  2. ゆっくりとかかとを上げて、つま先で立つ。ひざを曲げないよう注意する。
  3. ゆっくりとかかとをおろし、つま先をゆっくり上げてかかとで立つ。
  • 1~3を2分間繰り返す。
  • 朝・昼・夜に1 セットずつ、1日3回行なう
座ったまま「ふくらはぎ体操」のやり方
  1. ひざをまっすぐ伸ばして座り、両手で上半身を支える。
  2. つま先を体から遠ざけるようにゆっくりと足首を倒し、足の前側を伸ばす。
  3. つま先を元に戻すようにゆっくりと体に引き寄せるようにして、ふくらはぎなど足の裏側を伸ばす。
  • 1~3を2分間繰り返す。
  • 朝・昼・夜に1セットずつ、1日3回行なう。

「ふくらはぎ体操」は、いつでも、どこでもできる体操です。できれば、朝・昼・夜にそれぞれ1セットずつ、1日3回行なってください。立って行なうふくらはぎ体操は、食器を洗いながら、歯みがきをしながらでもできます。座って行なうふくらはぎ体操は、入浴時に浴槽の中でやってもいいでしょう。足の疲れやむくみの解消にもなりますので、ぜひお試しください。

NO体操その3「上半身のコリもほぐす「手クロス体操」」

「座っている時間が長い人」ほど、動脈硬化のリスクが高いといわれています。仕事中は座りっぱなしであまり体を動かす機会がないという人は、仕事の合間などに前項の「ふくらはぎ体操」にプラスして、この「手クロス体操」を取り入はかどれましょう。

気分転換にもなり、仕事も捗ります。血流を一時的に止め、その後流すことで血管を収縮・拡張させるこの体操は、上半身の血流改善に効果的で、肩こりの改善にもつながります。下半身の筋肉を動かす「ふくらはぎ体操」と合わせて毎日行なえば、全身の血流がよくなり、「血管内皮細胞」が刺激されて「NO力」がさらにアップします。

手クロス体操のやり方
  1. イスに深く腰かけ、へその下に力を入れて上半身を安定させる。
  2. こぶしをぎゅっと強く握り、両腕を抱え込むようにして胸の前で15秒間クロスさせる。
  3. 握った手を大きくぱっと開きながら、両腕を開放するように大きく広げる。

ポイント

  • キャスターつきのイスで行なう場合は、転ばないように注意する。
  • 朝・昼・夜に1セットずつ、1日3回行なう。

「締めて→ゆるめる」だけで血流量が増す、人体の法則

血管も、「NO」も目に見えるものではありません。本当に「NO」は出ているの? 効果はあるの? など最初は半信半疑の方もいるでしょう。実は、「NO」がたくさん出ているときに特有の「サイン」があります。それは、みなさん誰でも一度は感じたことのある、あの、「おなじみの痛み」なのです。

それは何かというとー。たとえば、正座をしたあとで立ち上がったときに、足がジーンとしびれたことはないでしょうか?または、雪合戦をしていて、雪を握っていた手があとになってジンジンしませんでしたか?そう、この「ジーン」もしくは「ジンジン」が「NO」がパンパン出ているサインなのです。

正座をしているときには、体重がふくらはぎにかかっているので血行がふだんよりも滞っています。そのため、立ち上がったときに、一気に血管が開放されて血液がどっと流れ、「血管内皮細胞」が刺激されて、「NO」の分泌が促されます。雪に触ったときも同様です。冷たさから手の血管が収縮して血流が極端に減りますが、その後暖かい部屋に戻ると手先の血管が開いて血流が流れはじめ、「NO」が増加して血流が増すのです。

私たちの体は、体温が上がりすぎず、下がりすぎないよう、一定に保たれるようになっています。そして、それをコントロールしているのが主に自律神経による血管の収縮と拡張なのです。
外気温が低いときには血管を収縮させて体表の血流量を減らし、体温を下げないようにし、外気温が高いときには血管を拡張して体温が上がりすぎないように血流量を増やしています。
この血管の収縮・拡張によって「NO」がパンパン出てきます。
このように、血管が拡張して一気に血流がよくなりジンジンしているときは、「血管内皮細胞」からの「NO」の分泌が増えています。増加した「NO」はさらに血管を開き、血流を促進します。

血液循環がよくなったことで与えられる「血管内皮細胞」への刺激は、血液による内側からの「血管マッサージ」のようなものです。さらに、血流がよくなることで酸素や栄養、老廃物の運搬が促されて全身の組織が浄化されます。「NO力」ひいては「血管力」を高めるわかりやすく、手軽な方法1 血液循環をよくして血管をジンジンさせるよ「血管マッサージ」をご紹介します。

