血管の若返り「血管を押し広げ血流を改善する“NO”」

血管は肌と同じ、潤いが大事

年齢の割に若いとか意外に年齢がいっているんだなあと感じるのはやっぱり見た目の「肌」によるところが大きいのは皆さんも感じているはずです。そうです!「血管」と「肌」は、とても似ています。私たちの体を覆う皮膚の表面には、肌の水分を保持したり、外部から異物が侵入するのを防ぐ役目があります。

それが「皮膚のバリア機能」です。それと同じく、血管の内壁(つまり流れる血液に触れる面)も「血管内皮細胞」という薄い細胞の層によってピッシリ覆われています。「血管内皮細胞」は、「皮膚表面」と同じように、血管を守る「バリア」としての役割をもっています。

「NO=一酸化窒素)」は、動脈内のこの血管内皮細胞から分泌されているのです。ちょうど、「肌」から「皮脂」がきちんと分泌されているとしなやかで潤った美肌を維持できるように、「血管内皮細胞」から「NO」がきちんと分泌されていると、しなやかで詰まりにくい血管を保つことができるのです。

肌の老化は「見た目」に影響するだけですが、血管の度を超えた老化は、突然死、寝たきり、認知症など重大な結果を招きます。弾力のあるしなやかな血管を維持していくために、さらに「血管内皮細胞」が重要なポイントになります。

“NO”の発見は偉大

「血管内皮細胞」は血管にとって、とても大切なものです。血液が血管外に漏れ出さないようにしているだけでなく、血圧をコントロールしたり、血管についた傷の修復を促したりする機能も備わっています。それらを主に担っているのが「NO(一酸化窒素)」です。

「NO」は必要に応じて「血管内皮細胞」から分泌され、血流をよくしたり、しなやかで弾力のある血管を維持するために働いています。動脈硬化や高血圧の予防などにも役立ちます。ところで、そんな大事なものがどうしてまだよく知られていないのか、不思議に思われるかもしれません。

その理由は簡単。「NO」が体内でさまざまな生理機能を担っていることがわかったのは1980年代と比較的最近のことだからです。世界的にも権威のある学術雑誌「サイエンス」で取り上げられて注目を集めたのが1992年ですから、20年ほど前のことです。

「NO」が血管の筋肉を弛緩させて血管を拡張し、血液を流れやすくしているなどの生理機能を発見した、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校のルイス・イグナ口数授は、1 998年にはノーベル医学・生理学賞を受賞しています。
ノーベル賞を受賞するくらい、画期的な発見だったわけです。この研究がきっかけになり、心筋梗塞、脳卒中など血管の病気の改善に「NO」が効果をもたらすとして、さらなる研究が進められています。

血圧の安定

「NO」のもっともわかりやすい働きは、「動脈を拡張させて」「血液の流れをよくし」「血圧を安定させる」ことです。

  1. 血管が広がる
  2. 血流がよくなる
  3. 血圧が安定する

です。

逆に考えれば、「血流が悪い人」「血圧が高い人」は「NO]が不足している人とも言えるのです。

高血圧が続くと血管に負担がかかります。「NO」がちょうどよく出て、低すぎず、高すぎない血圧を保っている状態が理想的です。ちなみに、心臓病の治療に用いられる「ニトログリセリン」は、体内で分解されると「NO」を放出します。これが収縮した心臓の冠動脈を広げ、症状を和らげるのです。

動脈硬化の予防

最近では、「血管内皮細胞の衰えが動脈硬化の始まり」と考えられるようになっています。血管内皮細胞の機能は、血管の健康維持の鍵です。生理的な加齢に加え、種々の悪しき生活習慣や生活習慣病によって血管内皮細胞が障害を受けると、「NO」の分泌が少なくなります。「NO」の分泌量が減れば、ますます血管内皮細胞の障害が進んで、動脈硬化が促進されるという悪循環に陥ってしまいます。
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傷ついた血管を修復

「NO」の大切な役割がもうひとつあります。血管保護作用です。血管内の炎症やプラークという「コブ」を修復し、動脈硬化の進行を抑えます。また、血小板が凝集して血栓(血のかたまり)ができるのを防ぎ、血管が詰まる原因を取り除きます。「NO」は、「メンテナンス係」として、血管を守るため日々働いているのです。脅すわけではありませんが、「NO」の分泌量が低下すると、血管はお手入れされないまま、「荒れ放題」 になってしまいます。

NOを多く分泌できる人の特徴

「NO」をたくさん出すにはどうすればいいのか、というになりますこういった場合、注目は聞かれるのは、「何を食べればいいのだろうか? 」ということです。「NO」は、アルギニンと酵素から合成されます。「アルギニン」はアミノ酸の一種で、脂肪の燃焼を促進したり、血管状態を改善する栄養素として知られています。肉類に多く含まれます。「酵素」は体内の代謝を助ける物質で、さまざまな種類があり、体内でも合成されます。

「そうか、肉を食べればいいのか! 」と思った方、残念ながらそれは違います。アルギニンを多く含んでいる食べ物をとったからといって、「NO」が増えるわけではありません。アメリカでは「NO」を出すサプリメントも販売されていますが、材料を食べればたちまちその物質が体内でもつくられる!
そんなに人の体は単純ではないのです。

巷にはさまざまな健康法があふれていますが、その真偽を見極める力も必要です。医学的に根拠が認められた方法に限ってご紹介していきます。ちなみに、食べ物でいうと、青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は、「血管内皮細胞」の機能を高めて「NO」の分泌を促すことがわかっています。
マンボウの肝油 が特におすすめです。

食生活や生活習慣を見直すことはもちろん大切ですが、「NO」の分泌を促す、もっとも直接的で効果的な方法は、「血行を促進すること」です。「NO」は日常生活のちょっとした工夫と生活習慣の改善ですぐにたくさん出るようになります。