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「肺ガン」高齢者、早期がんに即効のレーザー新療法

肺がんの現状

  1. 肺がんは男女とも胃がんの次に死亡者が多く、近い将来がん死亡数の1位になるかもしれない。
  2. 肺がん死亡者は、男性が女性の3倍程度。
  3. 肺のなかでは、気管支が細かく枝分かれしているが、このうち比較的太い気管支までに発ぶ生したものを肺門部肺がん、肺の末梢にできたものを肺野部肺がんと呼ぶ。
  4. 肺門部肺がんは、せき、たん、血たんが初期症状。
  5. 肺野部肺がんはレントゲン撮影で発見されやすいが、自覚症状はほとんどない。
  6. がんのうち契煙ともっとも関係が深いとみられるのは、扁平上皮ガンと呼ばれる種類のもの。肺門部に多い。
  7. 治せるポイントは、早期発見とがんの種類、発生場所である。
  8. 早期発見されたものでは、治癒率は80%をこえている。
  9. 手術は、がんの部位の肺葉を切除するのがおもな方法である。
  10. がんの種類によっては進行が遅いものがあり、治療後5年を経過しても定期検診を怠らないことが大事。

肺がんについて

肺がんによる死亡者は、すべてのがん死亡者のうち、男性で20%、女性で12%をしめる。その数はここ10年ほど毎年2000人ずつ増加しており、がん死亡の1位を占める。末期まで含めた治癒率は10%にすぎないが、早期であれば80%以上が手術で命をとりとめている。

ガンが起こる部位

肺のなかには空気が出入りする気道が木の枝のように走っている。その気道は、気管→主気管→葉気管支→区域気管支とと、20回ほど枝分かれをし、終点の「肺胞」に達してはいせついる。
肺胞は、血液に酸素を供給し二酸化炭素(炭酸ガス)の排泄をおこなう「ガス交換器」で、約2億もある。比較的太い区域気管支までの間にできるがんを「肺門部肺がん」と呼び、それより末梢にできるがんを「肺野部肺がん」と呼んでいる。

肺がんにかかりやすい人

肺がんの重要な危険因子は、喫煙です。日本では、紙巻タバコの消費量の増加に平行して、肺がん死亡数も急増しています。1日20本の煙草を吸う人は、吸わない人に比べて肺がんになる率は、4.7倍も高い。

当然のことだが、契煙本数が多く、また吸い始めてからの年数が長いほど、肺がんになる危険率は高くなる。しかし、喫煙を中止すると肺がんになる危険度は年ごとに低くなり、総喫煙本数(1日の喫煙本数×契煙日数) が19万本以下の場合、その低下は著しい。

また、同じ肺がんでも、「扁平上皮がん」という種類のものが、契煙と大きく関係していることがわかってきた。禁煙は、肺がん予防の第一歩である。
大気汚染による発生もあるようだし、アスベスト(石綿)やニッケル、クロムなどの工場労働者にも発生率が高いことが知られている。
肺がんは、0歳以上の人に多く、他のがんに比べて「高齢者のがん」といわれる。

男女別では3対1で男性に多いが、これは契煙や生活環棲現などの影響が大きいと考えられており、女性の喫煙が増えているのでこの差は縮まってくるだろう。
禁煙はこちら。

せきとたん、特に血たんには注意しなくてはいけない。もっともこれらの症状は「肺門部肺がん」にかぎられる。がんによって気管支が刺激され、これらの症状が早くから出る。

レントゲンに異常が現れるより早いことが多い。がんが進むと、気管支ががんによって狭くなったり、つまるために、その部位の末梢肺に「閉塞性肺炎」や「無気肺」と呼ぶ異常がおこることがある。
このあたりまでに発見されれば治る率は高い。

「肺門部肺がん」とはちがって、初期にまず自覚症状が出ないのが「肺野部肺がん」である。がんが広がり、肺の外側を包む胸膜をがんが破って初めて胸痛やせきが出るが、ここまで進んでいるとかなり危険だ。もっともこの「肺野部肺がん」は直径1~1.5センチ前後の早期でもレントゲン写真に影をおとすので、定期検診さえ受けていれば早期発見が可能である。

肺がんの診断

肺がんの検査は、胸部レントゲソ撮影と、たんの細胞診が中心である。簡単で苦痛も少ない。CTスキャナーによる検査もおこなわれるが、これで9割は「疑わしきもの」が発見できる。

ただし、がんである「確定」には、気管支に気管支ファイバースコープを入れ、肉眼で観察し、さらに細胞をこすり取って検査をおこなう。肺門部より先の部分に「怪しいもの」がある場合は、細いブラシを肺に挿入して細胞をこすり取る。
以上の検査で、10割近く診断がつく。