血管マッサージその1「シンプルだけど、即効果「1分間正座」

いつでもできるもっとも簡単な「ジンジン」は、そう、「正座」です。長い間正座する必要はありません。むしろ、あまり長時間正座をしていると、ふくらはぎの血行が滞ってしまいます。足がしびれて立てなくなるほど座らなくてもいいのです。せいぜい1分程度、立ったときに足がジンジンするくらいの正座がおすすめです。

1分間正座のやり方
1分間正座したあと、足を伸ばしてリラックスする。
ポイント
1分間の正座で足がジンジンしない場合は、正座をしている時間をもう少し長くするとよい。

血管マッサージその2「意外!血圧を測りながら「NO力」もアップ

一般的には、血圧を何回も測るのはよくないとされています。ただ、「NO力」という点からみると、血圧を何回も測っている人のほうが「NO」は出ていると考えていいでしょう。

血圧を測るときには、腕の付け根のあたり(心臓と同じ高さ) に駆血帯というベルトを巻きます。血圧測定は、駆血帯をギエツと締めつけて腕の動脈の血流を一度止め、そこから徐々に駆血帯をゆるめて血流を再開させながら行ないます。

つまり、血圧測定は、血管の収縮・拡張を繰り返す、とてもお手軽に血管をジンジンさせる方法なのです。血圧を測れば測るほどジンジンして、「NO」がドドン出るようになるでしょう。

「えー、本当なの?と思われるかも知れませんが、アメリカの研究では、心筋梗塞の人を救急車で運ぶ際には、血圧を測る駆血帯をギューッと締めつけて開放する、締めつけて開放することを繰り返す処置を行なうと、予後がいいという報告もあります。

このことからも血圧測定は「NO」分泌を促すおすすめの方法といえます。血圧を毎日測定するだけで、高めだった血圧が次第に下がってくるという「医学都市伝説」があります。しかし、血圧測定時に行なう血管の締めつけと開放が、その都度「NO」を分泌する刺激になることを考えると、この現象は医学的に根拠のあるものと考えられます。

「体を温める」と血管も健康になる

有酸素運動や血管をジンジンさせること以外にも、血液循環をよくするものはあります。とくに、「冷え性の改善」によいといわれるものは、ほとんどが血管を拡張させるので、「NO力」アップにも効果的なものばかりです。
「冷え性の改善に効く」といわれると、最近では「しょうが」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。これは間違いありません。しょうがは、手足の冷えにも効くのでおすすめです。しょうが含まれている辛み成分(ジンゲロール・ショウガオールなど) には、血管を拡張させて血液循環をよくする作用があります。体を温めるのはもちろん、「NO」の分泌も促します。とうがらしに含まれているカブサイシンという辛み成分にも、しょうが同じような作用があります。
生姜の冷え取り力の実力はこちら。

生姜もとうがらしも香辛科なので、一度にたくさん食べるものではありません。料理の薬味として活用しましょう。しょうが、とうがらし以外にも、冷え性によい、体を温める食べ物は「NO」を出す食べ物といっていいでしょう。
適量のアルコールも血液循環をよくするので、「NO力」アップにおすすめです。ただし、飲みすぎは厳禁です。食べ物以外にも、冷え性も改善しっつ「NO力」アップを図る方法をご紹介します。

突然死のリスクをカット、NO力アップ「賢い入浴法」

全身の血流がよくなる「半身浴」も「NO力」アップにつながります。

ただ、血管に負担がかからない入浴法を心がけましょう。高齢の方やふだんから血圧が高めの方はとくに注意が必要です。熱めの湯(42~43度くらい)につかった場合、末梢血管が収縮して血圧が上昇する「驚愕反応」が引き金となって脳卒中や心筋梗塞を発症することがあり、そのうちの1割がそのまま亡くなるという調査報告もあります。

また、ぬるめの湯に長時間つかっていてそのまま眠ってしまったなんて経験がある人もいるかもしれません。長湯をしすぎると、血管の過度な拡張と発汗による脱水によって収縮期血圧(上の血圧)が110mmHG以下まで下がり、脳に送られる血流が減少して意識を失ってしまうこともあるので、入浴時間はほどほどにしましょう。

38度くらいのぬるめの湯に、みぞおちから下のあたりまでつかり、15~20分程度入浴する「半身浴」がおすすめです。湯につかりながら両足首を曲げたり伸ばしたりすれば「NO力」倍増です。冬場に入浴するときには、浴室と脱衣所の室温差に気をつけてください。