肺がんの治癒

がんは正常な細胞が悪玉に変身したもの。そこで、どのような細胞、組織から変身したかによってがんの種類は区別される。また、それにより進行度や悪性度が異なる。肺がんの組織についていえば

  1. 扁平上皮ガン(35%)
  2. 腺ガン(45%)
  3. 小細胞ガン(15%)
  4. 大細胞ガン(5%)t

の4種類。

「肺門部肺がん」に多いのは扁平上皮がんで、これは比較的転移が遅くタチがよい部類に入る。「肺野部肺がん」に多いのは腺がんで、発育は遅いが転移しやすい。
もっとも、治癒率は扁平上皮がんと同じで治しやすい。とりわけ悪性度が高いのが、小細胞がんである。発育が早く、2週間で10%も大きくなることもある。
そのため半年に1度の定期検診では、網にひっかからないことが多い。
肺がんの進行は四期に分けられている。Ⅰ期はがんが肺の中に止まっているもの、Ⅱ期は肺門のリンパ節にまで転移しているもの、Ⅲ期は縦隔リンパ節という場所にまで転移しているもの、あるいは胸膜の外まで広がっているもの、Ⅳ期は遠くの臓器にまで転移してしまったもの。

治療は、手術が原則。手術ができるのは、Ⅰ期とⅡ期、Ⅲ期の一部までだが、小細胞がんの場合は、Ⅲ期までとされている。手術に際して大事なことは、患者さんの呼吸機能になる。
肺はいくつかの「葉」状のものからできているが、右肺は三業、左肺は二葉に分かれている。

手術はがんの含まれる「葉」の単位で切除する。範囲が広い場合は片肺全部を切除することもある。こうなると手術後は肺活量の低下が激しくなるので、もともと肺機能が弱い人やぼかに重い病気を抱えている人は手術ができない。

しかし最近では、がんを切除したあと残った健康な部分の気管支をつなぐ「気管支形成術」という方法もおこなわれるようになり、肺の機能低下を最小限に止められるようになった。

また、新しい試みとして注目されているのが、レーザー治療と温熱療法である。レーザー治療は、高齢者や手術が難しい早期の肺門部肺がんの人におこなわれている。
この治療では、あらかじめへマトポルフィリン誘導体という光に過敏に反応する薬物を注射しておく。この薬物はがん細胞によく取り込まれるので、鼻から挿入した気管支ファイバースコープで患部をのぞきながらアルゴンダイレーザーを照射すると、がんの部分にこの光エネルギーが集中し、酸化作用によってがんが殺せるというものだ。

気管支ががんでふさがりそうになったときに、アルゴンダイレーザーの100倍の出力をもつヤグレーザーで患部を焼き広げることもある。

温熱療法は、がんが熱に弱い性質を利用したもので、局部的加温と全身加温の2つの方法がある。しかし単独では効果が薄く、放射線療法や抗がん剤との併用なら効果があるとされるが、肺がんでの本当の評価はまだこれからである。

放射線療法や抗がん剤は手術できないケースでおこなわれているが、あまりよい成績は上がっていない。ただし小細胞がんについては、ときに抗がん剤がよく効くことがある。

肺がんの5年生存率は残念ながら手術できない人も含めて全体で約15%にすぎない。したがって、根治手術が可能な段階で発見することが大事。

おおざっばにいえば、肺門部肺がんはⅩ線写真にがんそのものの影が写る前、肺野部肺がんは直径1.5センチ以下で肺を包む胸膜に出ていないもの、それに転移がなければ5年生存率は80%以上にのぼる。

少なくとも「Ⅰ期」で手術を受けれは、5年生存率は62%と、半数以上は治る。

脂肪肝、肝炎、肝硬変を追放するのは「強肝草エキス」

急増する脂肪肝はアルコールを飲まない人でもなり肝臓ガンの原因になると判明

脂肪肝とは、肝臓(主として肝細胞)に多量の脂肪が蓄積する病気です。脂肪肝について詳しくはこちら。

脂肪肝の多くの原因は、一般的に肥満とアルコールです。現代人に多い、食べすぎとアルコールの飲みすぎは肝臓での中性脂肪の合成を促します。しかし、その一方で、やせすぎてたんばく質が不足しても脂肪肝になることが知られています。肥満体の人だけでなくやせの人にも最近は病気の原因が潜んでいることが明らかになってきました。

脂肪肝はこれまで、注意が必要ではあるけれども、生命には別状のないものと考えられてきました。しかし近年の研究で、脂肪肝の一部は肝炎・肝硬変・肝臓ガンを招くこともある、危険な病気であることが判明したのです。
脂肪肝から肝炎・肝硬変・肝臓ガンへと進行するしくみは次のとおりです。全身の細胞のひとつひとつには、トコンドリアという器官があり、細胞が生きていくために必要なエネルギーを作り出すという、とても重要な働きをしています。
当然、肝細胞のにもミトコンドリアが存在していますが、脂肪肝になって肝細胞に脂肪がたまると、ミトコンドリアは中性脂肪を減らすために燃焼させようとします。このときに活性酸素が発生します。この活性酸素によってミトコンドリアそのものが傷つくとともに、中性脂肪が有害な過酸化脂質に変わります。

過酸化脂質によっても、ミトコンドリアは傷つけられるのです。こうして肝細胞にあるミトコンドリアが傷つけられると肝炎が起こります。肝炎をくり返していると肝臓の線維化が進みます。線維化とは、肝臓の細胞と細胞の問にコラーゲンというたんばく質の一種が蓄積していく現象で、線維化が進行すると肝硬変を起こします。また、活性酸素は肝細胞のDNAを傷つけて肝臓ガンの原因にもなります。このように肝炎・肝硬変・肝臓ガンへと進行する脂肪肝はNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)と呼ばれ、脂肪肝の1割が占めています。痩せている人でも危険性があることを知っておきましょう。

脂肪肝・肝炎には強肝草エキスが最適で高い肝機能値を下げて進行を抑える

脂肪肝になったら、食べすぎや飲みすぎをやめて、適度な運動を続けて脂肪を燃焼させることが大切です。もし脂肪肝から肝炎への進行が心配なときに、活躍が期待されているのが強肝草エキスです。強肝草エキスは、垂盆草という薬草の有効成分を凝縮したものです。
強肝草エキスの原料である垂盆草は、ベンケイソウ科キリンソウ属の多年草で、中国では古くから肝臓病を改善する漢方薬として重宝されてきました。肝臓は薬物を代謝・無毒化する臓器のため、肝機能が低下すると薬が効きすぎたり、通常は毒性がないはずの薬物に強い副作用が生じたりするおそれがあります。こうした重要な臓器である肝臓を対象にした薬物や健康食品を使用するときには、慎重さが必要とされます。その点、垂盆草は中国の大学や病院で正式に肝臓病の治療に用いられて、すでに30年以上の実績がある生薬であり、安全に使用できることは確認ずみです。
中国では肝臓病を改善する垂盆草の薬効が注目され、国家的規模でその研究が行われてきましたが、特に肝臓病との関連では次のような効果が確認されています。

  • 短期間でALT(GPT)を著しく下げる。1~ヶ月で70~90% の確率で大幅に下げる。
  • 軽いむかつきがごくまれに起こることがある程度で、副作用はほとんどない。
  • インターフェロンや抗ウィルス薬と併用しても安全性に問題はない。病院との治療が併用できる点は大きな安心です。

中国内の多くの研究機閑が参加して大規模な臨床試験などが進められ、これらの結果が得られましたが、こうした効果は垂盆草の成分中に豊富に含まれているサルメントシンという配糖体(糖が結合した化合物)が肝臓の炎症を強力に抑え、傷害を受けた肝細胞の修復を促進するためであると報告されています。

脂肪肝や肝炎が心配な人はまず病院で診察を受けることが重要です。もしも治療や生活習慣の改善が思うようにいかない場合は、強肝草エキスなら安全に使用することができます。強肝草エキスは、肝炎患者の会でも使われており、高い効果が確認されているのです。

B型・C型肝炎、脂肪肝が急増中、防ぐには強肝草エキス「肝宝垂盆草」で肝細胞の強化と糖・脂肪の節食

乳がん「大きさよりリンパ節」

乳がんの現状

  1. 乳がんは、この20~30年で発生数は3倍、発生率は2倍に増加した。
  2. 閉経後の高齢者の乳がんは、閉経前のがんよりやや生存率が低い。
  3. 自分で発見しやすいがんなので、日ごろから自分の乳房の状態をは把握しておく。
  4. 乳房のしこりは、60歳以上ではがん、25五歳以下では、良性の線維腺腫が多い。更年期前後には、乳腺症や嚢腫が多い。
  5. もっとも発生しやすいのは、乳房の外側上方である。
  6. 治療後の10年生存率は、進行がんも含めて約7割であり、他のがんに比べて治りやすい。
  7. 治療成績は、がんの大きさよりもリンパ節転移のあるなしが問題なので、と悲観する必要はない。
  8. 男性にも少ないながら乳がんがある。
  9. とくに高齢者は、肥満を防止することが乳がんの予防になる。
  10. 乳がんの経験者は、反対側の乳房にもがんが発生することが多いので、定期的な検診を続けること。