寒いところから急に熱い湯に入ると、血管が一気に収縮して血圧が急上昇してしまいます。心臓や血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことがあります。脱衣所に暖房機を設置して暖めておく、洗い場に湯を流して冷たいタイルを温めておくなどすると心筋梗塞や脳卒中の予防になります。入浴後は水分を補給して脱水を予防しましょう。入浴や運動などで汗をたくさんかいたあとは、血圧が下がって脳の血液循環が低下して立ちくらみを起こしたり、血液が水分不足で固まりやすい状態になったりするので、これらの予防のために、入浴前後には水分補給を忘れないようにしましょう。

半身浴は血管の詰まりに効果大

気分もスッキリ!「副交感神経」をONにする

末梢の細い動脈は「自律神経」の影響を受けているので、ストレスを感じたり、あるいはリラックスしたりといった気分の変化が血液循環を左右します。基本的に、ストレスを感じたときは、「交感神経」が緊張して、心臓はドキドキと動きを強めて全身に血液を送り出します。

ところが、末梢の動脈は交感神経の緊張によってギュッと締まるので、手足の先は一時的に血流が減少します。ちなみにこのときは血圧が高くなります。逆に、リラックスしているときには、「副交感神経」が優位になり、心臓の動きは穏やかになります。末梢の血管は緊張が解けて、しなやかにひろがり、手足の血流は増加します。このとき、血圧は低くなるのです。

常にストレスを感じて「交感神経」の緊張が続くと、血圧の高い状態がずっと続くことになり、血管に負担がかかり、傷つきやすくなります。少しだけドキッとして、すぐにほっとするようなサプライズのドキドキ感が、末梢の血管の収縮とそれに続く拡張を引き起こし、一気に増加した血流によって内皮細胞が刺激され、「NO」が分泌します。このように、適度なドキド辛が「NO力」アップに役立ちます。一瞬、顔の血の気がひき、その後すぐに赤みが増すような、胸をキュンキュンさせるときめきをたくさん体験すれば、それだけ「NO力」も高まります。アイドルの追っかけや、趣味に没頭しているときのときめきに近いでしょうか。

失恋のようにずっと落ち込むドキドキは、「交感神経」がずっと刺激されっばなしになるので「NO力」は低下してしまいます。かつ最近、泣ける映画などを観てポロポロと涙をこぼす「涙活」が話題になりました。これは、気持ちはすっきりするけれど、高まった「交感神経」の緊張をほぐすまではいきません。

「副交感神経」のスイッチをオンにして「NO力」を高めるには、オイオイと大きな声を出してポロボロ涙を流す「大泣き」のほうが適しています。ひと昔前の青春ドラマに、砂浜を泣きながら走るというシーンがありました。
実はこれが高まった交感神経をしずめ、副交感神経を優位にするためのもっとも効果的な方法です。砂浜を泣きながら走り、海に向かって思いのたけをぶつければ、気持ちがスッキリして自律神経も安定すること請け合いです。

そんなに都合よく、泣きながら走れる砂浜が近くにない人のために、自宅でおすすめのリラックス法が2つあります。ひとつめは、「腹式呼吸」です。ストレスを感じているときには、交感神経の働きが活発になって呼吸は浅く、回数が多くなり、このことがまた不安感につながって悪循環に陥ってしまいがちです。そんなときにはゆったりとした深呼吸をすると副交感神経の働きが高まってリラックスできるのです。

2つめが「筋デレ運動」です。不安や心の緊張があると体の筋肉も硬くなってしまいます。そんなときには、わざと筋肉を緊張させてから一気に脱力することによって神経の緊張、すなわち心の緊張がとれるのです。脱力したときに、手足がジンジンと温かくなる感じがするはずです。このときには、手足の血流が増加し、「NO」が分泌されているので「血管力」アップにはとても効果的なリラックス法といえます。

リラックス腹式呼吸のやり方
  1. 椅子に背筋をのばして座る
  2. へその下に両手を当ててお腹を凹ませながら口をすぼめて息を6秒かけてゆっくhリ吐き出す。
  3. 1~2秒息を止めて、今度はお腹を膨らませてから3秒かけて鼻からゆっくり吸い込む。

1~3を3回繰り返す。息を吐きながら体を前に倒し、息を吸い込みながら体を起こす動作を加えると尚いい。

筋デレ運動のやり方
  1. イスに座り両手を胸前で合わせる。
  2. 互いに手のひらを押し合う。このとき両膝も同じように押し合う。
  3. 10秒間両手、両膝を押し合ったら、今度は一気に脱力する。

1~3を3回繰り返す。呼吸は止めないようにする。