乳がんのできる場所

乳房は、乳腺と脂肪、これらを支える支持組織の3つの部分によって構成されている。乳汁を作り分泌するのが乳腺で、乳房には乳腺が乳頭を中心に15~20の葉を放射状に並べたように構成されている。
その間を埋めて乳房のふくらみを作っているのが脂肪組織である。
乳がんは、乳腺にできるがんである。がんがおこる場所を乳房の正面からみると、乳房の外側上方が約5割で、あと、内側の上方、中央(乳頭、乳輪の下)、外側の下方、内側の下方、全体におよぶものの順になっている。

できやすい人

乳がんは、ここ20年ほどの間に急増している。大きさの大小にかかわりなく、転移の早いものもあり、早期発見が治療のきめてである。また、発病のピークは閉経前の40歳代後半が中心だが、最近は閉経後の乳がんが増えている。

乳がんの発生は遺伝的な要素があるといわれており、母親が乳がんだった場合に娘が発病する率は通常の2倍。しかしもっとも関係が深いのは、生活環境である。脂肪(とくに動物性脂肪)の摂取量が多い国ほど、乳がんの発生率は高い。

個人別でも動物性脂肪の摂取量の増加に応じて、乳がんの発生率も増えている。乳がんが独身者や出産経験のない人、子どもの数の少ない人、高齢出産者に多いのは、このがんが女性ホルモンと関係が深いためである。

妊娠・出産・授乳は、長期間にわたって生理(月経)を止め、女性ホルモンの分泌期間を短くすると同時に乳腺細胞を分化させる。その結果、女性ホルモンの影響でおこる乳がんの発生率を下げる。

しかし、現代の女性は初潮が早く閉経が高年齢化しているため女性ホルモンの分泌期間が長く、それだけ乳がんの発生を増やしていると考えられている。

肥満との関係もある。標準体重の人と比べ、20パーセント以上の肥満者では30~50歳代で、1.3倍も乳がんの発生率が高い。60歳以上になると、その率は2.5倍にはねあがる。

これもホルモンと関係がある。副腎から分泌されるアンドロゲンという男性ホルモンの一部は、皮下脂肪のなかで女性ホルモンに変化する。そのため、肥満者の血液中の女性ホルモンの濃度は高くなるのである。
閉経期を迎えた60歳以上の女性は、卵巣からの女性ホルモンの分泌が止まるが、肥満があると女性ホルモン濃度が下がらず、乳がんの発生率をはねあげてしまうのである。

自覚症状

しこりの自己発見は簡単にできるので、自分の乳房の状態を定期的にチェックすることである。乳房の状態は生理周期にともなって変化するので、そのときどきの正常な状態をつかんでおく。

そうすれば、1センチ以下のがんでも自分で発見できる。乳房にクリクリしたしこりや硬いゴリッとした感触があれば、乳がんを疑う。
がん(cancer)の語源は「蟹」だが、これはは、乳房に硬いがんができて広がったさまがカニの姿に似ていたからである。
皮膚のひきつれ、エクボのような「くぼみ」、乳首のただれで発見されることも多い。
痛みが出たときには、すでにしこりができているのがふつうである。
もっとも若い人の乳房のしこりは線維腺腫が多く、中年期の人でも乳腺症や嚢胞によるものが多いので、むやみな不安を抱くより、診察を受けることだ。発見さえ早ければ、これはど治りやすいがんはない。

診断

専門医は、指でしこりにふれるだけで約70パーセントはがんと診断がつくが、確実な方法として「マンモグラフィ(乳房Ⅹ線撮影)」による検査がある。

レーガン大統領のナンシー夫人も、これによって乳がんを発見した。上下、左右から乳房を圧迫してレントゲン写真を2枚撮影する。
軟組織でできている乳房は通常のレントゲン撮影でほ内部のようすを鮮明にはとらえにくいが、マンモグラフィなら微妙な変化( 石灰化など)まで写すことができる。ただし、マンモグラフィに映らないガンもある。これはエコーで確認することができるので、健診はマンモグラフィとエコーをやってくれるところがよい。

疑いのある塊が発見されると、その部分をねらって超音波診断をおこなう。ここまでの段階で95パーセント、診断がつく。最終確認が、塊に針をさして採った細胞を顕微鏡でみる細胞診や、しこりの一部をとる組織生検である。

サーモグラフィという乳房の温度分布を赤外線でとらえる診断装置も使われる。がんは、正常部分より温度が高いので、温度差からがんを突き止める。
また、乳管に造影剤(胃検査のバリウムにあたる)を注入してレソトゲソ写真を撮ることやCT 、MRIの検査をすることもある。

がん治療の現状

治療成績はがんのしこりの「大きさ」よりも、「リンパ節転移のあるなし」と「転移したリンパ節の数」に左右される。乳がん全体の10年生存率は、転移のないものでは89パーセントだが、転移があると52パーセントと大きく減少してしまう。

リンパ節転移の数が多いほど10年生存率は低下する。それに対して、がんが「大きく」ても転移がなければ10年生存率はかなり高い。
乳がんの進行は、タイプによって若干異なる。乳がんのタイプは、周囲の組織を圧迫して波紋のように広がっていく「限局型」、包み込むように周囲を侵していく「浸潤型」(「硬がん」ともいう)、それらの「中間型」、の3つに分けられる。

このなかでどちらかといえは転移しやすいのが「浸潤型」で、治療成績もいくぶん低い傾向にある。閉経後の乳がんにこの硬がんが多いため、悪性度蓋いといわれるゆえん。

だがその「差」は問題にするほどのものではない。やはり、転移がおこる前に発見できるかどうかが治療成績を左右する。浸潤型は脂肪の間に木片があるように硬く触れるのに対し、限局型ほ硬がんよりやわらかいしこりが触れるが、こうした区別は素人にほむずかしい。乳がんが進行すると、乳房のなかで離れたところに新しいがんができることがあるが、なんといっても困るのは転移である。

血管ルートの転移では骨への飛び火がもっとも多く、ついで肺や肝臓、脳などへの転移がつづく。乳がんだから乳房だけの病気と思ったら大まちがいで、進行するにしたがって骨や脳までもがんに侵されていく。

乳がんは「転移の多彩さが特徴」といわれるほどである。治療は、手術による「乳房切除」が中心で、放射線療法や化学療法、ホルモン療法などがあわせておこなわれる。

もっとも最近は、ごく早期の小さいがんが発見されるようになったこともあり、小さな切除ですむ場合も出てきている。乳がんの手術には、次の3種がある。

乳がん手術後の最大の問題は、女の証である乳房を取り戻したいという願望である。補正用パットも各種市販されているが、注目を集めているのが乳房再建術である。
シリコンなどを胸の筋肉下に挿入したり、背中や腹部の筋肉を胸に移植して乳房をつくる。だが、筋肉の移植手術はかなり大がかりになるし、期待が大きいだけに手術結果に失望するケースも少なくない。
このため、再建手術を受けるときはほ、事前に手術方法や手術後の回復程度などを医師と十分に話し合っておく。また、がんの再発は3年以内が多いが、5年以後というケースもあるので、手術後の定期検診を欠かさないことだ。
乳がんについてさらに詳しい情報は
サイト名:乳がんの教科書
URL:https://malignant-tumor.com/breast/

乳ガンの治療は、リンパに転移する前に治療してしまう

他のガン同様に早期発見が重要です。ブレストケアグローブは乳房をチェックする自己検診補助用具です。3ヶ月ごとに入浴の際にチェックしましょう。

ブレストケアグローブは乳房をチェックする自己検診補助用具。グローブを着けることにより、指とバストの摩擦を減らし指先の感覚を非常に敏感にすることができます。
「乳房に痛みも、違和感も無いから大丈夫!」そんな方も要チェック。

乳がん改善例

喉と甲状腺のガンを治すポイント 酒、たばこの害が大きい

喉のガン、甲状腺のガンの状況

  1. 喉頭ガン、咽頭ガンは男性に、甲状腺がんは女性におこりやすい。
  2. のどのガンは全般的に見れば治りやすいものが多い。
  3. 喉頭ガン、咽頭ガンはタバコが、咽頭ガンは酒の飲み過ぎが重大な危険因子。
  4. 喉頭ガンは声が変化し、咽頭ガンは食物を飲み込むときののどの感触に違和感がある。
  5. 甲状腺ガンは女性に多いが比較的良性で、男性は数は少ないが悪性のものが多い。
  6. 甲状腺がんは年齢が高いほど悪性になる傾向がある。
  7. 喉頭ガン、咽頭ガンは放射線がよく効くが、甲状腺がんほあまり効かず、手術中心。
  8. のどのガンは、声帯を取るケースが少なくないので、手術後のリハビリが重要になる。

のどと甲状腺のガン

のどのガンには、喉頭ガンと咽頭ガンがある。咽頭がんの一部ほ鼻の奥にできるものもあるがひとつながりの器官なのでいっしょに述べる。喉頭ガンも咽頭ガンも男性の死亡者が圧倒的に多く、男性の死亡者ほ女性の3.1倍~7.9倍にものぼる。のどに近い甲状腺におこる甲状腺がんは、女性が圧倒的に多く、死亡数は男性の2倍を超える。

咽頭ガン

場所

首の真ん中、男性ではのどぼとけの部分にあるのが咽頭である。喉頭は軟骨でできていて、声を出すための器官、声帯を包んでいる。
この咽頭や声帯におこるのが喉頭ガン。
咽頭がんにはガンができる部位によっていくつかの種類があり、もっとも多いのが声帯にできる「声門ガン」である。声帯の上をおおう喉頭蓋にできるのが「声門上部ガン」、気管に近い喉頭の下の部分におこる「声門下部ガン」などもある。

男女比

男性が女性の10倍も多い。同じ咽頭ガンでも国や地域で起こるガンの種類が異なる。先進国では、声門ガンが多く、開発途上国では声門上部がんが多い。日本では昭和40年代に入って先進国の声門ガンが増えはじめ、現在では6割がが声門がんで、残りが声門上部がん。

声門下部がんはほとんどない。最大の原因がタバコであることはまちがいない。このがんの患者の9割以上が1日に16本以上のタバコを吸うヘビースモーカー。

女性の喉頭がん患者では、ほぼ100パーセントが喫煙者で。

タバコ指数(1日の喫煙本数× 喫煙年数)が800を超える人、10代からタバコを吸い始めた人はこのがんになる可能性がある。大声の出しすぎ、大気汚染などもー困と考えられている。
喉頭ガンの発生と、患者の住所、職業、学歴などの関連を調査し、このガンが関西に多いことを明らかにした調査もある。関西人は大声でしゃべるためではないかという指摘は興味深い。

自覚症状

もっとも多い「声門がん」の初期症状は、声の変化になる。しわがれ声、声がれがおこる。風邪やのどを酷使しても同じ症状が出るが、がんの場合ほ2~3ヶ月以上も続き、だんだんひどくなる。

大きさが米つぶ大のがんでも、声がれほおこる。進行すると呼吸困難になったり、血痰がでる。「声門上部がん」は症状が出にくく、声がれがない人もある。
人によっては初期に食物を飲み込む時に痛みや異物感を覚える場合もあるが、だれもにそういう症状が出るわけでほない。

診断

「声がかれる」と、通常は耳鼻咽喉科を受診する。ここでは、間接咽頭鏡という器具で診断する。声帯の形状を詳しくみるが、喉頭がんの発見率ほ高い。
話し声をマイクで採りソナグラムという機械で声の質の分析もする。同じに聞こえるしわがれ声でも、機械で分析すると、がん、ポリープ、カゼなどの区別がハッキリする。ファイバーースコープで直撃みたり、Ⅹ線診断が併用されることもある。

治療の成果

喉頭がんの5年生存率は7割を超える。進行がんを含めてだから、かなり治りやすい。半分以上を占める声門がんは、放置しても2~3年は生きられるので遅れても絶望的になることほない。
転移も少ないが、声門上部がんのはうは手術後にくびのどこかに転移することが多く、治療成績もやや悪い。喉頭がんほ進行するにつれて声帯を圧迫するので、しわがれ声になる。したがってこのがんは、声帯や声門にどれくらいにがんが浸潤しているかで進行度がはかられる。Ⅰ~Ⅱ期ではがんが声帯から声門に浸潤し、次第に声帯の動きが悪くなる。Ⅲ期になると声帯がほとんど動かなくなり、声がれがひどくなる。Ⅳ期になるとがんほ喉頭を突き破って食道近くまで浸潤する。

頭がんは、放射線治療がよく効く。Ⅰ期なら放射線だけで約9割は治る。Ⅱ期でも、やほり放射線治療が中心である。レーザー光線でがんを焼いて小さくし、その後に放射線を照射することもおこなわれている。
Ⅲ期以上になると放射線はあまり有効ではなくなり、切除手術が必要になる。声帯を全部摘出するが、5年生存率は、6割以上である。
この場合、声帯が失われるので、声の回復訓練が必要となる。一般的なのほ、食道を使って声を出す方法(食道発声という)で、3ヶ月の訓練で日常生活に支障のない程度まで発声が可能になる。

わが国では喉頭がんで声を失った人たちが「銀鈴会」という組織を作り、お互いに声の回復訓練をしているが、なかには大勢の聴衆を前に演説ができるまでに声を取り戻した人もいる。
最近は、ほとんど訓練を必要とせず、小さな声を増幅する電気喉頭や、声帯を摘出した穴と食道を小さなプラスチックのチューブでつないで話す相手に声がよく聞こえるようにする「TEシャント」という装置も開発され、普及し始めている。

咽頭ガン

咽頭ガンができる場所

鼻と口は、舌のつけ根の奥、頸椎の前で合流し1本の管になる。この合流地点が咽頭( のどぼとけ)。咽頭の下は食物の通路(食道)と空気の通路( 喉頭と気管)に分かれる。

咽頭がんは、この鼻と口の奥の合流点を中心におこる。鼻の奥の上部におこるのが「上咽頭がん」、その下、舌のつけ根の奥、へんとう腺におこるのを「中咽頭がん」、食道に近い下のほうに発生するのを「下咽頭がん」と分けている。発生部位によってがんの性質が異なり、治療法もかなり異なってくる。

かかりやすい人

女性の2倍おこりやすい。下咽頭がんの死亡者では、男性346人に対して女性74人と、男性のほうが約5倍も多い。上咽頭がんは中国、台湾、香港、中国系住民の多いシンガポールなどにとても多いため、「ホンコソ・キャンサー(香港がん)」と呼ばれる。

この地域は「EBウィルス」というウィルスのキャリア( 保有者)が多いので、それと関係があるのではないかといわれている。

下咽頭がんは、酒好きの男性や肝臓障害を持つ人に多く、酒がかかわっているとされる。女性では、鉄欠乏性貧血が疑われている。この健康異常が続くと、のどや食道の上が狭なるため、食物を飲み込むときのどに刺激が加わり続け、がんの引き金になると考えられている。

自覚症状

鼻の奥にできるので、鼻づまりがひどいような感じがある。飛行機が高度を下げたとき、耳がつまる感じがあるが、それと似た症状も多い。耳のなかが痛い、聞こえにくいといった中耳炎と似たような症状もおこる。そのため軽い中耳炎と誤診されることが少なくない。ちゆユノじえん下咽頭がんでは、のどの通過障害がおこる。のどに軽度の痛みや食物を飲むときにつかえる感じがあり、長く続くようだったらこのがんを疑う。
こうして診断する上咽頭がんでは、「後鼻鏡」という小さな鏡を使った上咽頭部の視診がまずおこなわれる。
細いファイバースコープを挿入しての視診も、広くおこなわれるようになった。ガンが頭蓋底にまで広がると脳神経に影響が出るので、脳神経の機能検査もたいせつな診断である。
がんの疑いがあれば、Ⅹ線撮影や組織の一部を切り取って調べる生検(バイオプシー)もおこない、診断を確定する。下咽頭がんも、まず鏡やファイバーースコープでの視診が第一だが、下咽頭は構造が複雑で、ちょっとした刺激にも反応しやすいので、先にⅩ線撮影をおこない、がんの疑いの部分をハッキリさせてからファイバースコープなどでみることが多い。

治療の成果

上咽頭がんの5年生存率は5割だが、下咽頭がんは3割にとどまみぶんかっている。この治りぐあいの差は、上咽頭がんが「未分化がん」という種類であるため放射線治療で治しやすいのに対し、下咽頭がんは「分化がん」という放射線が効きにくいタイプのがんだからである。

上咽頭がんのなかには、がんが上部に広がり、限の運動をコントロールしている神経(外転神経を侵し、視力低下や眼球圧迫をひきおこすものもある。
脳にまで進むと、脳神経に異常をもたらす。肝臓などへの転移も珍しくない。下咽頭がんはくびのリンパ節への転移がとても多く、6~7割にみられる。上咽頭がんには放射線治療がたいへんよく効く。
進行がんでも、かなり効く。台湾では、医者は放射線治療用のコバルト照射機械を一台持っていると、一生メシが食えるといわれるほど。

鼻の奥で摘出がほとんど不可能なため、手術はまずおこなわれない。咽頭から離れた部分に転移がある場合は抗がん剤が併用されるが、5年生存率は5割を割ってしまう。

下咽頭がんは放射線治療が効きにくいので、切除手術が中心になる。下咽頭から喉頭、食道の上の部分までを大きく切除することが多く、がんが広がっているときは食道を全部切除する場合もある。
こういう大きな切除手術では、同時に再建手術もおこなわれる。切除部分に腸の表を移植して、のどの機能を代用させるのである(空腹移植)。
発声に重要な喉頭を摘出するので、残った組織や、移植した組織による発声訓練が欠かせない。

甲状腺がん

甲状腺ガンの場所

甲状腺は、喉頭を囲む臓器である。正常では人差し指の第2関節の先ほどの大きさで、形は蝶や西洋の楯に似ている。英語では「サイロイド」(楯)と呼ばれ、小さな臓器だが、役割は、大きい。
脳から指令を受けて、甲状腺ホルモンを分泌しているからである。このホルモンは、人間の発育や成長、エネルギー代謝を司っている。

甲状腺の活動がにぶり、ホルモン分泌が減少すると、からだがだるくなったり、成長が阻害される。反対に機能が異常に克進すると、発育異常をおこす。甲状腺はまた、「カルシトニン」というホルモンを分泌している。

これは、からだのなかのカルシウムのバランスを保つ働きをしている。よって、甲状腺の機能が低下し、カルシトニンの分泌が減るとカルシウムのバランスが悪くなり、骨がもろくなる。ここにがんがおこり手術を受けると、甲状腺ホルモンの分泌の異常がおこり、さまざまな障害をひきおこすことがある。

甲状腺ガンにかかりやすい人

きわめて多いがんで、日本人の10人にひとりはこのがんをおこすともいわれている。もっとも大半は、自然に消失してしまう。ごく小さな甲状腺がんが、はっきりがんといえるまでに成長するのは、そのうちの100分の1、つまり1000人に1人程度で、しかも実際に症状が現れるようながんはさらに少なくなる。

男女比では、女性に多く、男性の7倍にもなり「甲状腺がんは女のがん」とさえいわれる。だが男性の甲状腺がんは悪性のものが多いため、男性の発生率は、小さいのに死亡者数では、女性の2倍弱と多い。

どの年齢層にもおこるが、高齢者ほど悪性で治りにくい。このがんは、スイス、オーストリア、ドイツ南部などアルプスの山岳地帯に多かった。これは甲状腺の機能を正常に保つヨードが不足しがちだったからで、最近、食塩にヨードを加えるなどした結果、患者数は減ってる。日本人はヨードを多く含む海藻をよく食べる。そのため甲状腺がんが少ないとされるが、

ヨードの摂り過ぎもがんの危険因子となることがある。コンプやワカメも、そこそこに食べるのがいい。このがんは甲状腺の機能が低下していると発生しやすいため、慢性甲状腺炎の人の約2割が甲状腺がんになる。

放射線の被ばくも原因としてあげられる。放射線照射を経験した人は、未経験者に比べて高い。広島や長崎の原爆被ばく者の二〇パーセント以上に甲状腺がんがみられるといわれている。_、つこよノぎい高血圧などの治療に使われる「カルシウム括抗剤」を長期服用している人も、甲状腺がんの危険があるといわれる。この薬によってカルシウム代謝と関係深い甲状腺が機能変調をきたし、がんがおこりやすくなることがあると考えられている。また

甲状腺がんは、なやすい家系がある。とくに「膵臓がん」(がん組識はがん細胞とそのすきまを埋める問質からできているが、膵臓がんはとくにがん細胞がきわめて多い悪性のものを指す) になった者が家系にいるときは、注意しておいたほうがいい。

甲状腺がんは、がんの細胞の種類によって「分化がん」甲状腺の細胞とよく似た比較的良性のがんが「分化がん」と「未分化がん」に大別される。で、7割以上を占める。この分化がんは治りやすい。だが、細胞がギッシリ詰まり、巨大化してさまざまな悪さを働く「未分化がん」では、生存率は低くなる。

癌研病院での甲状腺がんの治療成績はきわめて高いが、未分化がんでは2年生存率がやっと7パーセントにすぎない。一般病院での未分化がんの治癒成績は、統計にもならないほど低いようである。このやっかいな「未分化がん」は「分化がん」が年齢を重ねるにつれて移行していくこともあるので、若い人の甲状腺がんは早期発見が高い治癒率のきめてになる。

男性の甲状腺がんが治りにくいのは、この未分化がんが多いからである。高齢者の場合もこれが多い。転移の危険性はがんが大きくなるにつれて増すが、はかのがんほど心配する必要はない。肺への転移後10年以上生存している人も珍しくないからである。一般に甲状腺がんは、おとなしいがんなのである。

自覚症状

自覚症状は少ないが、中年女性では、のどがいがらっぽい、声がかれるといった慢性甲状腺炎に似た症状がよく現れることがある。
だが、男性では自覚症状はほとんどでない。せいぜいのどぼとけのあたりに軽いしこりが出るていどである。男性は、女性に比べて甲状腺が低い場所にあってさがしにくいこともあり、発見は遅れがちになる。

診断方法

患部を触れる触診のみで、熟練医師は悪性のがんか良性の腫瘍かが判断できる。しかし早期のがんはしこりがはっきりしないので、診断はやはりむずかしい。
そこで、Ⅹ線撮影や細胞診、超音波診断などがおこなわれる。最近は細胞診と超音波撮影の組み合せで、直径5mm以下の微小ながんまで発見できるようになった。

甲状腺ガンの治療成績

ここまで治る手術で治す。放射線療法や抗がん剤による化学療法は、あまり効果がない。甲状腺がんにかぎらず、「おとなしいがん」は、放射線や抗がん剤が効きにくい傾向がある。

切除手術は、がんの部分を中心に甲状腺の大半を切り取る亜全摘が多い。甲状腺と副甲状腺は、ホルモンを分泌したり、体内のカルシウムの代謝に欠かせない臓器なので、摘出後は機能を補う必要がある。甲状腺ホルモン剤やカルシウム剤、カルシウムを作るビタミンD剤などの薬の服用を左続けなけれはならない。

副甲状腺とともに気管や声帯を摘出した場合は、組織の再建術や、手術後に発声のリハビリテーションをおこなう。甲状腺がんは治りやすい。したがって医師としては、患者さんにがんであることを伝え、自信を持って治療を受けてもらいたいと思う。癌研病院でも、甲状腺がんの約6割の人にはがんであることを伝えている。